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異世界詐欺師のなんちゃって経営術  作者: 宮地拓海
誕生

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誕生3話 ぐずる

「ウェンディさん、セロンさん。わたしたちから二人の赤ちゃんにお誕生日プレゼントです」


 出来上がったばかりの服を、代表してジネットがウェンディに手渡す。

 ……俺に手渡しさせようとしやがったので、全力で抵抗してやった。


「わぁ、可愛い~!」

「これみんなで作ったの? えぇ~、呼んでほしかったぁ~」


 ウェンディより先に、パウラとネフェリーが感想を寄越す。

 そうは言うがな、ネフェリー。

 お前らがいないと、オッサンばっかりになりかねないだろ?

 ルシアやマーシャやメドラはいるけど、ウェンディ的にはお前らがいた方が落ち着くんだって。


「二人はよだれかけでもプレゼントしてやれよ。あんなもん、いくつあっても足りやしないんだから」

「そっか。うん、やろうよ、ネフェリー!」

「その服に負けない、とっても可愛いいよだれかけ作ってあげるね、ウェンディ! ……ウェンディ?」


 盛り上がるパウラとネフェリーとは対象的に、ウェンディはずっと俯いて黙ったままだ。


 気に入らなかったのか……とかいうパターンじゃないな、これは。

 よし、逃げよう。


「こんなに素敵なものを……っ! それもこれも、あの時英雄様が私たちを救ってくださったから!」

「なんでもかんでも俺に結び付けんな!」


 やっぱりこういう展開か!


「ここにいる連中で作ったんだぞ」

「みなさん、ありがとうございます! 正直、子供たちの服にまで気が回っていませんでしたので、とても助かります」


 いや、気ぃ回しとけよ、そこは!

 一番わくわくして考えるところじゃないのか、その辺!?


「実は、ウェンディは謎の呪いにかかっていて、ここ数日解呪に奔走していたんです」

「の、のろい……?」

「はい。恐ろしい呪いでした」


 なんだよ、呪いって?

 ちょっと聞きたくないんだけど……


「酸っぱいもの以外食べられなくなる呪いだったのです」

「それ呪いじゃねぇわ!」


 つわりだね、それ!?

 体質によって食べられなくなるものがあるみたいで、酸っぱけりゃ食えるってわけじゃないみたいだけども!


「私も同じ呪いにかかってね。旦那と二人で解呪に奔走したものさ……」


 と、遠くを見つめるバレリア。

 お前か、呪いだなんてふざけた知識を植え付けたのは。


「言ってくれりゃ、気持ち悪くならずに食えるメニューくらい探してやったのに」


 食べられるものが限られるらしいが、一つでも食えるものがあるなら、それをアレンジしていくつかの料理を作ることは可能だ。


 俺の母親はつわりが酷くて、トマトしか食えなくなったらしい。

 それで、料理好きな女将さんがいろいろと創作料理を作ってやったのだそうだ。


 しかし、妊娠期間が二週間くらいだと、つわりも強烈なのがドカンと来てそうだな。


「じゃあ、まぁ、そんだけの苦労を乗り越えたご褒美だと思って、遠慮なくもらっとけ」

「はい。本当にありがとうございます、みなさん」


 小さな服を広げて、「見て、セロン、可愛い」とか夫婦で睦まじく微笑み合う。

 その様を見て、服作りに参加した者たちが満足げな表情をしている。


「作り手側が、これだけ満たされた表情をされるのであれば、子供服のレンタルもなんとかなりそうですね」


 そんな中、アッスントは一人、新事業の成功を確信してガッツポーズをしていた。

 子供服の寄付、集まりそうだな、


「あぁぁ~……!」


 突然、マモルがぐずり出した。


「おっぱいか!?」


 ……いや、このニオイ。


「このガキ、やらかしやがったな」

「大変ですね。お湯を沸かしてきます」


 ぱたぱたとジネットが駆けていく。

 食堂で粗相するとは、いい度胸じゃねぇか。


「……ふぇぇえ……!」


 ウェンディの腕に抱かれたヒカリがぐずり始める。


「今度こそおっぱいか!?」


 ……いや、違うな。


「あらあら、ヒカリもなの?」


 シンクロ粗相してんじゃねぇよ。

 もらい粗相か。


「ヤシロ。いちいち願望を口にしないように」

「仮におっぱいの時間やったとしても、自分らは外へ強制退場やさかい、淡い期待抱かんこっちゃな」


 エステラとレジーナがつれないことを言う。

 親から子へ注がれる無限の愛を、肌で感じたいだけだというのに。


「それでは、ウェンディさん、セロンさん。赤ちゃんをお借りしていきますね」


 粗相したガキ二人を連れて、ベルティーナが厨房へ向かう。

 ……厨房でおしめ替えする気かよ?


「おかしいな。生まれたての赤ん坊の便にはニオイがないはずなんだが……」

「そんなわけあらへんやん。自分、赤ちゃんが可愛過ぎて『この子は天使、天使はババちくないねん!』とか言い出すタイプか?」


 そんなイタイ親みたいなこと言うか。

 生まれて最初の便は胎便っていって、色はエグいがニオイはないって聞いたことがあったんだが……それも、この世界じゃ異なるのかもな。


 へいへい。

 こっちの常識に合わせりゃいいんだろうが。……けっ。


「英雄様が、私たちの子を天使と……」

「言ってないからな? 帰ったらよ~っく『会話記録カンバセーション・レコード』読み返しといて」


 現実が見れてないのはこっちの夫婦だろうが。

 それも、我が子にじゃなくて俺に対してっぽいけども。


「ウクリネス。おしめってあるか?」

「さすがに持ち歩いてませんねぇ。誰も着て見せてはくれませんでしょう?」


 チラリと、ウクリネスが女子たちに視線を向けると、見られた女子たちが一斉に首を横に振る。

 全力の拒否だ。

 そりゃそうだ。


 ……つか、ウクリネス。

 着てくれそうな服は持ち歩いてるのかよ?

 わぁ~、あそこにいかにも怪しそうな大きいバッグが置いてあるわぁ……

 誰に何を着せるつもりなんだろうな。


「まいどー!」

「おや、来たようですね」


 ゆったりとした足取りで、アッスントが入口へ向かう。

 数秒後――


「おしめを始め、必要そうなベビー用品を取り寄せました」

「いつの間に準備したのさ、アッスント!?」

「ほほほ、ウェンディさんたちが赤ん坊を連れてきたと聞いた時に、ですよ」

「やっぱり、アッスントが一番ヤシロの影響受けてると思うなぁ、ボクは」

「いや、オイラに言わせてもらえば、エステラさんがダントツで一番ッス」


 なんか失礼なことを言われてる気がする。


「よし、野郎ども。金を出せ」

「あ、そうッスね」


 野郎どもからの「えぇーっ!」って声を期待したのだが、ウーマロがあっさりと金を出し、アッスントが用意したベビー用品を一括購入する。


「オイラ、赤ちゃんが喜ぶような物なんて思いつきそうにないッスから、これをプレゼントにさせてほしいッス」

「そんな、こんなにたくさん……」

「いいんッスよ。お祝いッスから。その代わり、セロン。いい父親になるんッスよ」

「はい。今ここにいるみなさんに誓って」


 ウーマロからベビー用品を受け取り、セロンははっきりと宣言する。

 少しは頼りがいが出てきたか?

 プロポーズするのにヘタレてた男とは思えないな、もはや。


「じゃあ、エステラ……は、たぶん無理だろうから、ウェラー、おしめを持ってってやってくれるか?」

「はい、お任せください、英雄様」


 トウモロコシ農家ヤップロックの妻にして、二人の子を生み、バルバラとテレサを含めて四人の子育てをしている育児のプロ、ウェラーにおしめを託す。

 ついでに出来立ての子供服も持っていってもらおう。


 ウェラーを見送ると、エステラは頬を膨らませて俺の前に立ちはだかる。


「どうしてボクだと無理なのさ?」


 そんなことでへそを曲げるなよ。


「おしめ越しであのニオイだぞ? 経験者じゃないと、結構キツイんだよ」

「え……そう、なの?」


 誰かに意見を聞こうとするも、ここにいるのって育児経験ないヤツばっかなんだよなぁ。


 ムム婆さんもシラハも子供はいないし。

 ウェラーを除けば、ルピナスとハビエルくらいか。

 まぁ、その二人は口が裂けても「娘の粗相は臭かった」なんて言わないだろうし。


「ベテランとプロに任せとけって」


 ウェラーはもちろん、ジネットとベルティーナも教会のガキどもの世話で慣れてるから、もはやプロなんだよな。


「はい、キレイになりましたよ」


 しばらくの後、プロたちがおニューの子供服に着替えたガキ二人を抱っこして戻ってくる。

 どんな極上のサービスを受けたのか、出ていく時はグズっていた赤ん坊二人は、つやつやのにっこにこフェイスでベルティーナとウェラーの腕に抱かれていた。




「ヤシロさん、ヤシロさん」


 ジネットが溢れる笑みを我慢できないような面持ちでちょこちょこと俺に駆け寄ってくる。

 どんないいことがあったんだよ、おしめ替えで。


「マモルさんなんですが」


 えぇ……赤ん坊でもさん付けなのかよ。

 どんだけ丁寧なの、ジネット。

 いや、でも逆に領主だろうと貴族だろうと様って付けないから、丁寧なんじゃなくて平等なのかもしれないな。

 精霊神の前では、人はみな平等なのです、とかいう感じか。


「マモルがどうした?」

「背中に、小さな羽が生えていたんです」


「こんなに小さかったんですよ」と、手で小さな輪っかを作って力説するジネット。

 そんなに可愛かったのか。


 しかし、それは……


「チボーの呪いか……」


 これで、マモルは将来、半裸黒タイツが確定したわけだ。

 なんと恐ろしい呪いだ!


「エステラ一族のぺったんこの呪いといい勝負だな」

「ボクのは呪いじゃない!」

「あの、マモルさんのも呪いではありませんよ?」


 いやいや、どっちも呪いだよ。

 もし、獣特徴がヒカリに出ていたら……ヒカリが半裸黒タイツに!?

 やだ、エロい!


「あの……どうして半裸黒タイツなのかしら?」


 シラハが首を傾げて、羽をパタつかせる。


「そういや、羽あるのにめっちゃ服着てるな、こいつら!?」


 シラハもニッカも、そしてバレリアも、みんな普通に服着てるじゃねぇか!


「なんでお前の旦那は半裸黒タイツなんだよ!?」

「あの人は、羽の付け根を締め付けられるのが嫌いなのさ。子供の頃、羽に大怪我を負ってね、それ以降、軽く触れるだけでも痛いんだってさ」


 なんだそうだったのか。


「よろしい。それは私に対する挑戦ですね」


 にこりと、ウクリネスが微笑む。

 わぁ、怖い。

 こいつ、半裸黒タイツマンには厳しいんだよなぁ。


「ちなみに、シラハたちの服って、羽のところどうなってるんだ?」

「背中が大きく開くようになっていて、最後に紐で縛るのよ。昔はボタンで留めてもらっていたけれど、一人で着るには紐の方が楽だもの」


 少し見せてもらったら、下布、羽、上布とミルフィーユのように重なっており、上布はとても柔らかい素材で羽の動作を邪魔しないようになっていた。

 下布があるおかげで、羽を動かしても肌が見えないようになっている。

 まぁ、覗き込めば見えるかもしれんが、シラハの背中にそこまで執着する気にはなれない。


「若い子だと、上布を嫌がって背中を大きく露出していることもあるんだけど、私は恥ずかしくて無理だわ」

「ウチの人は、上布はもちろん、下布が羽のそばにあるだけで嫌がるんだよね」

「ですので、私が羽に布を被せない形の服を作って差し上げたのではないですか! だというのに、あの人は!」

「……だ、誰なんだい、このヒツジの人は? ウチの人と随分親しいみたいだけど?」


 バレリアの表情が険しくなっていく。

 ……が、それでもまだウクリネスの顔の方が怖い!

 チボー……二人揃ってお前のもとに送り込んでやろうか?


「ちなみに、マモルの服ってどうなってるんだ?」

「ちゃんと、羽を出せるようにしてありますよ。まぁ、まだ小さ過ぎて外からはほとんど見えないでしょうけどね」


 ウクリネスが胸を張って言う。

 ぬかりないね。


 マモル、ヤママユガ人族なのに不完全変態なのか。

 祖父であるチボーは完全無欠ド変態なのに。


 ……いや、違う。

 この場合の『変態』とは、幼虫から成虫になる際、サナギになって姿を完全に変化させることで、蝶々やセミ、トンボなどがそれにあたる。


 一方、バッタやイナゴ、カマキリのような脱皮を繰り返して成虫になっていく昆虫は不完全変態と言われる。


 不完全変態は、完全変態と違って、幼虫の時と成虫の時の見た目がさほど変わらないのが特徴だな。

 バッタの幼体は、バッタをそのまま小さくしたような姿をしている。

 幾度が脱皮を繰り返すと小さな翅が背中に生え、さらに脱皮をすると成虫となり大きな翅を手に入れる。


 マモルは、そっちに似ているな。

 ……ってことは、ニッカの旦那のカール(見た目イモムシ)は、一生イモムシのままなのか。気の毒に。


「マモル、脱皮とかしないだろうな?」

「羽はしますよ」

「羽だけ?」

「はい。最初の『羽殻はねがら』を土に埋めると、大きくて立派な羽に育つと言い伝えられているんです」


 そんな、乳歯みたいに。


 つくづく、ヤママユガ人族とヤママユガは違うんだな。

 まぁ、マグダだってトラとはぜんぜん違うしな。グルーミングもしないし。

 人に髪の毛梳かしてもらうのは大好きだけど。


 あとまぁ……昆虫の『ハネ』は『翅』が正しいのかもしれんが、なんとなくニッカやマモルのは『羽』って感じがするんだよな。

 些細なことだけど。


 あ、チボーのは『翅』だな。

 なんか虫っぽいし。

 いや、あいつの場合は蟲っぽいし。


「ねぇねぇ、羽見せて」

「おねがいっ! ね?」


 パウラとネフェリーがウェンディに詰め寄っている。

 こらこら。獣特徴はデリケートな部分なんじゃないのかよ。

 子供だからセーフって?


 だったら、ハビエルは子どものお尻見放題になっちゃうだろうが!


「それをOKしたら、ハビエルがヒカリのお尻を見せろって言い出すぞ」

「言わねぇよ!? さすがに、そこまで節操なしじゃないからな、ワシ!?」

「ろくでもないオヤジだねぇ、まったく」

「ハビエル君、エロ~い☆」

「言わねぇっつってんだろうが!」


 圧の強さを自覚してか、ウェンディのベッドから離れた場所に固まる三大ギルド長たち。


「アタシは、小さい子供は好きなんだが、泣かれることが多いからね」


 と、体が大きなメドラは寂しそうに言う。


「私もそんな感じ~☆」


 嘘である。


 マーシャは絶対、自分が赤ん坊のそばに行きたくないだけだろう。

 泣かれるのとか、嫌がりそうだし。


「ワシは……」

「こほん、ですわ」


 ハビエルは……うん。

 お目付け役の圧に屈したわけね。

 やっぱり信用されてないんだなぁ。日頃の行いだろうなぁ。


「マモちゃ~ん。お姉ちゃんたちにお羽見せてあげてくれる~?」

「たーっ」

「「か、可愛過ぎる……っ!」」


 パウラとネフェリーがマモルにメロメロだ。

 あ、ノーマもすすすって近付いていった。

 マグダとロレッタも覗き込んでる。

 テレサとカンパニュラも興味あるのか。


「女子たちがメンズのデリケートゾーンに興味津々だな」

「そういう言い方しないように!」

「懺悔案件じゃないか、これ?」

「みなさん、そのような感情は抱いておられませんので、大丈夫ですよ」


 マジか!?

 ジネット、それマジか!?

 下心がなければいいのか!?


「じゃあ、悪意なく、うっかり着替えを覗いてしまった場合は!?」

「あ、悪意がないのであれば……事故、ですし」

「わっほ~い!」

「はい、今の瞬間懺悔案件になったよ」


 なんでだよ、エステラ!?

 これは事故なんだぞ!?


「下心が透けて見えた瞬間、事故は事案になるんだよ」

「理不尽だ!」


 女子たちだって、メンズのデリケートゾーン見てにやにやへらへらしてんじゃねぇか!


「ヤシロと一緒にしないで」


 パウラがつれない。

 あいつ、筋肉とか羽とか、結構際どいとこ見たがるくせに。

 案外むっつりなんじゃないだろうか。

 思春期め。


「わぁ、ちっちゃ~い」

「可愛い羽ですね、テレサさん」

「はね、かぁいーね」

「あっ、ぱたぱたした!」

「……これは、萌える」

「分かるです、マグダっちょ! これは癒やされるです!」


 わーきゃー盛り上がる女子たちの中で、ノーマが一人、静かに頬を染めて身悶えていた。


 ノーマ。

 いくら可愛くても連れ去るなよ?

 これ、フリじゃないからな?


「どれ、私にもよく見せてくれぬか、ウェンたん」

そいつ(ルシア)は危険だ、取り押さえろ!」

「あたいに任せろ!」

「待て待て! 待つのだデリりん! 私はまだ何もしておらぬ!」

「……日頃の行いさね」

「『まだ』って……ゆくゆく何かするつもりなの、ルシアさん?」


 ネフェリー、マジのドン引きである。


 そろそろ、ルシアの番じゃないかな、懺悔?

 ねぇ?




「それにしても、お二人はまったく泣かない、強い子ですね」


 カンパニュラがヒカリとマモルを見ながら言う。

 見つめられたヒカリとマモルは、カンパニュラに向かって「あ~」と手を差し出す。

 カンパニュラがその手を掴んでやり、握手している。


 なにこの映像。

 見てるヤツが軒並み癒やされてんだけど?

 金取れそうなヒーリング効果だな。


「私は、とても泣き虫だったので、お二人の強さを尊敬します」

「ふふ。カンパニュラはいっつも母様母様と、私にひっついてきていたものね」

「母様……それは、内緒のお話です」


 幼少期のことをルピナスにバラされ、カンパニュラが赤く染まった頬をふくらませる。


「こんな表情をするようになったのね……ヤーくんに預けて正解だったわ」


 と、俺を見るルピナス。

 ……なんだろう。今、見られた瞬間背筋がゾクゾクっとしたんだけど……?


「これからも、ずぅ~っと一緒にいてくれると、安心なのだけれどねぇ」


 あぁ、これのせいか。

 戦闘機は、敵機にロックオンされるとセンサーが反応して教えてくれるらしい。

 俺にも、ロックオン感知機能が備わっていたようだ。


 射程圏外へ離脱。

 戦闘機で空母に挑むようなマネはしない。

 俺は別に、赤い彗星でも緑のたぬきでもないし。

 ……緑のたぬきは母艦落としたことはないか。


「あかしゃん、かぁいーね。ないない、ばぁ、よ。ないない、ばぁ」


 こっちの世界でも、いないいないばぁは存在するようで、テレサがマモルにやってやっている。

 横から見てるヒカリの方が楽しそうに笑っているけれど。


「テレサ。それ、ハビエルに向かってやると倒せるぞ」

「はびえぅしゃ? たおす、の?」


 きょとんとしているテレサに、指でGOサインを出す。


「はびえぅしゃ、ないない、ばっ」

「ごふぅう!」


 ハビエル轟沈。

 まさに、宇宙母艦が沈んでいくようだ。

 破壊力抜群だな。


「ギルド長を倒したから、木こりギルドはテレサのものだな」

「情けないですわよ、お父様!」

「いや、しかし、イメルダ……今のは、反則だぞ……お前も喰らってみるといい」

「ワタクシにはなんの効果もありませんわ」

「いめぅだしゃ、ないない、ばぁ!」

「ふぐ………………………………………………っ、た、耐えましたわ、かろうじて」


 めっちゃ効いてんじゃねぇか。

 イメルダも、小さいガキが好きだからなぁ。

 キャラ的に嫌いそうなのに、実はめっちゃ好きなんだよな、小さいガキが。

 小さければ小さいほど好きっぽい。

 きっと父親の遺伝子だな。


「えーゆーしゃ! ないない!」


 大人が次々倒れるのが楽しいらしく、テレサが調子に乗り出した。

 俺に挑もうってのか?

 身の程知らずめ。

 返り討ちにしてくれる!


「ばぁ!」

「ぴょっ!」

「「「ごるぶゎはあ!」」」


 テレサのいないいないばあに合わせて変顔を返してやったら、周りの連中が一斉に吹き出した。


「ヤ、ヤシ、な、なに、今の、顔っ、かお……か…………あははははは!」


 エステラが俺の顔を指差しながら腹を抱えてうずくまる。

 笑い過ぎだろ。

 泣いてんじゃねぇか。


 つか、全員笑い過ぎじゃね?

 何人か床に転がってんじゃねぇか。


「きゃははは! えーゆーしゃ、もっかい! もっか~い!」

「ふん、俺の変顔はそんな安くないんだぜ。やれと言われてほいほいやると思ったら大間違いだにょっ!」


「にょ」とともに全力の変顔を炸裂させる。


 フロアが、割れんばかりの大爆笑に包まれた。

 本当に爆発したんじゃないかと思うような轟音だったな、今。


「くひっ……くっ……お兄ちゃん、ヤバいです…………い、息が、吸え…………くひひひ!」

「…………」


 ロレッタが死にかけ、マグダは床に転がってぴくぴくしている。


 そして、ジネットとベルティーナは、完全に背中を向けて顔を覆い隠していた。

 こいつらは、以前俺の変顔を見たことがあるからな。

 あの時も、相当尾を引いていたっけ。


「きゃっきゃっきゃっ!」

「あ~! あぁ~!」


 ヒカリとマモルも大喜びだ。

 そうかそうか、面白かったか。

 小さいうちから本物の笑いに触れておくと、将来の可能性が広がるからな。存分に堪能するがいい。


「ウチ、顔芸は笑いとは認めへん派なんやけど…………おもろいやないか! なんや、悔しいわ」


 一人、変なプライドをこじらせているヤツがいる。

 顔芸は邪道だって?

 お前の下ネタも十分邪道じゃねぇか。

 どっこいどっこいだっつーの。


「ふっ、ふぅ……ふぅ……ヤシロさん、あの、ほどほどに……」


 乱れた呼吸を整えて、涙目のジネットが懇願してくる。

 めっちゃ乱れてんなぁ、呼吸。

 過呼吸になりかけてないか?

 呼吸困難か。


「大丈夫か、ジネット?」

「ふきゅっ!」


 普通の顔なのに笑われたわぁ……


「す、すみません。なんだか、普通のお顔まで面白く見えてしまって……」


 失敬じゃな~い?


「もともと面白い顔をしているからね、ヤシロは」

「ヒドイにょり!」

「ぶはっ!? ……ぁははは、や、やめてよ、もう!」


 笑いが限界突破して、最初の方声出なくなってやがんの。

 目尻に涙を溜めながら攻撃してくんじゃねぇよ。

 ぽすぽす叩くな。痛くもねぇのに。


 で、こういう時いろいろ言ってきそうなルシアを探すと……花嫁のベールみたいにハンカチを顔の前に垂らしてぷるぷる震えていた。

 なにやってんの、お前?


「こ、こちらを、見るにゃ…………く、ふふふ、こ、こんな締まりの無い顔は、人には見せられにゅふふふ……」


 どうやら、あまりに笑い過ぎて、顔面が放送コードに引っかかったらしい。

 よく見れば、マーゥルも向こうの方で静かに背を向けてうずくまっている。


 あんまり無理するなよ。

 血圧上がってぽっくりイっちゃうぞ。


「ヤシロ……」


 名を呼ばれ振り返ると、そこにはノーマが。


「顔、真っ赤じゃねぇか」

「あんたは……限度ってもんを考えなねっ」

「いたたたたっ!」


 ほっぺたを、割と強めにつねられた。

 ノーマの頬には幾筋もの涙の跡が残っている。

 どんだけ笑ったんだよ。


 ミリィとネフェリーが端っこに避難している。

 パウラは、そのそばで俺を指さして大口開けて笑ってるのに。

 爆笑顔を見られたくない女子って、多いのねぇ。

 パウラは気にしないのか。そうか、笑顔もチャームポイントだもんな、お前は。


「好き、私は、友達のヤシロの面白い顔が」


 うん、ギルベルタ。

 好感を持ってくれるのは嬉しいんだが、「俺の面白い顔」って言われると、それが標準みたいに聞こえるからさ、言い方気を付けて。


「ふはは! 面白い顔なら、俺だって得意だぜ!」

「奇遇だな、シーゲンターラー。何を隠そう、私も自信があるのだ」


 よせばいいのに、リカルドとゲラーシーが前に出てくる。

 というか、俺の前に並ぶ。

 俺に見せる気かよ。

 せめてガキに見せてやれよ。


「見やがれ、オオバ!」

「抱腹絶倒するがよい!」


 どーだ! ――とばかりに自分の顔を歪めて見せつけてくるリカルドとゲラーシーだが…………うん、まぁ、そうだな。ブッサイクではあるんだが……なんていうのかなぁ……普通?


「普通にブサイクだな」

「「悪口かっ!?」」

「……リカルド。つまんない」

「呼び捨ての上に暴言吐くな、トラの娘!」

「ゲラーシー様。身内と認めたくないくらいに恥ずかしいです」

「辛辣だな、イネス!?」


 さっきまであんなに笑っていた周りの連中が、なんか「すーん」って顔をしている。


 変顔って、難しいんだよなぁ。

 想像を越えていかなきゃいけないから。


「ゲラーシー」

「あ、姉上……」

「あとで話があります」

「マジなトーン!?」


 余計なことをして説教が確定したゲラーシー。

 雉も鳴かずば撃たれまいて。


 バカだなぁ。


「ウェンディ、少し寒くなったね。体を冷やさないよう布団をかけよう」

「おぉーい、レンガ職人! お前はまともそうなヤツだったのに、案外酷ぇな!?」

「あぁ、いえ、日も陰ってきましたので、それで」

「ウチの領民に言いがかりつけないでくれるかい、場の空気を一瞬で冷却した他所の区の領主さん」

「ものすげぇ他人行儀な言い方してんじゃねぇよ! せめて名前で呼べ!」


 リカルドが、なんとかエステラの身内に潜り込もうとしている。


 リカルド。

 お前は。

 他人だぞ☆


 なんだかんだと過ごすうちに、空の色は随分と落ち着きを見せていた。

 もう間もなく、空は赤く染まるだろう。


「セロン、ウェンディ。そろそろ帰り支度を始めろ」


 日が沈む前に家に帰り、母子ともに安静に眠るのが一番だ。

 あとは、家族でゆっくり過ごせばいいさ。


「ねぇ、ウェンディ。また赤ちゃん見に行ってもいい?」

「もちろん。いつでも歓迎するわ」

「やった!」

「私も行くね。可愛いよだれかけを持ってね」

「楽しみにしてるわよ、ネフェリー」

「アタシも、たまに顔を見に行ってもいいかぃね?」

「もちろんです、ノーマさん。ついでに、お料理を教えてもらえると嬉しいわ」

「それは……アタシには荷が重いさね」


 あぁ、残念。

 匙を投げられたかぁ。

 ジネットに教わっても一向に上達してないもんなぁ、ウェンディの料理は。


 まぁ、地道に頑張れ、ウェンディ。





 ウェンディたちの帰り支度が済み、さて帰りましょうかという段になり、問題が発生した。


「あ゛ー!」

「み゛ぃぃい!」


 ガキども、ギャン泣き。


 さっきまで全っ然泣かなかったのに、急に泣き出して、周りの大人たちがおろおろしている。


「ど、どうしたの? さっきまであんなに楽しそうだったじゃない」


 母親ウェンディも、我が子の豹変ぶりに戸惑っている。


「楽しかったからじゃないか」

「あぁ、帰るって雰囲気を察しちゃったのかもねぇ」


 俺の予測に、エステラが肩を竦める。

 呆れではなく、慈しむような目で赤ん坊を見ている。


「帰る時間が近付くとぐずり始めるルシアみたいなもんだな」

「誰がいつぐずったか、カタクチイワシ!」

「あぁ、そっか。お前はぐずるんじゃなくてお泊まりを強行する派だったっけな」


 より一層迷惑だよ。


「「ぁ゛あ゛ぁぁあー!」」


 しかしやかましいな。

 何がそんなに気に入らないんだ。


 おろおろする新米ママに代わり、ベルティーナがあやしにかかるが今ひとつ効果が見込めない。

 おっぱいのサイズは確実にアップしているというのに、贅沢な。

 そのポジション、望んでも手に入らないもんなんだぞ!

 文句があるなら代われ!


「泣き止んでくれませんね。ジネット、代わってもらえますか?」

「はい。ほら、泣き止んでくださ~い」

「あ゛ぁああー!」


 ジネットでもダメだと!?


「貴様、このおっぱいのどこに文句があるというのだ!?」

「おっぱいに文句があるわけじゃないんだよ、赤ちゃんは!」

「だがな、エステラ。もし俺なら、両手両足複雑骨折してても、あの場所でぎゅってしてもらえるなら秒で泣き止むぞ」

「君だけだよ、そんな特例は」


 いやいや、きっと大多数のメンズが俺と同じ気持ちに違いない。

 まぁ、試させはしないけどな。

 だから、淡い期待を抱くな、野郎ども。出禁にするぞ。


 つか、うっせーな、ガキ。


「こら、いつまで泣いてんだ。さっさと泣き止め」


 いい加減ムカついて、生まれて間もない赤子の鼻を「ぷし」っとつついてやった。

 体罰だ。

 折檻だ。

 暴力事件だ。


 だというのに。


「たーっ!」

「きゃっきゃっ」

「すごい、一瞬で泣き止んだ!?」

「ヤシロさんは子守の天才ですね」


 赤子を抱っこして必死にあやしていたIとA。

 最大でも最小でも泣き止まなかった赤ん坊が笑い出して驚いている。

 っていうか、ジネット。

 天才とか、違うから。

 だからな、エステラ、「ここまで行くともはや神だね」じゃねぇんだわ。

 俺を御神体に祀り上げんじゃねぇよ。


「ほれ、泣き止んだなら今のうちに連れて帰れ」

「は、はい。ほら、こっちおいでマモル」

「あ゛ー!」


 セロンが抱っこしようとすると、マモルが再びギャン泣きを始める。

 これはつまり……


「セロンと比較すると、エステラでもかろうじて膨らみを感じるということか……」

「なに真面目な顔で失敬なこと考えてるのさ。差は歴然だよ」


 はっはっはっ。

 今日イチのナイスギャグ。


「それに、胸の大きさで喜んだり嫌がったりはしないよ、赤ん坊はね」

「俺は喜ぶが?」

「言われなくても知ってるし、この子たちがそうならないように街をあげて教育に協力していく所存だよ」

「お、そうだ。ガキどものために絵本を作ってやらなければ」

「君が言うと、いかがわしいイラストの本じゃないかと疑ってしまうね」

「ほなとりあえず、内容を話し合おか」

「レジーナが食いついた時点で完全にアウトだね。まったくもって遺憾だよ」


 大人も楽しめる楽しい絵本の構想があったというのに!

 竜宮城の乙姫様が、ほんのちょっと過度にセクシーでもいいじゃないか!


「さっきまであんなにいい子だったのに」


 ベッドで横になりながら、ウェンディが困り顔で泣き続けるヒカリを見つめている。

 ……で、ふと俺を見る。


 そして、ヒカリを抱き上げ俺の方へ向ける。


「あ~、きゃっきゃっ」


 ちっちゃい手をこっちに向けて伸ばし、ヒカリがにこぉ~っと笑う。


 俺が一歩離れると――


「あ゛ー!」


 この世の終わりかと言うほど泣き出す。


 で、マグダが俺の背を押してヒカリに近付ける。


「たーっ!」


 めっちゃ笑う。


 セロンがマモルを俺の方へ向けると、マモルも笑い出す。

 俺、逃げる。

 ガキども、泣く。


 ノーマに取り押さえられ、ガキどもの前へと連れて行かれる。

 ガキども大喜び。


「何センサーだ!?」

「きっと、両親から受け継いだ英雄教遺伝子の影響なんやろねぇ」

「うぇんでぃさんもせろんさんも、てんとうむしさんのこと大好きだから、赤ちゃんもてんとうむしさんのこと、好き、なんだね」

「レジーナうっさい」

「ミリィちゃんの方が仰山しゃべってはったのに」


 ミリィがうるさいことなど、いまだかつてなかったからな。

 お前がうるさいことは多々あったけど。


「にしても、これ、どうすんだ?」

「泊まりに行ってあげれば?」

「お断りだ」


 今日泊まりに行ったら、明日も明後日もとずるずるいきそうだからな。

 何より、一緒にいる時間が増えて、今より一層懷かれでもしたら堪ったもんじゃない。


「そうです! ベッコさん、今こそ英雄像を――」

「却下だ、ジネット。はい、ベッコから十歩離れて」


 危険な思想を抱くジネットをベッコから引き離す。

 それを許可すると、何軒かのご家庭に英雄像が設置されかねないんだよ。

 そして一番設置される危険性が高いのはここ、陽だまり亭だ。


「いいアイデアだと思ったのですが……」じゃないから。

 落ち着け、な?


「でもさ、ヤシロ、どうするの。このままじゃ帰れないよ?」

「いつものように、何かアイデアを出してみてはどうだ? ん? カタクチお兄ちゃんよ」


 無責任な領主が俺に期待のこもった視線を向ける。

 泣くガキを確実にあやせる方法なんてのは存在しないんだよ。

 いろいろ試して、なんとかかんとかなだめすかしてんだ、親ってのは。


 うわぁ、ものすげぇ大変そう。

 俺、絶対ムリだわ。


 だがまぁ……割と効果がありそうなものなら……作れるかもなぁ。


「ヤシロさん、何か思いつきましたね?」


 と、俺の顔を覗き込んで、勝手に確信するジネット。


「またアノお顔をされていましたよ」

「そういうお前は『またアノ顔をされていましたよ』って言う時の顔をしてるぞ、今」

「へっ!? それは、どんな顔ですか?」


 ぺたぺたと、自分の顔に触れるジネット。

 どんな顔してんのか教えてほしいのはこっちだ。

 お前らの言う『アノ顔』なんて、実在はしないのだから。


「とりあえず、効果があるかは分からんが、俺の故郷で支持されていた道具を作ってみるか」


 俺が生まれるよりもずっと前から存在し、今もなお売れている超ロングセラー商品。


「というわけで手伝いを――」

「オイラ、何をすればいいッスか!?」

「あ、今回ウーマロはいいや。ノーマ」

「ぃっよっしゃあ! やったさね! ザマァ見なね、キツネ大工!」


 いやいや、そんな渾身のガッツポーズして喜ぶようなことでもないだろうに。

 で、ウーマロ。意識失って倒れるほどショックを受けるようなことでもないから!


「こいつら、大丈夫か?」

「彼らも、ある種君の信者だからねぇ」


 無責任なことを言うな。

 連中は単純だから、他人に言われると「え、そうなの? ……あ、そうかも」って真に受けかねないんだからな。


「アッスントに頼むまでもないと思うが、ノーマ、こういう材料って揃うか?」


 紙に作ってほしいものの設計図と、それに必要な部材を書き出すと、ノーマとアッスントが同時に覗き込んでくる。

 恨みがましそうな目でウーマロとイメルダが見てくる。

 ……今回は鉄で作るつもりなんだよ。


「全部ウチで用意できるさね」

「くぅ!」


 アッスントが悔しがっている。

 ……ように見えてほくそ笑んでやがるな。

 そうかそうか、こいつは売れると確信したか。


「一時間……いや、三十分で作ってくるさね。ちょぃと待ってておくれな。行くよ、あんたたち!」

「も~ぅ、まだケーキ食べ足りないのにぃ~!」


 フロアにいた乙女たちを引き連れて、ノーマが陽だまり亭を飛び出していく。

 ……つーか、まだ食い足りないのかよ、ケーキ。


「では、戻ってこられた時に食べられるよう、ケーキを追加しておきますね」


 ジネットも上機嫌で厨房へ向かう。


 いや、まぁ別にいいんだけどさぁ……


 ノーマに依頼したブツも、ケーキも、三十分で出来るようなもんじゃないからな?

 軽々しく人間の限界と時間の概念を飛び越えるな。な?


 ……でもまぁ、作ってきちゃうんだろうなぁ、どっちも。







あとがき




どうも

盗んだバイクで走り出す、宮地です


……いや、それはさすがに倫理的にアウトですよね、このご時世。

でもですね、仕方のない部分もあるんですよ


だって、

盗んだバイクで走り出すことは可能ですが、

走り出したバイクを盗むことは不可能なのですもの!


消去法で盗んだバイクで走り出すしかなかったんです!



いやしかし、

それでも倫理観が……

令和の時勢が……



分かりました


やはりバイクを盗むのはよくありませんので、私はご本家さんの逆を行ってみましょう!


向こうが『十五の夜』なら、

こっちは『六十五の早朝』です!



(;゜Д゜) お祖父ちゃん、早起き!?



おじぃ「寄〜付したバ〜イクが動かないぃ〜♪」



(;゜Д゜) じゃあいらない! 動かないバイク、いらない!



バイク「きゅるきゅるきゅる――ぷすん」

おじぃ「動かんかぁ……よし、寄付しよう☆」



(;゜Д゜) 粗大ごみ押し付けんな!



そんな、宮地です☆


おかしいですね

窃盗はいけないと、真逆のことをしたのに

結果迷惑になってしまいました



生きるってことは、一筋縄ではいかないものなのですね☆




……あ、すみません

ここ最近のあとがき、昭和・平成の名曲シリーズになっていまして、

「え? なに? どゆこと?」ってなってる若者、いらっしゃるかもですが、

昭和・平成の歌もたまにはいいものですよ☆


興味があったら聞いてみてくださいね☆



もう、

流行りに乗るとか

世代を合わせるとか無理なので

私の時代に逆戻りしてきてください☆


いえ、

前回のなごり雪、

「いきなり『名残り牛』とか言われても、最近の若い子は分かんないよ」

とか言われたので……


そっかぁ、分かんないかぁ

私の時代は、学校で習ったんですけどねぇ



ウチの中学の音楽教師、

流行歌の楽譜とか持ってきて

「みんなで歌ってみよ〜」

ってやるような人だったんですね


リクエストしたら、その楽譜持ってきて

先生がピアノで伴奏して、生徒が合唱するっていう感じで


最新のヒット曲とか、ベタな流行歌とか

いろいろあったんですが、中にはCMソングとかもあって、

みんな知ってるのに、

みんなサビしか知らないなんて曲も――



ピアノ「♪じゃん、じゃーかーじゃーん! ――ぽろろん♪」

生徒「「「…………」」」

音楽教諭「歌えや!」

ピアノ「じゃん、じゃんじゃーん――」

生徒「「「きょーぅ、じんるいがはじめてー♪」」」

音楽教諭「そこだけ知っとんのんかい!?」



みたいな( ̄▽ ̄)


あ、そういえば、

ここまでの『誕生』のあとがきの冒頭に使った歌、

三曲とも中学の音楽の時間に歌いましたね



十五の夜、合唱に向かなくない!?

Σ(゜Д゜;)



高校の頃は、音楽が選択授業になったせいもあって、

ギターの弾き語りとかやったんですよね

一年の頃はピアノ演奏だったんですが、

二年で先生が変わってギター演奏に変更になったんですよ


当然のように誰も弾けないという……


まぁ、私は弾けましたけどね

( ̄▽ ̄)むふふん♪


「何か弾き語りしたい曲があればリクエスト受け付けますよ〜」

っていわれたので、

『いつかのメリークリスマス』をリクエストしたら

『戦場のメリークリスマス』持ってこられて、


(;゜Д゜)「おい、弾き語りの『語り』部分は!?」


ってなったのもいい思い出

(*´ω`*)


ちなみに、

戦場のメリークリスマスは映画のタイトルで、

あの曲の曲名は『Merry Christmas, Mr. Lawrence』というんですが、

高校の時にもらった楽譜にはデカデカと『戦場のメリークリスマス』って書かれてたんですよねぇ


……どっかの海賊版じゃないでしょうね?

怖いので調査はしないでおきましょう

(・_・;ドキドキ



さて、本編では

双子ちゃん大人気です☆


しっかりと英雄教の遺伝子を受け継いで(笑)

きっと大物になることでしょう

( ̄▽ ̄)……たぶん



そして、

ウェンディの父親の半裸黒タイツさん(名前はちょっと思い出せないですけども)

あの黒タイツは翅が邪魔で服が着られないと言っていましたが……


(」>□<)」アゲハチョウ人族はみんな服着てますよー!

(」>□<)」お宅の伴侶も服着てますよー!


……いやぁ、よくここまで突っ込まれずに来たものです(^^;


実は、羽が生えている人の服は

背中が開いていたんですね〜

若い子は背中のところが大きく開いた大胆な衣装を着ております


まぁ、一番大胆なのは半裸黒タイツさんですけどね( *´艸`*)




そしてそして

ヤシロの変顔は

ジネット・ベルティーナ母娘の弱点です(笑)


どこでしたっけねぇ?

ベルティーナに変顔見せてツボらせていたのは……


そんな経験から

ジネットとベルティーナはいち早く顔を逸らして防御の姿勢です(*´艸`*)

防ぎきれていませんでしたけれども!



「顔芸は笑いやない!(きりっ)」



と、妙なこだわりを発揮していたレジーナさんも唸らせるヤシロの変顔

ちょっと見てみたいです


で、

テンション上がって便乗してスベリ散らかすヤツが出てくるまでがワンセット、ですね☆

さすがリカ×ゲラ、やってくれます(笑)


リカルド「変なくくり作んな!」

ゲラーシー「こいつと一緒にするな!」

リカルド「あ゛ぁ゛ん?」

ゲラーシー「お゛ぉ゛ん?」

エステラ「仲良くしなよ、リカ×ゲラ」



バカが出来る大人って、私は素敵だと思うんですよねぇ

(*´ω`*)

そのままでいてね、リカ×ゲラ☆



冒頭の歌ではないですが、

あの時代って、なんかやたらと「くだらねぇ大人にはなりたくない」みたいな風潮が若者たちの間にあった気がしますが、

大人になってから思うのは――


くだらない大人って、素敵で楽しいですよ☆



ちなみに、

「くだらない大人になりたくない」の反対は

「バカな子供に逆戻り」でいいんでしょうか?

なんか、そっちの方が楽しそうですけども!



宮地「ねぇねぇ、『いっぱい』の『い』を『お』に替えて言ってみてー!」(≧▽≦)



きっと楽しい(*´▽`*)



リカ×ゲラさんたちも、きっと永遠の子供なんでしょうねぇ



知らんけど



次回もよろしくお願いいたします!

宮地拓海

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 赤ちゃんをアヤすオモチャ? でんでん太鼓? あれは鉄じゃ作れませんよねぇ。 あぁ、ガラガラっすね。 でんでん太鼓、て日本昔話か(笑)
[良い点] 放送コードにひっかかったルシアの顔見たいなw 本当にツボった時って「あ、このまま死ぬのかな」ってぐらい苦しくなりますよね、面白すぎるのも考えものです( ̄▽ ̄) [一言] あとがき読んでふと…
[一言] これはヒカリちゃんとマモルくんが最初に喋る言葉がえーゆーしゃになるかもしれんなw
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