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異世界詐欺師のなんちゃって経営術  作者: 宮地拓海
第四幕

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433話 祭り前日の午後

 婆さん司祭がベルティーナと一緒に教会へ向かい、陽だまり亭にようやく落ち着きが戻った。


「あぁ、よかったです。危うくシーフードピザを食べ損ねるところだったです」

「本当に、間に合ってよかったですねぇ、ロレッタちゃん」


 あぁ、違った。

 婆さん司祭が帰るちょっと前に荷物を抱えたウクリネスを連れてロレッタが戻ってきたんだった。

 なので、若干騒がしい。


 なんか俺に話があったらしいが、厨房に充満する堪らん匂いに負けて、その話は横へと追いやられ、ウクリネスもおこぼれのシーフードピザを食べている。


「もう当分作れないから、ここにいないヤツには言うなよ。面倒くさいことになるから」

「ですね! エステラさんやパウラさんはずっとむぅむぅ言ってくるですからね。お口チャックですよ、ウクリネスさん、マーシャさん!」


 とか言ってるロレッタが一番ポロリしそうだけどな。


「シーフードピザは、港のお寿司屋さんで出すべき!」


 うん、マーシャ。

 寿司屋でピザとか、どんだけトリッキーな回転寿司屋でもチョイスしないメニューだから。

 むしろ対局にいると言っても過言じゃない組み合わせだからな。


「司祭様、喜んでくださっていましたね」

「あの婆さんより、ベルティーナの方が大喜びしてたろうに」


 どんだけ食ったんだ、あの暴食シスター。

 特例、使いまくったな、今日。


「そのような呼び方をすると、またシスターに叱られますよ」


 ま~ぁ?

 いくら見た目が婆さんと言えど、教会の偉いさんだし?

 それに、若かりしころにはベルティーナの世話になった人物らしいし?

 つまり、ベルティーナより年下で、その年下を婆さんと呼ぶってことは…………


「……なるほど、気を付けよう」

「えっと、たぶんですけど、今思い浮かべられているような理由でお叱りになっているわけではないと思いますよ、シスターは」


 思わずぷるぷるしてしまった俺の背に、ジネットの温かい手が触れる。

 じんわり。落ち着くぬくもりだ。


「あの司祭が頑張れば、ピザが売り出されるのは早いかもしれんが、港で売るのは難しいだろうな」

「パンの販売は、教会以外では厳しいかもしれませんね」

「何か方法ないかなぁ?」

「ピザ生地をパンと位置づけて、生地を教会から購入することで、各地で独自のピザを販売する――って方向なら説得の余地があるかもな」

「それだぁ~☆ じゃあ、ヤシロ君、お願いね☆」

「アッスントにでも言ってくれ」


 そういうのは、行商ギルドの領分だ。


「それが実現したら、魚介(もり)(もり)ピザとか作っちゃうんだけどなぁ~☆」

「あんま盛ると食いにくいぞ」


 ピザはシンプルな方が美味いとする考え方も存在する。

 トマトソースにチーズとバジル。

 マルゲリータが至高と訴えるヤツは案外多い。


 俺は、好きに食えばいいと思う派だけども。


「はぁ……オイラ、いいタイミングで戻ってこられて幸せッス」


 久しぶりのピザを堪能して、ウーマロがエビス顔を晒している。

 こいつも、何気にいい思いばっかしてるよな。


「働けよ」

「働いてきたんッスよ! 明日のお祭りの準備をしつつ、三十一区の進捗も確認してきたッス」

「……さんじゅう、いっく?」

「テーマパークッスよ!? え、忘れたッスか!?」


 …………あっ。

 あ~あ~!

 あったなぁ、そういや、そんな話。


「あれ、まだやってたんだ」

「年内はずっとやってるッスからね!?」

「いや、だって、ランドリーハイツとか、港の劇場とか、新しいこといっぱいやってたし、もう飽きて放り出したものだとばかり……」

「同時進行ッスよ! もうずっと並行して同時進行で人手を振り分けて微調整に次ぐ微調整を繰り返して、なんとかかんとか停滞なく進めてるんッスよ!?」

「へぇー」

「感想薄いッスね!?」


 いや、だって、俺、携わってないし。

「あ、そんな仕事もしてるんだ」って感じ?


「最近は、ノートン工務店の連中も向こうにかかりっきりッスから、いい感じで揉まれてるみたいッス」

「…………のー、とん?」

「組合のアレヤコレヤでウチと大モメして、なんやかんやで和解した後、ウチで技術を磨きつつ仕事を手伝ってくれている大工たちッスよ!?」

「あぁ、なんだっけ、ラフレシア人族の?」

「ラーテル人族ッスよ!?」


 そうだっけ?

 あれだろ?

 未成年の女を虎視眈々と付け狙って成人するやいなや結婚したロリコン強面ムキムキ大工だろ?


「略してロリムキ」

「それは……まぁ、否定はしきれないッスけども」


 なぁ~?

 たしか、娘がいるんだっけ?

 父親に似ないといいな。


「で、三十一区はどんな感じだ?」

「みんな慣れてきたのか、予想以上にいい進捗ッスよ」

「じゃあオープンを早められるな☆」

「もともと二年かかるところを半分の一年でって限界ギリギリのスケジュールなんッスよ!? これ以上は無理ッス!」


 んだよ。

 オープンを早められない程度の進み具合ならいちいち報告してくんなよ。

 まったく、ちょっとした努力を褒めてほしそうにしやがって。


「ウーマロが参加してりゃ、もっと早く進んでたんじゃねぇーの?」

「オイラを駆り出してるのは、他ならぬヤシロさんッスよ!?」

「ルシアのわがままにも困ったもんだよなぁ~」

「それは……まぁ、ほとんどが三十五区絡みッスけども…………ヤシロさん、なんだかんだルシアさんに甘いッスからねぇ……大きな声では言わないッスけど」


 バッチリ聞こえてるけどな。

 ほら見ろ、マーシャもくすくす笑ってるぞ。

 丸聞こえなんだよ。


「とにかく、ラーメンお披露目会には間に合いそうなんで安心してほしいッス」

「…………おひろめかい?」

「ラーメン講習会から半年後にもう一度集まって、研究の成果を見せ合う会をするって言ってたッスよね!? ほら、三十区の門兵たちが大工たちに無礼を働いたことへの賠償としてイベントの入場料を負担して大工たちをその試食会に招待するってことで賠償に代えるって…………まったく覚えてなさそうッスね、その表情を見る限り!?」


 いやぁ~、どうにも、済んだことをいちいち覚えておくのは苦手でなぁ。

 まして、大工たちが喜ぶような会だろ?

 きょーみねぇーなぁー。


「つーか、いまだにラーメンとか、古くね?」

「いやいや! この国に持ち込まれた最新の、今最もホットは料理ッスよ!?」

「ラーメンだけにアッツアツって? やかましいわ!」

「言ってないッスよ、そんなことは一言も!」

「ほ~んと、ヤシロ君はキツネの棟梁君と絡むと楽しそうだよね~☆」


 にこにこと、水槽の縁に手を乗せるマーシャ。

 ここまでテレサが押してきたらしいんだけど、まだいささか運転が荒かったみたいで、ちょっと乗り物酔いしてるっぽいんだよな。

 給仕長候補ではあるが、そこはまだ練習が必要か。


 やっぱ、水槽荷車教習所とかいるかもなぁ。


「なぁ、ウーマロ。水槽荷車の運転を教えるための教習所とか作っ……」

「もうキャパオーバーッスよ、さすがに!?」


 なんだよ、弱腰な。


「それより、祭りの方はどうだ?」

「それはばっちりッスよ! 今さっき確認してきたッス。もう屋台は組み上がってるッスから、すでに賑やかな雰囲気になってるッスよ」

「あたしも見てきたですけど、屋台の準備が始まってて賑やかだったです!」


 ウクリネスのところへ行っていたロレッタも見てきたらしい。街道にズラッと並ぶ屋台を。


 あとで見に行ってみるか……いや、もうそろそろ日も落ちる。

 明日本番なんだから、わざわざ開いてもいない店を見に行く必要もないだろう。

 何より、こいつらは明日、やることが目白押しなのだ。

 今日くらい、早く帰らせてゆっくり休ませてやらないと。


「お前ら、明日はかなり忙しくなるから覚悟しとけよ」

「そうですね。わたしもそうなると思います。半日営業ですし」


 明日の陽だまり亭は午前で店を閉める。

 ジネットたちが光の行列に参加するし、陽だまり亭の庭先に設置された無数の光のレンガを光らせないと決まっているので早々に店じまいするのだ。

 夜の陽だまり亭は明るくて、光の行進の邪魔になるからなぁ。


「それじゃ、オイラ。明日に向けてもうひと踏ん張りしてくるッス!」


 と、ウーマロが店を出て行く。

 それと入れ替わるようにニッカがやって来て、「ギルド長、こんなところにいたデスネ! 明日の準備がまだ終わってないデスカラさっさと支部に戻ってきてデスヨ!」とマーシャを連れ去っていった。

 誰にも言わずに抜けてきたのかよ……


 それに続いてウクリネスも立ち上がったので、帰るのかと思いきや――


「袖を通してくださいね。感想も、いろいろ聞きたいですし。来年に向けて」


 ――物凄くいい笑顔で、俺に大きな荷物をずいっと突きつけてきた。

 これも、祭りの準備の内だな。


 つか、もう来年のこと考えてんのかよ、気の早い。


「んじゃ、試しに着てみるか」

「はい」


 預かった浴衣を手に、俺は浴衣を着るため二階へと上がった。




 自室に戻って包みを開けると、オリーブグリーンの落ち着いた色味をした浴衣が丁寧に畳まれて入っていた。


 ほぅ、いい色だな。……って、これ、『近江ちぢみ』か?

 なんか、めっちゃいい感じの『しぼ』が入ってんだけど!?

 いや、さすがに似てるだけで別物だよな?


 それにしても、すげぇいい味の『しぼ』だな。

 夏っぽくて、すごくいい。


「……はは。縫い方も完璧だわ」


 男浴衣の縫い方と女物の浴衣との違いなど、注意点を紙に書いて手渡したとはいえ、ここまで完璧に仕上げてくるとは……ウクリネス、何か不思議な能力が開花してないか?

 もしくは、ウクリネスの中に日本の着物職人の意識だけが転生して入り込んでたり……って疑いたくなるくらいに見事な浴衣だ。


 ………………あ、ここ、こういう風に仕上げちゃったか。

 ちょっと違うんだよなぁ……でもまぁ、うん。


「微妙に間違ってる部分を見つけて、ちょっとほっとした」


 まぁ、間違いというか、俺がそこまで細かく教えてなかっただけなので、ウクリネスに落ち度はないんだけれども。


 そうかそうか。

 言わないとこうなるのか。盲点だった。

 あとで言って、次回以降修正してもらおう。


 細部に違いはあれど、おおまかな部分は浴衣とほぼ同じに出来ている。

 十分及第点だ。


 なので、着付けも普通に出来る。


 ……おっ、着心地もいい。

 きっと、見栄えもするだろう。

 うん、充分、十分。


 今回、自分たちの浴衣は自作すると言っていたジネットたち。

 だが、見たこともない男物の浴衣を作るのはちょっと難易度が高いだろうと俺の分だけはウクリネスに依頼しておいたのだ。


 仕事と準備の合間に自分たちの浴衣を縫いつつ、「来年はヤシロさんの分もわたしに任せてくださいね」なんて意欲を見せていたジネット。

 ……いや、お前、少しは休めよ。

 店で買えるなら買った方が楽なんだから。


「とりあえず、見せに行くか」


 と、部屋を出ると、廊下にマグダとロレッタがいた。


「ふぉぉおお! お兄ちゃん、かっこいいです!」

「……さすヤシ」


 なんか、前もあったな、こういうの。

 港の完成式典の時に、アホ丸出しの王子様ルックを強要された時も、こいつらは俺の部屋の前で待機してたっけ。


 で、そんな俺のおもしろ王子様ルックを見てジネットが包丁を取り落としたんだったっけ。

 ……今回は大丈夫だと思うが、念のため気を付けておこう。


「なんか、カチッとしててかっこいいです!」

「……いなせ」

「よくそんな言葉知ってたな、マグダ」


 異世界にもあるのか『いなせ』なんて言葉。


「まぁ、男の浴衣なんぞこんなもんだろう。お前らの浴衣はどうなんだ?」

「……それは、当日のお楽しみ」

「何を隠そう、かなりすごいことになってるですから期待しててです! 店長さんの超力作ですからね!」


 相当可愛い浴衣に仕上がったらしい。

 これは、明日が楽しみだ。


「で、ウクリネスが担いでいたデッカい荷物はなんなんだ?」

「あれは乙女さんたちの浴衣ですよ」

「なんでウチに持ってくるんだよ。金物ギルドに届けろよ」

「その前に、お兄ちゃんのチェックが欲しいって言ってたです。お店でも、どれが似合うか、どんなのがいいか、物凄く悩んでたですから、ウクリネスさん」


 へぇ、そうなのか。

 ウクリネスは毎回その人に合ったナイスなチョイスで衣装をコーディネートしてくれるから、悩まずぱぱっと決められると思っていたのだが、もしかしたら毎回かなり悩んで考えていてくれたのかもしれないな。


「なんでも、『特に心が踊らない人の衣装は決めるのが大変』らしいですよ」


 おぉう……そうか。

 乙女の浴衣選びは苦痛だったか。

 あいつ、美少女や美女に露出させる時は迷いないのになぁ。


 残念なオバサンだよ、まったく。

 ただ、いい仕事してくれてるけどな☆

 今年の猛暑期もよろしくな☆


「うん、見てないけど、たぶんいい感じなんじゃん。じゃ、届けといてくれ」

「せめて現物を見て言ってあげてです!」


 えぇ~……乙女どもの浴衣とか、どーでもいーのにー。


「まぁ、それよりも、お兄ちゃんの浴衣のお披露目が先ですね! さぁ、フロアに戻って店長さんたちに見せてあげてです!」

「おい、そんな引っ張んな!」


 あと、ジネットに見せてやれとか、ちょっと恥ずいし、いちいち言わないで!


 ロレッタに手を引かれ、マグダに背を押させ、若干怖い思いをしつつ二階からの階段を駆け下りる。

 いや、マジで怖いから!

 押すな!

 引っ張んな!


「店長さーん! ちょっと見てです!」

「……かなりいい仕上がり」


 ばばーんっと厨房へ駆け込んで、ロレッタとマグダが騒ぎつつ、俺をフロアへと引っ張り出す。

 最後に背を強く押され、つんのめるようにフロアに出ると、ジネットが俺の姿を見て手に持っていた布袋を取り落とした。


 ドサッと音を立てて床に落ちる布袋。

 中身は布か。

 しかし、見事に落としたな。

 今回は体勢が悪く受け止められなかったぜ。



「ヤシロさん……すてk……よくお似合いです!」


 なんで言い直した?

 いいじゃん、素敵くらい言ったって。


「あの、……とても素敵です」


 うん、だからって、そんな改まって言い直さなくてもいいから。


「そ、……そうか」

「はい……そう、です」


 照れないで!?

 伝染うつるから!


「お前たちの浴衣はどんな感じなんだ? もう出来てるんだろ?」


 照れているジネットの気を紛らわせてやろうと、そんな話題を振ってみる。

 ジネットは裁縫が好きだし、自分の好きなものの話になると本当に楽しげににこにこと話をする。

 だから、うまい具合に話題が逸れると思ったのだが……


「あ、あの……それは、明日までのお楽しみ、ということで」


 なんだか、一層照れてしまった。

 え、なんで?


 ……はっ、まさか!?


「そんな照れるほど恥ずかしい仕上がりに……っ!?」

「違います!」

「あ、『恥ずかしい』って言ってもアレだぞ? 卑猥な意味で、だぞ?」

「そう思ったから違うと言ったんです!」


 あ、そうなの?

「出来栄えが悪くて恥ずかしい」なんて思われたくないのかなって、一応気を遣ったんだけど。


 え?

 逆?

 逆って、何が逆?

 卑猥がスタンダードじゃないって?

 あはは、なに言ってんだか。卑猥はスタンダードなんだぜ☆


「あ、あの……」


 いつまでも照れが抜けない顔で、ジネットが上目遣いで俺を見てくる。


 よし、分かった。

 OKしよう。


 何をお願いされるのか知らんが、そんな顔で頼まれたらどうせ断れないんだ。

 聞くまでもないってヤツだな。


「明日、わたしも浴衣を着ますので……その……お店が終わって、行進の準備が始まるまでの間…………もっ、もし、お時間があれば、その……今度は、お店が開いている時に、一緒に……」


 前回の光の祭りでは、ジネットはずっと忙しくしていた。

 祭りの屋台を回る時間もなく、やっと暇になったのは祭りが終わった後だった。


 だから、せめてって感じでジネットと二人で、屋台の並ぶ街道を歩いたんだよな。

 屋台が全部しまった後の祭り会場を。


 それを、今度は屋台が開いている時間に。

 二人で浴衣を着て、一緒に……って?


 浴衣デートじゃん!?

 制服デートに次いで、全男子がやってみたいと渇望している、マンガの中にしか存在していない説まで囁かれている憧れのシチュエーションじゃん!


「そう、だな……」


 それをジネットから誘ってくれたんだ。

 断る理由なんてない。

 なら、俺もそれに全力で応えようじゃないか。


「じゃあ、ルシアを早い段階で縛り上げてどこかに幽閉して時間を作っておくとしよう」

「そんなことはしないであげてくださいね!?」


 いや、でも、そうでもしないと二人で歩けないぞ?


「みんなで、その時にタイミングの合った人たちみんなで、お祭りを楽しみましょう。ね?」


 そう言ったジネットの頬は、幾分赤みが引いていた。

 前回のことを思い出し、物凄く照れくさかったけれども、よくよく考えたらみんなで一緒に屋台を回るのも楽しいですよね、……みたいな感情の変化だろうか。


 あぁ、分かってるよ、精霊神。

 どーせお前は、俺に憧れのシチュエーションなんぞさせるつもりはなかったのだろう。


 ジネットが他人を排除して楽しみを独占するなんてこと、するわけないもんな。

 ……上等じゃねぇか。

 いつか絶対制服を作って、制服デートしてやるからな!

 今に見てろよ精霊神!


 ……けっ!




 で、フロアに出て浴衣を一通りいじられたあとで、乙女どもの浴衣を確認する。

 ……って、おい。


「なんで女物なんだよ?」

「だって、みなさん心は乙女なんですもの。こういった可愛い柄がお好きでしょう?」


 心は女でも、体はメンズ、それもムキムキマッチョなんだよ。

 入るのか、こんな可愛らしい浴衣……うわぁ、きちんと入りそうに改造されてるわぁ。

 なに、この無駄な技術革新。

 ムキムキ筋肉を華奢な少女のように見せる浴衣とかいって売り出すつもり?

 需要ねぇぞ、金物ギルドにしか。


「はぁ~~~~~ぁ。……いいんじゃん?」

「肯定する人の顔と声じゃないですよ、お兄ちゃん!? 気持ちは嫌と言うほど分かるですけども!」


 乙女たちが可愛く着飾れば、それはそれで一緒に盛り上がってやれるロレッタ。

 もう、お前が持ってって、お前が着付けまでやってやれよ。

 妹にちゃんと着せてやりたいからって、ウクリネスに着付けを教わってマスターしてきたんだろ?


「何気にちゃんと長女してて、偉いなお前は」

「なんか急に褒められたです!? いきなりはやめてです、ドキッとし過ぎて心臓が破裂するかと思っちゃうですから!」


 真っ赤な顔で妙なクレームを入れられる。

 褒めたのに。


「じゃあ、褒める時は事前に告知するよ」

「いや、そういうことじゃないですよ!?」

「ロレッタ、今からお前を褒めるぞ」

「そうやって告知されると、それはそれでなんか恥ずかしいです!」

「なんか……こう……すごく……いい感じ?」

「ぼやっとしてるですね、褒め方!? もうちょっと『ここ!』っていう褒めポイントなかったですか!? 割とあるはずですよ、褒められるところ!」


 事前告知してから褒めてもクレームを寄越してくる。

 難しい年頃め。


「で、なんでジネットはそんなまじまじと俺を見てるんだ?」


 ロレッタとふざけた会話をしている間中、ずっとジネットが俺を凝視していた。

 俺の周りをくるくる周回しながら、首を傾け見る角度を変えて。


「す、すみません! 男性用の浴衣って、女性用のものとどこがどう違うのかなと思いまして……」

「んじゃ、脱いでくるからじっくり観察してみるか」

「いいんですか?」

「まぁ、今日はもう客も来ないだろう」


 外はもう暗い。

 婆さん司祭にピザだのクッキーだのを食わせるために結構料理したからなぁ。


 手押しポンプのお披露目でも時間を食ったし、まぁ、しょうがない。


 まったく、祭り前だってのに。

 準備してる暇もなかった。


「明日の準備は俺がやっとくから、ジネットはじっくり――」

「明日の準備なら、もう万全です」


 わぁ、準備してる時間あったっぽい。

 ……おかしい。

 ジネットはずっと俺と一緒にいたはずなのに、いつの間に?


 え、俺が面倒くさい領主や貴族に絡まれていたあのわずかな時間に?

 面倒くさい絡まれ方して、俺の体感的には苦痛を感じる程度に長く感じた時間だが、祭りの準備をするにはあまりに短過ぎないか?


「もしかして、ジネットって二人いる?」

「いえ。みなさんがお手伝いしてくださいましたので」


 視線を向ければ、誇らしげに胸を張る陽だまり亭ウェイトレス一同。

 おーおー、テレサも手伝ったのか。マグダにも負けないくらいに胸を張ってるな。


「そっか。悪かったな、俺だけなんの手伝いも出来なくて」

「いいえ。ヤシロさんはお祭り全体の準備をされていましたから」


 そうなんだよ。

 エステラとかウーマロとか、いろんなヤツが代わる代わる、とっかえひっかえやって来ては俺に仕事を押し付けていきやがったんだよなぁ。


 で、極めつけが手押しポンプの説明会だ。

 領主、貴族が詰めかけて非常に面倒だった。


 トドメに教会の司祭だろ?


 俺のHPはもう0だっつーの。


 あぁ、そういえば、『極めつけ』って本来は『極め付き』っていうのが正しいらしいな。

 最近は誤用されまくって「じゃーもう『極めつけ』でもいいよ!」ってなってるらしいけど。


 じゃあ、もうそれでいいじゃん。な?

『極めつけ』だろうが『極め付き』だろうが『トドメつき』だろうがさ。


「トドメつき」

「お兄ちゃんがトドメを突かれたです!?」

「……急所への一撃。狩人が狙うは、いつもそこ」


 なんか、新しい言葉が生まれた。

 つーか、トドメ刺されてねぇから。



 そんなアホな会話のあと、さっさと二階へ上がり浴衣から普段着に着替える。

 汚しちまったら大変だからな。

 せっかく用意してもらったのに、明日着られないとか、さすがにウクリネスが気の毒だ。


 ……あと、あわよくば浴衣デートも狙えるし。


「つーわけで、ほい、ジネット」

「あ、ありがとうございま…………ぬくい、です」


 脱いだ浴衣をジネットに手渡すと、受け取ったジネットの動きが止まった。

 つい今しがたまで着ていたから体温が移っちまったのだろう。


「エステラだったら嗅いでたな」

「あぁ、エステラさんはそーゆーとこあるですからねぇ」

「……では、店長もあちらでこっそり」

「か、嗅ぎませんっ!」


 さらに顔を赤くして、浴衣を「んばっ!」とテーブルに置くジネット。

 持ってるのも恥ずかしくなったらしい。


 あ~ぁ、照れちゃった。

 あんまいじめてやるなよ? この後ちょっと浴衣を観察したいんだから。


「では」と、ウクリネスが立ち上がる。


「私はこれで失礼しますね。明日の準備もありますので」

「いや、帰ったらもう寝ろよ」

「ヤシロちゃん。睡眠は、すべてが終わってから、ですよ☆」


 その『すべて』って、『人生のすべて』じゃないだろうな?

 お前、永眠まで寝ないつもりか?

 寝ろよ!

 マジで!


「金物ギルドに浴衣を届けてきますね。ノーマちゃんとルアンナちゃんは、明日の朝、私が責任を持って可愛く着付けてあげますので」


 ぺこりと頭を下げて、るんたったとフロアを出て行くウクリネス。

 楽しそうなのはいいけどさ……


「やつれてたな、ウクリネス」

「明日、美味しい朝食をご用意しておきましょうか?」


 ちょっとジネットが心配しちゃうくらいやつれてたなぁ。

 イベントの度に張り切るからなぁ、あのオバちゃん。

 で、イベントが大好きだからなぁ、この街の領主。

 相性悪いな、その組み合わせ。

 いや、相性がよすぎるのか?


 とにかく、危険だ。


「光の行進で光を精霊神へと返す前に、ウクリネスの魂が精霊神のもとへ召されちゃうかもなぁ……」

「あ、あのっ、精の付くものをご用意しましょうね!」


 ジネットがわたわたと厨房へ駆け込んでいった。

 ウクリネス用の朝食の材料でも見繕いに行ったのかね。


 まぁ、明日だけは特別サービスしてやるか。


 ……エステラの許可がなければ販売が出来ないので、マジで『おすそわけ』になっちまうだろうけど。

 ……まぁ、ウクリネスだし。

 浴衣の制作料、一切請求されてないし。

 それくらいは、まぁ、いっか。


「それでは、今日はもうお店をしめてしまいましょう。マグダさん、お願いします」

「……任された」

「ロレッタさんは、明日はゆっくりで構いませんので、妹さんたちの着付けをしてきてあげてくださいね」

「ありがとうです、店長さん。ですが、そこはずばばんっと素早く着付けてなるべく早く来るですよ! 明日の陽だまり亭は半日ですべてを出し切るですから!」

「……屋台の準備も万全にしておく必要がある」

「私たちも、なるべく早くこちらへ参りますね」

「まぅいましゅ!」


 すごい意気込みだ。


「カンパニュラとテレサは初めての浴衣だろ? 店の準備も大切だが、初めての浴衣を親にしっかりと見せてやるのも子供の役割だ。そこまで急がなくていいから、堪能させてやれ」

「そうですね。ルピナスさんたちもヤップロックさんたちも、きっとお二人の浴衣姿をじっくりと見たいはずですよ」


 カンパニュラもテレサも、ついでにデリアもだが、明日の浴衣はそれぞれの両親によるお手製だ。

 試しに袖を通したりしたかもしれんが、やはり本番で着るのはまた一段と特別なものになるだろう。


 午前中は陽だまり亭の営業があるが、午後になったらジネットと一緒に祭りを回らせて、夕方前には親元に帰してやろう。

 親子で祭りを回るのも思い出になるだろうし、光の行進は保護者と見る方がいい。夜だしな。


「そんなにのんびりで、間に合うのか少々不安です。イベントの時はすごい盛り上がりを見せるのが四十二区ですから」


 こんな小さいガキが不安になるほどはしゃぐなよなぁ、四十二区民。

 ま、今さら何言っても治らないんだろうけど、この街の連中は。


「働く時は働いて、遊ぶ時は遊ぶ。メリハリってのが大事なんだよ」

「そうですね。マグダさんやロレッタさんはメリハリのプロですから、お二人を見てよく学ぶといいですよ」


 なんて冗談を言うジネット。

 その二人は息抜きのプロでもあるからな。

 カンパニュラも、もう少しくらいは手を抜くことを学んだ方がいい。


 ジネットみたいな生き方は、ジネット以外がやると倒れるから、絶対。


「つーわけで、今夜は各々早く寝るように」

「しっかりと休息を取って、明日は一緒にいっぱい頑張りましょう!」

「「「はい」」です!」

「……うぃ」


 一同の声が合わさり……合わせろよ、マグダ……今日の営業は終了した。


 店じまいの後、俺は風呂を沸かしに向かい、ジネットは男物の浴衣をじっくりと観察していた。


 マグダは――


「……まず午前中に下見をし、昼時に食べ歩き、午後にまったりと散策して、光の行進に備える」


 ――なんだか、楽しそうに明日のシミュレーションをしていた。




「戻ったぞ、カタクチイワシ!」

「お前の戻る場所は、もっと遠くの港のそばだよ」


 陽だまり亭を帰る場所に登録してんじゃねぇよ。

 お前の家は三十五区!

 自分の館だからな!


「ただいまと告げる、陽だまり亭に戻ってきた私は」

「おう、おかえり、ギルベルタ」

「あからさまな優劣を付けるな、カタクチイワシ!」


 んだよ。

 ギルベルタが、お前のお守りという重労働を終えて安らぎの空間に帰還したんだから温かく出迎えてやるのは当然だろうが。


「風呂沸いてるぞ、入ってくるか? まぁ、俺が先にいただいちまったけどな」

「嬉しい思う、私は。浸かって癒やしたい、ゆっくりと、想定より疲れているこの体を」


 やっぱ、何度も何度も四十二区まで引っ張り出されたのでは疲れてしまうよな。

 もう、ギルベルタだけ四十二区の子になればいいのに。


「毎度遠い四十二区に来るのは大変だろう」

「平気、それは。楽しい、四十二区に来るのは」

「じゃあ、なんか疲れるようなトラブルでもあったか?」

「凄まじかった、熱量が」

「熱量?」

「とても行きたがった、ミズ・ボックが、大衆浴場へ」

「この街の貴族って、裸の付き合いに抵抗なさ過ぎじゃない?」


 三十四区のブーちゃん領主の奥さんが、大衆浴場に連れて行けと駄々をこねていたらしい。

 見た目はお淑やかな美女だが、性格は結構キツイらしいとルシアから情報を得ている。

 四十二区に来る度に丸くなって帰るボックは、度々折檻されているらしい。


「今から陽だまり亭へお越しくださるなら、お風呂をお貸しすることは可能ですが……」


 などと、ジネットが危険なことを言う。

 陽だまり亭の風呂を貸したりしたら、「髪濡れたから」とか「もう移動するのめんどいから」とか「お風呂上がりのコーヒー牛乳最高!」とか、いろんな理由をつけて陽だまり亭から動かなくなる危険があるだろうが。


 野生動物に餌場と認識されると、しょっちゅう寄ってくるようになるんだからな。


「みなさん、どちらに宿泊されるのでしょうか?」

「私は陽だまり亭で厄介になるつもりだが、ダックやDDは二十九区に完成した宿に泊まるそうだ」


 宿?


「作ったのか?」

「貴様が推進した計画であろうが。三十一区にテーマパークを作るため、近隣の区に高級な宿を用意させるようにと。なんであったか……アンバサダーホテルとかいって」


 あぁ、そうだった、そうだった。


 テーマパークから離れた場所でも、テーマパークの雰囲気を堪能できるコンセプトホテルを作って、そいつで集客すれば、テーマパークがない区でもテーマパークの恩恵に与れるぞって話をしたんだっけ。


 そうか、もう作ったのか、アンバサダーホテル。

 ルシアが言うには、そこそこの風格を感じさせる高級宿だそうな。


「三階建てながら、かなりの敷地を使って贅沢な物を建てたらしい」

「なんで頑なに四階建てを避けるんだよ……」


 そんなに気を遣う必要あるのか?

 二十四区にある高級(笑)宿の『月の揺り籠』に。

 さっさと超えて、時代遅れにしてやれよ。

 追い抜かされて初めて改革が始まるなんてこともあるんだからよ。


「しかし、よくそんな土地があったな、あの狭っ苦しい二十九区に」


 専業の農家が学級菜園程度の畑しか持てないような狭い土地しかない二十九区。

 っていうか、『BU』に属する七つの区は基本的に土地が狭い。


 よくもまぁ、贅沢な宿を建てるほどの敷地を確保できたもんだ。


「狭いとはいえ、人が暮らすには充分な土地があるのだ。二十四区の教会や麹工場がそれなりに大きな土地を有しておるようにな」


 確かに、リベカの工場や二十四区教会は結構な敷地を持ってたっけな。


「二十九区や二十三区は顕著なのだが、『BU』内の土地を狭くさせているのは通行税徴収のため段差や壁を無数に作っているせいなのだ」


 区内のどこでも通れるとなれば、通行税の徴収に人件費がかかり過ぎる。

 脱税するヤツも増えるだろうし、違反者の取り締まりにもまた人手を割かれてしまう。


 なので、あえて道を狭くし、建物を密集させて、馬車や荷車が通れる通りを制限し、監視する場所を減らすようにと街が作られていた。


「それでな、通行税の撤廃を視野に入れて改革が始まったのだ」

「はぁっ!?」


 土地が少ない『BU』七区にとって、通行税というのは最も利益を生む生命線のようなものだ。

 それを、撤廃?


「ゲラーシー、ついに頭が……」

「ヤツの頭の安否は知らぬが、言い始めたのはマーゥルとDDだ」


 またアイツらか。


 つーか、マーゥルが完全に『BU』のトップに君臨してないか、その構図?


「それも貴様が言い始めたことであろう。二十九区において、四十二区との交渉権はマーゥルが有するとな」


 ニューロード開通の事後承諾を押し通すため、四十二区との交渉権はマーゥルが有することを領主のゲラーシーに了承させたのだ。


 ……あれ、まだ有効だったんだ。

 四十二区絡みのことは全部マーゥルが窓口になるって、それもう今やってる事業のほとんどがマーゥル主導ってことじゃん。


 しっかりしろよ、ゲラーシー。

 綿菓子作ってる場合じゃないぞ、お前。


「ゲラーシーは何か言ってなかったのか?」

「うむ。『キャラクター綿菓子をマスターしたからオオバに見せねばな!』と申しておったな」

「そうじゃねぇよ、ゲラーシー……」


 綿菓子とかどーでもいいんだよ!

 通行税撤廃って、歴史的大事件だろうが!


「外周区との連携を強めていこうという今、通行税や関所のような壁は枷になると、マーゥルが領主たちを説得したようでな」


 確かに、現状は通過だけじゃなくて『BU』への持ち込みや持ち出しにも税金がかかっている。

 テーマパークや他の事業に必要だからと、領主の紋章入りの許可証を使って特例で免除してもらっている状況だ。


「特例を使い続けるのも、それはそれで問題なのでな」


 特例はあくまで特例。

 それが常態化するなら、規律そのものが形骸化しかねない。

 なるほどね。

 通行税の見直しをする必要はあるのかもしれない。


 ……が、何もいきなり撤廃に舵を切らんでも。


「それだけの勢いがなければ、振り落とされかねんのだよ。四十二区の改革速度にな」


 にやりと口角を持ち上げ、言ってやった感満載のドヤ顔を晒すルシア。


「分かった。エステラにクレームとして伝えておくよ」


 四十二区の責任者はあいつなんでな。


 俺がそう言うと、ルシアは「貴様はブレぬな」となんとも嬉しそうに笑った。

 俺がブレないんじゃなく、それが事実なだけだっつーの。







あとがき




海馬という言葉を忘れてしまいそうなほど、海馬が仕事していない――


宮地です☆


……たぶん、宮地、だったような……だったはず!

はい、うん、宮地です!

宮地みやじ

( ̄▽ ̄;)



いやぁ、いろいろ忘れてますね~

ビックリしたり焦ったりラジバン……


というわけで、

今回は宮地さんが忘れかけていて、

なおかつ読んでくださっている皆様もうっすらと忘れかけているであろう今後の予定に関して

ウーマロ棟梁を使って思い出す回でした(笑)



ラーメン講習会から半年後の成果発表会とか、覚えてました?


私はすっかり忘却の彼方でした(^^;

なんなら、もうすでに書いたような気すらしてました


やっぱりあれですね、

大工のオッサンたちの救済のためのイベントなんて心にも記憶にも残らないものなんですね


……あと、ラーメンのお話はもう書きたいことほとんど書きましたし

塩ラーメンとか、美味しそうに書けましたし、もういいかなって( *´艸`)



まぁ、四幕の間に半年経過するなんてことは絶対ないでしょうから

またこの先忘れると思いますが、

もし今後、書き忘れたまま作中内で半年が過ぎてしまった場合は

三十一区主催で開催していて、ヤシロが知らないうちに終わってたんだな~とか思っておいてください☆



作中で交わした約束

私が忘れてしまうんですよね~(^^;


デリアとの夜釣りの約束とか

結構長い間忘れてしまっていまして……ごめんね、デリア


カンパニュラとか「〇〇しましょうね」って約束、いくつかすっぽかしかけて

慌てて文章を追加したり、がっつり書き直したり

結構やらかしております(^^;


「一緒にお出かけしましょうね」とか

「一緒に寝ましょうね」とか

「明日の朝はゆっくりでいいぞ」とか


忘れますよね!

いやぁ、ビックリです(^^;

……ごめんて、カンパニュラ



あとから気付いて、

前の話にさかのぼって、その約束をなかったことにしたり……


話の流れをスムーズにするために書いただけの、何気ない約束だったりしたら、

そのシーンを数行書き直す方が楽なんですよね~



歴史修正主義!Σ(゜Д゜;)



なるべく、忘れないように頑張ります☆


だからほら、

忘れないように三十一区の進捗確認をしたわけですよ、今回!


そして『BU』の通行税撤廃案!


これ、かなり衝撃的な事実です、作中では!

まぁ、私は実際払ったことないのでまるっきり他人事ですが

あの街に住んでる人たちは「面倒だなぁ」とか思いつつも

「まぁ、しょうがないよね、『BU』土地少ないし」とか思いつつ

煩わしさとか感じてたことでしょう


日本で言うと、

住民税がなくなるくらいの大事件だと思っておいてください



すごい大事件だ!?Σ(・ω・ノ)ノ!



そりゃヤシロもビックリです


ヤシロが動くことで、別の場所でも大事件が誘発されているんですよ~

ということをさり気な~く匂わせる回です☆



 Σ(゜Д゜;)って、ここで書いちゃったらさり気なさが微塵もない!




皆様、睡眠は大事ですよ。

睡眠時間が短いと、記憶が脳に定着せずにどんどん忘れていきますからね!



ここ最近、

睡眠時間がまた減ってきまして

四時間とか三時間しか寝れなかった時があるんですが


朝3時くらいに起きて、お仕事とかいろいろやって

24時間やってるスーパーでカットメロン買って「夜に食べよ~」って冷蔵庫に入れておいたんですね


で、日中普通に過ごして、夜、

冷蔵庫を開けたら記憶にないカットメロンが入っていて



「あっ、しまった! メロン買ったの忘れてた! 早く食べなきゃ腐っちゃう! いつ買ったんだっけ!? ……………………今朝じゃん!?Σ(゜Д゜;)」



みたいなことがありまして(^^;

思い出す直前まで、なんか2~3日前に買って放置してしまった的な感覚があって

「しまったな~、大丈夫かなぁ~?」とか思ってたんですが、

よくよく考えたら今朝の出来事だったと……



皆様、寝てください!

ノーマさんみたいになりますよ!



睡眠、大切です!

四時間睡眠が三日以上続くと、記憶の定着が鈍ってきますので!



で、ここまで書いてきまして、

「あ、そういえば『あたちの知らない世界パート2』書いたっけ?」って

過去のあとがき遡ってしまいましたよ!

書いてなかったですよ!

書いたつもりになってましたよ!


お盆過ぎちゃったじゃないですか、もう!

お盆に合わせた企画でしたのに!(>へ<;)


というわけで、

次回こそ、季節外れの『納涼・あたちちゃんの知らない世界』をお送りいたします!



『あたちちゃん』!?Σ(゜Д゜;)

リカちゃんじゃなかったっけ!?Σ(゜Д゜;)

リカちゃんが「あたち、リカちゃん」って言ってたってネタだったはず!?Σ(゜Д゜;)

『あたちちゃん』だったら、「あたち、あたちちゃん」ってなるの!?Σ(゜Д゜;)

一人称、どんだけ可愛いんだ!?(*´ω`*)



ではまた次回、

『納涼・ビキニでぷるん、水泳大会』でお会いいたしましょう

( ̄▽ ̄)/



 Σ(゜Д゜;)もう忘れてる!?

 Σ(゜Д゜;)いいから寝て!

 Σ(゜Д゜;)記憶をなくさないで!



次回もよろしくお願いいたします☆

宮地拓海

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― 新着の感想 ―
宮地先生…後書きから既に疲労からのダメージが見えました。多分作中のウクリネスさん状態かと推察致します。くれぐれもお身体をご自愛ください。当方の知り合いの方も「大丈夫大丈夫!」言っていた方もこないだ倒れ…
マジでちゃんと寝てくださいねww
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