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【WEB版】異世界転生した元教師、【臨時教師】として崩壊した魔術学園を救う。『GA文庫様より11/15発売!』  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第124話 アドバイス


「わかりました。ギーク先生、ありがとうございます」


「ああ」


 図書室で生徒の質問に答える。


 この施設の図書室は様々な書物が置いてあり、魔術に関するものも多い。そしてそれに限らず、先ほどの合宿中であった聞きたいことについての質問にも受け付けている。どちらかというとそちらに関しての質問の方が多いようだ。


 とはいえ、この図書室内で魔術の使用は厳禁となっているので、実演することはできない。魔術の発動を検知する魔道具があり、大きな警報が鳴ってしまう。実際に実演する質問については明日実演するとしよう。


 図書室へは俺ひとりでいる。ノクスとイリス先生には先に海の方で遊んでいる生徒たちの監督をお願いした。ノクスにもちゃんと俺がそっちに行くまでは生徒たちをしっかりと見ていてもらうよう伝えていたから大丈夫なはずだ……たぶん。


「ギーク教諭、質問をさせていただいてもよろしいでしょうか?」


「ああ、もちろんだ」


 次に質問に来た生徒はエリーザだった。その後ろにはいつものメイド服姿のソフィアもいる。この施設にはメイドや執事連れのお客さんも数多く宿泊しているから、意外と目立ってはいない。


「実は先ほどのユリアス様とギーク教諭との模擬戦を拝見させていただき、新しい魔術を試してみようと思っております」


「……ふむ、そういうことか。もちろんエリーザが試そうとする魔術に対してはアドバイスをするが、ユリアスと戦うことを想定としたアドバイスはできないからな」


 ユリアスは魔術競技会で戦闘の競技に出ると言っていた。そして順当に行けばエリーザも同じ戦闘の競技に参加し、両学園の大将になる可能性が高い。


 あまりユリアスを意識するなとは伝えたが、さすがに意識せざるをえないだろう。


「はい。私は彼の魔術を目の前で見せてもらい、すでにだいぶ有利な状況にいることは自覚しております。私からもそのようにお願いをするつもりでした」


「ユリアスの方もエリーザを認識していたし、実際に魔術競技会で使おうとしていた魔術を見ていたようだから、それについてはそこまで意識する必要はないと思うぞ」


 俺が声をかけた際にエリーザのことを認識していたようだし、エリーザも王族として有名だから他の学園にも情報は自然と多く入っているだろう。情報についてはあちらも同じくらい持っているはずだ。


「それで、どんな魔術についてだ?」


「はい、実は――」




「イリス先生、ノクス、問題は起きてなさそうか?」


「はい、大丈夫です」


「うん、問題ないよ。さすがにみんなも魔術は限界まで使っているからね。大人しく海を楽しんでいるよ」


「ありがとう、助かったよ。ここからは2人も自由に楽しんでくれ」


 1時間ほど図書室で生徒たちの質問に答え、そのあとは着替えて海へとやって来た。


 特に問題などは起きていないようだ。俺1人でこれだけの生徒全員を監督するのは物理的に無理なので、2人がいてくれてとても助かっている。


「は、はい。といっても、私はすでに楽しんでいますよ」


「僕もだよ。やっぱり海はいいねえ~。それじゃあ僕は昨日知り合った人たちと会いに行こうっと!」


 ……ノクスは相変わらずだな。まあ、おそらくそれもいつもの諜報活動の一環なのだろう……だよな?


「そういえばギーク先生はユリアスさんとお話があるみたいですけれど、まだいいんですか?」


「ああ、日が落ちて生徒たちが大人しくなってからだな。こちらの仕事が優先だ」


 ユリアスは生徒たちの指導が終わったら俺と話したいと言っていたが、こちらは監督者として来ているわけだから、その責任を怠るつもりはない。日が落ちて海に入れなくなったら少しだけ話すつもりだ。


 もちろん生徒たちに何か起こった場合にはそちらが最優先となる。


「なんの話だろうね? もしかして、引き抜きとかの話かな?」


「ひ、引き抜きですか!?」


「いや、さすがにそれはないだろう」


 いくら侯爵家だからといって、合宿に来ている教師をその場で引き抜くなんて暴挙に出ることはないはずだ。それにユリアスもそういう性格ではないだろう。


 おそらく昼の模擬戦についてなんらかの質問があるといったところか。


「……もしも引き抜きだったとしても、さすがにバウンス国立魔術学園からエテルシア魔術学園に移るなんてことはないですよね?」


「ギ、ギーク先生が他の学園に行っちゃうのは嫌です!」


 背後からいきなり声がしたかと思うと、そこにはシリルとメリアがいた。海で2人で遊んでいたようで、その髪は濡れている。タイミング悪く、今のノクスとイリス先生との会話を聞かれてしまったようだ。


「その心配はないから安心しろ。たとえ相手が侯爵家として何か言ってきても、俺には関係ないことを知っているだろう?」


 たとえ相手が権力を行使してきたとしても、ガリエルの時のように何とかするだけだ。


「よ、よかったですう……」


「安心しました。ギーク先生なら大丈夫だとは思っていましたが、少しだけ不安でした」


「心配性だな。もちろんこの学園の生徒たちの情報なんかを話す心配もないからな」


「そうですか。……もし私たちを裏切るようなら皆さんに相談をして罰を与えるところでしたよ」


「……そんなつもりはないから安心してくれ」


 シリルの罰とか少し怖い……。いや、さすがに冗談に決まっているとは思うのだが。


 さて、このあとはユリアスの部屋へ行くのだが、なんの話だろうか。


いつも拙作をお読みいただき、誠にありがとうございます(*ᴗˬᴗ)⁾⁾


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