455話 早朝の珍事
というわけで、あっという間にツアー当日!
……昨日は激務だった。
代わる代わるいろんなヤツが俺のところにやって来ては「ちょっと来て!」と俺を引っ張り回しやがって。
用件が済んでやっと帰れると思ったところに別のヤツが来て「ちょうどよかった、ちょっと来て!」って……ちょうどよかったのはそっちのタイミングだけだろうが。
「エステラのせいでクタクタだ!」
「こっちはその十倍クタクタだよ! 君の発案のおかげでね!」
日の出前の早い時間からトゲトゲしているエステラ。
お前、昨日ほとんど寝てないだろ? 顔、ひどいぞ。
陽だまり亭に来てからも、エステラの表情が緩むことはなかった。
表情がしかめっ面で固定されている。
昨日一日そんな顔して過ごしたせいで、筋肉が凝り固まっちまったんだろうな。
「ほい、領主はん。あったかいお茶やで」
厨房から出てきたレジーナが、エステラの前にお茶を置く。
カチャン!
……もうちょっと丁寧に置けや。
「ありがとう、レジーナ……えっ、レジーナ!?」
「なんやのんな? ウチが陽だまり亭で厄介になってんの、知らんかったん?」
「いや、知ってるけど……レジーナが早起きして、自ら他人と関わるようなことをしていることにびっくりしてるんだよ」
「なんやのんな、それ。ただ飯食らいさせてもろてるさかい、ちょっとはお手伝いせな罰当たるわ思ぅて些細な雑務をこなしとるだけや」
「ボクにお茶を出すのを雑務とか言わないでよ……一応領主なんだから」
「ほな、特別に『いゃん』なサービスを――」
「それはいらない。さぁ、もういいから下がって」
早朝のレジーナは胃にもたれるだろう?
朝食前には食らいたくない下ネタぶっ込んでくるからなぁ、こいつは。
「どうだい、気分は? ここは賑やかだからね、君にはあまり向いていないかもしれないけれど」
「まぁ、向いてる向いてへんで言ぅたら、向いてへんのやろうけど……けどまぁ、居心地えぇさかいなぁ、ここ」
「いつまでも、ゆっくりしていってくださいね」
「わぁっ、びっくりした!?」
後ろから声をかけられて肩を震わせるレジーナ。
今の言葉を聞いて、笑顔が満開のジネットがにこにことレジーナの後ろに立っている。
「エステラさん、軽食になりますが少し摘んでください。ヤシロさんとレジーナさんも何か摘まみますか?」
「では……「ほな……」」
「懺悔してください、お二人とも!」
だって、摘まみたいものが目の前に!
「ジネットちゃん、大変じゃなかった? ヤシロが二人いるみたいで」
「ちょっと困った言動はありましたが、大変なことはありませんよ。とても楽しくて、わたしは嬉しいことばかりです」
実際、レジーナが陽だまり亭に泊まるようになって、ジネットはずっと上機嫌だ。
ちょっとしたことでレジーナと会話できるのが嬉しいらしい。
「今日はいい天気ですね」
「せやなぁ」
――なんて、そんな会話が楽しいようだ。
「ジネットちゃん。今日は料理と行進と、かなり忙しくなると思うけど、……よろしくね?」
「無理しないでね」とは言えず、エステラは素直に甘えることにしたようだ。
確かに、今回のツアーでジネットにかかる負担はかなりのものだな。
俺もあとで労っておこう。
「とんでもないです。わたし、昨日からずっとわくわくしているんですよ」
これを、言葉の裏に不平不満を込めずに素直に言ってるんだからなぁ。恐れ入るよ。
「それで、あの……例のアレは? 準備進んでる?」
例の……?
「あぁ、ピザ生地か?」
「わぁっ!? ……そんな大きな声で言っちゃダメだよっ。誰に聞かれてるか分からないんだから……!」
と、俺の口を塞ぎに来るエステラ。
マジで塞いでんじゃねぇよ。
手のひらぺろぺろすんぞ、こら。
「ふもふふんも、ふもっふ、ふがふが」
「にゃぁああ!? 口を押さえられたらしゃべらないのが紳士のマナーだよ!?」
バカタレ。
紳士の口を手で塞がないのが淑女のマナーじゃい。
「ピザに関しては、検討じゃなくて計画推進のための試食会だ。ここでこそこそ隠すまでもなく、あっという間に広まるよ」
秘密裏にピザを食べて、いつか教会至高派をひっくり返してやろうぜ――っていう陰謀とはまったく違う、もっと前向きな、若干過激な計画だから。
「四の五の言わずにこれを食え。そして、パンの定義を見直せ」
そう突き付けるための下準備が今日だ。
「レシピも用意してあるしな」
「はい。張り切って書いちゃいました」
ジネットに手伝ってもらって、ピザのレシピをいくつか用意した。
ピザ生地の作り方から、マルゲリータ、シーフード、ジェノベーゼ、ジャーマンポテトの作り方まで、これを見れば誰でも簡単に真似できるであろう完成度の高いレシピになった。
ただ、今回は情報紙発行会の印刷を借りるわけにはいかなかったのでナタリアに協力してもらって必要な枚数を揃えた。
給仕の中で字の綺麗なヤツを数名派遣してもらって清書してもらった。
イラストは、ベッコ任せだったけども。
「あぁ、それで今そこでベッコが寝てるわけだ」
「ずごごごごぉ~でござる……」
ベッコは昨夜陽だまり亭に泊まっている。
レジーナがいるので、二階には上げなかったけど。
……それに付き合う形で俺までフロアで寝かされたけど。
…………こいつさえいなければ。
「相当酷使しといて、なんでそんな恨みがましい目で見てるのさ?」
俺は、今日もフロア泊が決定しているからな。
昨日くらいは自室で眠りたかったよ。
「お兄ちゃ~ん! ター爺から、光の行進のパンフレットもらってきたです~!」
「おう、サンキュー」
「パンフレットなんか作ったんだ?」
「あぁ、ベッコに版画を彫らせてな」
「ためらいなく酷使してるよね……。いつか、苦労に報いてあげなよ?」
「ベッコが喜びそうなことといえば……おっぱいカーニバルか!」
「それは、君が喜ぶことだろう?」
いいや、ベッコも喜ぶ!
絶対喜ぶ!
「ベッコさんもですが、ウーマロさんも大層骨を折ってくださいましたよ」
「……何させたの、ヤシロ?」
「教会の庭に、簡易浴場を作っただけだ」
「お風呂を!?」
「そんないいもんじゃねぇよ」
ただの小さい個室だ。
大勢のシスターが集まるから、一人ずつ湯浴みすることも出来ない。
なので、排水処理を施した密閉空間をいくつか作って、複数人で同時に使える湯浴み場を作っただけだ。
浴槽も何もない、ただ、たらいの湯で体を拭くためだけの場所だ。
「あぁ、そうだね。海に出るなら潮風で髪がベタつくだろうから、湯浴みは必須だったよね。失念していたよ。……っていうか、大衆浴場があるからいいかなぁ~とか思っちゃってた」
「シスターは、他人に肌を晒すのを嫌うらしいからな」
「嫌うのではなく、ただ恥ずかしいだけですよ」
いやいや、ベルティーナの頑なな拒絶は、もはや嫌ってるってレベルだろう。
まぁ、水着は着てくれるけども。
「けどまぁ、個室をいくつか建てるくらいなら、ウーマロにとっては余裕だよね?」
「着々と感性が麻痺しとるで、領主はん。おっぱい魔神はんそっくりや」
「ひどいよ、レジーナ!?」
あぁ、どっちもな。
「でも、それだけのお湯を沸かすのも一苦労だよね……どうしようかなぁ」
「大丈夫だ。ボイラーを作ったから」
「ただの湯浴み場じゃないじゃないか!?」
ボイラーの構造はノーマが知ってるし、ボイラーで沸かした湯を各湯浴み場に届ける水道の技術はウーマロが知っている。
すでにある技術を使って出来る設備なんか、物の数には入らねぇよ。
「教会に行ったら、ボクの知り合いが多数地面に転がってるなんてことないよね?」
「乙女たちと大工どもなら転がってんじゃないか?」
「あぁ、そうか……ノーマとウーマロをかけ合わせちゃったんだよね、その現場……」
そうそう。
あのキツネ人族が二人揃うと、現場が修羅場と化すんだよなぁ。
ほんと、傍迷惑なヤツらだよ。
「君の差し金だろう……まったく。あの二人もそうだけど、大工や乙女たちも精一杯労ってあげなきゃね」
「それなんだが、ベルティーナから許可が出てな。他所のシスターたちに食べさせる前にピザの試食をすることになったんだ」
「ホント!? やった!」
「いや、お前は船で食えよ」
「いやいや、先に味を知っておかないと。説明を求められた時に答えられないようでは困るからね」
断言してやろうか?
何か質問されたら、「どうなの、ヤシロ?」ってこっちに振るだろう、お前?
絶対そうする。
「ですので、頑張ってくださったみなさんには、この後ピザを振る舞う予定なんです」
と、レシピだけ書いてまだ実際に作っていないジネットがわっくわく顔で腕まくりをする。
日の出前からピザとか、すげぇ重いと思うんだけど、こいつらなら喜んで食うんだろうなぁ。
ちょうどその時、仕事を終え、しばしの仮死状態から復活した大工と乙女の群れが陽だまり亭に殺到してきた。
うわぁ……絵面、酷っ。
「ヤシロ。絶対に成功させるよ、今回のツアー! 教会のシスターたちをこちらの味方につけてパンの定義を書き換えてもらおう!」
と、力強い握手をしてくるエステラ。
口元に、緑のジェノベーゼソースがついている。
やっすいなぁ、お前は。
ピザ一口でころっと機嫌を直し、本日のイベントに向けて意気込みを新たにするエステラ。
死にかけていた大工と金物ギルドの乙女たちも、霧散しかけていた魂をかき集め、感動の雄叫びをあげている。
「これのための努力だったんだぁー!」
「俺たちの努力はきっと報われるぞー!」
「死ぬ気で働いて死にかけたけど、もう全部許しちゃう! アタシ、ピザ、好きっ!」
「素敵な人と特別な日に二人で食べたい! ううん、食べる!」
え、食べるって、ピザを?
それとも『素敵な人』とかいう犠牲者を?
「ベルティーナ、どうだ? 鉄オーブン。なんとか、司祭に事情を理解してもらえそうか」
「最大限協力いたします。ただおそらく、今回に限り、ということになるでしょうが」
まぁ、乱用するつもりはない。
ただ、パンの定義が見直されたならば、鉄オーブンをもっと普及させたい。
こっちの方が管理は簡単なんだよ。
壊れたら買い替えるだけでいいし。
石窯は、作るのが大変だから。
さて、こんな賑やかな陽だまり亭にいて、さっきから静かなジネット。
さぁ、諸君。
ジネットは今、どうなっていると思う?
想像してみてほしい。
想像できたか?
では、答え合わせだ。
スリー……トゥー…………ワン!
ズームイン!
「お口の中で、盛大にわっしょいわっしょいしています!」
はい、正解者には10ポイント!
とか、架空の視聴者にサービス問題を出す司会者になった気になるくらいに予想通りの反応だ。
メッチャ気に入ったみたいだな。
意外と、ジャーマンポテト推しか?
「研究が出来ないのが、本当に残念です」
「そのうち解禁になるだろうよ。それまでは、食パンでやってみればいい」
ピザトーストの応用で、いろんな味があってもいいだろう。
まぁ、どれもこれも、ピザには敵わないだろうけどな。
「お兄ちゃん! この耳までチーズがあるヤツ、これは反則です! 美味しくないわけがないです!」
「……どこまでも伸びる美味。伸ばせば伸ばすほどに、美味」
あぁ、うん。
そういうのも作ったんだ。
シーフードは、カリカリの薄い生地よりも、もっちりとした厚めの生地の方が合うかな~って思ってな。
で、折角生地を厚くするなら、耳までチーズとか入れてみちゃおっかな、ってさ。
ロレッタとマグダが大層気に入って、中のソースよりもチーズのことばっかり言っている。
「ウチ、素ピザでもえぇなぁ」
「お前は、どんだけ薄味が好きなんだよ」
なんでもかんでもプレーンが好きなヤツではあったが、ピザもか!?
つか、誰が作った、素ピザ!?
「ジネット姉様、次の分が焼けました」
「では取り出してください。火傷には気を付けて」
「はい」
カンパニュラが、柄の長いピザピールを上手に操って石窯からピザを取り出している。
以前ジネットにアップルパイの焼き方を教わり、その時に石窯の使い方を教わっていた。
鉄オーブンと石窯と、双方で焼き、味に差がないかを確認する――という名目でベルティーナがおかわりを求めた結果だ。
お前は、船の上でも食うだろうが。
まぁ、材料を大量に持ち込めないから、かなり我慢することになるんだろうけれど。
「本当に、司祭の許可は出ているんだろうな?」
「必要であると思われることは積極的に取り組むようにと、お言葉を頂戴しています」
拡大解釈して、いいように利用してないか?
ベルティーナに限ってそういうことはないだろうけれど……ホンット、規律がガッバガバ過ぎるだろ、聖霊教会。
「うん。鉄のオーブンでもそこまで見劣りするってわけじゃなさそうさねぇ」
「いやいや、やっぱり石窯の方が数段美味しいッスよ」
「変わんないつってんだろうがさ!」
「熱っちぃッス!?」
大量殺人未遂の被疑者二人が、向こうでまた口論を始めている。
もう関わらない方がいい。
あいつらは、混ぜると危険なのだ。
「えーゆーしゃ! きじ!」
「お、出来たか? どれどれ」
「あ、わたしも拝見します」
テレサがこねていたピザ生地を確認する。
大人数だが、フロアで堂々と食べるわけにもいかず、一応『こっそりと』厨房で行われている試食会。
だもんで、作業スペースが限られて、ピザ生地は一人ずつ交代で作ることになっている。
……っていうか、ジネットが全員にやらせてやっている。
テレサが最後で、これが終われば、残りはジネットが電光石火の早業で必要な分を用意してくれるだろう。
「よし、上出来だ」
「やったぁ!」
「上手に出来ましたね、テレサさん」
「ぇへへ~」
ジネットがテレサの頭を撫でている。
あ~ぁ~、髪とか触ったらこの後手を洗わなきゃいけなくなるのに。
ジネットがガキを褒める時に、頭を撫でないことなんてほぼないからな。
まぁ、しゃーないか。
「そんじゃ、そろそろお前ら帰れ。間違っても、ここであったことを口外するなよ?」
「もちろんです!」
「お口チャックよ!」
「もし口外したら……今後一切新事業には携わらせない」
「「絶対口外いたしません!」」
「「絶対口外させないッス!」さね!」
上司と部下が揃って全力の宣言を寄越してくる。
……ウーマロとノーマに監視されて、他人に自慢するようなヤツはいないだろう。
確実に、数十人単位の恨みを買うことが分かっているからな。
「ウーマロとノーマは先にピザを食ったから、船ではガキどもの面倒を頼む」
俺たちはシスター連中の相手をしなければいけないからな。
ジネットもベルティーナも、こっち側にいてもらう。
「イメルダやナタリアはどうしたんさね?」
「その二人は、イメルダの館で馬車の受け入れ態勢を整えてくれている」
「あぁ、多いッスからねぇ、今回は」
そう。
おそらく、今回招いたすべての区のシスターが、領主に提供された馬車でやって来るはずなのだ。
十九もの区から。
さすがのイメルダ邸でも、そこまでのスペースはないので、馬と馬車を分けて管理することになり、馬車は木こりギルドの中にスペースを設けてそこで預かることにしてもらった。
馬は、イメルダ邸で、面倒を見てくれる。
その手伝いに、エステラのところの給仕を派遣することになったので、ナタリアも一緒に行っているのだ。
「出発前にピザを食わせろと言っていたが、ベルティーナの特例が必要になる料理だから、船の上までお預けなんだ」
「じゃあ、しょうがないッスね」
「あの二人が、荒れてる様が目に浮かぶようさね」
船の上では、存分にピザを堪能してもらおう。
「じゃあ、棟梁を借りていくが、お前らは自分の仕事を進めとけよ」
「もちろんです!」
「光の行進が最高の状態で見学できるよう、スタンバイしておきます!」
大工たちには、シスター連中が座りながら行進を見られる観客席を設置してもらっておく。
コースは同じ。
メンバーも、同じ面子が揃ってくれた。
まさに、光の行進の再演、アンコール公演だな。
まぁ、屋台はないけども。
「それじゃ、俺たちはそろそろ教会へ行くか」
これから、続々とシスターたちが集まってくる。
他所から大量に客が来るような場合、いつもなら領主の館に集まるものなんだが、今回は教会に集合だ。
シスター連中だからな。
お出迎えはベルティーナとジネットと、ついでに俺。
エステラも出迎えには参加する予定だ。
陽だまり亭一同は陽だまり亭で待機。
ウーマロやノーマには、ちょっと他の仕事を振ってある。しっかり頼むぞ。
シスター連中が揃ったら、ニュータウンを見てから街道を通って港へ向かう。
大通りや東側も見せたいという意見もあったんだが、なにせ大人数の年寄り連中だ。あまり長距離を歩かせるわけにはいかないし、時間的にも余裕を持って行動するべきだろう。
なので、とりあえずは湿地帯や港がある西側を重点的に見せることになった。
港に行ったら船に乗り、船上でランチを食う。
夕方ごろ戻ってきたら、陽だまり亭で夕飯を食い、その後に光の行進。
教会に泊まって翌朝帰る――と、こんなスケジュールになっている。
これだけでも、十分ハードな一日になりそうなんだよなぁ……
「では、先に戻りますね」というベルティーナを送り出し、こちらはマグダやロレッタ、陽だまり亭居残り組に指示を出してから、ジネットと二人で教会へ向かう準備を始める。
ガキどもの飯を作りに行くのだ。
ベルティーナは存分にピザを食っていったが、たぶん朝飯も食うんだろうな……
見上げた空は、うっすらと明るくなり始めていた。
各区のシスターに出した手紙には、「日が昇った後、教会へ集合」と、そんな予定を書いて伝えてある。
さて、どこの区が一番にやって来るか。
そこまで親密な関係ではないので、日の出前に集まれとは言わなかった。
とはいえ、遠い区のシスターは日も昇る前から出発していることだろう。
ご苦労なこった。
向こうが大変ってのもあるが、あまり親しくもない場所へ招待された時、非常識な時間に押しかけるようなことは、きっとないだろう。
おそらくシスター連中は時間通りにやって来る。
というわけで、俺の予想では二十四区のあの二人が一番乗りするんだろうなぁってことになっている。
よく知っているあの二人なら、日の出前にやって来ても、ベルティーナが温かく迎え入れてくれることを知っているし、「何かお手伝いできることがあれば」って協力を申し出る可能性も高い。
「だからきっと、ソフィーとバーバラが一番乗りだぞ」
たぶん、ベルティーナもそんな予感がしてたから一足先に教会へ戻ったんだろうし。
「でもヤシロさん。そういう理由でしたら、三十五区の司祭様も、早く来られるかもしれませんよ?」
「権力者が誰より早く動き出すかよ」
権力者なんて連中は、全員が集合し終えたあと、ゆっくりと出かける準備をするような人種だ。
きっと最後の方にやって来るだろう。
つーか、シスターだらけの中、司祭がいの一番に駆け付けてたら、司祭より遅くなったシスター連中が恐縮するからな。
「お待たせしてしまい、申し訳ありません」って。
「なので婆さん司祭が一番乗りってことは、まずない」
「司祭様、ですよ。ヤシロさん」
「あぁ、はいはい」
「もぅ。他の方のお耳に入ったらたくさん懺悔をいただくことになりますよ?」
「え、ヤダ怖い。守って、ジネット」
「ふふ……甘やかしてしまいそうですが、ヤシロさんが気を付けなければいけませんよ」
と、割とまともにお説教される。
ジネットでこれじゃあ、他所のシスターに見咎められたら長ぁ~い説教を食らわされそうだ。
ホントに気を付けよう。
「もう、名前教えてもらって名前呼びにしちゃおっと」
「叱られますよ」
と、くすくす笑うジネット。
何しても叱るんだもんなぁ。
陽だまり亭を出て、ジネットと二人で教会へ向かう。
エステラは、一度館に戻ると言っていた。
お出迎え用の服に着替えるんだとさ。
そういえば、ランドリーハイツの連中を出迎える時も、ちょっといい感じの服着てたっけなぁ、あいつ。
「今日のエステラ、ピンクかな?」
「へ? お洋服ですか?」
「あいつさ、ここぞって時はピンク着るだろ? 式典とかミスコンの時」
「そう言われてみれば、晴れの舞台ではピンクが多いかもしれませんね」
「きっと勝負カラーなんだぜ」
「そうなんですか……ふふ、エステラさんもそういうのにこだわる方だったんですね。お揃いです」
「ジネットがここぞって時に気合い入れてるのは服じゃなくて、勝負下着だろ?」
「むぅっ、懺悔してください」
おっといけない。
今日は周りを巻き込んで余剰懺悔を食らわされ兼ねないんだった。
お口チャックしとこ。
さて、もうすぐ教会に着くぞ――というところまで来て、俺たちは足を止める。
街道の先に、誰かいる。
見かけない顔の男。
俺たちを見て、街道の端から道の真ん中へ出てきやがった。
明らかに待ち伏せされていた。
シスター連中が集まる今日、俺を待ち伏せするこの男は一体……
「お前さんが、オオバヤシロっちゅ~人かい?」
風体と声の感じからして、四十代くらいか?
そこそこに恰幅がよく、背も高い。
縦にも横にもデカく、対面すると威圧感がすごい。
プロレスラーみたいな体格だ。
そんなプロレスラーっぽいオッサンが、紫紺のシャツを第三ボタンまで開け胸元をはだけて、脱いだ上着を手に持ち右肩にかけている。
整髪料か何かでぺたりと撫でつけられたオールバックは色の濃い焦げ茶色で、随分とワイルドな印象を与える。
そしてびっくり、サングラスをかけてやがる。
こんな日の出間際の薄暗い時間帯だってのに。
つーか、サングラスなんかあったんだな、この国。初めて見た。
上着が白いからか、パッと見はインテリヤクザのような風貌だ。
パンツも、パリッとした白だしな。
十一区辺りから送り込まれたゴロツキか――と身構えたのだが……
「あれ、違ったか? だったらスマン、急に声かけて悪ぃ~やね。あ、怖がらなくても大丈夫だ。別に怪しい者じゃないから。怪しそうに見えてると思うけども」
男は「にししっ」っと歯を見せて笑った。
その顔には、悪意は感じられず、ただ単に胡散臭い風体のオッサンって感じだった。
「じゃあ、通してもらうぞ。急ぐんでな」
「あぁ、悪かったや~ね。なにせ顔を見たことがないもんでさぁ。そもそも、こっちから来るのかすら、ちょっと不安になってるところなんだよね、実は…………会えるかなぁ、会えるといいなぁ……」
なんか小難しそうな顔をして神に祈り始めた。
「あぁ、そうだ、兄さん方! お前さんたちオオバヤシロって男を知らないかぃ? なんでも、この国をひっくり返せるくらいの大物らしいんだけどさ、そんな男なんだったらさ、この辺じゃ有名人だろ?」
「誰が言ってたんだ、そんなデマカセ」
「デマカセ? いやいや、二十四区の領主様がそう言ってたって、ウチの領主様が」
ドニスか……世迷言を。
「あいつ、ついにボケ始めたんじゃね?」
「ダメですよ、そんなことを言っては。叱られますよ」
ぺしっと、俺の腕を叩くジネット。
大丈夫だよ。今日はドニス来ないし。
しかし、そんな大物らしい俺と接触して、こいつは何を企んでいるんだ?
まさか、こいつが三十三区のシスター、いやブラザーか?
……いや、だったら、こんなところで待ち伏せなんかしないで教会に行けばいい。
教会はもう目と鼻の先だ。
道に迷ったってわけじゃないだろう。
なら、こいつは……なんだ?
「オオバヤシロなら知ってるぞ」
「本当かい? そいつぁありがてぇ! 忙しいところ申し訳ないんだけんどもさ、どうかこの通り! あたすに紹介してくんないかい? このとーり!」
両手を合わせて、俺に拝み倒す男。
仏教徒なのか、こいつは。
合掌してるけど。
っていうか、「あたす」って……一人称が「あたす」の人、テレビでやってたおバカなお殿様の人くらいしか知らねぇわ、俺。
いや、あの人も普段は「あたす」とか言わないけども。
そのせいかな、すげぇ親近感。
「しょうがない。紹介してやろう」
「本当か!? いや、悪ぃ~やね! 恩に着るよ! で、どこに行きゃ会えんだい?」
「もう会っている」
「……へ?」
「オオバヤシロというのは……俺だ!」
「じゃあ、さっき返事しろよぉ、お前ぇ! なんで返事しないかなぁ!?」
「そんなもん、怪しいからに決まってんだろうが!」
「あたすが!? いやいや、全然あやしくねーし! こっちはバチクソ身分のしっかりした人間だかんね、悪ぃ~けど!?」
「自分の風体を見て物を言え」
「風体って…………」
と、自分の格好を見て「あぁ……」と額を押さえる男。
「いや、こりゃ失敬失敬。いや、馬車を置いた後ダッシュでこの辺探し回ってたから暑くてさぁ……ちょっと上着脱いでボタン開けてたんだが……なるほどなぁ、ウチの子供らが『ブラザーだらしないー』ってよく言うわけだ……ちきしょ~」
ブラザー?
ん?
ってことは?
「お前が、三十三区教会のブラザーなのか?」
「おっとイケねぇ、自己紹介がまだだったな! お察しの通り、あたすが三十三区教会を任されている、ブラザー・ティムだ!」
なんか、想像してたのと随分違う!?
「お前が、三十三区のブラザー?」
「そうです」
「トム?」
「ティムだっつーの」
ブラザー・ティムが朗らかに笑う。
着崩しまくっているせいでよく分からなかったが、ティムの着ているのは教会の服のようだ。
……あぁ、そういえば、ガキ用の正装があんな感じだったか?
ベルティーナの服しか見てないから、男性用の法衣っていまいちピンとこなかった。
「それで、こんなところで俺を待ち伏せして、何か用なのか?」
用があるなら、教会で話せばいいだけだ。
それを、わざわざ人目を避けるように……こいつの目的は、一体なんだ?
「だってさ、考えてもみろよ、お前さん! 今日、各区のシスターが集まんだよ? シスターばっかり! 女だらけの中に男が一人で入っていくの、なんか気まずいじゃん!」
「中学生か!?」
女子だらけの教室に入るのを躊躇う男子か!?
「ちゅーがくせい?」
「俺の故郷で、成人間際の年齢のヤツのことだよ」
「あぁ、分かる分かる。あの年代って、なんか特殊だよなぁ~。なんかさ、味も分かんないのにコーヒーとか飲んじゃったり? よく分かりもしない難解系の歌劇を無理して見に行ったり。中には『邪悪な気配を感じる』とか急にスピリチュアルなこと言い始めたりな~」
こっちにもいんのかよ、中二病。
「俺の故郷では『くっ、鎮まれ、俺の左腕っ!』とか言って、左腕に暗黒龍を宿らせてるヤツがいたな」
「えっ、宿ってたんか!?」
「宿ってたら、逆に秘匿してたろうな」
「あははっ、どこの国でも同じ道をたどるのかぁ。でも、暗黒龍は危険だなぁ。『精霊の審判』に引っかかりかねない」
「そっちの『邪悪な気配』はどうなんだよ?」
「自分から出てんじゃないの、黒歴史の芽生えという邪悪な気配が。知んないけど」
確かに。
数年後に、「お前あのころ、こんなこと言ってたよな」とか言われたら悶絶必至だもんな。
「いや~、面白い兄さんでよかった。数少ない男が話の合わない人だったらどうしようかとハラハラしちったぜ」
「どーでもいいけど、お前、そんな口調でいいのか? ここのシスターは、口調とか礼儀作法にうるさいぞ?」
つーかやっぱ、なんかしゃべり方とか、声とか、一人称とか、トータルでおバカなお殿様を思い出す雰囲気なんだけど。
見た目と名前は『うぉんびーろんぐ』だけども。
「そこは大丈夫! ――こほん。これでもブラザーとして教会を任されている身ですからね。ほら、このとおり、取り繕うのはうまいのですよ」
と、急に澄ました顔をして聖職者っぽい口調と声で話し始めるティム。
「絶対ボロが出るタイプだな」
「まぁ、精霊神様も、いつ何時も正しくあれとはお求めになっておられませんから」
「だったら多少のおっぱいには目を瞑れよ!」
「ヤシロさんのは多少ではありません!」
ちぇ~!
相変わらず贔屓がひどいぜ。
「ヤシロ君は、女性の胸が好きなのかな?」
「ほどほどにな」
「ヤシロさん。他区のブラザーに虚偽の申告をしては、叱られてしまいますよ」
さらっとひでぇな、ジネット。
「ほどほどならばよいです。何事も、ほどほどくらいがちょうどよいのです。……あたすも年若かったころは、度が過ぎたばっかりに何度懺悔室に閉じ込められたことか……」
「やったぞ、ジネット! 教会関係者に仲間がいた!」
「変な共感をしないでください! ブラザーもです!」
「はい、懺悔いたします」
すっと指を組み、なんとも堂に入った懺悔をしてみせるティム。
さすが、この辺の所作はベルティーナに近しいものを感じる。
少なくとも、ソフィーよりは神聖な感じがする。
「なぁ、教会のシスターって、武闘派多くない?」
「あはははっ、そいつぁ、あたすの口からはなんとも言えませんなぁ。何が飛んでくるか分かったもんじゃないかんね」
ってことは、武闘派が多いってことじゃねぇか。
「ブラザー。失礼は承知で申し上げますが、法衣はきちんと身に着けられた方がよろしいですよ」
「お嬢さんは、とてもシスターのような雰囲気を纏っているね。教会で育った子なのかな?」
「はい。シスター・ベルティーナには、母と呼ぶことを許されております」
「なるほど。シスター・ベルティーナの教育が素晴らしかったのでしょうね。あなたはとても素晴らしいアルヴィスタンのようだ」
「ありがとうございます」
「それに引き換え…………なぁ~んで、ウチの小僧どもはあぁ~もヤンチャでひねくれてんだかなぁ……」
「教育者の差じゃね?」
「辛辣なことをズバッと言うねぇ、お前さん。まぁ、あたすもシスター・ベルティーナと張り合おうなんて身の程知らずじゃないけどね~」
やっぱ有名なんだな、ベルティーナは。
「じゃあ、おっかなさも知ってるだろ。叱られないようにちゃんと着とけ」
「そだね。あぁ、でもさ、これくらいの年齢になってくると、誰かに叱ってほしいな~って時もあるんだよねぇ。特に、シスター・ベルティーナみたいな綺麗な人に!」
「それは痛いほどよく分かるが、ここまで煩悩塗れでもブラザーになれるんだな、聖霊教会。戒律もっと厳しくしろよ」
「精霊神様は全世界で最も慈愛に満ちた素晴らしい女神様だからね。あたすくらいの跳ねっ返りなんざ、気にもされないのさ」
慈愛ねぇ……自愛なんじゃないのか、精霊神の場合。
「でも、そうだね。尊敬する先立にお会いするに相応しい出で立ちに戻るとしようか」
と、俺に上着を押し付けてくるティム。
こら。気安く使ってんじゃねぇよ。
シャツのボタンを留め、「ぴっ!」と音を立てて襟元を正す。
そして、俺から上着を受け取り上から羽織る。
「どうかな? これで、ブラザーっぽく見えるだろう?」
「口を開かなきゃな」
「あはは~、それは難しいなぁ。ウチの教会のモットーは『いつもニコニコ、いい笑顔』なんでな」
そんなもん掲げてんのか。
「素敵な教えですね」
と、いつもにこにこ笑顔のジネットが共感する。
「たまに、『とはいえ騒がしいわ!』って思うけどね~」
「ブラザーのご教育の賜物ですね」
「ねぇ、今さらっと毒吐かれたよね、あたす? こんな人畜無害そうな顔した娘さんにさぁ……お前さんの悪影響?」
「人のせいにすんな」
ジネットのイタズラ心は、祖父さんがいたころから確実に根付いていたもんだよ。
「それじゃあ、改めてよろしく頼むね。会えて嬉しいよ、オオバヤシロ君。そして……」
「ジネットです」
「ジネットさんも」
手を胸に添え、ペコリと頭を下げる。
なんかこういう所作があるのかってくらい、様になっている。
「特に、お前さんとは話がしてみたかったんだよ、ヤシロ君。なかなか面白い子なんだって? 今日は楽しもうね」
にこりと微笑むブラザーの顔に、裏に潜ませた悪意のようなものは感じなかった。
ただ、「あ、こいつに懐かれたら面倒くさそう」という警鐘は脳内でガンガン鳴り響いていた。
「『今日は』よろしくな★」
「『今後とも』よろしくね☆」
……ぐぬぬ、こいつめ。
「では、教会へ向かいましょう」
睨み合う俺たちを、仲良しとでも思ったのであろう安心しきった顔で、ジネットが先に歩き出す。
俺とティムはその後を追う形で教会へと向かい、そして、教会の入り口で一番乗りの人物を目撃した。
「本日はよろしくお願いいたしますね、ヤシロさん、ティナール」
「真っ先に到着してんじゃねぇよ、婆さん!」
婆さん司祭が、いの一番で四十二区入りして、誰よりも早く教会でにこにこ笑ってやがった。
……で、「婆さん」呼びに関して、ジネットとベルティーナと、なんでかティムにまで説教されてしまった。
……解せぬ。
っていうか、今日は一個のしくじりで二十回叱られる日か?
とんでもねぇな、おい……
はじめに――
まぁ、あとがきなのにはじめにもなにもないんですが
(^^;
前回のあとがきで書きました、
アメリカの先生に「ピザって10回言って」からの「エルボー」と言われたという話
アレに関しまして、感想欄にて、「嘘松」と書かれまして、「有名掲示板のネタだよね?」と。
それはつまり、私があとがきにて盗作を行ったというご指摘であろうと判断しまして、今回このような形ではありますが、同じあとがきの場を借りまして弁明させていただきたいと思います。
いらない方はアイキャッチまで飛ばしてください。
まず、事実として、前回書いたものは私の実体験です。
ただ、あとから知ったことなんですが、その直前にいいとものコーナーで、「エルボー」のネタが放送されていたそうなんです。
高校の時に件の話をして、「お前、いいとものパクリやんけ」と言われて初めて知ったんですが……それはさておき、
そういう経緯があるので、もしかしたら、マイク先生が、それを知っていて、
「ピザ10回」で引っ掛けようとしてきた我々生徒を、逆にギャグで引っ掛け返した可能性はあります。
それは、今となっては確認できませんし、否定はできません。
ですが、私の目線で言わせていただくと、
私がマイク先生に「ピザ10回言って」と言い、マイク先生が「エルボー」と返したのは紛れもなく私の実体験であり、楽しかった思い出なのです。
そのいいとものコーナーを覚えていらっしゃる方も多いかもしれませんね、
大人気で本まで出たコーナーでしたから。
「これ貼っといて」とか、そんなコーナー名だったような? そこは記憶が曖昧ですが
失恋した娘に「お前、人間は顔じゃないぞ」と慰めようとして「お前の顔は人間じゃないぞ」って言ったとか、
お見合い中の娘がメニューを顔に近付けて見ていたから、母親が「娘は近眼なんです」って言おうとして「娘は淫乱なんです」って言っちゃったとか、
おじいちゃんが犬を捨てに山に行ったら、犬の方が先に帰ってきたとか、
そういう視聴者投稿を関根さんが読んでタモリさんが笑うみたいなコーナーでした。
それはインターネットが普及するよりも前の話であり、感想を書いてくださったその方がおっしゃるような大型掲示板やコピペが存在しない時代の出来事なんですね。
ですので、決してコピペを盗用したのではありません。
正直、
十代のころは、芸人さんのネタを丸パクリして笑いをとったりもしていましたし、
書き始めたばかりのころの作品では、ちょっとしたパクリネタを使ってしまって、バレて「パクってんじゃねぇよ!」ってメッチャ叱られたりしたことはありますが……
人様に見せる作品を作るようになってからは、
胸を張って、「盗作はしたことがありません」と断言できます。
知らずに被ってることはあるかもしれませんが、そこは、知らなかったものなので避けようがなかったと思っていただきたいところではありますが……
(^^; 私、サブカル系、案外疎いんです
また、エドモンディオとか、シュレインとかパロディっぽいことはよくやってますが、それはネタの盗用とは別であると考えております。
それを踏まえたうえで、改めまして
悪意を持ち、意図して盗用はしておりません。
ですので、「信じてください」としか言えませんが、信じていただけるとありがたいです。
「嘘松」って言われて、本当に悲しかったんです。
それでもやっぱり信じられないというのであれば、それはもう仕方ないです。
その場合は、他の数多ある素晴らしい作品をお楽しみください。
私は、私の作品を楽しんでくださる方のために、これからも真摯に前向きに、誠実に作品づくりを行っていく所存です。
長々と申し訳ありません。
ここまで読んでくださった皆様には心からの感謝を。
では、これ以降はいつもの
実のない、しょーもないあとがきです☆
\(≧▽≦)/あいきゃっち\(≧▽≦)/
あとがき
玄関開けたら2分で宮地です☆
え、元ネタが分からない?
ドンマイ☆(*´▽`*)/
さて、本編内のジネットさんクイズに正解された皆様、獲得したポイントは大切に保管しておいてくださいね。
ポイントが貯まると、豪華景品と交換できますので。
7万ポイントで、宮地さん家の書斎の爽やかな空気を、お住まいの家の方へ向かって「ふぅ〜」ってして差し上げます!
10万ポイントで、我が家から皆様のお宅の方向へ「ぽぃ〜〜〜〜ん!」と叫びます☆
ガスガス貯めてください、ね☆
というわけで、
異世界詐欺師初、男性のシスター登場です!
ブラザーですけども!
ブラザー・ティムです!
え、既視感がある?
気のせいです☆
おりおりおりおー
とか、よく分からないです。
この方がどんな人物なのか、
それはもう少ししたらよく分かるかと思います。
そう、もう少し。
英語で言うと”WON’T BE LONG”です☆
こら、そこ!
おりおりおりおーとか言わない!
まったく関係ない、ただの偶然ですので!
え、しゃべり方にも既視感がある?
あんだって?
あたしゃことしで80だでよー、耳が遠いんだよ!
――的なヤツを見たことがあると?
気のせいです☆
とある声で脳内再生されても
だいじょぶだぁ〜
というわけで、おバカなお殿様がそこそこ破廉恥なお笑いを披露する番組が見たいですね、
なんでかわからないですが、
不意に見たくなりましたよ、今。
志村さん+とか作って、当時の雰囲気のまま配信してくれませんかね?
余裕で課金しますのに!
お正月にですね、
でっかいすごろくのセットで、でっかいサイコロ転をがしてすごろくをやってた企画があるんですよ。
止まったマス目の指示に従うってやつで、
温泉のマスに止まると、おっぱい丸出しの美女と混浴できるんです
あの時ほど、芸能人になりたいと思ったことはないです!
あと、お医者さんコントで、
女優さんが画面に背中を向けて上を全部脱いで、聴診器を当てるんですが、
志村さんとか加藤さんとかが、前に回り込んでおっぱいを見てはしゃぐというコントがありまして……
ドリフに入りたかったです!
(;>△<)切実に!
小学生低学年くらいの時に放送されてて、
友達の家でビデオを見てたら、そんなコントが流れて、
友人「これ見たら、スケベになるで!」
って、目を手で伏せるんです。
おそらく、親御さんがそうするようにしつけたんでしょうね
一緒に遊んでいた友達もみんな目を手で覆って、そのコントは見ないようにしていました
……友人たちは!
宮地「構わぬ!」
友人「みんな目ぇかくしてるで!」
宮地「媚びぬ、引かぬ、顧みぬ!」
友人「強い意志!?」
あぁ、そうそう。
コインロッカーのコント、覚えてる人いますかね?
一番上のコインロッカー開けると、女性の顔があるんです。
で、三番目を開けると、おヘソ。
二番目を開けるとおっぱいがあるんですね。
で、四番目を開けるとお尻があって
「どうなってるの!?」
みたいな驚き方して……アレは面白かった。
(*´▽`*)意外性の笑いですね
隣の列のロッカーも同じ構造で、女性が入ってるんですが、四番目を開けると高木さんだったかな? の顔が出てきてオチになるんですが……また見たいなぁ、あのコント
純粋な子供のころに戻って☆
子供の頃は映像トリックが不思議で仕方なかったですよね。
上のロッカーのヤツだって、四番目がお尻(後ろ向き)なのが不思議で不思議で。
「体どうなってるんだ?」(゜Д゜;)
って(笑)
ドア閉めた時に後ろ向いてるだけなのに
ロッカーの中に移動できるスペースがあるなんて発想が出てこなかったんでしょうねぇ
あぁ、私、
一回でいいからアレやってみたかったんですよねぇ〜
ジャンプして、着地したら別の場所に移動してるやつ!
ノリ「とぅ!」
タカ「おのれノリダーめ――」
ノリ「まだいる!」
死ぬほど笑ったなぁ……(*´ω`*)
分かる人には分かりますよね☆
……おそらく、今はそれらすべての番組が放送できませんけれども(^^;
まぁ、時代ですよねぇ
異世界詐欺師は、いつまでも純粋で健全でピュアな内容でお送りいたします☆
「おっぱい」は、ギリセーフ!
あ、そうそう、
WON’T BE LONGで思い出しましたけれども
あ、もうWON’T BE LONGのくだりを忘れかけてました?
本当はその話題の時に宣伝ぶっこもうと思ってこんな話を始めたんですが、
その後割り込んできた変なオジサンの話で盛り上がってしまって、ここまでズレ込んでしまいましたが――
『異世界詐欺師で学ぶ日常英会話!』
というものを公開いたしました
よくある、日常英会話のハンドブック的な構造で
英文の下に和文が記載されていますので、
似たような状況に遭遇したときには、是非活用してみてくださいね☆
Σ(゜Д゜;)「いや、使い所ねーわ!?」
っていうツッコミ待ちです☆
あと、グーグル翻訳に英文をコピペして音声読み上げをしてもらうと、流暢な英語で女性が発音を教えてくれますよ☆
結構楽しい(*´ω`*)
そんな遊びもいろいろやりつつ、
異世界詐欺師もちょっと大きな動きが起こりそうな気配で
でもまったりのんびりとほのぼの更新していきます
年内はこんな感じですかねぇ〜
まだまだ先は長そうですが、
飽きずにお付き合いお願いします
飽きたら他の数多ある素晴らしい作品をお楽しみいただいて、
思い立った時にふらっと戻ってきてくだされば嬉しいです☆
陽だまり亭は、いつでもここにおります☆
\(≧▽≦)/
というわけで、真面目なあとがきになってしまいましたが――まぁ、前半……というか八割くらいおっぱいに寛容だった時代のお話でしたが――これからも呆れずに、よろしくお願いいたします☆
次回もよろしくお願いいたします!
宮地拓海




