ベビコン4話 ほんばん!
コンテストは開始直後から大いに盛り上がった。
「これは可愛い! 翼の生えた天使ちゃんたちです!」
司会の給仕がステージ上のガキどもを絶賛する。
四人並んだ女児たちの着る服には、背中に白い天使の翼が縫い付けられていた。
動く度に揺れて着心地は悪そうだが、着ている本人たちはとても嬉しそうにしている。
羽が生えているのって、嬉しいもんなんだろうな。
触覚カチューシャとか、結構喜んでたヤツ多かったし、こういう仮装っぽいアイテムは人気があるようだ。
ただ、一人、翼の折れた女児がいて、そいつだけが片手で顔の半分くらいを隠していて、「……ふっ」とかシニカルに笑ってるんだけど……それってもしかしなくても堕天使?
「……ふっ」
いや、「ふっ」じゃねぇから。
ヤだなぁ、あの服着たガキがみんなあぁなったら。
「可愛いね、ヤシロ」
「堕天使以外はな」
「いやいや、あの堕天使がいい味出してるんじゃないか」
どうなってんだ、お前の感性?
「ボクも、子供だったらあの服着たかったなぁ」って、マジか、お前?
「着させてもらえよ」
「着られないよ」
「サイズ、大きくして作りましょうか?」
「いや、ウクリネス。ボクが羽の付いた服着てたらおかしいでしょ?」
「似合うと思いますよ~、エステラさんなら」
「それは……喜んでいいのか、ちょっと微妙」
ウクリネスが獲物を狙うような目でエステラを見ている。
いつか着せられるかもな、エンジェルエステラ。
もしくは堕天使エステラ。
現在、子供服コンテストは第一部の『普段着部門』を開催中である。
動きやすさや洗いやすさを重視した服がエントリーしており、派手さはないがなかなか可愛らしい服がいくつも登場している。
ちなみに、この部門への応募が一番多い。
まぁ、そこらの一般人がドレスとか、派手な衣装はなかなか作れないからな。
「あ、アレ、ネフェリーとパウラの作品だよ」
「それ教えたら、匿名の意味薄れるだろうが」
「ここでくらいはいいじゃないか。審査員はいっぱいいるんだし」
俺たちの座る審査員席は三人だけだが、その向こうにズラッと一般参加審査員が並んでいる。
審査員を一般から募集したところ、結構な数の応募があったので、その中から二十名選んで今回の審査員をやってもらっている。
飲食店の従業員とか、農家のオバチャンとか、専業主婦とか、職業も年齢もバラバラ。ただまぁ、性別はやはり女性が多い。
男性審査員は、俺を除いて三名。
その中の一人はウッセだったりする。
「なんで俺が審査員なんかしなきゃいけないんだよ!?」とか最後まで抵抗していたので、意地でも審査員にしてやった。
審査委員長の権力をフル活用してやったさ。
ザマァミロ、ウッセ。
「あはは、可愛いね、あの飾り」
ステージ上の女児が歩く度に、ポケットに縫い付けられた毛糸の人形の腕が揺れる。
俺のアドバイスしたとおりに、ぼんぼりを毛糸で繋いでぷらぷら揺れる腕を付けたようだ。
「コットンのシャツに毛糸のポケットというのはオシャレでいいですね。あれで、毛糸のフードまでついていると全体的なバランスもよくなったでしょうに、少し惜しいですね」
ウクリネスの指摘は的を射ている。
今の仕上がりを見ると、確かに人形の可愛さに目が行くのだが、ポケットだけ毛糸というのが少し浮いているように感じる。
また、背面に毛糸が使われていないから後ろから見ると普通のシャツなのだ。
毛糸とコットンの組み合わせをもっと活かすためには、毛糸のフードが必要だったかもしれない。
「時間なかったんだろうな」
「パウラちゃんの編み物は丁寧なんですが、ちょっと時間がかかりますからねぇ」
パウラに編み物を教えたことがあるというウクリネス。
パウラの編み物の腕前も熟知している様子だ。
「アイデアは素晴らしかったと思いますよ」
と、俺をじっと見つめて言うウクリネス。
毛糸とコットンの組み合わせはネフェリーたちのオリジナルだぞ。
俺が口出ししたのは、ポケットの人形に関してだけだ。
「あのお人形さんの手がぷらぷら揺れるところなんて、とってもヤシロちゃんっぽい発想ですね」
見抜かれて~ら。
「子供が喜ぶことを熟知している者でないとなかなか出てこない発想だよね。ほらご覧よ。モデルの子が人形の手を握って嬉しそうにしているよ」
いちいち報告せんでいい。
俺がアイデアを出したという証拠はどこにもないのだから。
「あ、テレサだよ。ほら、応援してあげなきゃ」
ネフェリーたちの服を着たモデルのガキが舞台袖にはけると、交代するようにテレサが出てきた。
そして、テレサがステージから袖を振り返り手招きをすると、カンパニュラが袖から出てくる。
「ウチの娘、可愛いー!」
黙れ、親バカ。
タイタの絶叫に、ルピナスは――
「まったくね!」
――完全同意していた。
だから黙れって、親バカ。
カンパニュラはテレサに駆け寄り、こそっと耳打ちをする。
するとテレサはステージ上からこちらを見て、「ぱぁあ!」っと表情を輝かせる。
「えーゆーしゃ!」
俺を見つけて手を振ってくるテレサ。
それはもう、嬉しそうにぶんぶんと。
カンパニュラに「あそこでヤーくんたちが見てますよ」とか言われたのだろう。
だがな、テレサ。それは「だからしっかりやりましょうね」という意味で、手を振れってことじゃないんだぞ。
「ほら、手を振ってあげなよ」
エステラめ。
嬉しそうな顔しやがって。
「いいから、ちゃんとやれ」
ひらひらと手を振って、ステージ中央へ行くように促すと、テレサは全力で「うん!」と頷いた。
「かわいい~!」と、観客から声が上がる。
基本、女性の声だったのだが、とある一角から野太い大男の声も聞こえていた。
その直後に「違うんだ、イメルダぁ!」って同じく野太い声が聞こえてきたから、悪は滅んだのだろう。
「あれ? スカートじゃないんだね、アレ」
エステラが何かに気付いて身を乗り出す。
同じく、会場でも違和感を覚えた者たちがざわざわとしている。
テレサとカンパニュラが着ているのはジネット作の服で、テレサは膝丈の、カンパニュラはスネの高さのスカートを穿いている。
だが、実はスカートではない。
「テレサのはキュロットで、カンパニュラのはスカーチョだな」
「すかーちょ?」
「スカートとガウチョを混ぜたようなパンツだよ」
一見するとスカートに見えるが、実は分かれている。裾が大きくふんわりと広がったズボン、っていえばいいのだろうか。
「ガキだから、パンチラも気にせず走り回ったりでんぐり返りしたりするだろう? 裾になってればスカートが捲れることはないし、動きやすい」
「なるほどね。だけど、シルエットはスカートだからとっても可愛らしいと。いいね! あれだったらボクも欲しいな」
「お前、よくスカートででんぐり返ししてるもんな」
「してないよ! 特に、君のような危険人物のいるところでは絶対にね!」
すればいいのに。
スカートで逆上がりとか。
で、逆さまになったところで引っかかって「上がれない~!」ってパンツ全開でぷらんぷらん揺れてればいいのに。
「テレサちゃんのキュロットは快活で元気いっぱいに見えていいですね。一方のカンパニュラちゃんのスカーチョはとても落ち着いた雰囲気でお姉さんに見えますねぇ。でも、それでいて小さい子が走り出してもちゃんと追いかけられる機動性もあって……いいですね! さすがヤシロちゃん!」
「ジネットとベルティーナが作ったんだよ」
「アイデアはヤシロちゃんでしょ?」
そうだけども……
ジネットも「これはいいですね」って言ってたけども。
というか、ジネットは走らないじゃん。とか思っちゃったけども。
「あぁ~。今日はとてもいい日になりそうです」
ウクリネスがステージを見つめながら物凄い速度で手元のノートに何かを書き殴っている。
すげぇ速い!?
そして眼が爛々としている!
なんていうか、ヒツジとかヤギの眼ってさ……こうもギラついていると、ちょっと悪魔っぽいよね……
「むふっ、むふふふふ!」
そうして、趣味の世界に没頭したウクリネスは、一人の世界に閉じこもり、何冊ものノートを文字で埋め尽くしたのだった。
「あはぁ……つい身が入り過ぎてしまいました」
普段着部門が終わり、ウクリネスが現世へ戻ってきた。
こいつ、遙か高みに至りかけてなかったか、さっき。
極楽浄土へ気易く行き来するんじゃねぇぞ。
「基本的には、デザインの善し悪しで決めるしかなさそうですね」
「縫い目まで一つ一つ見ていくわけにもいかないからね」
衣服のコンテストなのだから、裁縫の腕も審査するべきなのだろうが、さすがに全数チェックは出来ない。
裁縫の腕は、また別の機会に競ってもらうとしよう。
「一応、最低限の強度があることを確認するために、子供たちにはステージ上を元気に動き回ってもらっているけどね」
あぁ、それで、やたらとガキどもが走り回ってたのか。
それでほつれたり破れたりするようなら、服として落第点。大きな減点対象となるだろう。
「でも、参加者のほとんどが裁縫上手で、しっかりとした服ばかりだったよ。……まぁ、一部にちょっと不安なものもあったけどね」
コンテストに出す前に、給仕たちが一応全数チェックを行ったらしい。
服を着てステージに上がったらそこで破れてすっぽんぽん――そんな大惨事は事前に回避しないといけないしな。
「しかし、デザインのみの勝負となると、どれも似たり寄ったりになるよなぁ。ずば抜けてすごいものがあるわけでもないし……完全に好みの問題になるぞ、これ」
「いえいえ、ヤシロちゃん。中に数点、ずば抜けて奇抜で画期的な、とてもグレードの高いデザインがあったではありませんか」
「そうか?」
「あぁ、出たよ……ヤシロの『自分が持ち込んだ物は評価が極端に低くなる現象』。これ、何か名前を付けて周知した方がいいかもね。きっと、今後も頻発するだろうし」
「何を言ってるのか分かんないが、エステラ、横乳が見当たらないぞ」
「何を言ってるのか分からないのは君だよ! 何を言っているのさ!?」
いや、だって、ずっと探してたんだけど一向に見つからなくてさ。
そもそも、俺の考えた服だって、「こういうのもあるぞ」っていう提案の域を出ないありふれたものだ。
特段優れているというわけではない。
「ちなみに、ヤシロはどの服がよかった? 印象に残っているものとかある?」
「今聞くのかよ? エントリーシートにいろいろ書き込んだんだが?」
「まぁまぁ。審査には関係ない、雑談だと思ってさ」
本当か?
俺の意見を参考にしようとしてんじゃないだろうな?
「それに、たぶん優勝はもう決まっているしね」
妙に自信満々なエステラ。
分かんないだろうが。
ウクリネスやエステラと違って、一般審査員はどういう服がいいのかとか分かってないかもしれないぞ。
お前らがいいと思ったものが、一般人にはウケない可能性だって十分考えられる。
「ウッセはきっと、一番露出の多いものを推してくるぞ」
「そんなわけねーだろ、ヤシロ!」
なんか、遠くで筋肉が吠えていた。
格好つけるなよ、エロオヤジ。
肌色多めが大好きなんだろ、お前も。
分かる。
分かるぞ。
「で、君のお気に入りは?」
「ん~……白のワンピースで花の付いた帽子を被ってたヤツかな」
「あぁ、教会の寮母さんが作った服だね」
だから、情報を漏らすなよ。
匿名って言葉の意味、知ってる?
けど、まぁ。
「言われてみれば、ベルティーナやジネットに似合いそうな服だったな」
「確かにね。ジネットちゃんが着ていても違和感はないだろうね」
「よし、じゃあ帰ったら着てもらおう!」
「無理だよ!? 子供サイズの服は着られないから!」
「はみ出せばいいじゃん☆」
「はみ出すどころのレベルじゃなく、さらけ出すことになっちゃうよ!?」
「よし、さらけ出そう!」
「懺悔してくださぁーい!」
なんか、遠くからお叱りの声が飛んできた。
そうだった。この辺、控え室の窓から見えるんだった。
「おかしい……今日はジネットもベルティーナも控え室にこもるから、何をしても懺悔を喰らうことはないと思っていたのに……」
「そう都合よくはいかないということだよ。精霊神様は、いつでも君の行動を見守っているんだよ」
ちっ!
んだよ!
こっち見んなよ、精霊神!
拝観料取るぞ!
「皆様。投票用紙をこちらの箱に入れてください」
給仕が、選挙の時に使いそうな木箱を持ってやって来る。
四角い箱の上部に、折りたたんだ紙を入れるための細長い穴が空いている。
そこへ、自分が推したい服トップ3のエントリーナンバーを書いて投票する。
一位が5ポイント。
二位が3ポイント。
三位が1ポイント。
獲得ポイントが最も高いものが優勝となる。
俺は……そうだなぁ……
ジネット・カンパニュラ・テレサチームのヤツと、マグダ・ロレッタチームのヤツと、ネフェリー・パウラコンビのヤツでいいか。
「君さ、ボクに贔屓しないようにとか言っておいて、自分は完全に制作者で選んでいるよね?」
「バカ、見んなよ!」
「まぁいいけどね。トップ3は絶対揺るがないから」
謎の自信を滲ませるエステラ。
そうして、さくさくっと集計がなされ、普段着部門の優勝作品が発表される。
「まず、第三位は! ベルティーナさんチームのスカーチョです!」
司会の給仕が発表すると、キュロットとスカーチョを穿いたテレサとカンパニュラが再び舞台へと上がってきた。
今回、ジネットは複数応募するということで、このスカーチョはベルティーナチームとして応募することになった。
ベルティーナも、個別で応募していたみたいだけどな。
「続きまして、第二位は――ウクリネスさんのペアTシャツです!」
第二位に輝いたのは、少年と少女が赤い糸で結ばれているペアTシャツだった。
どちらか片方だと赤い糸がぶっつり断線している呪いのTシャツ……にするつもりが、ウクリネスの気転でただのラブラブTシャツに成り下がってしまった、非常に残念な逸品だ。
「そして第一位は――イメルダ&ミリィwith陽だまり亭チームの、パッチワークジャケット&オーバーオールです!」
わぁっと歓声が上がる。
……まぁ、これが登場した時の反応が一番よかったもんなぁ。
勝ちそうな気がしてたよ。
ちなみに、俺もジネットもいっぱい応募しているので、代表者名をイメルダにしておいた。
下手したら、一位から三位までジネットや俺が独占――なんてこともないとは言い切れなかったのでな。
少しくらいは緩和しようとした結果だ。
ま、取り越し苦労だったけど。
「いや、一位から三位まで、全部君がデザインしたものじゃないか」
「パッチワークジャケットのデザインはイメルダだぞ」
「まったく。……君は自分に厳しいよね」
くつくつと笑って、俺の脇腹を小突く。
やめろ、くすぐったがりがバレたらどうしてくれる。
「やっぱりセットにして正解だったね」
そうそう。
個別にエントリーしようと思っていたのに、たまたまそこにいたエステラが「一緒にエントリーした方がいいよ」って勝手にそうしたんだよな。
曰く、同じような模様だと、あとから発表になる方が不利になる。
インパクトを弱めず高得点を狙うには、セットにしてバリエーション違いという風に思わせる方がいい、とかなんとか。
そんなわけで、俺とジネットがそれぞれ作ったパッチワークのジャケットとオーバーオールは同じチームとしてエントリーをし、男児にも女児にも似合う可愛い子供服として優勝の栄冠に輝いた。
「ね? ボクが言ったとおりだっただろ?」
前日から予想していたんだからと、自慢気に胸を反らせるエステラだが……だったらコンテストやる意味なくなっちゃうだろって思われるかもしれないから、あんま言わない方がいいぞ。
「さぁ、次はお待ちかねの――ネタ部門だよ」
エステラが満面の笑みで告げた。
メインイベントのおしゃれ着部門の前の、まぁ、お遊びタイムだ。
「トップバッターは、こちらの衣装です!」
お、初っ端は俺が応募した服だ。
使い回しのアイデアだが、子供服にすることでネタの古さをカバーする逸品!
モデルは、俺の指示通りトムソン厨房の長男、オックス。
あいつには、あの服の使い方をしっかりと教えておいてやった。
さぁ、ぶちかませ!
とことこと、ステージ中央へ歩いてきたオックスは、正面を向いて演技を始める。
「は、は……はっくしょん!」
わざとらしいクシャミと同時にオックスの頭が「すとん!」とお腹付近まで落ちる。
そう、ハロウィンで俺がやっていた首が落ちるマジックのリメイクだ。
オックスの首が落ちた瞬間、観客席から悲鳴が上がる。
その凄まじい反応に気をよくしたオックスは、テンションを上げたまま「上手に出来たよ、ヤシロお兄ちゃん!」と、こちらを向いた。
……それ、横から見たらしゃがんでるのモロバレで、滑稽だから気を付けろよって言っておいたのに。
「なんだぁ、しゃがんでただけか~」
「あははは! 可愛い~!」
「あの服欲しい~!」
まぁ、ガキのミスは好印象と受け取られる。
お尻を突き出し、しゃがんだままキョロキョロ、右往左往するオックスはひとしきり笑いを攫い、舞台を下りていった。
ネタ部門は大いに盛り上がった。
陽だまり亭の宣伝Tシャツでも見たのか、前面に文字を書いたTシャツがいくつかあった。
『僕はイタズラをしました。反省中』
『悪いことしたら叱ってやってください』
『買い食い厳禁。店主さん、騙されないで』
など、ガキどもを戒めるTシャツは、読み上げられるごとに笑いが起こっていた。
また、ガキに向けたメッセージ以外にも――
『いつまでも飲み歩いてないでさっさと帰ってこい』
――と書かれたTシャツも。
ガキに迎えに行かせようとでもいうのか。
いや、夜の酒場にガキを一人で向かわせるのは危険だろうに。
他にも。
『僕のお母さんはとっても美人で優しいです』
なんて文字が書かれたTシャツもあって、会場からは「あれ、ウチの子にも着せたいわ」なんて声が上がっていた。
そのTシャツを着たガキの横を並んで歩く勇気があるのか、ママさんは。
すげぇ強メンタル。
それから、ハロウィンの名残を残したような衣装もいくつかあった。
頭にデッカいリンゴの被り物をしたような服とか、下半身を魚っぽいガラにして人魚に見立てたようなワンピースとか、陽だまり亭の制服を模倣したような服とか。
いかにも着せられている感満載の服が次々に登場する。
ちょっとだけ、日本で服を着せられていた小型犬を思い出した。
ハロウィンの仮装させられてるダックスフンドとか、結構いたよなぁ。
あんな感覚なのだろうか。
「しかし、ネタ部門で優勝するには弱いよな」
「君のは本気過ぎるんだよ。……道端で急に首を落とされたら、大人たちはびっくりしちゃうじゃないか」
あのマジックの服がガキどもの中で流行ったら困ると、エステラは肩をすくめる。
だったら、別の服をご紹介しよう。
「お、次は俺の服みたいだな」
「今度はどんな服なんだい?」
「ガキってのは、早く大人になりたいと常に思っているもんだ」
「そうだね。よく大人のマネをしている子供を見かけるよ」
「そんなガキを、着るだけで大人っぽくしてしまう服だ」
「大人っぽい服、なのかい?」
「とくと見よ、その名も『どっからどう見てもオト~ナスーツ!』だ」
舞台に上がってきたのは、身長110cmほどの小さなガキ。
だが、その頭には高さ70cmの、おでこの広ぉぉーーい頭に見える帽子が乗っかっている!
「どっからどう見ても、身長180cmの大人!」
「頭が長いよ!? 長過ぎるよ! 頭だけが長いから!」
ガキと大人の違いは身長なんだよ。
これで、身長差はなくなった。むしろ、あのガキの方がデカいくらいだ。
「大人っぽいだろ?」
「あんな大人、どこにもいないよ」
着ている本人はめっちゃ嬉しそうだぞ。
ほら、にっこにこしてる。
……あ、舞台袖でジネットが口元を隠してめっちゃ笑ってる。
そうか、あのガキの着付けしたのジネットなんだ。
よかった、ウケて。
それからいくつかの衣装が紹介され、最後はまた俺の衣装だった。
今回の衣装を着ているのは教会のヤンチャなガキども、六名。
どいつもこいつも選りすぐりの悪ガキどもで、飯を食い終わるとダッシュで遊びに行くような落ち着きのない連中だ。
そんなクソガキどもが、ちょっとだぼ付いた白い長袖シャツを着ている。
下は、これまた若干だぼ付いた長ズボン。
まぁ、ぱっと見、ゆるい感じのおしゃれ着に見える。
「これもネタ部門なのかい? 普段着部門の間違いじゃなくて?」
エステラが首を傾げている。
そうか、お前はこいつの秘密を知らないのか。
本番でエステラを楽しませようと、給仕が気を利かせたのかもな。
なら、せいぜい楽しむがいい。
「まぁ、見てろって」
俺が審査員席で指笛を鳴らすと、クソガキどもが一斉にステージ上を走り回る。
司会の給仕がびっくりして振り返る。
しかしクソガキどもは止まらない!
「大変だ、エステラ! 給仕を動員してクソガキどもを止めるんだ!」
「何が『大変だ』だよ。君が仕込んだことじゃないか。給仕たち、その子たちを捕まえて!」
エステラの要請で、給仕が五名ステージへ上がり、逃げ回るガキどもを捕獲する。
「捕まえました!」
給仕の一人が逃げ回るガキの服を掴んだ、まさにその時!
すぽーん! と、ガキが服から抜け出した。
いや、服が剥けた。
服から中身だけが「ぽーん」と飛び出した。
「えぇええ!?」
つまりは、アレだ。
舞台の早着替えなんかで使用される、真ん中からビリッと破れて一瞬で脱ぎ捨てられる服。
あっちこっちで捕まったガキどもが、服を破り捨てて給仕の手から逃れ、ステージ上を駆け回る。
「題して、『ノンストップ暴走ガキんちょ』だ!」
「あははは! 給仕たちのあの顔!」
捕まえたはずのガキに逃げられて呆然とする給仕を見て、エステラが腹を抱えて笑っている。
まぁ、脱皮は一回しか出来ないから、その後速やかに捕獲されていたけれど。
「最初の一回は、逃げ切れるんだぜ」
当然、服を脱ぎ捨てたからといって素っ裸になるようなことはなく、下にはもっと活発に動き回れる半袖と短パンを着用している。
逃げ足が一段階速くなるな☆
「あの服は……いりません」
ステージ脇で、ベルティーナが呟いていた。
よく通るその声に、会場中のママさんたちが「うんうん!」と頷いていた。
こりゃ優勝はないな。
ガキたちは大喜びしてたんだけどなぁ。
結果、優勝は『僕のお母さんはとっても美人で優しいです』と書かれたTシャツが獲得していた。
俺の応募した服は、残念ながら三位までに選ばれなかった。
「次は、赤ちゃん部門だね」
「なんで分けたんだよ」
「ステージでの発表をと考えた時に、この方がいいかなってね」
確かに、赤ん坊をステージに上げるとなれば、親に抱かせてということになる。
一人で勝手に走り回るガキどもと一緒にするより、分けておいた方が無難だ。
視線も散らないしな。
「赤ちゃん部門は、一斉にご登壇願います。では、皆様、どうぞ!」
給仕の言葉に、赤ん坊を抱いた親たちがぞろぞろとステージへ上がる。
あ、セロンとウェンディだ。
「ヒカリが着ているの、君の作った服だろう?」
エステラに言われヒカリを見てみると、確かに俺が作った赤ん坊用の服を着ている。
ネタ部門用の衣装のあとに作った、なんの変哲もない普通のロンパースだ。
いやぁ、特にアイデアも思いつかなかったからすっげぇ普通なの作っちゃったんだよなぁ。
なんでわざわざ作ったんだろう。
「我ながら、アレで優勝はキツいと思う」
「別に全部門総ナメにしたいわけでもないだろう? たまにはあぁいう普通のがあってもいいんじゃないのかい?」
まぁ、そりゃそうだけども。
「でも、ヒカリは気に入っているみたいだよ」
「なんで分かるんだよ」
何着てもにこにこしてんだろ、あの年頃の赤ん坊なんか。
「部屋に入るなり『あれがいい』って指さしたらしいよ」
「しゃべったのか?」
「表情がそう物語っていたって」
「どこ情報だよ」
「セロン」
「親バカフィルター分厚そうだなぁ、あいつ」
おまけに、英雄教フィルターも搭載している。
とんでもない眼だな、セロン。
「他の服を着せようとしたら大泣きしたんだって」
「告知イベントの悲劇再びか? 何が気に入らないんだろうな?」
「君が作った物しか嫌なんじゃないのかい? 告知イベントの時のドレスって、君じゃなくてウクリネスが作ったんだよね?」
そういえば、そうだったっけな……
「……なぁ。もしかしてヒカリって、重度のストーカーになったり、しないよな?」
執着というか、執念がすごいんだけど……
「両親の血を、色濃く受け継いだのかもね」
へらへらしながら言うな。
若干、薄ら寒いわ……
「しかし、色とりどりだな」
「みんな、いろいろアイデアを出してきたみたいだね」
俺みたいにいくつも作るわけじゃないから、一着に全力投球している感じだ。
俺も数を絞るべきだったか。
せめて、デリアの子グマのロンパースくらい凝ったものとか、もうちょっと機能重視のカバーオールくらいは作るべきだったよなぁ。
カバーオールっていうのは、長袖長ズボンのつなぎっぽい赤ちゃん服のことだ。
おむつの交換もしやすい。
ふふん。
俺くらいの男になると、おむつの交換もお手の物だ。
なにせ、未就学児向けの教材は濡れ手に粟のボロ儲け商材だからな。
「ウチの子は天才かも!?」なんてのは、全親が一度は抱く勘違いであり、そこに付け入る隙が生まれる。
町の往来でぐずる赤ん坊をあやしたり、ベビー用品の店でさりげなく「これ使いやすいですよね~」とか言って話しかけたり、苦労話で盛り上がったり……とにかく「子供好きに悪人はいない」という認識が日本では一般的であり、赤子の扱いに長けている人間はそれだけで絶対的な信頼を得ることが出来る。
おむつの一つも替えられないような人間では話にならない。
「あ、いつもやってるんだ」くらいの手際の良さを見せつければ、「実はウチの子、この教材でお受験に合格したんですよ~」なんて言葉をまるっと信用してくれるのだ!
効果もない英語の歌の教材などが飛ぶように売れるのだ!
そんなわけで、俺のおむつ換えテクニックはもはやプロレベルなのだよ。
なんて、昔のことを思い出しているうちに、赤ちゃん部門は終わっていた。
優勝は……なんか、知らない人の、可愛い感じの服だった。
ちぇ~。
あ、デリアが三位に入賞してる。
よかったなぁ。
おーおー、喜んどるなぁ。
そして、最後に行われるのが――『おしゃれ着部門』だ。
以前行った告知イベントでは、テレサとシェリルがレオパードゲッコーの着ぐるみと、お子様用のドレスを着ていた。
レオパの方も、それはそれで「可愛い~」なんて声が上がってはいたが、やはりドレスのインパクトは大きかったようだ。
式典で領主が着るようなドレスは女子たちの憧れだろうし、ウェンディが結婚式のパレードで着ていたドレスは、ここの住民の脳裏に強烈な印象として焼き付いていることだろう。
そんなドレスを、自分の子供が、愛おしい娘が、可愛らしく、それもお手軽に着られる。
そんなことになったら――はしゃぐのが親心ってもんだよなぁ。
「物凄い熱気だな」
「だって、ここに登場した衣装は、みんなレンタルすることが出来るってみんな知っているからね。最愛の子供たちを可愛く着飾りたいのは親として当然の感覚じゃないか」
観客席の熱気が、これまでの部門とは大きく違う。
そして、そこにエントリーした応募者たちの熱の入れようも、これまでの部門とは大きく異なっていた。
「すごい力作揃いだよ。君たちのサンプルが大いに役立ったようでね、可愛いドレスが多数応募されていたよ」
見本があればアレンジ出来る。
そんな裁縫上手が多いらしい。
貧乏だったからなぁ、四十二区は。新しい服を買う余裕がないなら、自分で作るしかないもんなぁ。
自然と裁縫の腕も上がるってもんだ。
とはいえ、ドレスまで作っちまうとはな。
さすがにウクリネスレベルのものはないだろうが、それなりにハイレベルなものが揃っているらしい。
すげぇな、四十二区の裁縫上手ども。
そんなことを思いながら、エステラと小声で会話していると「わぁ!」っと一際大きな歓声が上がった。
見てみると、かなり気合いの入った真っ赤なドレスを来た女児がステージ上を歩いていた。
「派手だなぁ」
「でも、すごく見栄えがするね」
「ウクリネスの作品か?」
「いいえ、違いますよ、ヤシロちゃん。ウチの子たちでもないですねぇ。初めて見るドレスです」
ウクリネスでも、ウクリネスのところの針子たちでもないってことは、素人の作品か。
すげぇな、この街の素人。
あんなもん、プロの仕事じゃねぇか。
「あのドレスね、ノーマの作品なんだよ」
「マジか!?」
つか、バラすなっつーのに。
別に制作者が分かったからって、贔屓をするつもりはないけども。
……いや、最後二択のどっちかで迷ったら知り合いの方に入れちゃいそうだけども。
「最初は純白のウェディングドレスを作るつもりだったんだって」
「自分は着れないのに?」
「……ヒドイよ、ヤシロ」
「いや、違うぞ! 子供服だから、作っても自分では着られないって意味で、ノーマの将来を否定したわけではないからな!?」
エステラの勘違いであろうと、そんな話がノーマの耳に入ったらどんな報復をされるか分かったもんじゃない。
ノーマ、大丈夫だよ!
着ようと思えばいつだって着られるさ!
ウェディングドレスはお前の味方だ!
……あれ、おかしいな、涙が…………
「でね、ウェディングドレスの生地を買いにウクリネスのお店に行った時に、運命の赤い糸の話を聞いたんだって」
嬉々として広めてるな、ウクリネス。
ノーマなら、さぞ見事に食いついただろう。
「物凄い勢いで赤い糸を買って帰ったって」
「糸?」
「ウェディングドレスに使う純白の糸と、運命の赤い糸を使って生地を織るって」
「織るところから始めたのか、あいつ!?」
どうりでこの数日姿を見かけないと思った!
機織りしてたのか、ノーマ!?
「そうして出来上がったのが、あの情熱の赤いドレス。作品名は『永久不滅の愛の炎』だって」
重い……
なんて重いドレスなんだ……
「あれ脱いだ瞬間体が軽くなって、瞬間移動とかマスターしてそうだな」
「そこまで重くはないと思うけど……」
いやいや、残像くらいは出せるようになってるって、たぶん。
「ポイント入れてあげてね。入選しなかったらあまりにも可哀想だから」
「お前、堂々と裏工作してんじゃねぇよ」
まぁ、俺も落選した後のノーマが面倒くさそうなのでポイント入れさせてもらうけども。
「アタシの愛の、どこが不満だったんさねぇー!」なんて、悲しい悲鳴が街に轟かないように……
「あ、俺のだ」
ノーマのドレスに続いて出てきたのは、俺の作品だった。
「ノーマの私服に似てるね」
「俺の故郷では、あぁいうのが昔から愛されてきたんだよ」
俺が作ったのは、なんちゃって振り袖。
ファスナーで着脱可能なお手軽振り袖だ。
見た目だけ振り袖で、構造はワンピースだな。
「わぁ、もう一つの方はさらにすごいね」
振り袖と一緒に作ったのは、なんちゃって十二単。
これもファスナーで簡単に着られるのだが、やっぱりちょっと重そうだな。
モデルの女児が歩きにくそうだ。
「俺の故郷の、はるか昔の貴族女性が着ていた衣装だ。着替えるのに何人も世話役がいないと難しいっていう、いかにも貴族らしい衣装だよ」
「ヤシロの故郷にもそういう習慣があるんだね。ボクも、本格的なドレスの時は着替えるだけでかなり時間がかかるんだよ。……ココだけの話、王族からの招待は受けたくないんだよね」
「お、フラグが立ったな」
「怖いこと言わないでよ。……拝謁を賜る理由がないよ」
分かる分かる。
王族に会うなんて、面倒でしかないもんな。
トラブルと偉いさんには近付いてきてほしくないもんだ。
「可愛いですけれど、動きにくそうですね」
「ガキの服に袖とかひらひらはない方がいいからな」
「うふふ、武器になりますものね」
ウクリネスがニンマリと笑う。
ガキは振り回すからなぁ、長い袖とか。
よく分かってるじゃないか。なんかされた経験があるんだろう。
そういう痛い思いをして、技術は改善されていくものだ。
「おぉおお!」と、会場が沸いた。
「お、ウクリネスのドレスだな」
「はい。ヤシロちゃんに頂いたデザインのものですね」
俺とジネットでは手に負えないと、ウクリネスに丸投げしたドレスのデザイン。
さすがウクリネスだ。
こちらの想像を超えてくる。
「ウェディングドレスみたいだね」
「そのつもりで作りました」
「あのスカートの生地いいな。動く度にしゃららって揺れて、流水みたいでキレイだ」
「まぁ、そこに気付いていただけるなんて嬉しいわ。ヤシロちゃんのデザインに負けない一工夫がしてみたかったんです」
対抗心燃やしてたわけね。
いや、でもさすがだな。
これは見事だ。
「これ、ウクリネスのだって宣言して殿堂入りさせないと確実に優勝しちまうぞ」
「おほほほ。まぁ、嬉しいことを言ってくれますねぇ、ヤシロちゃんは」
「そうだねぇ。ちょっと他とレベルが違い過ぎるね、これは」
そんなわけで、その場でこの頭一つも二つも突き抜けたドレスの制作者が発表され、「やっぱりねぇ~」なんて反応が観客全体から寄せられ、このドレスには最高の栄誉と特別な賞を贈るということにしてコンテストのエントリーから除外することが通達された。
初回で殿堂入り。
ミスコンで言ってた冗談が、ここに来て実現しちまったよ。
そうして、おしゃれ着部門の投票が行われ――
「優勝は、ノーマさんの真紅のドレス、『永久不滅の愛の炎』に決定いたしましたー!」
――ノーマが優勝しちゃったわけで。
これ、エステラの裏工作必要なかったかもな。
「ありがとうさねー!」
観客席で立ち上がり、両腕を上げて歓喜の雄叫びを上げるノーマ。
いや、だって、他の参加者とは熱量が違うもん。
誰が生地から作るよ。
子供服のコンテストがあるからって、機織りし始めるヤツなんかいないって。
「優勝者には、トロフィーと賞金が贈られます」
「賞金と言っても、材料費程度ですけれどもね」
司会の給仕の言葉に、ナタリアが一言付け足すと会場から「どっ!」と笑いが起こった。
いやぁ、しかし、優勝賞品にミシンとか提案しなくて本当によかった。
きっと、今回優勝したことでノーマは裁縫にハマると思うんだ。
少なくとも、当分の間はいろいろ作ることになるだろう。
ご近所さんとか知り合いに、「優勝者にアドバイスしてほしいわ」とか言われたら、絶対断れないタイプだし。
というか、断らない性格だし。
むしろ進んでウェルカム☆ だろうしなぁ、ノーマは。
ミシンを作って裁縫にハマって……うん、睡眠って言葉を忘れそうだな。
ミシンはまた今度。
せめて、ノーマの中の裁縫熱が落ち着くまでは口を固く閉ざすとしよう。
……あ~ぁ、自転車がまた遠のいたなぁ。
「ほら、審査委員長。受賞者にトロフィーを渡しに行くよ」
「俺も受賞者なんだけど?」
「そこはほら、チームの誰かに代行してもらいなよ」
優勝者にも優勝チームにもトロフィーは一個ずつだ。
さて、チームでもらったトロフィーはどこに飾ろうかなぁ。
エステラに背中を押され、ステージに上がった俺は、優勝者や優勝チームの代表者にトロフィーを渡していく。
そして、「次回は大人の部を開設し、水着コンテストと下着コンテストを大々的に執り行いたい!」と締めの挨拶をしたらステージから叩き落された。
……しどくない?
俺がいなくなったステージの上では、エステラが実行委員長代理として閉会の挨拶を無難に済ませた。
……だったら最初からお前が委員長やれっつーの。
こうして、賑々しく、子供服コンテストは閉幕した。
あとがき
東京都から来ました、宮地拓海12歳!
小学六年生です☆
うほっ☆
あ、ちがった、
きゃはっ☆
(☆>▽・)
なんか、夏休みに見たのど自慢大会風に始めてみました。
夏休みって、普段見ないような番組を見る機会が増えて、ちょっと楽しかったですよね
『夏休み特別企画』的なものも多くて
心霊とか、怪奇現象とか、怪談百物語とか!
(≧▽≦)
私がまだ幼虫だったころは、想像力が乏しくて
怪談話より再現VTRの方が怖かったんですが、
成虫となった今では自由に想像できる怪談話の方が怖いなぁ〜って思います
……誰が虫ですか!?
Σ(゜Д゜;)
幼虫から成虫になるってことは、
完全変態ですね☆ って?
やかましいわ\(≧▽≦)
また、あーゆー番組見たいですねぇ〜
あと、夏といえば、
ドキッ! 女だらけの水泳大会
的なヤツ
きっと今ではコンプラ的に制作できないであろう内容盛りだくさんのゴールデン番組でした
かなりのローアングルからお尻映したりしてましたからねぇ
(^^;アウト、アウト
動画サイトで、そんな感じの水泳大会の動画があったんですけど、
デビュー間もない頃の飯島直子さんとか島崎和歌子さんとか磯野貴理子さんとかが
水着で頑張ってる映像があって
そんな時代もあったんだなぁ〜って
昭和は〜とかやり玉に挙げられますが
平成も、かなりアレな時代だったんですねぇ
( ゜∀゜)o彡°
おっと、顔文字が……
とか思っていると、
本編の子供服コンテストも、なんか夏らしいイベントのように感じられて不思議
(*´▽`*)
……やっぱり、水着部門を入れるべきだったでしょうか……
熱い接戦が期待できましたのに……
まぁ、
「お尻を出した子一等賞」ですけれども!
(≧▽≦)
え、
全員がお尻を出したらどうなるんだって?
全員一等賞ですよ☆
みんな一緒で、みんないい!
みんなで出せば怖くない☆
さぁ、思う存分お尻を出し――わぁ、怖い大人たちがじっとこっち見てる!
(・▽・;
違う話をしましょう、そうしましょう
夏なので、
実家の母親たちが東京旅行にやって来ました
初日は自由に東京見て回るっつーことで、
私は最終日の昼から合流して新幹線までお見送りするという感じでした。
途中合流な上に、
ホテルのチェックアウトの時間も
帰りの新幹線の時間も分からなかったので
旅行当日に、
「会いに行く予定組みたいから、最終日の予定分かったら教えて」
とメールしたら
母『今から新幹線に乗ります』
いや、初日の予定はいらんねん!?
(;゜Д゜)/
初日はめっちゃ平日で、私仕事してるから!
……みたいなこともありつつ
(^^;
で、最終日、
合流して、ガンダム見てきました☆
お台場!
お台場のガンダムが、初代ガンダムだったころに見に行ったことはあるんですが
今はユニコーンガンダム? でした
(ちょっと自信ないですが、たぶんユニコーン)
なんでも、特定の時間になると変身するんですって
アムロ「こいつ、動くぞ!?」
ただ、
タイミング悪く、ちょっと故障していたようで
ずっと変身後のなんとかモードのままだったんですけども
母「デストロイモードやね」
私「詳しいな、母!?」
伊達に甥っ子(の面倒)はみてねぇぜ☆
って感じですかね
ゲームとかアニメとか、もはや私より詳しいんです、母
で、アクアシティという商業施設に昼ご飯を食べに向かったんです
「何食べようか〜?」みたいな話の中で
「お魚食べたいなぁ」って意見が出たので、鮮魚を扱っているお店へ
途中、お台場から出ている水上バスのポスターを見かけた母
母「水上バスなんかあるんやねぇ」
私「豊洲行きと浅草行きがあって、前に豊洲行きの水上バスに乗ったことあるよ」
母「ほぉ〜、えぇなぁ」
で、
ここで、
東京在住、
お台場経験もある私の
ドヤ顔うんちく炸裂ですよ!
私「お台場は豊洲と近いから、江戸前の新鮮なお魚が食べられるんだよ。ほら、昔は『築地直送』って聞くと『お、新鮮そう!』って思ったでしょ? 今は築地市場が豊洲に移転したから『豊洲直送』っていうのが新鮮のバロメーターなんだよなぁ、これが☆(きらりん!)」
母「へぇ〜、そうなんやぁ〜」
で、アクアシティの
鮮魚が食べられるお店に行ったら
のれんにでっかい文字で――
『築地直送!』
おい、アクアシティ!?
Σ(゜Д゜;)
私のドヤ顔、どーしてくれる!?
え?
あれ?
築地市場って移転しませんでしたっけ?
今もなお『築地直送』が効果抜群な感じですか!?
あ、そー
母「……築地直送やね」
私「……やね(顔、真っ赤)」
まぁ、どこ直送でも美味いもんは美味いんですよ!
いいんです、どこ直送でも!
あぁ、鯛茶漬けが美味しいこと!
やはり、
ドヤ顔する前には予習が必要ですね
うろ覚えの知識は身を滅ぼします……
でもですよ、でもですね!
実は、母にいいカッコしようと
こっそり東京駅のおみやげ物屋さんをチェックしていたわけですよ
東京駅って大きいですし
ウロウロして「お土産ゆっくり選べない〜」ってなことにならないように
おしゃれなお菓子から、定番のお土産まで
「あ、それならこのお店がいいよ」って言えるように
事前チェックしてたんです☆
私「じゃあ、そろそろ東京駅行く?」
母「あ、新幹線品川から」
品川駅!?
Σ(゜Д゜;)
……事前確認、いちばん重要なところを見落としていました……
でもまぁ、
品川駅は若かりし頃に乗り換えでしょっちゅう利用していた時期があるので
まぁ、分かるだろう――
びっくりするくらい様変わりしてる!?
そう言えば、
私が利用していた時は、
まだ品川に新幹線停まりませんでしたっけ……
そうして想像以上にデカい品川駅をあっちへうろうろ〜こっちへふらふら〜して
「お土産ゆっくり選べない〜」ってなことに……
そーならないように注意してたのに!
(;゜Д゜)
詰めが甘かったです
とりあえず母と二人で
私「京都駅のホームが一番だね」
母「うん、あそこのお土産屋さんは見やすい」
私「なんでも揃ってるしな」
母「わかりやすい」
と、地元を絶賛しておきました
京都駅の新幹線のホームの中には
若干古めかしい雰囲気ながらも、大抵のものが揃っているお土産屋さんがどーんとあるんですよ
どこの駅も、あんな感じにすればいいのに
そんなわけで、
慌ただしい東京観光のお手伝いをしてきました
なんか、夏の旅行っぽくてちょっと楽しかったです
今度は私が京都に行きますかねぇ
(*´▽`*)
まぁ、行くなら過ごしやすい秋にしますけれども!
……秋の京都…………地獄のように混んでそうですね……(^^;
というわけで、
今回は夏っぽく旅行のお話でした☆
――しぃ〜!
お尻を出した子一等賞のお話を蒸し返さないでください!
その話題を誤魔化すためにながながと家族旅行の話を書いたんですから!
では、
アカウントが残っていたら、
『ベビコン』最終話、五話でお会いいたしましょう☆
次回もよろしくお願いいたします!
宮地拓海




