464話 サシトーク
ガキどもが眠ったあと。
結局、ぐずるガキも、照れて籠りたがる女子もおらず、ガキどもは全員がフロアで雑魚寝をしている。
……俺、この中で眠るのか。
絶対うなされるわ。
「ヤシロ」
庭の方からエステラに声を掛けられる。
ちょいちょいと、手招き付きで。
外に出てみると、空気が冷たかった。
「寒くねぇか?」
「テントの中は意外と温かいんだよ」
「じゃ、おじゃましま~す」
「それはダメ」
ちっ、わ~ってるよ。
「面白いお話だったね。紙芝居の時とかに言ってくれればよかったのに」
「さっき思い出したんだよ。四十区と四十二区のガキどもが一緒に遊んでるのを見てな」
人の記憶なんて、そんなもんだ。
「協力することの大切さ。覚えておいてくれるといいね、子供たち」
「周りの大人の行動が、それを忘れさせるようなものでなければな」
ガキどもは大人をよく見てるからなぁ。
「司祭様から統括裁判所へ送られる手紙の内容を、拝見してきたよ」
「もう書いたのか?」
「なんなら、もう出した」
早ぇな、おい。
「満足いく内容だったか?」
「もちろん。こちらの要望はほぼすべて記載してくださったよ」
危ない橋渡ってないだろうな、あの婆さん。
「年寄りの冷や水にならなきゃいいけどな」
「怒られるよ」
「怒りゃしねぇよ、あの婆さんは」
「ジネットちゃんとシスターが」
「それは怒られるな」
なんでかなぁ。
本人がいいって言ってるのに。
「それから、ありがとうね」
「あぁ、ホットミルクな。さり気なく乳成分を吸収できたからってそんな改めて礼を言うほどのことじゃな――」
「違うよ! オジ様の悩みの方!」
「……育毛?」
「怒るよ?」
あぁ、ここにもいたわ、本人がいいって言ってることで怒る第三者。
「シスター・エリアス、もうすっかり家族になれたようだね」
「もともと家族だったんだよ、ちょっと素直になれなかっただけでな」
ルーナもエリアスも、お互いのことをちゃんと理解していた。
微妙な距離感ながらも、互いのことをちゃんと見ていたということだろう。
どっちも、どうにか歩み寄って家族になろうって思ってなきゃ、今日一日でここまで仲よくはなれねぇよ。
「君の目にはどんな世界が映っているのか、一度見せてもらいたいよ」
「エステラ。……お前は、本当におっぱいが好きなんだな」
「何を映して生きてるのさ、普段から!?」
おっぱいですが!?
それ以外はもう、別にいらないとすら思い始めてますが?
なにか!?
「三十三区のブラザーとも、随分と仲良くなったようだね」
「共におっぱいの道を極めんとした者同士だからな」
「ブラザーに怒られるよ?」
いいや、あのブラザーは怒られる側の人間だ。
なんだろう、すごい親近感!
「とりあえず、お疲れ様」
「気が早いな」
「だから、『とりあえず』だよ」
確かに、こんだけデカいことをやったからか、ちょっと疲れてるわ。
「自室に戻ってゆっくりと眠りたいくらいだ」
「レジーナがいる自室にかい?」
「今なら、レジーナを完全スルーして三秒で寝れるぞ」
「その三秒後、レジーナに何をされてもいいと思える、君の勇気に感服だよ」
……あぁ、その危険があったかぁ。
「度し難いな、お前んとこの領民」
「君の親友だからね」
そんな記憶は持っておらんが?
「……これで大人しくなると思う? あ、レジーナじゃなくて」
そんな注釈が必要になるレジーナって……
「とりあえず、表面上は、な」
「表面上は、ね……ホント、貴族ってねちっこくてうんざりするよ」
「お前が言っていいのか、貴族のご令嬢?」
「いいさ。気の置けない親しい友人との会話を持ち出して非難してくるような無粋な相手なら、こちらもルール無視の接し方をすればいいんだし」
随分と物騒な考え方をするようになったな。
「ナタリアの影響だな」
「君だよ、君」
はぁ~っと、ため息をついて、いつもの小憎らしいシニカルな笑みを浮かべて吐き出すように言う。
「君のおかげで一体いくつ危険な状況を潜り抜けてきたか……揚げ足取りしか出来ないような小物なんかにビビってやるような繊細さは、もうとっくになくなっちゃったよ、ボクは」
「まぁ、頼もしいわ。握手して」
「それで、手を握った瞬間ナタリアが生えてくるんでしょ?」
「だろうな」
「じゃあ、ヤだよ」
「しゃーない、諦めるか」
両手を広げて肩をすくめたら、広げた手のひらに「ぱちん!」と平手が打たれた。
低っくいハイタッチだな、おい。
「とりあえず、今回の視察が終わったら三十五区へ行ってくるよ」
「行かなくても、来るんじゃねぇか?」
「詳細を聞かせろ!」とか言ってさ。
「それもそうなんだけど、マーシャとの約束もあるから」
「約束……あぁ、人魚の三十四区遡上ツアーか」
ベッコにツアー中のメンコを描かせるんだっけ?
「あぁ、そうだ。ベッコがちょっと疲れてたから労っといてやってくれ」
「そうだね、ベッコとウーマロ、大工と乙女たちには、今回ちょっと無理を強いちゃったから、何か考えておくよ。……ちなみに、親友的観点から見て、何が一番喜ぶと思う?」
「可愛い嫁じゃね?」
「ごめんね、ウチの区って人身売買は禁止なんだ」
奴隷でもなきゃ嫁になってくれねぇのかよ。
ヒデェ領主だな、こいつ。友達だろうに。
「さすが親友同士、ベッコとは辛辣な冗談も言い合える仲なんだな」
「その発言で、ボクの婚期が遠のいたら、君に責任を取ってもらうからね?」
「すまん……俺、解呪とかちょっとやったことなくて……」
「そんなもんは望んでないし、呪いじゃないし、ボクの婚期とそこは一切関係ない!」
いやいや、ご冗談を。
おもしれー、領主ギャグ、ちょーおもしれー。
「大工と乙女はピザでチャラだろ」
「いや、まぁ、あれはすごいものだったけど……何か、慰労的なことをさ」
「じゃあ、慰安旅行にでも連れてってやれよ」
「ノーマとウーマロを連れて? 荒れるよ」
「なんで一回で済まそうとしてんだよ」
感謝の気持ちを伝える時に手を抜こうとするんじゃねぇよ。
つーか、お前が一緒に行く必要はないから。
金だけ出してやれってことだよ。
「まぁ、その場合ベッコは一人旅になるけどな」
「絶対寂しがるよ」
あははと、友人の小さな不幸を明るく笑い飛ばすエステラ。
こいつ、絶対ドSだよな。
「君にも、何かお礼をしたいところだけどね」
「ありがとうおっぱい」
「分かった。じゃあ、今の発言で帳消しね」
うっすいなぁ、俺への感謝。
ぺらっぺら。
「そこら辺はあとで改めて考えるとして……どうなることかと思ったけれど、どうにかなるもんだね」
「ん? ……あぁ、光の行進か」
「そう。まさか、本当に外周区と『BU』全区の教会からシスターが集まるなんて思わなかったよ」
「俺は思ってたぞ」
「いいよね、君は。いつも自信満々でさ」
そうでもないけどな。
目標に届きそうになかったら、その分何倍か足掻くだけだ。
「今晩だけだよ、きっと……こんなほっとした気持ちでいられるのは」
エステラの表情がきりっとする。
「君の言った通り、薬剤師ギルドへ手出しが出来なくなると、この次に狙われるのは港関連だと思う」
まぁ、攻撃しやすい場所ってのはあるからな。
「だからこそ、次の一手はきっちり成功させないとね」
三十五区の港。
そこに誕生した噴水。
それをぶち壊すには、上流の川を押さえるのが効果的だ。
群がっている貴族の中に、十一区の息がかかっている貴族がいるかもしれない。
それをさせないために、人魚の遡上ツアーを開催する。
何重にも防衛網を張り巡らせておく。
何事もないのが一番。
だが、得てして一番の望みってのは一番手に入れにくいものでもあるんだ。
「明日も忙しいぞ。少しでも寝て、体力回復させとけ」
「うん。ヤシロもね」
「俺は、ちょっとレジーナの様子を見てくるよ」
「あ、うん。薬、完成するといいね。でも、無茶はしないようにって言っといて」
「おう。おやすみ」
「うん。おやすみ」
短く就寝の挨拶を交わし、エステラがテントに入るまで見送る。
テントの中からナタリアがこちらを見ていた。
意味ありげに微笑んでんじゃねぇよ。
フロアに転がって寝てるガキどもを踏まないように移動して、厨房へ入る。
「あ、ヤシロさん。眠れませんか?」
そこにジネットがいた。
もう寝てるかと思ったのだが。
「仕込みか?」
「はい。明日の朝は、なるべく音や匂いを出さないようにしようかと思いまして、今のうちに」
いやいや、ジネットよ。
「早朝に聞こえる包丁の音で目が覚めるのは楽しいもんなんだぞ」
「そうなんですか? あ、そういえば、以前ヤシロさんがおっしゃってましたね。女将さんの作る朝食の音で目が覚めるのが好きだったと」
あれはいいもんだ。
音が聞こえて、匂いがしてきて、それから女将さんの「朝よ、起きなさ~い」が聞こえてくる。
もうとっくに起きてるのに、それ待ちで布団に籠城していたくらいだ。
「では、明日の朝もいつも通りに……でも、少しだけゆっくりめに始めますね」
まぁ、ド早朝から騒がしいのもな、さすがにな。
「それで、ヤシロさんは何を?」
「あぁ、ちょっとレジーナに薬の進捗を聞きに行こうかと思ってたんだが、二階って入っても大丈夫か?」
「はい。結局、みなさんフロアかテントでお休みですから、二階はいつものままです」
イレギュラーはレジーナとカンパニュラとテレサくらいか。
「カンパニュラたちも、ガキどもに混ざって寝てもよかったのにな」
「カンパニュラさんは、わたしと一緒に寝たいとおっしゃってくれたんですよ」
どこか自慢げにそんなことを言う。
明日の朝は、相当甘やかして起こすんだろうなぁ。前におねだりされてたし。
「テレサも一緒か?」
「テレサさんは、レジーナさんと一緒だそうです」
「随分と懐いたな。変なのが感染してなきゃいいけど」
「テレサさんなら大丈夫ですよ」
レジーナは手遅れだけど、ってことかな?
言うねぇ、ジネット。
「これ、見てください」
と、ジネットが広げた紙には『陽だまり亭』という文字が書かれていた。
ジネットの文字ではない。レジーナでもないな。
けど、かなりうまい。
達筆とまではいかないが、丁寧に書かれていることが一目で分かる、いい文字だ。
「テレサさんが書かれたんですよ、これ」
「えっ!?」
だって、テレサの文字って、デカくて歪で、ミミズがのたくったような、親バカどもが見たら「ほわぁ~」って顔して「じょ~ずねぇ~」って褒めそやす程度のお子様文字だったじゃん!?
この文字、小学生が書いてたら「えっ、うっま!?」って二度見するレベルでうまいぞ!?
「レジーナさんが教えてくださったんだそうですよ」
「あぁ……まぁ、確かにレジーナの文字は綺麗だけど、文字だけは」
その綺麗な文字で爛れた文章を書くからなぁ、あいつは。
「羽ペンの使い方から教わって、この数日でここまで上達したんだそうです。すごいですよね」
「いや、すごいっていうレベルを超えてるだろう……」
天才に天才を充てがうとこうなるってわけか。
「ロレッタやマグダよりうまいな」
「お二人共、元気いっぱいの文字を書かれますからね」
うまいことフォローしたなぁ。
読めなくはないが、うまいとは言えない文字だからな、二人とも。
「わたしも、もっと練習しなければいけませんね」
「いや、ジネットは俺の知る限りトップ5に入る文字の綺麗さだろうが」
「そうなんですか? ……えへへ、だとしたら、嬉しいですが」
ベルティーナ、レジーナ、ジネット、ナタリア、イメルダ、エステラと、この辺が四十二区で字の綺麗な面々だな。
あ、五人超えてら。
まぁ、いいか。
というか、給仕長と領主はうまくて当然なんだから除外してもいいか。
ネフェリーとノーマも文字は綺麗だが、書道の達人とクラスの字のうまい女子くらいの違いがあるんだよ。
ムム婆さんは達筆寄りで、たまに読みにくい時もある感じ。
「ヤシロさんも、文字はお上手ですよね。時々惚れ惚れすることがあるくらいです」
「俺のは文字っていうか、レタリングだからな」
一応、書道もかじったが、俺が書く文字はバランスを整えた図形みたいなもんだ。
綺麗に見せる技術ばかりが高くて、文字として見た時の温かみみたいなもんは薄いんだと思う。
ワープロみたいな文字を延々と書き続けることは出来るが、自分用のメモ書きなんかはひどいもんだ。
敢えて癖のある文字にして、他者には読めないようにしている、とも言えるけどな、俺の場合。
だもんで、特に自分で字が綺麗ともうまいとも思っていない。
「俺の文字には、温かみがないから」
「そんなことはないと思いますけれど……お手紙とか、嬉しかったですよ?」
手紙?
そんなもん書いた覚えがないが?
「ほら、マグダさんがカンタルチカさんのお手伝いに行かれていた時、その……外でお食事をしましょうと、お誘いいただいた時の……」
あぁっ!
あった、あった!
ロレッタたちが無理なダイエットをして陽だまり亭に泊まり込んでいた時、人手不足のカンタルチカにマグダが手伝いに行って、で、そんな中マグダの様子を見に行こうって言って、ジネットと二人でカンタルチカに飯を食いに行ったんだが、その際、ジネットを呼び出すためにメモを渡したんだよな。
内容はたしかこんな感じだったか――
『 ジネットへ
天高く乳揺れる秋。
(※『懺悔してください』はその場で言っておくように)
今日の十七時、カンタルチカに一人で来てほしい。
頼みたい重要な任務があるんだ。
(ロレッタたちにはそのまま仕事の準備を進めておくよう伝えておいてくれ)
別に秘密の任務ではないので、気軽な気持ちで来るように。
ただし、ある程度空腹であることが望ましいため、間食は控えめに。
それじゃ、よろしく頼む。 オオバヤシロ』
――って、いやいや。
「あんなもん、手紙でもなんでもないだろう」
どこに温かみを感じたんだよ?
懺悔もさせられたし。
「でも、嬉しかったですよ」
えぇ……、あんなので?
あぁ、そういや女将さんも、小学校で書かされた俺のヘッタクソな似顔絵とかお母さんへの手紙とか、そーゆーのをいつまでも大切に持ってたっけなぁ。
……最期の時も、懐に入れてたっけ。
「……ヤシロさん?」
「ん……なんでもない」
一瞬、世界が揺らめいた。
危ない危ない。
忘れはしないけど、思い出して感傷に浸ってる場合じゃない。
もう、何も奪わせない。
相手が誰であろうとな。
だから、笑っててやろう。
笑わせててやろう。
そうするのが、きっと親方も女将さんも安心してくれる。
「あんな適当に書いたメモみたいなもんを大切にされるくらいなら、今度ちゃんとした手紙でも書こうかな」
「本当ですか!?」
物凄い食いついた!?
「……そんな、嬉しいことか?」
「嬉しいですよ。ヤシロさんからお手紙をいただけるなんて、すごく特別なことですから」
特別、かねぇ。
「ちなみに、何かリクエストは?」
可愛いイラストでも添えてほしいとか、花のしおりでもつけといてほしいとか。
「でしたら、あの時の手紙と同じ文字がいいです」
「文字?」
「ヤシロさんは、いろいろな文字を使い分けて書かれますけど、あの時の手紙の文字が、わたしは一番好きです」
それは、俺の素の文字なんだが……?
メニュー表を書く時とか、衣装の型紙に添えるメモとか、そういうのは読みやすいように文字を整えて書いてるからな。
そうじゃなくて、少々手癖の出てる俺の文字がいいと……
「綺麗な文字から離れちまうが?」
「あれでも十分過ぎるくらいに綺麗ですよ、ヤシロさんの文字は」
……さいですか。
「んじゃ、俺が日々どれだけおっぱいに情熱を注いでいるのかということを、便箋数十枚にわたって書き連ねてきてやろう」
「でしたらわたしは、便箋数十枚の懺悔をお返事として書きますね」
やだ、そんな聖書の同人誌みたいな手紙……
「もっと普通のにしとく」
「はい。楽しみにしていますね」
「……一回、配達人に出そうか?」
「いえ、そこまでは」
この街には、馬車で手紙を届ける郵便局のようなサービスが存在する。
近場だと走って届ける飛脚みたいなもんだけどな。
「さぁ~て、何を書こうかなぁ」
「最近楽しかったこととか、昔の思い出とかだと嬉しいです」
「でも、最近楽しかったことも昔の思い出も、どっちを書いても懺悔しろって言うじゃん?」
「そのような内容じゃないものがあるはずですっ。……もぅ」
いや、テンション上がるのって、やっぱりおっぱい関連だしなぁ。
覚えているのも、また然り。
「んじゃ、どんな手紙がいいか、レジーナと相談してくるよ」
と、厨房を出ようとしたら、「きゅっ」とジネットに裾を掴まれた。
「…………むぅ」
「冗談だよ。レジーナに相談したら、確実に懺悔だからな、二人とも」
「……楽しみにしてますからね?」
わぁ、ふざけられなくなった。
というか、レジーナも完全にそーゆー認識で、そーゆー扱いになったなぁ、ジネットの中で。
うんうん、いい傾向だ。
そんなわけで、厨房をあとにして二階へ向かう。
その最中、「ジネットは絶対返事を書くんだろうな」と思い、そして――
あれ、これって文通……って言うよりむしろ交換日記じゃね?
――なんてことを考えてしまったわけだが、だからといってなんだという話で……深く考えることは放棄しておいた。
自室のドアをノックする。
『合言葉を、言えやー!』
「なんでハム摩呂がいるんだよ?」
『はむまろ?』
いつもの疑問文とともに、ドアが開く。
合言葉言ったの、お前の方じゃねぇか、今の?
「託児所か、ここは?」
部屋に入ると、ハム摩呂がいて、テレサが俺のベッドで寝ていて、レジーナがその向こうで何かを書いていた。
机の上には試験管に入ったいくつかの液体が並んでいる。
そんなもん、日常的に持ち歩いてんのか、こいつは?
「あぁ、ちょうどよかったわ。今さっき、結果が出たとこやねん」
椅子に座ったままこちらを向き、やや疲れた表情でレジーナが言う。
「結論。ウチに子供の面倒を見るんは、ムリや!」
「そんな分かりきった結論は、どうでもいいんだよ」
お前が育児や一時保育に向いてないことくらい百も承知だっつーの。
「ハム摩呂。外のテントにロレッタがいるから、とりあえずみぞおちに頭突きしてこい」
「そーゆーの得意ー!」
んだばばっ! と駆けていくハム摩呂。
まぁ、ハム摩呂なら、大人女子テントに飛び込んでいっても問題にはならないだろう。
「自分、ホンマ子供の扱いうまいなぁ。ウチに子供出来たら、自分に預けるわ」
「じゃあ俺も、細胞分裂が止まらなくなってFカップになったら、お前に薬を依頼しに行くよ」
「それくらいあり得へんって言いたいんか、その口は?」
おふこーす。
「旦那が子煩悩だといいな」
「自分以上の適任はおらへんやろ。子供の面倒見るんが上手で、ウチの下ネタを全部受け止めてくれる」
「受け止めてねぇよ」
八割以上スルーしてるから。
残りの二割も、受け止めてるんじゃなくて、かわしきれなくて被弾してるだけだから。
「まったく、凹心の分からへん凸やなぁ~」
「凹凸で男女を語るんじゃねぇよ。お前の脳細胞には下ネタに対する抗体はないのか」
ないんだろうけどな、どうせ。
「抗体について理解してるようやったら、こっちの話も理解してもらえそうやな。ちょっと聞いてくれるか?」
突如、真面目な話に戻るレジーナ。
こいつ、下ネタが日常過ぎて、ギアチェンジがスムーズ過ぎるんだろうな、きっと。
一般人なら、『下ネタ → ニュートラル → 真面目』って段階的にギアを変えていくところ、『下ネタ → 真面目』に行けちまうんだ。
いや、もしかしたら『下ネタ = 真面目』なのかもしれない。
「重篤だな」
「こっちはもう、真面目な話モードに切り替えとんねん。話の腰、折り~ぃなや」
お前の暴走のせいでこっちは不真面目エリアに振り落とされてんだっつーの。
「で、抗体がなんだって?」
「自分、ムチンって知っとるか?」
「エロい方か、エロくない方か?」
「悪いけど、エロい方のムチンに覚えがないわ」
「けど、生み出すことは――」
「容易やね。たとえばムをソに変えて――」
「で、ムチンがなんだって?」
「自分、自分から振ってきといて、ツレへんなぁ。まぁえぇわ。ムチンを知っとるなら、話は早いさかい。ちなみに、リゾチームって酵素は?」
「唾液に含まれる、酵素だろ?」
「せや。ほんで、それらは涙にも含まれとる」
リゾチームってのは、涙や唾液に含まれる酵素で、侵入してきた細菌の細胞壁を破壊して退治する抗菌作用を持っている酵素だ。
一方、ムチンってのは糖タンパク質の一種で……まぁ、平たく言うと、唾や涙を『いい感じ』に保ってくれている役割を担っている。
ムチンが唾液や涙に少々の粘り気を持たせることで、目や口内を均一に保護してくれるわけだ。
例えるなら、リゾチームは外敵を滅ぼす剣で、ムチンは外敵から身を守る盾ってところだな。
「ほんで今回、ブラザーはんの目ヤニを採取して調べた結果、ウチの思ぅてた通りの細菌が見つかったんや」
レジーナは、ティムの症状を診てある程度原因が分かっていたらしい。
で、詳しく調査して、その確証を得た、と。
「本来、目を守るためのムチンに寄生して繁殖するウィルスがおるねん」
「うわぁ……マジか」
聞いただけでゾッとするな、それは。
「また毒物関係か?」
「いや、これは特定の魔獣や、何種類かの鉱物から感染することが多いんや」
鉱物……
鉱山での仕事を得意としている三十三区なら、そこが原因の病が発生してもおかしくはないか。
「菌のついた手ぇで目を触って放置してしまうと、感染することがあるねん。まぁ、大抵はリゾチームが撃退するんやけど、免疫力の落ちてるお年寄りや、小さい子供やったら、逆にリゾチームが取り込まれて重篤化することがあるんや」
驚いたことに、細菌を殺すはずのリゾチームが細菌に取り込まれてしまうのだとか。
人間の生命活動に欠かせないプリン体が、過剰に摂取し過ぎると痛風を引き起こすような、そんなイメージに近いかもしれない。
「リゾチームを取り込んだそのウィルスは、今度は逆にリゾチームを栄養源にして爆発的に増殖を始めるねんけどな、最初は、目の表面に広がって白濁していくんや」
「そのせいで、視力が落ちるわけか」
「せやね。全体的にぼんやりと、膜が張ったような見え方になると思うわ」
ティムの左目も、随分と白濁していた。
「ほんで、症状が進行するとそのウィルスは目ぇの中に入り込んでくる。……言ぅてもよぅ分からへんかもしれへんけど、目ぇの中にはゼリー状の物質が詰まっとってな?」
「硝子体のことか?」
「なんで知っとんねん!?」
そりゃお互い様だ。
「まぁ、えぇわ。ほんで、その硝子体にウィルスが紛れ込むと、視界に黒い影がチラつくようになるねん」
「飛蚊症みたいなもんか?」
「飛蚊症も知っとるんかいな!?」
飛蚊症は、目の前に半透明の虫みたいなものが見えるヤツだ。
若いうちから見えるヤツも多く、疲れてくると目撃する頻度が上がる。
ずーっと目の前に半透明の影がチラついて、煩わしいことこの上ない症状だな。
「その飛蚊症の影が、もっと黒く、大きくなるねん」
「硝子体に入り込んだウィルスの影が見えちまうのか」
「せや。ほんで……まぁ、どうせこれも知っとるんやろうけど、硝子体の前、眼球の前の方には水晶体っちゅうのがあってな…………その顔は、やっぱ知っとるんやね?」
「まぁな」
「自分、どっかで人間の解剖とかしてきたんとちゃうか?」
「してるか、んな怖いこと!」
化けて出られたらどうする!?
くわばらくわばら……
「その水晶体までウィルスが進行してしまうと、いよいよ厄介でな。水晶体は食い荒らされて、視界は歪み、光は屈折して視野が極端に狭くなってもぅて、やがて見えなくなるねん」
「こっわ……」
進行具合によって手の施しようがなくなる……ってことか。
「ティムは治せそうか?」
「右目は、まぁ大丈夫やろうけど、左目は、どこまで進行しとるんか分からへんさかいなぁ。でも、薬を正しく服用しとったら、これ以上の悪化は防げるわ」
「そうか」
それは朗報だな。
だってよ、やっぱさ――
三十三区教会のガキどもにとって、ティムは家族だろうから。
目が見えなくなると、ガキどもの世話も出来なくなるし、最悪教会を離れることになるかもしれない。
それを「仕方ない」で済ませずに済むなら、そりゃそっちの方がいいに決まってる。
「ガキのころからだって言ってたから、あんま期待はさせない方がいいかもな」
「まぁ、ウィルスの進行は個人の免疫力の強さによるさかい、子供のころに感染して今でも見えてるんやったら、相当免疫力の強い人なんちゃうかな。逆に、希望は大きい思うで」
と、本当に嬉しそうに話す。
テレサに頼まれたもんな。
なんとかしてやってほしいって。
これで、テレサにもいい報告を聞かせてやれるだろう。
何より、こいつ自身が嬉しいんだろうよ。
手の施しようがないと諦めなきゃいけない症状じゃなくて。
完治はムリでも、生きるのに支障がないくらいには回復させてやれる。
そんな状況がな。
「お人好し」
「イヤやわ。自分が伝染ったんちゃうやろか?」
「俺が伝染ってたら、もっと真っ当な人間になってるはずだよ」
「あぁ、最近下ネタに磨きがかかったんは、やっぱ自分のせいやったんかぁ」
俺に伝染って下ネタに磨きかけてんじゃねぇよ。
つーか、伝染らねぇわ。
「明日までに、内服薬と点眼薬作っとくさかい、もうちょっと籠もらしてな」
「まぁ、程々にして寝とけよ」
「せや言ぅたかて、他にも同じ症状の人が居るかもしれへんやん?」
こいつ、ティムにいくつか薬を持ち帰らせる気か?
なんでか分からないけれど視力が落ちてきた――ってヤツに薬を与えるために。
そんなヤツが、三十三区には多くいそうだもんな。
「もし出張が必要になったら、付き合ぅてな? 自分のせいやさかいに」
なんで俺のせいなんだよ……ったく。
「米が美味いらしいから、本場の握り飯を食わせてやるよ」
そう言うと、レジーナはにかっと歯を見せて――
「そら、楽しみや」
――と笑った。
自室を出て、階段を降りる。
ちらりと視線を向ければ、俺の部屋からは薄ぼんやりとした灯りが漏れている。
レジーナも、光のレンガの灯りは強過ぎると思う派なのか、黒い布が何周か巻き付けられていた。
全然眩しくないんだけどなぁ。
そんな薄明りを見上げながら中庭に降り立つと、突然首筋にナイフを突きつけられた。
「……っ!?」
背後からぬっと突き出されたナイフは、俺の頸動脈にピタリと添えられている。
抵抗すれば、一瞬で命を刈り取られるだろう。
……誰だ?
いつ侵入を許した……?
三人の給仕長にマグダにデリアにノーマがいるからと油断をし過ぎた。
今、俺たちが敵対している相手も貴族なのだ。
ナタリアをも超える手練れが向こうについている可能性をすっかりと失念していた。
こんな絶体絶命の危機に瀕しているってのに、俺の頭はやけに冷静で、自分の考えの至らなさにちょっと笑いそうになっている。
良くも悪くも、ナタリアに慣れ過ぎていたんだ。
あいつが最強で、あいつさえいればなんとでもなると勘違いしていた。
これは、完全に俺のミスだ。
ナタリアや他の給仕長たちを責める気は微塵もない。
ドジを踏んだなと、自分自身を笑うばかりだ。
殺気は一切感じない。
この程度の仕事、手慣れているとでも言いたげな余裕すら感じる。
完敗だ。
こうなっては仕方がない。……他のヤツに迷惑が掛からないようおとなしく――
そんな諦めが胸に広がった時、俺の背後にいるソイツは、こんなセリフを口にした。
「な~にヤツ~?」
「それはこっちのセリフだわ、デボラ!?」
声で分かった。
背後に立っているのはデボラだ。
振り返ってみれば、やっぱりデボラだった。
そして、なぜか物凄く不服そうな顔をしている。
「……おかしいです。こうすると、嬉し恥ずかしいどきどきの展開になると、二十三区で小耳に挟んだのですが……?」
どんなデマカセが出回っているんだよ、二十三区で。
「それはたぶん、『だ~れだ?』だろ?」
「はい。そのように聞きました。ですが、給仕長ですので、あまり砕け過ぎる口調はどうかと」
だからって、殿様とかお代官様みたいな口調になる必要はなかろうに。
なんだよ、「なにヤツ」って。
「あと、首にナイフを突きつけるんじゃなくて、後ろから両手で目を隠すんだよ」
「ですが、拘束力で言えば、こちらの方が段違いに効果的です」
「拘束する必要はないんだよ」
「逃げられませんか?」
「どっちかって言うと、背後からナイフを突きつけられた方が逃げ出したくなるよ」
「あんびりーばぼー」
ときどきな、俺は給仕長という生き物が分からなくなるよ。
なんだ、その反応は。
「折角、出遅れていた分、親密度を上げようとサプライズを仕掛けましたのに……」
サプライズというのなら大成功だよ。
心臓、縮みあがったからな。
めっちゃびっくりしたから!
覚えてろよ、デボラ。
いっつか、めっちゃ際どい水着を着させてやるからな!
ってのはまぁ、今後の課題とすることにして……
「デボラ、ちょっと俺の前に来てみ」
「はい」
「……とりあえず、ナイフはしまおうか。切っ先がずっとこっち向いてるの、無駄に怖いから」
なに?
不興を買えば刺されるの、俺?
つーか、ナタリアたちはこれを知っていたから何も行動をしなかったのか。
ちょっと安心した。
そうだよ。
ナタリア以上のツワモノなんか、そうそういて堪るか。
……でもまぁ、おかげでぴりっと気が引き締まった。
その可能性も考えて行動するようにしよう。
「この辺りでいいですか?」
「んじゃ、後ろを向いてくれ」
「あんた、ニセモノですね?」
「ナイフを突きつけんな!? なんだ、ニセモノって!?」
「本物のコメツキ様なら、おっぱい率の下がることを口にするはずがありません」
「絶大な信頼をありがとう!」
だったら、ちょっとくらい突っつかせてくれてもいいんだよ!?
なんならね!?
「お前に正しい『だ~れだ?』を教えてやる」
「いえ、誰だも何も、コメツキ様ですし」
「答えなんかどうでもいいんだよ。浜辺で『捕まえてごらんなさ~い』ってやるのと同じようなもんだよ」
「捕まえればいいのですか? おそらく五分以内に完遂できると思います」
そりゃそうだろうよ!
そうじゃなくてだな!
「いいから後ろ向いて、俺に何されても動くな」
「おっぱいを触るつもりですね!」
「違うわ!」
「『精霊の――』」
「張っ倒すぞテメェ!?」
この子、こんなにポンコツっ子だったっけ!?
「触るのは目元だし、嫌なら触らん」
「嫌ではないです。コメツキ様であれば、おトイレ直後の洗っていない手で触れられても不快ではありません」
「それは喜んでいいこと?」
手ぐらい洗うわ。
「では……これでよろしいですか?」
なんというか、いつも物々しいまでの給仕長オーラを纏っているから大きく見えるが、こうして見ればデボラは小柄な女性なんだよな。
「んじゃ、いくぞ」
一言断って、デボラの背後から両手で両目を覆い隠す。
俺の手が迫ってきた際、デボラの肩が一瞬「びくっ」と震えたが、言いつけ通り抵抗はしなかった。
両手で両目を塞いだ後、お決まりのセリフを口にする。
「だ~れだ?」
誰だも何もないっつー話だが、こういうのを面白がってやるくだらないカップル共が多いのだ。
始末に負えないことに、こういうのに憧れるカップル未満の男女も多いというのだから嘆かわしい。
何が楽しいんだ、こんなもん。
「誰だ?」って?
お前だよ!
ド定番の怪談話バリに、「お前だぁ!」って大声で言ってやりたくなるよな。
……まぁ、今デボラにそんなことされたら、ちょっとチビるだろうけども。
なぁに大丈夫だ。
今日だけは、多少チビっても、俺の身代わりに出来るクソガキが大量にいる。
とりあえず、もし今日チビったら、パスカに責任をおっ被せて素知らぬふりを貫いてやろう。
「…………」
「どうだ? こんな感じだ」
「……あの、お願いをしても?」
なんだろうかと、手を退けようとしたら、「がしっ!」っと手首を掴まれた。
……一切動かせない。
やっぱ、こいつも給仕長か……人体の不思議を知り尽くしてやがる。
「もう一度、お願いできますか? さっきは、驚いて解答が出来ませんでしたので」
解答って……
別にわざわざ「コメツキ様」って、言わんでもいいだろうに。
「お願いします」
これは、絶対譲らないな。
まぁ、今日は大いに手伝ってくれたし、こんくらい付き合ってやるか。
「じゃあ、言うぞ。それとも、もう一回覆い隠すところからやるか?」
俺がそう尋ねると、デボラは俺の両手首を解放して、「覆い隠すところからお願いします」と言った。
……楽しかったのかねぇ。
つーわけで、もう一回、背後から両腕を回しデボラの両眼を覆い隠す。
また、デボラの肩が揺れたが、今度は「びくっ」ではなく、なんとなく「ふわふわ」と揺れていた。
「……だ~れだ?」
そう問えば、デボラは自身の両目を覆い隠す俺の手にそっと手を添えて、解答を口にする。
「ヤシロさん」
言って、俺の手をそっと退かせて、半身になってこちらを振り返る。
「ふふふ。当たりました」
なんとも嬉しそうに口元をほころばせて、そしてなんとも幸せそうに頬を緩める。
ウーマロが張り切って設置した渡り廊下の間接照明がデボラの笑みを照らしていて、温かみのある暖色系の光に照らされたデボラの笑顔は、ちょっとときめくくらいに綺麗だった。
つか、なんで急に名前呼びなんだよ。
ちょっとドキッとしちまったろうが。……まったく。
「これはいいものです。是非とも流行らせましょう」
「そしたら、俺が何人にも同じことをしなきゃいけなくなるから、黙っといてくれ」
そう言うと、デボラは目をまん丸くして、――意外なことに見たことがなかったなぁと、この時思ったんだが――とてもいたずらっ子のような楽しげな笑みを浮かべて、こんなことを言った。
「では、二人だけの秘密ですね」
照れるでもなく、からかうでもなく、本心から嬉しそうに。
なんとなく、デリアのような純粋さを感じる。
きっとデボラも、仕事にまっすぐ、一直線で生きてきたのだろう。
息抜きの仕方が下手そうだ。
度が過ぎない程度にナタリアを見習って、もう少し気楽に生きられるようになるといいな。……と、そんなことを思った。
「今日のお泊まり、楽しいです。眠ってしまうのが惜しいくらいに」
「もう少しくらいはいいが、あんまり夜更かしするなよ。給仕長が寝坊とか、格好が付かねぇぞ」
「ですが、寝坊すると起こしてもらえるのですよね、陽だまり亭は?」
え、そんなサービス、どこで広まってるの?
「明日は、あえて寝坊したい気分です」
「そんなこと言ってると、俺が起こしに行っちまうぞ?」
女子的には、そーゆーのはアウトだろ?
……と、思って振った話題なのだが。
「大歓迎です」
あぁ、この子はたぶん、恋とかしたことないんだろうなぁ。
「……俺が女子の寝所に入ると、怖い顔で取り押さえに来る人がいっぱいいるから」
「そうですか。それは残念です」
「ジネットに言っとくよ」
「それがいいです! 楽しみにしていますとお伝えください」
自分で伝えろ。
たぶんまだ厨房にいるから。
「では、今日の戦果を共有してまいります」
嬉しそうに言って、弾むような足取りで中庭を出ていくデボラ。
「『誰だ』は尊いものです!」
……おい、秘密はどうしたよ?
「…………浮かれとるなぁ」
まぁ、楽しんでくれてるなら、それでもいいけどな、別に。
あとがき
デボラもいっぱい、書きたかったんです!
\(≧▽≦)/
宮地です☆
夜って、もうすぐ一日が終わるな~って安心感があって
きっとみんなちょっと無防備になっているんでしょうね~
え、夜からが本番?
夜から警戒心強める?
私は、そんな狩猟民族のような人生は歩んできておりませんので!
18時にはお店が全部閉まるような田舎の生まれで
20時くらいに喉が渇いたら水道水か、自販機かの二択でした。
一番近くにあった自販機がチェリオで、
よくBIGを買ってました
BIGオレンジとかスイートキスとか、よく飲んでいました
スイートキス……好きでした
(n*´ω`*n)
たぶん、ウチの地元、
エスカレーターって一個もないんじゃないですかね?
エスカレーターが必要な建物がないもので。
公民館とか施設でも三階建てとかないので
まぁ、たぶん階段でしょうね
エレベーターはあるんですよ!
以前あとがきで書いた、小学校の友人の家が三階建てになった時に
荷物を運ぶ用のエレベーターがついていたので
人は乗れませんけれども!
人が乗れるエレベーターも、たぶんないんじゃないかなぁ……
あ、でも、鉄工所とかなら、あるかも?
ないかな?
みたいな町なので、
令和で、ですよ?
まぁ、夜はまったりとするものなんです、私にとって。
だから、夜に女子とお話しするとか、
めっちゃドキドキしますよね☆
そんなドキッドキの気持ちを込めて書いております
ほんのちょっと、登場キャラの口調もまったりさせているんですよ、実は
お風呂上がりには、きっとみんな口調も柔らかくなるはず!(知らんけど!)
いいなぁ、お泊まり会……
昔からお泊まり会が好きだったので、
本作でもしょっちゅうやってますね、お泊まり会
願望です( ̄▽ ̄)
いつか、異世界詐欺師オフ会でパジャマパーティーを……あ、ダメだ
私20時に寝るから、皆様と交流ほとんどできないや☆
いや~、田舎が18時にはほぼすべてのお店が閉店するような町でしたので
そうそう、そんな地元にはなかったエスカレーターとエレベーターで
ちょっと似たような経験をしたので、そのことを少し……
私、エレベーターに乗る時、
前に女性が待っていると、一本遅らせるんですよ
ほら、エレベーター内で襲われたなんて事件、よくあるじゃないですか?
ということは、知らないオッサンが後から乗ってきたら
きっとこの女性は緊張するんじゃないかと
そんな気がして、「どうぞお先に、私は後ので行きますから」って
まぁ、ほぼ100%そうしてるんですね
で、次のを待っていると、女性が私の後ろに並んで一緒に乗ってくることがほとんどなんですが……まぁ、女性が自分の意思で後から乗ってくるのであれば、
それは別にいいのではないかと。
後から男が乗ってくるのと、男の後に乗るのでは
きっとかなり心情が違うと思うんです。
で、先日、
エレベーターに乗ったんです。
一応ちらっと周りを見渡して、エレベーターに乗りそうな人がいないことを確認して
エレベーター乗って、で、「閉まる」ボタン押したんです
あ、私はちゃんと「閉まる」押しましたよ☆
好感度も大丈夫でした(前回あとがき参照☆)
そしたら
……バタバタバタバタバタバタ! ガシィ!
って!
閉まりかけのドアに腕突っ込んできて
強引に滑り込んできた女性がいたんですね
扉のセンサーが反応して開いたんですけど、
見てたこっちは、女性が扉をこじ開けたように見えて
(;゜Д゜)「ぇぇぇええっ!?」
って(笑)
めっちゃ怖かったです……(^^;
で、その女性、相当全力疾走したんでしょうね
「はぁ……はぁ……っ!」ってめっちゃ息切らしてて
これ、逆だったらアウトだなぁって思いまして
女性が一人で乗ったエレベータを無理やりこじ開けて駆け込んで「はぁはぁ……」
うん、アウトですね。
(^^;
で、なんかビックリしてたんですが、
その女性、私の顔を見て、怪訝そうな顔をして
腕を組んで、対角線上に移動して、壁にもたれかかるくらい距離を取って
めっちゃ警戒してきまして……
Σ(゜Д゜;)いや、逆ぅ!?
駆け込んできたの、あなたですからね!?
今、このエレベーター内の画像他人に見せたら
なんか私の方が加害者っぽく見えそうですけども!
さすがに駆け込んできた人に気を遣って、
私が降りて「どうぞお先に」はしませんからね!?
警戒するなら、もうちょっと待って!?
次のエレベーター待ったら、息切らすこともなかったでしょうに
……さすがに驚きました(^^;
で、エスカレーターでもありまして
駅のエスカレーターに乗ろうとした時なんですが
私、階段とか上りエスカレーターって、後ろに引っ張られるような気がして
ふらつくことがあるので、なるべく最後尾で乗るようにしてるんですね。
で、その時も最後尾まで待って、
今まさにエスカレーターに足を乗せようとしたその時、
私の前に、斜め入りして割り込んできた女子高生がいたんです。
ルール的には駄目らしいんですが、世間的にはそうなっているので
エスカレーターの右側開けて、左側に立ったんですね
そしたら、その空いてる右側から、
私のすぐ目の前に「すん!」って割り込んでくる感じで
分かりますかね?
エスカレーターの右側に一歩目、
二歩目で私の目の前に入ってきた感じだったんです。
私、前の人と二段開けて乗ろうとしていたんですが
そこのスペースに女子高生が「すん!」って入ってきて
で、エスカレーターって、案外距離近いじゃないですか?
「さっ」って入られた時に「近っ!?」って思って、
咄嗟に一段後ろに下がったんですね。
そのせいかもしれないんですが、
その女子高生が「そっ」っとスカートの裾を押さえたんです。
Σ(゜Д゜;) いや、なら後ろに乗って!?
裾が気になるならば!
いや、「前に立ったんだから見せろよ」とかそーゆーんじゃなくて!
私の後ろ、誰もいませんでしたからね!?
エスカレーターの二段分とか、到着時間に一分も差はないですからね!?
数十秒ですよ、せいぜい
その数十秒を惜しんで、最後尾の私の前に割り込んで
スカートの裾を「そっ」って!?
見ませんけども!
なら、後ろに!
気持ちは分かりますけども!
なら、後ろに!
レディース&お姉さんたち~!
落ち着いて!
大丈夫!
数十秒の差で、損することなどありません!
警戒心を持つことも大切です
自分の身は自分で守る、素晴らしいです
でも一個だけ、
ツッコミだけはさせてください
\(゜Д゜;)「ほな、もうちょっと待てや!?」
いや~、都会は恐ろしいところです
女性の皆様が痴漢に遭わないよう注意されているように
こちらも痴漢に間違えられないように、不快感を与えないように注意しておりますので
お互い、気持ちよく利用しましょうね☆
ということが立て続けに起こって
自分の容姿が「どっからどう見ても不審者フェイス」なんじゃないかと
ちょっとドキドキしてしまいました
(・_・; お母さんは可愛いって言ってくれたんだけどなぁ
年末年始、
事故が多くなる時期で、
人出が多くなって痴漢とかトラブルとかも増える季節です。
男性女性関係なく、
痴漢とかスリとか事故とか
本当に気を付けてお過ごしください。
……あぁ、こういうことを言うと年末感が増して焦りますが
年の瀬は何かと危険が身近に潜んでおりますので
十分に注意してよい年の瀬をお過ごしください!
そして!
もしかしたら、気になっていらっしゃる方もいらっしゃるかも知らっしゃるかもですが!
Σ(゜Д゜;)「らっしゃるかも」多い!?
いらっしゃるかもしれませんが☆
今週、月曜日からカウントダウンが始まっております!
何が起こるかは、もうなんとなくお分かりですかね
(*´ω`*)
いよいよ、明日、18時!
異世界詐欺師2025年クリスマス特別SS
『ミリィ☆クリスマス』公開です!
ミリィサンタが皆様のもとへやって来ますよー!
(」≧▽≦)」SSなど、公開ー!!
明日、18時!
ご期待ください!
\(≧▽≦)/
次回もよろしくお願いいたします
宮地拓海




