覚悟と意志
「意外に近いもんですね」
「新幹線に乗ったら結構すぐですよね。通えるくらいに」
「それはちょっと」
あれから宇都宮支部に到着するまでおよそ一時間半。現時刻は昼十二時を過ぎた頃だ。
良治の自宅からここまで来るのにかかる時間は蒔苗が言うように短く、おそらく東京支部に行くものよりも短い。新幹線を遣えばという前提はつくことになるが。
もちろんその分料金は数倍かかる。それを考慮すれば中々通うことはハードルが高い。
まだ宇都宮支部を最後に見てから一か月も経っていないが、それでもなんとなく懐かしい感じがした。ここまで濃密な期間を過ごしてきたからかもしれない。
(ここから、また始まったからかな)
強い印象が残っているのは、この場所から退魔士としての道を再度歩みだしたこと、そしてこの地での敗走はとても苦くつらい記憶があるからだ。今でも夢に見ることもあるくらいに。
宇都宮支部も先日行った福島支部と同じようにぱっと見は綺麗に整えられている。
良治が村雨を折られた場所に目を向けるが、そこにはもう戦闘の痕跡は残されていなかった。
「さ、どうぞ。それで申し訳ないのですけど、私は怪我してる人のところに行くので柊さんは薫さんの部屋に」
「わかりました。ではまたあとで」
玄関を入ってすぐのところで左側の道場へ行く蒔苗と別れ、良治は右側に進み薫の私室へと向かうことにする。
宇都宮支部防衛時に訪れていたので場所はもう覚えてある。あの時見取り図も見ているので迷うこともない。
誰ともすれ違うこともなく薫の部屋の前に辿り着き、良治は控えめにノックをした。
「あ、開いてるから入って」
「……」
中から薫の声が聞こえてくる。しかしそれは身近な誰かが来たかのようなのんびりしたもので、とても良治と理解して言っているような気がしない。
良治は迷う。ここですんなり開けてしまっていいのかと。
たぶん彼女は蒔苗が戻って報告に来たと思っているはずだ。
「……あの、東京支部の柊です。開けて大丈夫ですか?」
「ひ、柊さんっ!? わ、ちょっと待っててくださいっ!」
大きな声と同時にバタバタと物音が聞こえてくる。
予想通り良治とは思っていなかったらしい。やはりノックして正解だった。
「ど、どうぞ」
「失礼します」
カップラーメンが出来るくらいの時間が経ってから招かれ、今度こそ良治はドアノブをゆっくりと回して部屋に入った。
ピンク色の炬燵などは以前と変わらないが、少し乱れた長い髪と僅かに上気した薫の様子がおかしい。そしてそれを本人は気付いていない。
「い、いきなりでびっくりしました。ええと、お久しぶりです。この間は本当にお世話に――」
「あの、鷺澤さん挨拶の前に一つ」
「え?」
「……シャツのボタン、一つ掛け間違えてます」
「え? ……っ!?」
彼女の着ている薄いピンクのシャツが一つずつずれていて、一つ余ったボタンのその隙間から青い布地が見えてしまっていた。
薫は慌てて後ろを向き、もう一度ボタンを付け直していく。
(おかしい。俺はこういうことを避けようとしていたはずなのに)
先ほどの様子と現状を合わせて推理すると、きっと薫はあまり身内以外には見せないような恰好をしていたに違いない。
きっとあのまま入室していたならば、慌てた薫が転んであられもない姿を曝け出していた可能性もあった。
それを回避するために良治は安易に入らず、一度声をかけて許可を得た上で部屋に入ったというのに、何故か結局こんなことになってしまっている。
「ご、ごめんなさい。もう大丈夫です……」
「はい……」
振り返った薫が何故か謝る。なんと答えたらいいのかわからなかったのでとりあえず返事だけした。
「えと、改めてお久しぶりです。それでどうして柊さんが……?」
「手が足りないようでしたのでお手伝いに。蒔苗さんから聞いてませんか?」
「いえ……連絡は取っていましたが何も言っていなかったので、てっきり蒔苗一人で戻ってくるものだと……」
薫を驚かせようとしてわざと言わなかったのだろう。そういう茶目っ気や好奇心は年相応の女子と言える。やられた薫は怒るかもしれないが。
「言い忘れてたみたいですね。まぁそれはそれとして、良ければ協力したいと思ってここまで来たわけですが……お邪魔でしたか?」
「あ、いえそんなことないです! その、是非お願いしたいと……!」
「ではそういうことで」
断りにくい話し方をしたのだが、そもそも断るつもりはなかったようですんなりと話が纏まる。本当に戦力が足りていないのが伝わってくる。
「それでどうします? 時間はそちらに合わせますけど」
「えっと……どうしましょうか」
「あの、一応俺はお手伝いという立場で、鷺澤さんは支部長なので指示が欲しいんですけど」
まるであの事件の時と同じだ。
退魔士として一人前で、支部長としてもそれなりだとしても有事の際の行動には一抹の不安が纏わりつく。
「たぶん間違いなく柊さんにお任せした方が上手くいくと思うので」
「……まぁいいでしょう。やります。じゃあ魔獣と遭遇した時刻と場所、魔獣の姿かたちなど関係すること全部教えてください」
「は、はいっ」
薫が受けた報告を纏めると、魔獣との遭遇地点は栃木県男体山。魔獣は大きな黒い蜘蛛型で赤い斑点があるらしい。
遭遇したのは巡回中の宇都宮支部所属の退魔士二人。二人は男体山を道なりに進んでいたが、道中おかしな気配に気づき林の中へ。しばらく行くと巨大な蜘蛛がいたとのことだった。
二人では討伐は難しく、蜘蛛の脚を攻撃して動きを封じて報告に走ったと――こういうことらしい。
「なるほど、了解しました。じゃあ早速行きますか」
「え、今からですか? まだ人が多いんじゃ」
「だからですよ。聞いた限り、結構人が通る場所の近くみたいですから。上手くやれば目立たないで済むでしょうし」
人が多いということはそれだけ被害が出る可能性が高い。
しかしまだ陽のあるうちだと薫の言うように目撃される恐れは確かにある。
だが逆に言えば観光地なので明らかに怪しげな恰好や行動をしなければそうそう目立たない。あとは結界を張る時と消す時に注意すればなんとかなるだろう。
一つだけ問題があるとすれば、良治たちが魔獣を発見した時点で目撃者が既にいる場合だが、それはもう解決した後黒影流に任せる他ない。
普段表に出ない黒影流には対象者の記憶を一部消す術があり、今までほとんどの目撃者はその処置がされている。
しかし目撃や巻き込まれたことによって隠れていた才能が目覚める例もあり、その場合は当人や現場の退魔士によって対応が変わる。
その例の一つに和弥が巻き込まれた事件を良治が自分の裁量で処置をせず、この退魔士の世界に導いたことがある。
――あの時和弥の記憶を消さなかったことが良かったことなのか、それは今でもわからないでいた。
「そう、ですね。わかりました。では準備するので……」
「はい。では道場の方で待ってますので……って。まさか鷺澤さんも行くんですか?」
てっきり薫はここで待っていて、他の宇都宮支部員が同行すると思っていたのでまじまじと彼女の顔を見てしまう。どうやら嘘や冗談ではなさそうだ。
「まさかって言わないでください。……あの、そんな見られると」
「あ、すいません。失礼しました。それで、本当に一緒に行くんですか?」
「はい。私はここ最近ずっと支部で事務のお仕事しかしていませんでしたから。そろそろ実戦の感覚も戻しておきたいんです。それと……」
「それと?」
「いえ、なんでもありません。じゃあ用意しますので道場で待っててください」
「……はい」
後に続く言葉が気になったが無理して言わせることもない。必要があればきっと話してくれるだろう。
良治は良くも悪くも執着しない。良く言えば適度な距離を保つのが上手い、悪く言えば人や物事に関心が薄いのだ。
だから本人が話したくないことは強く迫って言わせたりはしない。それは良治本人がされたくないことの裏返しでもある。
――予想外の展開になってきた。
それでも良治のプランから大きくはズレていない。どうにでもなる範囲の出来事だ。
最悪一人でも終わらせることは出来る。
そう思ってしまう関心の薄さは他人を信頼しないということだ。
良治の信頼を得る。それは年単位の密接な関係と相応の実力がなければ無理なことだ。
それは宇都宮支部長である鷺澤薫にも当て嵌まり、当然得られていないものだった。
当たり前のように、自然に彼女を戦力として当てにせず、良治は道場へ歩いて行った。
「ええっ! 薫さんがついていくんですか……!」
「まぁそういう反応しますよね」
道場で怪我人の治療を終えた蒔苗のリアクションは有難く、良治の考えがおかしいものではなかったことの証明になりほっとした。
怪我人はもう自室に戻っているらしい。そこまで大きな怪我ではなかったようで安心する。
本来支部長クラスはそうそう現場には行かないはずだ。
後進の育成と事務作業でそこまでする理由がない。率先して現場仕事に参加するのは戦闘技能が高く、それで満足感を得られるタイプくらいなものだ。
「あ、いえ。たぶん柊さんが思ってるのと理由は違くて……」
「違くて?」
「あの……あ」
蒔苗の視線を追うように振り返ると、ちょうど今来たらしく道場の入り口に薫が立っていた。
「すいません、お待たせしました」
髪の乱れは解消されている。ボタンの大きなベージュのコートが似合う、とても可愛らしい姿だ。
「いえ。では行きましょうか」
「はい。蒔苗は留守番お願いしますね」
「……はい。あの、お気をつけて」
「ありがとうね。いってきます」
二人の間に何かの感情が行き交うが、それがどんなものなのかまではわからない。蒔苗は心配そうに、薫はそれを正しく理解して苦笑いを浮かべているように感じられた。
もしかしたら宇都宮支部員にだけわかる何かの事情があるのかもしれれないが、そこまで立ち入る勇気も理由も良治にはなかった。
「この辺ですよね」
「はい。ここからこっちの林に入ったはずです」
思っていたよりも人気の少なかった道から脇の林に目をやる。
そこには確かに、枯れ草が踏まれた痕跡があり誰かが立ち入ったように見えた。
報告のあった男体山の林を目指して来たが季節柄か予想よりは観光客も少なく、仕事には影響はなさそうだ。
「これなら別に服装に気を遣わなくてもよかったですね」
「ですね。申し訳ないです」
「いいですよ、ちょっとデートっぽくて楽しかったですから」
「そう言っていただけると助かります」
薫の衣服はまるで恋人とデートする時のような可愛らしいものだった。良治もいつもの黒シャツではなく、小ざっぱりとしたブルーのシャツに薄手のコートでなるべく目立たないような服装だ。
二人の服装は観光客たちの視線を意識してのことだったが全くの杞憂に過ぎず、逆に良治は申し訳ない気持ちになる。単純に仕事で動きにくいだけになってしまったのだから。これは良治のミスと言える。
反省をしながら周囲を見回し、誰もいないことを確認してから林に踏み入っていく。木々の密度は高く、容易に先を見通すことは出来ない。
夕方と言える時間帯に入り、もう周囲は薄暗い。冬の日暮れは早く、もう冬だが秋の日暮れはつるべ落としという言葉を良治は思い出した。
「気配を感じたら結界で」
「はい」
ややデコボコとした足場を選びながら後ろについて来る薫に指示を出す。この先はなだらかな下り坂になっていた。
結界は良治でも問題なく張れるが、ここは彼女に任せた方がいいだろう。その分良治は魔獣に労力を傾けられる。正面から相対するのは彼の役目だ。
「……緊張しますね」
「あまり気を張り過ぎないように。……緊張するようなら何か喋っていてもいいですよ」
普通なら良治が何か話題を出すのがスマートなのだろうが、残念ながらそういったトークスキルは持っていない。それなら彼女が話したい事を話して、それに相槌を打つ方が緊張が解れるはずだ。
「そうですね……じゃあ」
声のトーンが沈んだ気がしてちらりと後ろを見る。
初めて見る表情だった。無力感や絶望を感じさせる――後悔していることがあるような、過去を忘れられずに囚われているような、時間が止まってしまっているような、なんと声をかけたらいいのかわからない表情。
「――私、去年のあの事件から……外のお仕事をしていなかったです」
良治は彼女から視線を外して前を向いた。きっとその方がいい。
薫のつらそうな顔は見たくないし、彼女も見られたくはないだろう。
あの事件。彼女の言う事件に心当たりはある。彼女と再会する前に、車中で結那から聞いたあの件だろう。良治も大きなショックを受けたが、間近で身近な、当事者だった薫の衝撃は想像もつかなかった。
「柊さんは知ってますよね。まーくん……赤月政大が死んだことを。それも、私を庇って」
赤月政大。宇都宮支部所属の退魔士で良治とも顔見知りの――顔見知りだった退魔士だ。
良治がまだ高校生だった頃、関東で一、二を争う《暁の勇者》とも呼ばれた屈指の退魔士で、口は悪いがぶっきらぼうな優しさを見せる兄貴肌の男だった。
年下からの信頼も深く、それに応えられる実力もあり、そして鷺澤薫は――そんな彼の相棒だった。
「山中に幽霊が出る。そんなありきたりなお仕事を簡単に終わらせた帰り道のことでした。深夜の山の中、視界はとっても悪くて……その魔族の接近に、私たちは気付けなかったんです。
最初に私が襲われて、足を怪我をして動けなくなった私を庇うようにまーくんが魔族と向かい合って。まーくん一人なら逃げられたはずなんです。だって《暁の勇者》ですから」
あの頃の彼の姿を思い出したのか、少しだけ笑みが浮かぶ。
強くて格好良かった、在りし日の彼の姿を。
「でもまーくんはそんなことしませんでした。私を、誰かを残して一人で逃げるだなんて、そんなこと考えもしなかったと思います。
――でも、それでも逃げてほしかった。生き残ってほしかった。私なんて残して」
良治はそこまで赤月政大のことを知らない。長話をしたことも、一緒に仕事をしたこともない。ただ、そんな浅い付き合いでも決して彼がそんなことをしないだろうということは理解できる。それほど立派な退魔士で、男だった。
「もうこんなことを言っても仕方ないってわかってます。でも、相打ちになって倒れて……『良かった』って。その一言が最後の言葉になって……私は……」
ゆっくりと歩を進めながら彼女は想いを吐き出す。
涙声にはなっていないが、もしかしたら泣いているかもしれない。だがそれを確かめようとは思わない。
「まーくんを看取って、全部終わって……私は弱くて、何もできない人間だと思い知らされました。自信もなくなって、私は退魔士としてのお仕事が出来なくなってしまいました」
退魔士としての仕事。それは事務仕事ではなく、悪霊や魔獣討伐と言った現場仕事だ。それが出来る人間は少なく、力のある人間はそちらに振り分けられることは当たり前で、それは義務とも言える。
それが、出来なくなった。
「いつの間にか、あれからもう一年も経ってて。悲しくて、つらくて、落ち込んでいた毎日から少しだけ抜け出せて。私は私にできるお仕事を続けていこうと、そう思っていました。……この間までは」
「この間、までは?」
言葉に強さが感じられて良治は振り返った。
そこにはもう先ほどまで感じていた弱さはない。
「はい。霊媒師同盟の事件で、私はまた自分の弱さを痛感しました。それで……このままなんて駄目だって、みんなを守りたいって――まーくんのような『強さ』を得たいって、そう思ったんです」
「……そう、ですか」
「まーくんが死んだことは今でも悲しいです。でも、このままじゃ駄目なんだって、やっとわかったんです。
今日のこのお仕事は、その為の第一歩なんです」
その瞳に宿る意志の強さに良治は呑まれそうになった。
ここ存在するのは年下の女の子ではない。自分にできることだけをする諦めに堕ちた人間でもない。
彼女は、痛みと悲しみを知って、それを乗り越えた――退魔士だ。
「――失礼しました」
「え?」
「俺は鷺澤さんを侮っていました。甘く見ていました。本当に申し訳ない。――貴女は立派な退魔士だ。心からの謝罪を」
昔から知っていた年下の女の子。実力も一度も抜かれたことがなく、良治は彼女を退魔士としても人間としても下に見ていたことを自覚した。
だがそれは大きな過ちだった。今彼の後ろにいるのは誰憚ることもなく退魔士と言える、そんな立派な女性だった。
「わ、あの、いいですから! 今までの自分が駄目だったって、そういう自覚はありますからっ」
「いやいや。本当にすいません」
「もう、そんな柊さんに言われたら私どうしたらいいか……。このお話はここでおしまいですっ」
「了解しました」
これ以上言うとからかうことになりそうで、それはそれで面白そうだったが今は仕事中だ。謝罪の意味も込めて彼女の言う通り話を打ち切った。
このタイミング、この場所、そして良治に。
彼女がこの話をした理由はなんなのだろうか。そこだけが気になる。
(……支部の人間には言い辛かったのかな)
支部長になった経緯やタイミングを良治は知らない。
ただそれは間違いなく赤月政大の死と無関係ではないだろう。
(でも、結果オーライか)
現在薫は立ち直り、一皮剥けたと言える成長を遂げた。
誰が薫を支部長にという人事をしたかはわからないが、これで良かったように良治には思えた。
「……っと」
「いますね」
「結界を」
「はい。……って!」
密集した木々の間から落ち葉をガサガサと踏んで現れたのは、報告のあった通りの大きな蜘蛛。黒い体躯で背中に赤い斑点も確認できたので間違いないだろう。
良治は虫が苦手なのでその姿に顔を顰めた。見続けていたいとは思えない。
「大型犬くらいですかね。ちょっと気持ち悪い……」
「柊さん、そこが問題じゃないですよねっ!?」
「あんまり大きな声を上げると刺激しますよ」
「っ!」
口を押さえた薫を微笑ましく見ながら、ゆっくりと歩いて来る蜘蛛を見る。距離はまだ二十Mほどあるだろうか。時々木の陰に隠れながらもこちらに近づいて来る。完全に二人を認識している。
「さて、じゃあやりますかね」
「なんでそう自信満々で……報告と違うのに」
蜘蛛の姿は報告にあった通りだ。しかし。
「まぁ一体だけとは限らないと思ってたんで」
「……なるほど」
薫の青かった顔が少しだけ戻る。覚悟を決めたらしい。
「少ししたら前に出ます。サポートは任せますね」
「はいっ!」
良治は転魔石で小太刀を二本、薫は懐に忍ばせておいた小刀を取り出す。
「――っ!」
そして良治は走り出した。
黒が蠢く、十体以上の蜘蛛の群れに。
【男体山】―なんたいさん―
栃木県西部、東に日光を南に中禅寺湖を望む標高二四〇〇Mを超える山。
良治は以前にも男体山に来たことがあり、その時には霊媒師同盟の事件の黒幕である真鍋と遭遇、戦闘になった場所。更に母親の仇である魔族ともすれ違った因縁の地でもある。




