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異世界詐欺師のなんちゃって経営術  作者: 宮地拓海
第四幕

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451話 早朝わちゃわちゃパニック

 翌朝。

 俺は、体を揺すぶられて目を覚ました。


「お兄ちゃん、お兄ちゃん!」

「ん……ハム摩呂か」

「はむまろ?」

「具合はどうだ? どこかしんどくないか?」

「へいきー!」


 レジーナの見立て通り、ハム摩呂は一晩寝てすっかりと元気になっていた。


「元気オヤジ食べたからー!」

「おじやだ、おじや」


 元気なオッサン食ったって、腹壊すだけだぞ。


「あのねあのね、お兄ちゃん」


 ぐっすり寝たからか、ハム摩呂が元気だ。

 俺はまだ眠い……っつーか、お前がずっと腹の上にいたせいであんま眠れてないんだが……って、今何時くらいだ?

 この空気の匂い……まだ日の出前だろ、絶対。


 そんな日の出前でも、一度目を覚ましたお子様の元気は止まらない。

 お泊まりで、テンションが上がってりゃなおさらだ。


「なんだよ? つか、体揺すんな」

「あのね、治水利権に群がる泡沫貴族を牽制しつつ、港の警備体制の強化が急務なんだけど、どーしたらいいかなぁ~?」

「なんの話だ!?」


 治水?

 港の警備?


「そんな夢見たー!」


 ……夢かよ。


「領主のお婿さん? とかに選ばれて、領主さんする夢ー!」

「夢だよな!? 未来視とかじゃないよな!?」

「みらいし?」


 せめて、予知夢や正夢でないことを祈ろう。

 精霊神……マジでふざけんなよ?

 やらないからな、あんな変態領主には。

 マジだからな!?


 ……うわぁ、治水利権とか港の警備とか……めっちゃ三十五区案件じゃん。

 四十二区にも川と港があるけど、エステラがハム摩呂を選ぶとも思えないし……そもそも、治水利権に貴族が群がってもデリアとルピナスが一掃するだろうし。


 政略的侵攻にはルピナスが、武力侵攻にはデリアが完全対処する。

 わぁ、何気に無敵じゃね、四十二区の治水関連。


 それよりも、三十五区だ。

 ……うわぁ、昨日エステラが手紙を出してるはずだから、ルシアが近々やって来そう。

 祭りの時には「しばらく会うことはない」とか言ってたのに、めっちゃ会いに来そう……


「いいか、ハム摩呂。ルシアになんか言われたら、『年上は、ちょっと……』って言うんだぞ」

「うんー! 分かったつもりー!」


 分かってねぇな、こいつ。


「とりあえず、下に行くか。ハム摩呂、腹は?」

「割れてないー!」


 知ってるわ。

 昨日、お前が寝てる間に腹もわっしゃわっしゃしたからな。

 つーか、お前くらいの年齢で腹筋がバッキバキだったら、そっちの方が引くっつーの。


「ウチのおにーちゃん!」

「長男か?」

「うんー! 腹筋が、天然のあみだくじやー!」

「そんな複雑に割れてんのか。一回医者に診てもらった方がいいかもしれんな」


 いくつに割れてんだかな、その腹筋は。


「あっ、ちょっと待ってて!」


 部屋を出ると、ハム摩呂は俺の腕からぽ~んと飛び降りて、廊下をぱたぱた走り、マグダの部屋へと飛び込んでいった。


「どーん!」

「ふぎゅぅうう!?」


 なんか、ロレッタが潰れたような音が聞こえてきた。


「お兄ちゃん、ただいまー!」

「仕事、終わったか?」

「うんー!」

「仕事じゃないですよ、ハム摩呂!?」


 とかいうロレッタの声が、マグダの部屋から聞こえてきた。

 ついでに「なんじゃほら~」「びっくらこいた~」と、ロレッタと一緒に寝ていたらしい妹が目を回しているっぽい声も。

 まだ寝てるところにハム摩呂爆弾はキツかったのだろう。相当面白いことになっているようだ。

 覗きに行けないのが残念だ。


「うっわ、暗っ」


 中庭に続くドアを開けると、当然のように真っ暗だった。

 だが、厨房からは光が漏れ、微かに温かい料理の匂いが漂ってきていた。

 今日も早起きだな、ジネットは。


 フットライト(=蓄光レンガ)のおかげで、夜中でも早朝でも上り下りがしやすくなった階段を下りていくと、中庭に蹲る不審なキツネ大工の影が――


「誰だ、そこのキツネ棟梁!?」

「いや、正体分かった上で言ってるッスよね、それ!?」


 なんと、その謎のトルベック帝国皇帝の正体は、ウーマロだった。


「皇帝じゃないッスよ!?」


 いちいち細かいことを否定してくるな。


「何やってんだよ。パンツでも落ちてたか?」

「そんなの、探さないッスよ!」

「ホントか? 落ちてないか? ちょっと探そうぜ」

「ないッスよ!」


 ジネットが拾い忘れた下着が転がってる可能性もあるだろうが!

 まぁ、ないだろうけれども!


「可能性が0%でない限り、決して諦めないのが真の男ってもんだ!」

「パンツにどこまでの情熱燃やすんッスか!?」

「お兄ちゃん、かっこいー!」

「……ハム摩呂、いたんッスか。というか、お前。ヤシロさんを気安く乗りこなすんじゃないッスよ」


 ハム摩呂は、自在に俺の体を移動して好き勝手に乗り回している。

 俺は人型運搬兵器か。


「で、何やってたんだ?」

「昨日の夕飯の時に、マグダたんから、長男が鶏小屋の修繕してるって聞いたッスから、ちゃんと出来てるかの確認に来たッスよ」

「マメだな、お前は」

「陽だまり亭の設備には、ほんの些細な瑕疵もあってはいけないんッス! マグダたんはもちろん、店長さんやヤシロさんに万が一のことがあってからでは遅いんッス」

「華麗に省かれた、姉やー!」

「もちろん、ロレッタさんもカンパニュラちゃんやテレサちゃんもッスよ!」


 こういう流れの時、ロレッタは省かれ気味なんだよなぁ。

 まったく、おいしいポジション確立しちゃってさ☆


「それで、確認した結果は?」

「全面やり直しッス!」


 はい残念ー!

 長男、特別指導確定ー!


「じゃあ、ついでにさ、小屋の奥に小さい小部屋を増設できないか?」

「小部屋ッスか?」

「あぁ。小屋の外っ側に取り付けて、そこの金網を開閉式にして、ニワトリを追い込める小部屋」

「なるほど。外付けの小部屋にニワトリを追い込んで、その間に小屋の中を掃除するんッスね」

「そうそう。で、小部屋は小部屋で取り外して別で洗えるように」

「それは面白いッスね! さっそく取り掛かるッス!」

「いや、それを長男に」

「あいつはまだまだ半人前ッス! ここはオイラにお任せッス!」


 弟子を育てる気がないのか、こいつは。


「カンナとヤスリは、ハム摩呂の方がうまいッスね」

「えへん!」

「けど、増長はするなッスよ」

「ぞーちょー?」

「調子に乗るなってことッスよ」

「のるわけないだろー、うーまろー!」

「それが調子乗ってるって言うんッスよ!」


 仲いいな、お前らも。


「手伝うー!」

「ハム摩呂。お前は病み上がりなんだからやめとけ」

「もう上がり切ったから平気ー!」


 病み上がりって、上がり切るとかいうシステムあったんだ。

 初耳だわー。


「事情はマグダたんから聞いてるッスから、あんま無理させないようにこっちで適当に使ってやるッスよ」


 小声で、ウーマロが俺に言う。

 なんだよ、その「そんなに心配いらないッスよ」みたいな顔は。


「ハム摩呂、飯はいいのか?」

「いいご飯がいいー!」


 食いたいのか?

 あぁもう、分からねぇな、こいつは!


「ハム摩呂、腹は?」

「割れてないー!」

「さっき聞いたわ!」


 同じ答えしか返ってきやしねぇ。


「ちなみに知ってるか? 長男の腹筋はあみだに割れてるらしいぞ」

「なんッスか、それ!? キモいッスね」


 なぁ~?

 不規則に割れ過ぎだよな~?


「それじゃあ、適当に手伝いさせて、あとで一緒に朝食をいただきに行くッス」

「いくっすー!」


 一晩俺に張り付いて飽きたんだろうな。

 すっかりウーマロにべったりだ。


 身軽になった俺は、一人で厨房に入った。



「おはようございます」


 厨房に入ると、くすくす笑うジネットに迎えられた。


「お話、聞こえちゃいました」


 中庭での会話が聞こえていたらしい。


「ヤシロさんお腹は?」

「割れてねぇよ」

「ふふっ」


 ハム摩呂と同じように返せば、ジネットが笑い出す。


「そうなんですか?」

「見てみるか?」

「いえ、あの…………以前に、チラっと」


 見たんだな?


「では、等価交換を」

「パンツの件に関しては、懺悔を求めませんので、それで相殺です」


 なんて横暴な。

 こっちはパンツを見ていないというのに!


「所詮俺の腹筋なんて、架空パンツと同じ価値か」

「そんなことはありませんが……もう、お顔が悪い子ですよ」


 ジネットを困らせて、つい口元がニヤけてしまった。

 まぁ、見られても問題ないくらいには引き締まってるからな、俺の腹筋も。

 実は、ちゃんと割れてるし。


「あみだほどは割れてないけどな」

「どんなお腹なのか、今度お願いして見せてもらいましょうか?」


 成人しててもハムっこはやっぱどこか子供扱いなんだよな。

 ジネットに「腹筋を見せてください」とか言われたら、成人男性は一人の例外もなく勘違いをするだろう。


「それで、朝食はどうされますか?」

「あとでいいや」


 この後ウーマロとハム摩呂が何か食いたがるだろうから、それと同じ時でいい。

 まとめてやった方が、面倒がなくて済むからな。


「それとも、俺が何か作ってやろうか?」


 と、懐からオイルライターを取り出してみせる。


「火も、つけてやるぜ」

「ふふっ、間に合ってますよ」


 まぁ、かまどにはもう火が入ってるしな。

 ライターを作って以降、俺が火をつける機会が回ってこない。

 ライターがない時は、結構な頻度で回ってきてたのに。


「……火付け布の呪いか」

「いろんなものに好かれて、大変ですね」


 冗談だと受け取り、くすくす笑うジネット。

 マジで大変なんだぞ。特にこの街は、お調子者の精霊神が治める国だからな。


「てんちょー! えいゆー! いるかー!?」


 そんな話をしていると、フロアから早朝には似つかわしくない声が飛び込んできた。


「マジで来たよ」

「ふふ。楽しみですねトウモロコシ」


 フロアに出てみれば、想像通りそこにいたのはバルバラで、腕に抱えたカゴには大量のトウモロコシが詰まっていた。

 ……箱に入ってるチョリッツみたいな見た目になってるな。

 ほら、あの、細長いプレッツェルにチョコレートがコーティングされてるお菓子な。


 あんな感じで、トウモロコシがカゴに何本も突き刺さってる。


「どこの祭りで屋台を出す気だ、お前は?」

「英雄にいっぱい食べてもらおうと思ってさ!」


 そういうのは、こっちの許可を取ってからにしろっての。


「ところで、そのトウモロコシはくれるのか? 買い取りか?」

「父ちゃんと母ちゃんとトットからのプレゼントだ!」


 トットもちゃんと入ってるんだな。

 バルバラ的には嬉しいんだろう、トットの頑張りが。

 誇らしそうに笑ってら。


「んじゃ、中でジネットに言って湯掻いてくれるか?」

「おう! 任せとけ!」


 喜び勇んで厨房へ向かうバルバラ。

 んじゃ、こっちはフロアの掃除でも始めておくかね。


 掃除道具を引っ張り出して床の掃き掃除を始めると、早朝だってのにまた騒がしいヤツがやって来た。


「納期が鬼でござるよ!?」

「昨日聞いた、それ」

「言ってないでござるよ!?」


 あれぇ?

 そうだっけ?

 でもどっかで……あぁ、そうか。ロレッタが言ってたのか。

 予想通りか、お前の行動。


「で、終わんなかったと」

「終わらせてきたでござるよ! 事は急を要すると判断したでござるからな」

「そっか、お疲れ。んじゃ気を付けて帰れよ」

「折角来たでござるから、もうちょっといるでござる!」


 お前なぁ。

 見て分かる通り、いや見なくても普通に考えたら分かると思うけど、まだ開店前なんだよ。

 今何時だと思ってんだ?


「非常識な」

「非常識な時間に非常識な依頼を持ち込んだのはヤシロ氏でござるよ!?」

「こんなに早く行けとは言ってねぇよ」

「配慮してくれたでござるよ、きっと長男氏は!」


 少しでも作業時間を確保できるようにって?

 あはは、バカだなぁ。


「ベッコには『ゆとり』とか必要ないのに、なぁ?」

「是非とも欲しいでござる! なんならその三文字、大好きでござる!」

「俺は、三文字なら『おっぱい』の方が好きだな」

「四文字でござるな、それは!?」


『強制翻訳魔法』さぁ。

 どっかの言語では三文字のところもあるだろう?

 そこの言葉で翻訳しろよ、こーゆー時は!

 気が利かねぇなぁ。


「『おっぱい』は、どこの言語でも一貫して四文字でござるよ!」


 そんなわけねぇだろ。

 仮に英語だったら、『ブレスト』……ホントだ、四文字だ!?

 すげぇぜ、おっぱい。


「朝から、なんてくだらない話をしているのさ」

「あ、ちっぱい」

「うるさいよ」


 俺がベッコと言語学について知見を深め合っていると、エステラが呆れ顔でフロアへと入ってきた。


「昨日は大変だったのか?」

「そりゃあ、もう。手紙の書き過ぎで手首が痛いよ」


 手首をプラプラさせるエステラを中へ誘導し、さり気なくホウキとチリトリをベッコに握らせる。


「さらっと掃除を押し付けられたでござる!?」


 いいから、その辺きっちり掃除しとけ。

 塵一つ残すんじゃねぇぞ。


「腱鞘炎かもしれん。塗り薬を出してやろう」

「そんな大袈裟にしなくていいよ。ちょっと使い過ぎただけだから」

「酷使した後放置しとくと、変な癖がついて苦労することになるぞ」

「それは……困るね。じゃあ、薬塗ってもらおうかな」


 大人しく席に座るエステラ。

 薬箱を引っ張り出してきて、ふと思う。

 あ、そうだ。今はレジーナがいるんだった。

 先にあいつに診てもらうか――と思っていると、そのレジーナがフロアに出てきた。


「なぁ、自分ら。今、乳首の話しとった?」

「してないよ!?」

「いやでも、酷使し過ぎてクセになったら、後々までモゥレツ~ンとか聞こえたんやけど」

「後半は完全に幻聴だな。いい医者に診てもらえ。で、たぶんもう手の施しようがないから深刻な表情でため息吐かれてこい」


 何をどう聞き間違えたら「モゥレツ~ン」に聞こえるんだよ。


「手首だよ」

「『手首』、『三』を取ったら、『乳首』やね☆」


 ……『三』?


 えっと……


『TEKUBI』-『三』=『TIKUBI』


 ホントだ!?



 ……ってバカ!

 精霊神のバカ!

『強制翻訳魔法』の無駄な有能さが却ってバカ!


『E』から『三』取って『I』にしてんじゃねぇよ!


「えっと……君たちの使っている言語でも、この公式って成り立ってるの?」

「えっ、エステラの使ってる文字でもなのか?」

「エロスは、国境も文化も超えるんやね☆」


 くだらねぇことで超えてくんなよ、国境!


「っていうか、なんでレジーナがいるのさ」

「まぁ、しばらくはな」

「……あぁ、そうか。うん、そうだね。その方がいいね」


 状況を鑑みて、すべてを察したらしいエステラ。

 まぁ、昨日はその対応で夜まで館に缶詰だったようだし、嫌でも思い当たるか。


「返事は来たか?」

「来るわけないだろう。来るとしても明日以降……のはずなんだけど、なぜか朝のうちに返事が来そうな気がしているよ」


 フットワーク軽くなったからなぁ、この街の領主連中は。


「ルシアさんには、昨日の午前中に手紙を出したから、下手したら今日直接――」

「来たぞ!」


 と、ばっちりのタイミングでルシアが陽だまり亭にやって来た。

 もう、驚いてなんかやるもんか。


 お前は、そーゆーヤツだ。



「すげぇ久しぶりだな、ルシア」

「そうだな。うっすらと貴様の顔を忘れかけておったぞ」


 予想以上に早い再会に、苦笑も出ない。


「馬車は」

「置いてきた」


 いつものこと、みたいな言うな。


「ちょっと厄介なことになりそうだな」

「確実に目を付けられただろうからな」


 話しながら、ルシアがエステラの座る席の向かいに腰を下ろす。


「ベッコよ、茶だ」

「拙者今、掃除してるでござるよ!? っていうか、掃除してるのもなんかおかしいでござるけども!」


 しょうがないだろう、暇なのがお前しかいないんだから。


「あぁ、それから、今日は私だけではないのでまた賑やかになる」


「そろそろ来るころか」とルシアがドアを振り返ると、見知った夫婦が並んで入店してきた。


「やぁ、カタクチイワシ君。しばらくぶり」

「早朝にお邪魔いたします」


 ぽっちゃり領主のダックと、その妻のスゥ。


「このお店は、お風呂が素晴らしかったです」

「それ、店のサービスじゃないから、気軽に要求してこないように」


 あんな貴族だらけの入浴会、そうそう開催されてたまるか。


「おはようと挨拶する、私は、陽だまり亭のみなさんに」

「おう、ギルベルタ。来てすぐで悪いんだが――俺の後ろにナタリア立ってないか?」

「肯定する、私は、友達のヤシロからの質問を」

「よくお気付きで」

「ダックの陰に隠れて入店して、スゥに意識が向いた時に背後に回ったろ?」

「正解です。ご褒美に、膝枕券を差し上げましょう」


 俺の背後から前へと回り込んできたナタリアに、一枚の紙っぺらを渡される。

 これが、膝枕券――



『ダック・ボックのぽよんぽよん膝枕券☆』



 ――廃棄!


「あぁっ! デザインに凝ったのに!」


 ダックが破り捨てられた紙くずを拾い集める。

 領主が平民の前で床に膝をつくな。

 ……まぁ、エステラもよくここで床に膝ついてるけども。落としたミートボールを拾う時とか。…………拾ってんじゃねぇよ。


「なんでまたダックまで連れてきたんだ?」

「もともと、今日はダックと会談の予定だったのだ。なので、同行させてこっちでその話もついでにしてしまおうと思ってな」

「私は、陽だまり亭の料理が食べられるならそれで満足だからね」

「お風呂が素晴らしかったです」

「なぁ、ルシア。あのぽっちゃり領主の嫁はまともな人間だと思っていたんだが、泊まっていく気か?」

「ダックはともかく、スゥには敬意を払え。不敬が過ぎるぞ、カタクチイワシ」


 不敬もなにもあるか。


「後回しにせず、わざわざ連れてきたってことはそこそこ重要な話なんだな」

「あぁ、そうだ。……まったく、こちらが片付いていないというのに次々と……実に煩わしい」


 ルシアが眉間にシワを寄せて険しい表情を見せる。


「深刻そうだな」

「あぁ……実はな――」

「ニワトリ小屋の、完全リフォームやー!」

「むっはぁぁああ! ハム摩呂たんキタァァァアーーー!」

「深刻さが吹っ飛んでいったな」

「何も解決してないけどね」


 ルシアの豹変にエステラも苦笑いだ。


「なんでハム摩呂がいるの?」

「昨日、こいつ風邪引いてな。俺の部屋で看病してたんだ」

「なぬ!? なぜそれをもっと早く報告せぬのだ! 知っていれば、私も同じ部屋で寝ずの看病をしたというのに……っ!」

「そしたら、お前俺の部屋で夜を明かすことになってたけどな」

「貴様は外に出ておれ」

「残念だが、ハム摩呂は俺の腹にくっついて離れなかったんだよ」

「なんだと、羨ましい!? どこだ? ちょっと私にもくっつかせろ」

「ルシアさん、さすがにそれは止めますね!」

「お手伝いいたしますわ、微笑みの領主様。ルー、ちょっと痛くするわね。えい☆」

「いだぁぁあい!」


 貴族令嬢が出してはいけないような声で鳴き、ルシアが悶絶している。

 尾を引く痛さのようだ。

 ……なにした、スゥ・ボック? 怖っ。


「おっはよーございまーすでーす! なんだかすごく賑やか――いっぱいいるです!?」


 身支度を整えて降りてきたロレッタが、フロアにひしめく奇人変人どもを見て後退る。

 朝から濃いだろ、この面々?


「おぉ、お義姉様か……床に伏したままで、すまぬな」

「何やってるですか!? いいんですか、領主さんがそんなポーズ衆目に晒して!?」


 まぁ、いいんじゃねぇの、ルシアだし。


「なんか、物々しい雰囲気ですね。昨日のスパイさんのお話ですか?」

「それもあるのだが、こちらはこちらで別の用件もあってな」


 床に倒れ伏したまま普通に会話を続けるルシア。

 普通にしゃべってねぇで、さっさと起き上がれよ。

 で、ロレッタもその異常な光景を受け入れるな。抗え、時には。


「もしかして、治水利権に群がる貴族を牽制しつつ港の警備の強化が急務な感じ?」

「なぜそれを知っておるのだ、ハム摩呂たん!?」

「夢で見たー!」

「以心伝心!? え、運命!?」


 あぁ、ヤバいヤバい。

 ルシアが舞い上がってる。


「領主さんと結婚して、領主になってたー!」

「正夢キタァァアー!」

「ルシアさん、悩み過ぎて何か念みたいなものを飛ばしたんじゃないでしょうね? ハム摩呂はあげませんからね」

「宣戦布告か、エステラ!?」

「防犯対策ですよ」


 まぁ、確実に起こるであろう誘拐事件を未然に防ぐのは、この上もない防犯対策だよな。

 というか、ルシアを鎖でどこかに繋いでおくのが一番手っ取り早い防犯対策になるな。


「治水利権にちょっかいかけてきてる貴族がいるのか?」

「うむ。家が川のそばだから、管理する権利は自分にあるなどと急に言い出しおってな」

「三十四区でも、そういう貴族が出始めているんだよ。ほら、三十五区に噴水が出来たじゃない? あれの利益に乗っかろうっていう浅慮な貴族が多くてね」


 ダックが肩をすくめる。 

 すくめても横幅一切変わらないんだな、お前は。


「具体的には何をするつもりなんだ?」

「水門を作って水量の調節と、川の汚染の防止、近隣を開発してよからぬ者の侵入を防ぐための警備……であったか」

「要するに、噴水に繋がる川を支配下に置いて、水を使いたければ金なり融通なりを引き出そうって魂胆か」

「まぁ、そのようなものだ」


 素人が川に手を出したら、環境破壊一直線なんだけどな。


「それで、川が使い物にならなくなったら、どう責任を取るつもりなんだ、そいつらは?」

「そのようなことまで考えておらぬ。概ね、自然の驚異だ、自分のせいじゃないと喚くのが精々だろう」

「そうか」


 なら、必要ないな。


「エステラ。マーシャに連絡して人魚を数名派遣してもらってくれ。で、ルシアとダックは、川のなるべく上流に人魚が好きそうなものを作っておいてくれ」


 そうすりゃ、その川は人魚の通り道となり、そこにちょっかいをかける貴族は自然といなくなるだろう。

 人魚相手に「邪魔だ、退け!」なんて言える貴族はいないだろうし、明確に自分の土地でもない限り領主に泣きつくことも出来ない。


「まして、国民じゃない人魚が一地方の弱小貴族の命令に従ってやる謂れはないからな。武力で黙らせられるものならやってみればいい。連合騎士団くらい、あっという間に壊滅させちまうぞ」

「そんな、目に見える負け戦に貴重な戦力を投入は出来ぬ」

「ウチの区も、人魚には逆らうなっていうのが常識になってるからね」


 じゃあ、人魚に何往復かしてもらえばいい。


「しかし、何を作れば喜んでくれるのか……」

「私にもさっぱり見当がつかないや」


 ルシアとダックが考えているフリをしてこちらを見る。

 ……ったく、しょうがない。


「遊技場を建てるか。プレハブで」


 水鉄砲でビリヤードやってたって言うし、人魚用にカスタマイズしたビリヤードとか、ダーツとか、ちょっとした競泳プールとか作っとけばそこそこ楽しめるだろう。


「……三十四区に、人魚が集まるスポットを…………かぁ」


 ダックが遠い目をしている。

 人魚との確執、今のうちになくしとけば?



「とりあえず、マーシャに手紙を書くけど、今どこにいるか分からないから、スグの返事は期待しないでね」


 と、エステラが酷使した手首をさらに酷使し始める。

 ナタリア、代わってやれよ。

 ……あ、エステラの二十倍ほど酷使してたの?

 そっか、お疲れさん。


「みなさ~ん。トウモロコシが湯掻けましたよ~」

「うっはぁ、人増えたなぁ~。よかった、いっぱい持ってきといて」


 厨房から、ほっかほっかと湯気を立てる大量のトウモロコシが運ばれてくる。


「これはみんな、バルバラさんが湯掻いてくださったんですよ」

「アーシの花嫁修業の結果だ! みんな食ってくれ!」


 お前の花嫁修業、トウモロコシだけなのかよ。

 もっといろいろ練習しとけよ。


「おねーしゃ?」

「おぉっ! テレサぁ~! おはよ~!」

「おねーしゃ!」


 バルバラが両腕を広げると、テレサが胸に飛びついた。

 仲良しだな、この姉妹も。


「おねーしゃの、とうもろこ?」

「あぁ、アーシが湯掻いたんだぞ」

「ごしょうばん!」

「おう、和尚さんを預かってくれ!」


 なんかいろいろ違うぞ、バルバラ!?

 なんだその、テレサが見ず知らずの坊さんを預かってる状況!?

 幼児に託児してんじゃねぇよ!


「それじゃ、難しいお話の前に、みなさんで召し上がってください。何か他に食べたいものがあれば遠慮なく言ってくださいね」

「それじゃあ、お寿司を!」

「それは港に行って食え」


 海魚は準備してねぇんだよ。


「カニ雑炊でしたら、今からご用意できますよ」


 氷室のおかげでな。

 カニもご飯も、よぉ~く冷えてることだろうよ。


「じゃあ、それを。スゥも食べるよね?」

「どのくらいの量ですの?」

「土鍋でご提供いたしますので、食べられる分だけ食べていただければ」

「そうなの。じゃあいただくわ」

「余ったら、私が食べてあげるからね」

「あなたは食べ過ぎるのでダメです」


 まぁ、ジネットのカニ雑炊は美味いから残りゃしないだろう。

 こりゃ、本格的に飯を食いそうだな。


「レジーナ。カンパニュラとマグダを起こしてきてくれ」

「……自分、絶対わざと言ぅとるやろ?」


 レジーナと寝起きのマグダは相性がいいからなぁ。

 以前はマグダとテレサを体に引っ付けて降りてきたっけ?

 今日はテレサが早起きしてきたけど。


 なんだろう?

 姉の気配でも感じたのかな?


「おはようございます。少し寝坊してしまいましたか?」


 とか思っていたら、カンパニュラが降りてきた。


「別にお寝坊さんではないですよ。今から起こしに行こうとしていたところです」

「そうなのですか? では、もったいないことをしました。ジネット姉様に起こしてもらえるのは、なんだか特別感があって嬉しいですから」


 にこぉ~っと、ジネットが笑っている。

 あ、これ絶対、次回カンパニュラが泊まりに来た時起こしに行くな、ジネットのヤツ。

 今回はレジーナが起こす予定だったが、次回は絶対譲らないだろう。


「じゃ、マグダをよろしく」

「一番の難関残っとるなぁ……」


 大丈夫だ。

 ギルベルタよりはマシだから。

 あと、二日酔いのノーマより、はるかにマシだと思う。


「ほな、行ってくるわぁ~」


 と、レジーナが厨房に入ったタイミングで、今度は店のドアが開く。


「おはよ~☆ エステラが来るまでここで待たせてもらってもいいかな~☆」

「わっ、みんな早起きなんだな。店長とヤシロしか起きてないかと思った」


 デリアに水槽を押してもらっているマーシャ。

 二人揃ってのご来店だ。

 ……カンパニュラ、デリアの気配を感じて起きてきたのか?

 なんかあるの、姉妹センサーみたいなもん?


「ちょうどよかったよ、マーシャに頼みたいことがあったんだ」

「あ~っ、エステラ~☆ なになに、これって運命☆ やっぱり私たちって赤い、ぶっとい糸で結ばれちゃってる感じ~?」

「あはは。出来れば、ボクのは素敵な男性と結ばれていてほしいよ」

「むぅ、ひどいなぁ~エステラは☆」

「『巨乳と結ばれていた方が、遺伝子的に未来は明るいのに☆』」

「うるさいよ、ヤシロ。真似しても全然似てないから、バレバレだよ」

「でも、女の子みたいな声だったわね。ねぇ、ルー、どうやったのかしら?」

「カタクチイワシのすることにいちいち興味を持っていては、体力と時間がいくらあっても足りなくなるぞ。アレはそーゆー生き物だと認識しておくのが一番だ」

「うふふ。……ホント、興味深いわぁ~、彼」


 怖い怖い。

 こういう貴族女性の値踏みするような目、ホントおっかないんだよ。

 ルシアバリアー、っと。


「それで、マーシャ。お願いがあるんだけどさ、三十五区と三十四区の川を――」

「人魚のメンコ作って~☆」

「聞いてよ、ボクの話!」

「私が先にお願いしたもん☆」

「はぁ……で、なに? メンコ?」

「うん、そう☆」


 エステラが折れた。

 そんな二人の会話には参加せずに、デリアはカンパニュラと一緒にスイートコーンを食べている。

 バルバラが猛烈に勧めていたからな。

 まだ敬ってんのか、姐さんって。


「英雄も、ほら」

「ん。…………お、美味い」

「だろぉ? トットは自慢の弟だからな! すごい大人になるぞぉ、トットは。きっとモテモテだ。英雄よりカッコいい男になるかもな」


 にっこりと、恥ずかしげもなく弟自慢をしてくる。

 こういう表情を見ると、こいつの生活が充実しているのがよく分かる。


 なかなかやるな、ヤップロック。

 初対面で殺されかけた関係とは思えないぞ。


「はぁ……ヤシロ~、聞いてた?」

「あ、悪い。トウモロコシ食ってた」

「聞いててよ……君案件なんだから」


 俺案件ってなんだよ?

 この街のことは、すべてお前案件だよ。


「ウチの子たちがね~、お祭りでメンコを見ちゃって~、欲しいな~って」

「じゃあ、駄菓子屋にでも行ってくれ」

「そーじゃなくてぇ~! ……もぅ、いじわるだなぁ、ヤシロ君は☆」

「ねぇ、ルー。いいの? あんなベタ甘な女性を放っておいて? あなたのカタクチイワシ様」

「わっ、私はあんなもの所有した覚えはないし、マーたんは私の親友だ! 何も問題はない! 問題があるとすれば、あっちのエロクチイワシがマーたんにちょっかいを掛けぬかどうかということだけだ!」

「へぇ~……そうなんだ。……ふぅ~ん」


 なんか、俺の後ろで妙な会話が交わされてたな、今?

 よし、聞かなかったことにしよう。


「つまり、人魚たちの絵柄のメンコを作ってほしいってことだな」

「そうなの~! さっすがヤシロ君、話が分かるぅ~☆」


 と、水槽から飛び出して俺に飛びついてくるマーシャ。

 ……お前、確実にルシアとスゥの会話を聞いた上で、面白がってやってるだろ?

 腹が黒いぞ、この美人魚。


「こらエロクチイワシ! マーたんに手を出すな!」

「んじゃ、両手を離すか」

「やだ~! そしたら私床に落ちてキズモノになっちゃう~☆ 責任問題、だ・ぞ☆」

「マーシャ、ごめん。さっさと水槽に戻って。ちょっと、胃にもたれるよ、その甘さ」


 エステラがマーシャの首根っこを掴んで水槽へ引きずり戻す。

 そうか、あそこを摘まむと人魚は抵抗が出来ないのか。


 ……いや、絶対抵抗してくるだろ。

 だって、人魚だし。


 けどまぁ、こいつは案外いい情報だ。


「エステラ。問題が解決しそうだぞ」

「ほんとに?」

「あぁ。ベッコとウーマロをうまく騙して酷使してやれば、問題はすべて解決する」

「よかったぁ。じゃあ、あの二人をうまく騙しといてね」

「いや、ここにいるでござるよ拙者!?」

「オイラもいるッスよ!? せめて密談は本人のいないところでしてほしいッス!」


 フロアのベッコと厨房から出てきたウーマロが同時に叫ぶ。

 んだよ。

 今から事後承諾取り付けるから、黙って頷いてろよなぁ、お前らは。







あとがき




どうも、宮地ですか?


 Σ(・ω・ノ)ノ 聞いちゃった!?



『TEKUBI』-『三』=『TIKUBI』


……なぜ、こんな公式を思いついてしまったのか

もうすっかり記憶にございません。


なんか、聞いた話なんですけど、

次元の違う天才数学者って、ふと公式が思いつくんだそうです

天から降ってくるように、ふっと公式が脳内に浮かんで

それが世界を震撼させるような凄まじい公式だったりするのだそうです



……私の公式も、もしかして?

 天から降ってきた、的な?


 (・_・;あの、変なんもの落としてこないでくれますかね、天?



よく、アイデアって「降ってくる」って表現をされる方いますけども

私の場合「湧いてくる」って感覚なんですよね


「あ、これいいかも」ってアイデアって、

首の付け根の方から脳内に「ふわっ」て浮かび上がってくる感覚なんですよ

そうやって浮かんできた発想で、その瞬間にしか思いつけないものなので

今みたいにずっと書いている時には使えますが、

ちょっと時間を空けると、なんか面白くなくなってたりうまく扱えなくなっていたりするんですよ


逆に胸の奥の方に蓄積されていくネタとかアイデアっていうのは

いつでも取り出して、同じ鮮度で使えるんですよね~


これは、思い浮かんだことを熟成させて自分のものにすると

胸の奥に収納され落ち着くという感じなんでしょうか?

腑に落ちる、というヤツなんでしょうかね


まぁ、感覚的なモノなんですけどね



で、レジーナが出てきている時に乱発されるおっぱいネタは

ほとんどがふわっと浮かび上がってきた即効性のネタがほとんどなんですね


なんでしたっけね……

「性の感情が迸るうっふん属性の裸族」でしたっけ?

あぁいうのはもう思い付きです。


たしかヤシロに「正の感情に滅ぼされる負属性の魔族か」とか言われた時の返しでしたっけね。


こういうのは、胸に落ちる前に脳内に浮かんできたものを掬い取って本編に放流しておりますので

私の体で言うと、かーなーりー、上部で生み出されたネタなんですね

腑に落ちる前ですから、


なので!


全然、下ネタじゃないです!

むしろ、上ネタです!



いえ、AIに本編を読み込ませて解説させたらですね


AI「少し下ネタが多いですが全体的に温かい雰囲気でユーモアにあふれる作品です」


って、

下ネタ多くないわ!

っていうか、おっぱいは上半身だから上ネタ!

っていうか、おっぱいは愛!

愛のあふれる作品って、素敵やん!?



だって私、下ネタとか、苦手ですし

(*´ω`*)お寿司



あ、あとですね

AIがね、



AI「宮地さんの文体を模倣して続きを書くことも可能です」



とか豪語したので書かせてみたんですね

そしたら……


ヤシロが聖人君子になってました(≧▽≦)

「ジネットか!?」ってくらいに善意の人になってました


AIの目には、ヤシロはジネットのような人に映っているようです(笑)


昨今、AIといえば、学習か盗作かみたいなことで議論がなされておりますが――


『TEKUBI』-『三』=『TIKUBI』

「性の感情が迸るうっふん属性の裸族」


は、私のネタなので、皆様覚えておいてくださいね!


あと、


「支離滅裂だな」

「尻ケツケツ? なんですか、急にお尻発言を三回も!」


もね!(☆>ω・)b



……誰かの小説にこんなワードが出てくる日が、いつか来るんでしょうか

それはそれで、見てみたい気もしますけれども

(*´ω`*)


というか、世界中のAIが私の作品で学習しまくってくれたら

どこぞの大企業が

「キャッチコピーくらい、AIに考えさせとけばいいだろ」的な発想でポスター作ったりした時に



『胸が高まる新製品!』

「あぁ、寄せてあげるブラやね( ̄▽ ̄)」

「Σ(゜Д゜;)いや、バストトップの高さが上がるって話じゃねぇか、これ!?」



的な広告がターミナル駅とかにずらーっと並んだりするんでしょうかね?

(≧▽≦)そりゃ~楽しみだ♪



『おっぱいが揺れる音までクリアに再生! 最新技術のスピーカー!』



買います!

ウーハーとか、めっちゃ聞かせてばぃんばぃん言わせてください!

(≧▽≦)/



『谷間に包み込まれるような、極上の寝心地。新感覚ぱふぱふ枕』




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……AIのおかげで、新しいビジネスがおぼろげながら浮かんできましたね

いつの日か、私の仕事がAIに駆逐された日には、

サイドビジネスでなんとか食いつないでいきたいと思います!


それまでは、

健全に、青少年の夢を育てる

宮地拓海をよろしくです☆



次回もよろしくお願いいたします

宮地拓海

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― 新着の感想 ―
「ちぶさ」「バスト」とおっぱいのことを考えて読んでたら、後書きになった。不思議。
更新ありがとうございます♪タイトルどうり。もうね、タイトルどうりでした。ワチャワチャ。ツッコミ疲れました。ベッコ氏の「納期が鬼でござるよ!?」からもう笑いっぱなしでした。皆さん朝早いし、貴族さんや人魚…
バストだったら3文字だったんじゃねぇかなと頭に残り続けたまま読み終えた件について
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