表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界詐欺師のなんちゃって経営術  作者: 宮地拓海
第四幕

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

769/781

452話 抜本的解決案

「三十四区の川上に、遊技場を建てよう」


 先ほどちらっと、一つの案として提示したが、それを本格的に進めていこうと思う。


 三十五区の川は三十四区へと繋がっている。

 海から川を通り三十四区へ向かうなら、確実に三十五区を通過することになる。

 なので、三十四区に一個作っておけば問題はないだろう。


「けど、あの断崖の壁を遡るのは、さすがに人魚でも結構大変なんだよ~?」


 かつて、人魚を誘拐していた三十四区に脅しをかけるために滝を遡上しまくっていた人魚たちがいたそうだが、あれは闘争本能のなせる業だったようだ。

 まぁ、武闘派じゃない人魚もいるんだろう。


「それじゃ、三十五区までは水槽タクシーだな。それか、もっと泳ぎやすい水路を街の中まで通すか……」

「よろしくね、ウーマロ君☆」

「いや、あのっ、それは、スグには、あのっ!?」

「まぁ、それは追々だな。こちらとしても、用地を設定せねばならぬ」


 でも、ゆくゆくは作りそうだな、人魚が通りやすい水路。

 水源さえ確保できれば、あとは緩やかな上り坂を作って水路にしちまえばいいだけだし。

 でも、相当量の水の確保が必要になるか……


「水流扉を使えば、坂道でも水のキープは出来るよ☆」


 出た。

 人魚の独自魔法。

 それが実現したら、三十五区は人魚なしでは立ち行かない区になりそうだな。

 いや、人魚と共存する街、ってところか。


「あとは、三十四区を怖がる人魚が多いってところだな」

「それは、う~ん……そうなんだよねぇ……☆」


 あのマーシャでさえ、ダックと会う時は緊張したと言っていた。

 ……まぁ、今現在、見た感じまったく緊張してなさそうだけれども。


「一度知ってしまえば、恐怖もなくなるんだけどねぇ~」


 最初の一歩が大変か。


「んじゃ、完成記念ツアーだな」

「わっ、それ楽しそうかも☆」

「ツアー参加者には、もれなくツアーの記念メンコをプレゼント」

「ツアー中の人魚のイラスト描いてくれるの、ござる君!?」

「ご要望とあれば、いくらでも、でござるよ」

「やった~! えらい! これで食いつく人魚はぐっと増えると思うよ☆」


 そんなに欲しいのか、自分のメンコ。


「けど、メンコを持っても、出来るのかい?」


 水面に叩きつけてもメンコは遊べない……と、エステラは考えているようだ。

 まぁ、陸上でやるにしても、腰かけた状態からだとさほど威力は出ないだろうし…………出ない、よな?


 でも、水中で遊べるルールもある。


「魚雷メンコをすればいい」

「ぎょらい?」


 あ、この世界に魚雷なんかないか。

 でもまぁいいや。


「マーシャ、水槽借りていいか?」

「どうぞ~☆」

「あとはメンコが……」

「こちらをお使いください」

「貸与する、友達のヤシロに」


 ナタリアとギルベルタがローアングルエステラメンコと解放の英雄メンコを差し出してくる。

 ……持ち歩いてんなよ、こんなもん。

 まぁ、助かるけど。


「こいつは魔獣の革だから、水に浸けても問題ない。なので、こうして水に浮かべる」


 二枚のメンコを水面に浮かべる。

 で、一方のメンコを摘まんで水槽の底まで沈める。

 あとは、狙いを定めて、手を離す。


 すると、浮力に引っ張られてメンコは勢いよく水面めがけて上昇していく。

 この時、メンコを縦にしておくと、水の抵抗を受けず勢いよく上昇して――


「わっ!?」


 ――このように、水面のメンコに命中、ひっくり返してくれる。


「すごいね」

「まぁ、浮力は一定だからあんまり差が出にくいんだけどな」


 ひっくり返せれば撃沈。

 ひっくり返らなくてもメンコに当たればヒット。

 3ヒットで撃沈。


 ただし、メンコが的の下にとどまり水面に出てこられなかった場合は返り討ちとして一発アウト――


「なんてルールを決めておけば、そこそこ遊べるぞ」

「やってみたい!」

「じゃあ、集まって集まって~☆」


 デリアとエステラが水槽に詰め寄って魚雷メンコをやり始める。


「で、これを人魚がやるなら、水深5メートルくらいのプールを作って、底から狙いを定めて手を離すとかさ」

「それだと、上手い下手が明確に出て楽しそうだね~☆」

「メンコをひっくり返すのはやっぱ難しいから、点数を付けた的を浮かべてヒットさせるゲームとか、いろいろ考えられる」

「あ、そっちの方が面白いかも!」


 チーム戦にしたら盛り上がりそうだ。


「ただし、水面を故意に波立たせて妨害とかすると、……血を見ることになりそうだけどな」

「そこはそれ、……妨害なんてしてくるってことは、血を見る覚悟がある証拠だから、大丈夫だよ~★」


 めっちゃ怖いな、人魚とゲームするの。


「今回の遊技場は人魚に特化しとけばいい。運営は三十四区の人間がやることになるだろうけどな」

「あはは……人魚が相手の商売かぁ。誰か引き受けてくれるかなぁ?」

「それこそ、治水利権を狙う泡沫貴族に声をかけてやればどうだ? 『この区の未来を考えている貴殿であれば、一も二もなく協力してくれると信じている』とか言って」

「あははっ! 一斉に逃げ出すだろうね、そうしたら」


 三十四区は、幼いころより人魚には関わるなと教わって育つ区だ。

 かつての領主のやらかしのせいで、人魚に睨まれた区。


 それを、克服するタイミングが今なのかもしれないな。


「もし、誰も候補者がいないのなら、私が代表を務めるわ」


 と、スゥが上品に手を挙げる。


「こんな素敵な方とお近付きになれるなんて、メリットの方が大きいわ」

「私も、スゥちゃんだったら信頼できるかも~☆」


 スゥちゃんって……

 いつから親密になったんだ?


「一緒にお風呂にも入ったしね~☆」


 その時か!?

 あれ?

 マーシャもお風呂入っていったんだっけ?


「いえ、先日、こっそりと大衆浴場を利用しに、お忍びで」

「四十二区に来てたのか!?」

「大きなお風呂、気持ちがよかったんですもの」


 知らなかったが、スゥは祭りの後に、一人で四十二区に来ていたらしい。

 ……なんてアグレッシブ。

 もう旦那のことどうこう言えないだろ、お前。


「それで~、私も偶然サリサとお風呂に行っててね~☆」


 マーシャ、そんなことしてたんだ。

 つーか、サリサ、よく頑張ったな。

 ギルド長のお供で大衆浴場に行ったら、領主夫人と鉢合わせとか、……お疲れ! マジで、お疲れ!


 まずは、お前の可愛いメンコを作ってやるよ。

 だから、めげずにマーシャのお守りをしっかり頼むぞ、サリサ!


「じゃあ、いい感じの遊技場一軒と、いい感じのメンコを100種類ほどよろしくな☆」

「「雑な感じで酷な仕事を丸投げされたッス!?」でござる!?」


 なんか、仲良しな職人二人が同じことを同じような顔で吠えていた。


 うん。

 元気があって大変よろしい。



 んじゃまぁ、そっちはそれでいいとして。


「なんも解決してないッスよ!?」

「拙者も、いろいろ仕事が山積みになってきたでござる!」


 ウーマロとベッコが食いついてくる。

 んだよ。

 いいんだよ、お前らが頑張ればすべて丸く収まるんだから。


「あ、ござる君~☆ あとで港に来てね~☆ ウチの娘たち紹介するから~☆」

「いろんなポーズ見せとくといいぞ。みんな同じ構図じゃつまんないだろ?」

「え~、ということは……ござる君を、海に引きずり込むべき?」

「べきではござらんよ!? いや確かに海中の方が皆、自由奔放でのびのびした表情をしているのでござろうけれども!」

「よし、引き摺りこもう★」

「星が黒いでござる!?」


 なんだろう、不思議だなぁ。

 星なんて、どこにも見えてないのに、なんでか俺も「星、黒っ!?」って思っちゃった☆


「で、三十五区と三十四区に人魚が集まると、港の警備は自然と強固になる」

「とはいえ、人魚たちばかりに任せてはおけぬ」

「そこは、時間をかけてゆっくり練度を上げて、追々並び立てるようになればいい。それまではそうだな……臨時の傭兵ってことにしとけばどうだ?」

「あはは~☆ 臨時バイトみたいなものだって説明したら、みんなやってくれるかも~☆」


 いきなり連携を取るのは難しいだろうが、人魚が「港は守るもの」と認識してくれれば、バオクリエアや他の国が侵攻してきた時にも力を貸してくれそうだ。


「というわけで、今はこっちに集中してもらうぞ」


 抜本的な解決策を提示したので、ルシアたちの懸念材料は一時棚上げとする。


「あはは、どうしたもんかとずっと悩んでた案件があっという間に解決しちゃったね」

「我々では動かしようのないモノを平気で動かしてしまうからな、この男は……まったく、『呆れて物も言えぬ』と称賛しておいてやろう」


 それのどこが称賛だ。

 まぁいい。


「ベッコ、似顔絵を見せてくれるか?」

「然り」


 すっと差し出される五枚の似顔絵。

 四枚は想像図だけどな。


 その中で、実際俺たちが目撃した女のイラストを差し出す。


「こいつが、俺たちに声をかけてきた女だ。そうだな、ルシア、レジーナ? ……あ、レジーナは、まだ上か」


 時間かかってるなぁ……と思ったら、レジーナがマグダを抱えて戻ってきた。


「も~ぅ、早ょう起きやぁ~」

「……いえいえ、滅相もない」

「だから、どこに謙遜しとんねんな……」


 マグダのヤツ、レジーナの時は起きなければ運んでもらえるって学習したな?

 俺やジネットは抱いてフロアまでは連れてこないからな。

 また甘えられる相手をゲットしたのか。まったく。


「あんま甘やかすなよ、レジーナ」

「自分やんか、起こしに行け言ぅたん」


 だって、面白いものが見られると思ったし。


「ねぇ……この絵の人、エルトルーデ様じゃないかしら?」


 そう漏らしたのは、ぽっちゃり領主ダックの妻、スゥだった。


「知っておるのか、スゥ?」

「えぇ。この方、私と同じ年齢なのよ」


 つまり、アラサー……


「何かしら? カタクチイワシ様?」


 なんでもないよー。


「組み合わせは異なるけれど……、そうね、えい」


 と、令嬢のイラストの首をびりびりっと破るスゥ。

 思い切りがいい……

 なんか、真顔で首を引きちぎる様が、妙に恐ろしいぞ。

 背筋がぞくっとしちゃった。


「この顔に、この髪型、それで、このドレスを着せると……どうかしら?」

「ん……あっ! あー、あー、以前一度会ったことがあるね。そうか、彼女か!」


 スゥが組み立てた似顔絵の切り貼りを見て、ダックがそのスパイ女を思い出したようだ。


「んじゃ、ベッコ。これを清書してくれ」

「心得たでござる」


 さらさらとベッコが描き直している横で、スゥが静かに口を開く。


「私ね、演劇が好きなもので、ニッチな作品もよく見に行くのよ」

「そうなんだよ。妻は本当に演劇が大好きで、名もない劇作家の舞台や、小さな劇場のマイナーな公演にもよく足を運んでいるんだ」


 変わってるよね~と、笑うダック。

 お前がなんでもかんでも食いたがるのと同じようなもんだろう、きっと。


「それで、一度舞台でお見掛けしたことがあるのよね」

「こいつが出演してたのか?」

「えぇ、そうよ。たしか、すごく小さな劇場で、とても簡素な舞台だったのだけれど、招待された貴族たちが何名か見に来ていたわ」


 ってことは、スゥは招待もされていないのに、そんな「招待されたから仕方なく見に行くかぁ」的な罰ゲームみたいな芝居を見に行ったのか。

 筋金入りだな、こいつの舞台好き。


 マーゥルも昔こうだったのかねぇ。

 好き過ぎて貪るように見て回り、逆に嫌いになったって言ってたし。


「ということは、この名もなき女優は、十一区の劇場支配人に取り入るためか、はたまたその伝手で四十二区に探りを入れに来た可能性があるな」

「ほな、薬に詳しいわけやのぅて、薬の値段を知ってはる貴族さんやったっちゅうわけやね」

「いえ、彼女の夫は、薬師ギルドで薬を研究する研究者だったはずだわ」


 薬師ギルドも絡んできたか……


「どっちの差し金だと思う?」

「恐らく、劇場の方だと思うわ」


 スゥが、割と自信ありげに断言する。

 その根拠は……


「だって、彼女、エッゲルト家の娘ですもの」


 なんだって!?

 エッゲルト家…………とは?


「えっげると、け?」

「貴様にちょっかいをかけて返り討ちに遭ったという十一区の劇場の支配人一家だ! いい加減に自分に敵意を向けている相手の名前くらい覚えぬか、オオタワケイワシ!」

「あぁ、あぁ、あの見せかけ筋肉か」


 全然覚えられねぇんだよなぁ、興味がなさ過ぎて。


「カタクチイワシ君。君は少し認識を改めるべきかもしれないね」


 珍しく、ダックが鋭い視線を俺に向ける。

 こんな鋭い視線、初対面で会話をする前の、値踏みされた時以来かもしれない。


「見せかけであろうと筋肉は筋肉! 筋肉があれば瘦せやすい体になるし、重い荷物も持てるし、殴られた時もちょっとだけダメージは減るし、腰痛の予防にもなるんだよ!」

「すっげぇ実感がこもってるのに、まったく説得力がねぇな」


 納得させたかったら、多少は筋肉を外から見えるようにしてみろ、このブーちゃんめ。


「筋肉がないからこそ、切実に欲しいのさ! 見せかけ? 大いに結構じゃないか! ないよりあった方がいい」

「おっぱいの話か?」

「筋肉の話だよ」


 すかさずエステラが突っ込んでくる。

 早いっ!


「どんなものでも、ないよりもあった方がいいんだよ、カタクチイワシ君!」

「その皮下脂肪もか?」

「……これは、ない方がいいなぁ」

「見事に論破されましたわね、あなた」

「貴族が答弁で平民に屈するな、情けない」


 とか言ってるルシアだが、お前でも俺に答弁では勝てまい。


「なら試しに答弁をしてみるか、ルシア? テーマは……無い乳は是か非か!?」

「黙れ。それでスゥよ、それは間違いないのだな?」


 おい、逃げんなよ!?

 ばっさり切り捨てた後でそっこー次の話題に行くとか!

 お前、敵前逃亡も甚だしいぞ!


「ヤシロさん」


 わぁ、ジネットが来ちゃった。


「懺悔してください」

「へいへい。トウモロコシ食べながらでもいい?」

「…………じゃあ、一本だけですよ」

「え、いいの、ジネットちゃん?」


 エステラがきょとんとしているが、そんなことにはお構いなく、ジネットは俺をドナドナと厨房まで連行してこんこんと説教をしたのだった。




 俺が懺悔を終えてフロアへ戻ると、ダックが「それじゃあ、ミスター・アンバロンについてはこちらで調べておくよ」とか言っていた。

 アンバロン?

 なんか、胃薬みたいな名前だな。


「誰だって?」

「エルトルーデの夫だよ」

「えるとるーで……」

「君たちに声をかけてきた女性だよ」

「あぁ、スパイ女の旦那を調べるのか」


 分かりにくい言い方しないで、最初からそう言えばいいのに。


「現状じゃ、どっちの差し金か分からないからね。両方ってことも考えられるし」


 スパイ女はどっちにも関わっている。

 実に面倒くさい。

 どっちか一方なら方針も決めやすいってのに。


「とりあえず、情報共有と警戒の呼びかけだな」


 劇場関係者の差し金なら、三十五区や三十七区に何かしら仕掛けてくるかもしれないし、またその辺を徘徊して情報収集をするかもしれない。

 薬師ギルド関連なら、薬剤師ギルドにダメージを与えるためにデマや曲解した噂をばら撒くかもしれない。


「薬剤師ギルドがエチニナトキシンをはじめとする妙な毒薬を扱っている――なんて噂を口にしたヤツは片っ端から捕らえてしまえ」

「そんなことが許されるのかい?」


 警戒を強め――たように見せて、俺の答えを楽しんでいるボック。


「もちろんだ。それは、教会に盾突く行為だぞ? 捕らえて、教会へ差し出すことこそが、真のアルヴィスタンが取るべき行動だろう」

「なるほどねぇ。事実不確定な噂話を吹聴するのは、精霊神様の信頼を裏切る行為になりかねないね。分かった。捕縛というよりも保護ということで一時的に身柄を拘束しよう」

「そうね。万が一にも、その方の身近に『悪意を持って精霊神様の御心を踏みにじる悪党が潜んでいる可能性』がありますものね。そんな毒の茨から領民を守ってあげるのは領主たるあなたの務めだわ」


 にこやかな笑顔でもたらされたスゥの言葉には、「お前、それ分かって言ってんのか? 誰の顔に泥塗ることになるのか理解してんだろうな? とりあえず、いいからツラ貸せよ、な?」って副音声が聞こえてきそうな気がした。


「あっ、いっけね。アーシそろそろ帰るな」

「あ、はい。トウモロコシ、とても美味しかったとトットさんたちにお伝えください」

「分かった! 店長や英雄に褒められたって聞いたら、トットが喜ぶよ」


 俺は別に褒めてないが?

 まぁ……


「美味かったぞ。湯掻き具合もちょうどよかった。うまいじゃねぇか、湯掻くのが」

「へ!? ……えへへ~、だろぉ~? なぁ~! やっぱ英雄は分かってるなぁ~!」


 にへら~っと笑って、体を揺らすバルバラ。

 照れてくすぐったいって感覚、もうすっかり慣れたようだな。


「じゃあ、アーシ、いいお嫁さんになれるよな?」

「相手がいればな」

「相手、は…………あはは、まぁ、まだもうちょっと先かなぁ~! ん、んじゃ! アーシ帰るな! テレサ、今日も頑張って仕事しろよ!」

「あい! おねーしゃ、も、がんばって!」

「おう!」


 シュパッと手を上げて颯爽と帰っていくバルバラ。


「粉をかけるな、無節操イワシ」

「かけてねぇし、あいつには決まった相手と好きな相手がいるんだよ」

「まぁ、詳しく聞きたいわ、そのお話」

「エステラにでも聞いてくれ」

「えっ、なんでボク!? ……ナタリアにパスしようかな」

「いいでしょうとも! あることないこと盛り込んで、面白おかしく語り聞かせましょう!」

「あぁ、ごめん、やっぱりボクが話すよ! ……ナタリアに頼むと、無理やりボクやヤシロを登場させかねないからね……」


 だな。

 賢明な判断だと思うぞ、エステラ。

 ほら、見てみろ、ナタリアのあの「ちぇ~」顔。

 イラッてするぞ☆


「こちらはこちらで動くとして、教会からの返事も待ち遠しい」


 ルシアが背もたれに身を預け窓の外へと視線を向ける。


「早く返事が来ればよいのだが」


 教会がどう動くかによって、俺たちの行動も変わってくる。

 まぁ、事情を説明したから、こちらの誘いを完全拒絶するとは思えないが……貴族が動いたからこそ、婆さん司祭や他区のシスターたちが動きにくくなるということは考えられる。

 ルシアが焦れる気持ちも分からなくはない……でもな。


「ルシア。まだ日の出前なんだよ」


 来ねぇよ、こんな時間に手紙!

 つーか、お前らが早過ぎるんだよ!


 バルバラはな、日の出とともに畑仕事を始めるために急いで帰っていったんだよ!

 まだ日の出前なの!?

 あんだすたーん!?


「とりあえず、この後教会へ寄付に行くから、一応話は聞いてきてやるよ。……で、お前らはどうする気だ?」

「今日一日は四十二区に滞在する。エステラからの手紙を受け取った領主たちがどう動くのか知っておきたいし、教会が動いてくれるのならその情報も欲しい」

「私は一度戻るよ。何か動きがあったら、明日ルーちゃんに会いに行くから、その時に。まずは、ハニーがやる気になっている人魚たちのための遊技場の建設予定地を選出しないとね」


 ルシアは残り、ダックは帰るという。


「店長さん……お風呂」

「えっと……」


 だからな、そこの、うるうるした目でジネットを困らせてる領主夫人。

 旦那と一緒にさっさと帰れ。


「じゃあ、あたしが陽だまり亭に残ってお風呂の準備しとくです。ハム摩呂も汗かいてるみたいですから、一人用のお風呂を借りて汗を流してあげたいです」

「では、お願いできますか? タオルなどは自由に使用して構いませんし、ハム摩呂さんの下着は倉庫に新しいのがありますので、そちらを使用してください」


 ガキ用のパンツまで常備してるのかよ、この店。

 何屋だ、ここは。


「もしかして、貴族女性用のパンツも?」

「い、いえ、そんな大層なものは……あの、簡素なものになりますが、もしお嫌でなければ」

「ありがとう。ありがたく使わせていただきますわ。お返しに、今度貴族女性御用達の下着を贈らせていただくわね。是非使ってみてくださいね」

「いえっ、わたしは、あの、普通ので……」


 ちらちらとこちらを気にしつつ、ジネットが丁重に辞退している。

 穿いてみたらいいのに、貴族パンツ。

 笑い方が「おほほ」になるかもしれないぞ。


「む、あの笑い方……今日はお貴族パンツだな?」って推理をする日が来るかもしれないな。むふふん。


「え~っと、じゃあ教会に行くのは俺とジネットと、マグダは?」

「……行く」

「私も同行しよう。エステラも参るのだ」

「構いませんよ。ボクは、ルシアさんのいる方って決めてましたから」


 ルシアが残るなら残って、行くなら行くって?

 面倒見がいいなお前は。


「じゃあ、ロレッタ。悪いが――」

「はいです! スゥさんのお風呂はお任せです!」

「ダックはどうする? 嫁が風呂から出るまでは残るだろ?」

「そうだね。ここでハニーが出てくるのを待って、それから帰るよ」


 んじゃ、俺らが戻るころには帰ってるだろうな。


「レジーナは?」

「ウチは残っとくわ。子供ぎょーさんいるの、しんどいし」


 でもそうすると、護衛がなぁ……


「大丈夫や。ここでおとなしゅうしとるさかいに」


 そうか?

 まぁ、こんな朝っぱらから何かあるとも思えないけど。

 本人が大丈夫そうなら大丈夫か。


「デリアは?」

「あたいはどっちでもいいんだけどさぁ」

「あ~、ごめ~ん☆ デリアちゃんは、私を港に連れてって☆」


 スキーだったら映画っぽかったのにな。


「ござる君にウチの娘たちを見せてあげなきゃ、ね☆」

「では、拙者は人魚たちのメンコを作るでござる」

「オイラは、遊戯施設の移設班に掛け合って、三十四区に建てる遊技場の話をしてくるッス」


 これで、大方やることは決まったか。

 各々が、それぞれのやるべきことを見据えて、行動を開始する。


「妹たちは帰してやってもいいぞ」

「いや、せっかくなんで、陽だまり亭のお掃除を手伝ってもらうです。その前にお風呂に入れてあげたいですけど」

「それじゃあ、私と一緒に入らない? 一人で入るのは寂しいわ」

「あぁ、いや、でも……」

「貴族とか気にしなくていいのよ。陽だまり亭のみんなは特別だから」


 と、スゥがロレッタに詰め寄っている。

 何をもってそんなに気に入ったんだかな。


「でも、弟もいるですから、やっぱり遠慮しとくです」

「弟君って、その子? そんな小さな子だったら気にすることないわよ~」

「待てぃスゥ! それは、いくらそなたと言えど看過できぬぞ! は、ハム摩呂たんと、こ、ここ、混浴など! 私ですらまだ足湯止まりだというのに!」

「じゃあ、ルーも一緒に入っていく?」

「そ、そんな……婚前混浴など破廉恥だ!」

「まだまだ小さな子供じゃな~い」

「だから可愛いのであろうが!」


 うわぁ……残念な発言。


 とりあえず。


「ロレッタ」

「はいです。スゥさんが出た後、あたしが一人でハム摩呂をお風呂に入れるです」

「えぇ~、残念ねぇ~」


 ほふぅとため息を吐くスゥ。

 どんだけ好きなんだよ、裸の付き合い。

 もう大衆浴場でも行ってくれ。



 ロレッタにあとのことを任せて、俺たちは教会へと向かった。



 教会に着くと、ソフィーがいた。


「ソフィー? どうした、こんな朝早く」

「シスターバーバラからの手紙を持ってきました。シスターは大変お嘆きでした」


 ベルティーナの手紙を読んで、これはすぐに返事をしなければとソフィーに手紙を託したのだそうな。


「おはようございます、みなさん」


 ソフィーの後ろからベルティーナが現れる。

 礼拝堂にいたようだ。


「……懺悔か?」

「お祈りです。懺悔室は、礼拝堂とは別の扉ですよ」


 あぁそうか。

 ベルティーナは廊下から懺悔室に入るんだよな。

 俺は、礼拝堂を突っ切って、祭壇の奥のカーテンに隠された秘密の扉をくぐって懺悔室に入るんだよ、毎度毎度。

 秘密の扉が、ま~ぁ、開く開く。

 かっぱかぱ開くんだ、その扉。


「この先、誰かが悲しむようなことが起こりませんようにと、お祈りをしてまいりました」

「効果はあるのか?」

「あったかどうかは、個人がそれぞれの心で感じ取ることです」


 ご利益薄そうだなぁ、やっぱ。


「それでも、精霊神様はいつだって私たちを見守ってくださっています」


 すっと天井を、そしてその上の空の彼方へと視線を向け、ベルティーナは聖女の微笑みを湛えて呟く。


「きっと、いつものように、最後にはみんなが笑って暮らせる日常を守ってくださる。私は、そう信じています」


 信じるのは勝手だからな。


「それに、きっとみなさん楽しんでくださると思いますよ」


 ベルティーナの言う「みなさん」とは?


「それぞれ、違う場所で暮らしていても、私たちはみな精霊神様を敬愛し身近に感じ、日々感謝してせいを見守りまっとうするシスターですから」


 あぁ、各区のシスターたちのことか。


「あの素晴らしい光の行進を目にすれば、感動してくださると思います」

「だといいな」

「はい」


 さて、他区のシスターってのは、果たしてどんな連中なのか。

 ……一癖も二癖もありそうなんだよなぁ、教会のシスターって。


 ソフィーとかバーバラとか、そこそこ癖が強いからなぁ。


「集結したからって、全員が一斉に『懺悔してください』とか言わないだろうな?」

「それは、ヤシロさんの行い次第だと思いますよ」


 言われる可能性は無きにしも非ずかよ……

 どっかにおっぱい好きのシスターはいないのか?

 レジーナみたいな!

 ……いや、レジーナみたいなシスターがいたら、きっとそれは物凄く迷惑を被るに違いないから、今のはやっぱなしで。


 ん?

 っていうかさ。


「教会のシスターに、男はいないのか?」


 会うヤツ全員女性だったが、男の教会関係者とかいないのか?

 いるだろ?

 男は入信と同時に司祭になります、なんてこともないだろうし。


「あの、ヤシロさん……シスターに男性は……」


 うん。

 まぁ、そうだよね。

 シスターだっつってんだから、男はいないだろうな。

 男の美少女がいないように。


 いや、世の中には美少女よりも美少女な男もいるかもしれんが、それは正式には美少女じゃないだろう!?

 少女じゃないんだから!

 美少女(男)とかおかしいじゃん!?


 え、ありなの!?

 なんかすげぇな世間の理論!?


 んじゃなくて!


「えっと、修道女じゃなくて、修道士ってのか? そういうのはいるんだよな?」

「しゅうどう、じょ? ですか?」


 ベルティーナが首を傾げる。


「そのような呼ばれ方をする者はおりませんよ」


 精霊教会では、修道士や修道女という呼び方はしないらしい。

 じゃあ、『シスター=修道女』じゃないんだ。


「我々は、教会へ入信したその瞬間から、精霊神様の御子として迎え入れられます。ですので、私たちはみな『シスター』と呼ばれるのです」


 精霊教会の子。

 その姉妹だからシスターってことか。


「じゃあ男は、ブラザーか?」

「はい。ブラザーはたくさんいらっしゃいますよ。とはいえ、ここのように、幼い子供たちを預かる場所にはあまりおられませんが」


『教会=四十二区や二十四区のようにガキどもを預かる場所』というわけではないらしく、こういうガキどもを保護し育てる施設はあくまで教会の中の一部でしかないのだそうな。


「基本的に、教会は外界との接触を断ち、おのれの中の内なるモノと向かい合い、自身を、そして世界を見つめる修練の場なのです。中央区の大聖堂やその近隣の教会には数多くのシスターやブラザーが在籍し、生活を共にしているのですよ」

「へぇ~。じゃあ、そこから出てこういう教会で暮らしてるベルティーナとかは少数派なのか」

「はい。多い少ないで言えば、少数ですね。ですが、それだけ責任のある立場であると、誇りに思っています」


 別に、出来が悪いから左遷されているわけではない。

 ベルティーナやバーバラが不出来なわけがないしな。


 つーか、ガキが苦手なシスターだっているだろう。

 好きでも、育児にまったく不向きなヤツだってきっといる。


 そういう適性を見極めて、教会はこういう場所にシスターを派遣しているのかもな。


 ……大聖堂なんて場所には、お偉いさんにとって都合のいい派閥の者ばっかり集めて、身辺をがっちりガードしてるとか、ありそうだけどな。

 ははっ、総本山に行けば、権力闘争が渦巻いている可能性が高いな、こりゃ。


「外周区や『BU』では、身寄りのない子供たちが多く、そういった命を大切に育むため、ここのように子供たちの宿り木になる教会が多く設置されています」

「中央区に近付くとなくなるのか?」

「そうですね。中央区の方では、そういった施設は用意されていません」


 ……なるほどね。

 中央区には貴族や裕福な家が多いのだろう。

 そういう家に生まれた子供は路頭に迷うなんてことはない。

 まして、子供一人まともに育てられないようなヤツは中央区付近には住めない。


 表面上は。


 どんなに困窮しようが、子供が育てられなくなったので教会に預けた――なんて言えない連中ばかりなんだろうな、その辺に住んでるのは


 だから、こっそりと湿地帯へ捨てに来る親がいるってわけか。

 ちっ、胸糞悪い。


「このような教会に住まうシスターは、みんな子供好きで、おおらかな方が多いんですよ。ですので、ヤシロさんならきっとすぐに仲良くなれます」


 それは、「懐かれる」って意味じゃないよな?

 もう御免だぞ、変なのに懐かれるのは。


「今度お招きする予定の方は、シスターばかりですね」


 やっぱ、身寄りのないガキを引き取り、守り、育てるってなると、女性が適任ってなるのか。

 母性ってのは侮れないからな。

 特に、ガキの方が求めちまうもんだから、それは。

 理屈や言葉じゃなくて、心とかそういう目に見えない部分でな。


「あ、でも、一ヶ所だけブラザーが任されている教会がありますよ」


 ぽんっと、手を叩くベルティーナ。

 男がここみたいな教会を切り盛りしてる区があるのか。

 大量のガキどもの面倒を?

 男手一つで?

 う~っわ、大変そう。

 想像しただけで胃が痛くなってきた。


「問い合わせが来ていませんでしたのでお手紙は出していないのですが、三十三区教会はブラザーが任されています」

「三十三区……」


 四十二区と一番縁の薄い外周区。

 なんか、いろいろと独特な区のようだな。


 ちょっと、興味が湧いてきたよ。


 領主が光の祭りを見に来ていないから、情報が渡っていないのかもしれない。


「そのブラザーにも招待状を送ることは出来るか?」

「招待状というより、このような催しをいたしますので、もしよかったらというお誘いのお手紙でしたら、すぐにでも可能ですよ」


 それでも十分だ。

 もし、そのブラザーが食いついてくれりゃ、そっから領主攻略に乗り出せるかもしれない。


「ちなみにそいつは、そこの領主みたいに酒が好きだったりするのか?」

「さぁ、どうでしょう? 私も何度かお見掛けした程度で言葉を交わしたのもあいさつ程度ですので……。ですが、教会はブラザーやシスターがお酒を飲むことを禁じてはいませんよ」


 そうか。

 なら、念のためにハビエルに応援を頼んでおこう。

 酒ということになると、俺はまったく自信がないからな。


 こっちに来てから一回も飲んでないし。


「うふふ。お会いできるといいですね」


 よほど俺がうきうきした顔でもしていたのだろう。

 ベルティーナが嬉しそうな顔で笑う。


「ご飯が出来ましたよ~」


 厨房からジネットの声が聞こえる。


「はぁ~い」と、嬉しそうな声で返事してベルティーナが談話室へ行こうと体の向きを変える。

 悪いな。礼拝堂と談話室の間の廊下で立ち話なんかさせちまって。


「さぁ、ヤシロさんも行きましょう」

「あぁ。でもその前にもう一つ質問いいか?」


 シスターとブラザーがいるってことは。


「教会にはマザーとかファーザーとか、グランマとかもいるのか?」


 ブラザーが出世したらファーザーとかグランパと呼ばれるようになったりするのか?

 って、思ったんだが、ベルティーナはくすくすと口元を隠して肩を揺らす。

 あ、そうは言わないんだな。


「ファーザーやグランマはおりませんが、マザーならおられますよ」

「へぇ。どんなヤツなんだ?」


 俺の質問に、ベルティーナはとびっきりの笑顔でウィンクをしてきた。


「精霊神様です」


 ……シスターはみんな精霊神の御子、だったっけねぇ。


 それって、親ガチャ当たり? ハズレ?

 俺としては、とりあえず保留としたい気分だね。







あとがき




コンニチハ

ミヤジ デス


ピコピコピー ガガガッ ピーガガガッ


アトガキ ヲ ハジメ マス



どうも!

ここ最近AIを使うようになって

逆に80年代のスーパーコンピューターに逆戻りした宮地です!


ほんの一年ほど前までAIなんて、

こちらの質問にテキトーに答えるネタ要員だと思ってたんですけどねぇ


だって、チャットGPT、……GTP? GDP? DDT?


いや、DDTはプロレスの技だしっ!

(≧▽≦)ノシ はっはっはっ、こりゃけっさく!


いやGPTですね


話題になり始めた頃にちょこっと触ったんですけど、

まぁ~、でたらめばっかりで

芸人さんが自分の名前を聞いて、デタラメな解説されるのを動画にしてユーチューブで流すような、そんなポジションだったじゃないですか


でも、この一年、いや半年くらいで凄まじい進化を遂げ

現在はそこまでデタラメなことも言わなくなってるんですよね

まぁ、そこまで精度が上がっているわけでもないですが、そのうちすごいことになりそうな予感です。


いつか、相談相手とか参謀とか、みんなコンピューターが担ってくれるようになるかもしれませんね


で、イラストのAIとかあるじゃないですか

賛否両論ですが、個人で楽しむ分には問題ないかと、いろいろ描いてもらいまして

なんでも描いてくれるんです


自分の顔を写真に撮って似顔絵とか描いてくれるんですよ

ジブリ風にとか、浮世絵風にとか、北斗の拳風にとか(笑)

「ひでぶ!」しそうなモヒカンで描いてもらいました

( *´艸`)


と、そんな遊びをお家で一人で楽しんでいたんですが……

あ、大丈夫です。

AIがいてくれるので、お友達とか、話し相手とか、もう大丈夫ですので☆


 Σ(゜Д゜;) ……孤独死まっしぐらだな!?


適度に人にも会いましょう、そうしましょう


で、本題!

この話がしたかったんです!


作曲してくれるAIがあるんですよ!

歌詞を打ち込むと、曲つけて、編曲もして、

しかもボーカルまでついてくるんです!


だからもう、歌詞さえ打ち込めば歌が出来るんです


それも、私のような素人が聴いたらもう、普通に歌なんです!

きっとプロとか詳しい人が聴くと「いや、そこ変だよ」って思うんでしょうが

絶対音感が絶対ない私のような人間には、

ただただ「すげぇ!?」ってびっくりするシロモノなんですよ、これが


私も、昔作曲とかしてたので

大変さは知ってるんですよ


2000年ころ作曲してた皆様ならきっと同じところで悩んでいたと思いますが

レイテンシー(音のズレ)と、音圧!

まだボーカロイドが登場する前の時代ですよ


打ち込みで曲を作ると、ぴこぴこ音ですっごいチャッチィんですよ

音圧が低くて、音が軽い!

なんとか誤魔化し誤魔化し曲を作るじゃないですか

そしたら、今度はボーカルの音圧が低くて、カラオケみたいな感じになって

全然馴染まないんですよ!


ね!?

皆様!?

ね!?


苦労しましたよね!

音圧!


打ち込みの曲にギター合わせようとしたら

レイテンシーで音ズレしましたよね!?


それが、今や、

歌詞を入れるだけで曲が出来るんですよ!?

しかも、音圧もばっちり!

そこらで配信されてるような、すごい曲が出来ちゃうんです!


ボサノバとか、ゴシックロックとか、知識なくても出来ちゃうんです



……すごい世界になったものだ(・_・;



最初は、自分が作った曲の編曲がしょぼいので、編曲だけしてもらえたらいいな~って思って弄ってたんですが、

もうね……無理です

勝てません


とりあえず、何か作ってみるか~って

適当に歌詞を書いて曲を作ったんですよ

本当に適当に、

机の傍に蛾がいたので、蛾の歌を書いたんですね


蛾だぞ!

蛾なんだぞ!


みたいな歌詞(笑)


それがね、

めっちゃいい曲になったんですよ!

こんなん、もう絶対勝てないですもん!


あぁ、私の曲がダサかったのって、編曲以前に作曲の時点でダメだったのかぁ……

って、痛感しましたねぇ(^^;


蛾の歌をカッコよく作る自信はないです


で、

じゃあいろいろ作ってみるかと、

過去に書いた歌詞を引っ張り出してきたんですが……



歌詞がダセェ!?

Σ(゜Д゜;)


いや、もう、全部だめ!

これはひどい!


蛾だぞ!

蛾なんだぞ!


の方が百倍マシ!

なんか、カッコつけて言葉選びしてるのが致命的!

「今宵」大好きか!?

「悲しき」「美しき」って、「き」ってなに!? 「い」でいいじゃん!

あと、なんでもかんでも無駄に韻を踏もうとしないで!

恥ずかしいわ!


……そういえば、私は作詞がとにかく苦手でした

曲だけ作って歌詞がないのもいくつかありましたっけねぇ


作詞……苦手だなぁ


思うに、作詞で10000文字とか使っていいなら書ける気がします!

あ、そうか!

自分が好きなものを詰め込めば、きっと自分らしい素敵な歌詞になるはず!


――で、入力してみたら



作曲AI「おっぱいは、NGです」

宮地「マジでか!?」



そういえば、イラストAIも頑なにおっぱいの絵は描いてくれなかった!?

AIはおっぱい嫌いなのか!? それとも好き過ぎて人には見せられない領域に足を踏み入れちゃってるのか!?


おっぱいに愛はたくさん詰まっているのに

AIあいにおっぱいは存在しないのか!?(わ、うまいこと言った( *´艸`) )


……こんなことはいくらでも書けるのに!?

なぜ歌詞が書けないのか!?



とりあえず、ここまでの流れを歌詞にしてみましょうか。

えっと……


今宵は――



 (# ゜Д゜)「今宵」を使うな!?

 (# ゜Д゜)もう一生分使い切っただろうが!

 (# ゜Д゜)っていうか、夜の歌ばっかりだな!?



なんか、やたらと夜のシーンが多かったです

月とか夜風が好きなんでしょうね(^^;

あと、超夜型人間だったので日中の思い出がなかったんだと思います

外に出ろ、外に!(# ゜Д゜)



いやぁ……いくつも歌詞はあるのに、どれ一つとして人様にはお見せできませんねぇ


でもまぁ、

人様にはお見せできないですが

自分で楽しむ分には十分ですね、作曲AI


ちなみに、無料版は商業利用(公開含む)できないので

完成品はお聴かせできないんですよね

サブスクに登録すると公開していいそうですけど

お金出してまでつたない歌詞をお見せするのもねぇ(^^;


あ、私の作詞した歌詞が見たい方は

『232話 昔と今と、老人と若者と』の中にエビフリャーの歌が載ってますよ♪


……まぁ、そんなもんですよ、私の歌詞なんて


っていうか、それすら夜の歌詞だな!?

Σ(゜Д゜;)


ネタ歌詞まで夜の歌とか……


今後はもっと日の光を浴びて暮らしていこうと思います


外に\(≧▽≦)/出よう!



というわけで、

いつかあとがきAIが完成したらもっと楽が出来るなと思……いや、たぶん書いてますね、自分で

AIに仕事は奪わせません☆


……めっちゃ面白いあとがき書かれたらどうしましょう?

(・_・; ま、負けないもん



次回もよろしくお願いいたします!

宮地拓海

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます!ヤシロさんの両腕の人いつもの通り酷使されてござるっス。酷い…まぁやりますけど。有能すぎますねぇ。やはり、能動的に仕事する人が伸びが良いのか、それとも受動的で下手に自分からせか…
あとがきをAIが書くには宮地先生を リアルタイムでめっちゃラーニングさせないと無理ですねww
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ