第139話 試合の流れ
『こちらで第二試合は終了しました。29対6ポイントでエテルシア魔術学園の勝利となります』
第二試合が終了し、エテルシア魔術学園が圧勝した。
「エテルシア魔術学園は強かったですね……」
「対戦相手のアルファード魔術学園は一番最初に強い選手を揃えてくる作戦みたいだったけれど、それでもここまで圧勝だったからねえ」
アルフォード魔術学園が勝利したのは的当て競技の第一、第二選手。ボード競技の第一選手の三試合といずれも早い試合だった。出場選手を普通とは逆の順番に揃えてきたらしい。
本気で勝ちに行く場合はこれも戦略のひとつだが、それでもエテルシア魔術学園の実力の方が圧倒していた。特に戦闘の競技は順番を変更してきたにもかかわらず全勝している。さすがというべきかイグニス学園長も実戦を想定した教育方針らしい。
「……やはりユリアス様の魔術は圧巻でしたね」
「相手選手はまともに戦うことすらできておりませんでした」
後ろの座席にいるエリーザとソフィアがユリアスの試合内容を見てそう呟く。
相手がアルフォード魔術学園の代表選手の中では力量の低い選手であったとはいえ、相手の魔術は一切通さず、ユリアスの得意な水魔術によって一瞬で決着がついた。とはいえ、それはエリーザにも言えることであって、先の試合ではエリーザの圧倒的な魔術の質と量によりこちらも一瞬で決着がついていた。
ちなみにユリアスの試合が終わったあとにこちらの席の方へ手を振っていたのはユリアスの性格上、別に煽っていたわけではないだろう。まあ、ユリアスらしいと言えばユリアスらしい。
次の第三試合は今戦ったエテルシア魔術学園とベルトルト魔術学園、そして第四試合はうちの学園とアルフォード魔術学園か。特に第一選手と第二選手は苦戦するかもしれないが、これもいい勉強だ。ぜひ全力を尽くして頑張ってほしいものである。
『第四試合が終了しました。27対8ポイントでバウンス国立魔術学園の勝利です』
「すごい、皆さんすごいです!」
「うん。これで2勝だから、少なくとも準優勝が決まったね!」
「ああ、みんなよくやってくれたな」
第三試合は33対2ポイントでエテルシア魔術学園の勝利となり、続く第四試合はうちの学園の勝利となった。
これでうちの学園とエテルシア魔術学園が2勝ずつなので、準優勝以上が確定した。次の試合で勝った学園が優勝となる。生徒たちは本当によくやってくれた。これでバウンス国立魔術学園の評判は多少なりとも上がるだろう。
次の第五試合はベルトルト魔術学園とアルフォード魔術学園が戦い、勝利した方が3位となる。試合の終わった生徒たちを出迎え、ポーションで回復をしつつ、最後のエテルシア魔術学園との試合に備えてもらう。
「うう、負けてしまいましたわ……」
「ちくしょう、あと一歩だったのに!」
「アルフォード魔術学園は強い者から順に第一選手に登録していたようだし、ノエルダやガレスが落ち込む必要はまったくないぞ。それにまだ次の試合も残っている。悔しがっている暇はないぞ」
「「「はい!」」」
さすがに全勝とまではいかず、的当て競技とボード競技の第一、第二選手は負けてしまった。とはいえ、落ち込む必要はまったくない試合内容だった。
そもそも俺がこの学園に来た当初は酷い授業風景だったからな。それがたった数ヶ月で他学園の生徒たちと同等以上の戦いができるようにまで成長したことが素直に嬉しい。
「ゲイル様、次に勝てば優勝ですね!」
「ああ。次の相手はこれまでの2学園とはレベルが違うかもしれんが、俺様は絶対に勝つ! クネルとハゼンも絶対に負けるなよ!」
「「はい!」」
エテルシア魔術学園の試合を見て、ゲイルたちも気合を入れ直したようだ。こちらもそうだが、エテルシア魔術学園も戦闘競技では一戦も落としていない。ユリアス以外の選手もかなり実戦的な魔術を使っていたし、強敵であることは間違いないだろう。
「シリルさんとメリアさんもこれで最後です。頑張ってきてくださいね!」
「はい、全力を尽くしてきます!」
「頑張ります!」
「ベルンもファイトだよ。相手も手強いと思うけれど、ベルンの魔術とあわせて使う両手剣には慣れていないだろうから先手必勝だ」
「はい! ありがとうございます、ノクス先生!」
他のみんなもイリス先生とノクス先生から激励を受けている。これまでに2試合戦ってきたこともあり、すでに緊張はだいぶ解けているようだ。勝っても負けても今日はこの試合で最後になる。生徒たちがみな、悔いの残らない試合ができることを祈るとしよう。




