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異世界詐欺師のなんちゃって経営術  作者: 宮地拓海
報労記

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報労記27話 噂の貴族と意外なアイツの登場

 ジネットたちが船に戻ってから、約三十分が経過している。

 どう見繕っても、あと一時間はかかるな。

 米を水にさらすのに一時間、炊き上げるのに二十分、蒸らしに十分……いや、この気温なら水にさらすのは三十分から四十分程度でいいか。

 その辺はジネットが絶妙の匙加減でやってくれるだろう。


 なんにせよ、あと小一時間はかかる。


「あそこにいる者たちは、領主の関係者なのか?」


 港は街門の外にある。

 そこらの一般人が、わざわざ出迎えのためだけに高い金を払って集まっているとは思えない。

 ならば、折角集まってくれた者たちへは、相応のご褒美が必要だろう。


 ……と、思ったのだが。


「彼らは一般の領民たちですよ。微笑みの領主様たちが船で来区される旨を伝え、出迎えに参加したい者を募った結果集まった者たちです」

「一般参加なのか?」

「えぇ。……実は、幾度か四十二区でのイベントに参加させてもらって、羨ましくなったのですよ」


 三十七区領主が、眩しそうにエステラを見つめる。


「あんなにも領民に慕われ、近しい距離で彼らと接しているミズ・クレアモナと四十二区の領民たちとの関係が」


 それは、ルシアも似たようなことを言っていた。

「エステラが羨ましい」と。


「とはいえ、高い通行料を払ってまでこんなに集まってこんでも……」

「今回は、通行料を免除したんですよ。これも、ミズ・クレアモナのマネですけどな」


 ほっほっほっと、三十七区領主が笑う。

 少しずつ、緊張や見栄といった、外側の皮がめくれてきている感じがする。

 もう少しエステラと一緒にいりゃ、もっとフランクになんでも話せる間柄になるだろう。


 ……残念ながら、俺は顔と名前を覚えることは出来ないが。


 顔、普通。

 名前、覚えにくい。

 重要性、特にない。


 うん。

 覚えられる気がしない。


「んじゃあ、折角なんで、あいつらの意見も聞かせてもらっていいか?」

「我が区の領民たちの、ですかな?」

「あぁ。観光業なんてのは、街が一丸となって取り組まなきゃ成功しないからな。他所から来る客に『どーよ、ウチの区、イケてるだろ?』って自信を持って接することが何より重要だといえる」


 旅先で出会う現地人には、その場所を誇りに思っていてほしいものだ。

「お前、何しに来たんだよ、こんなしょーもないところに? え、バカなの?」とか言われたら興醒めだろ?

「よく来たな! ここのイカ美味いから食ってけ!」って感じの方が好感を持てる。


 観光業ってのは、官民一体で盛り上げてこそ成功し得るのだ。


「というわけで、海を売りにしたこういう土産物を売ってみる気はないか?」

「おぉっ!? これはまた、なんとも美しい!」


 砂糖と塩で作ったカラーサンドアート。

 中身は言わずに、色を付けた砂でこういうものを作るのだと教えておく。


「つまり、海岸に落ちているものだけで、これが作れるのですかな?」

「まぁ、厳選する必要はあるし、技術は必要になるがな」

「あと、ガラスだな。そこの出費を如何に抑えるか、これは頭の痛い問題だぞ」


 三十五区でもカラーサンドアートを取り入れるつもりらしいルシアが、眉間にシワを刻んで低く唸る。


「でしたら、ここは三区合同で、ガラスの値段を下げる算段を練りましょう」

「何か案がおありなのですかな、ミズ・クレアモナ!?」

「いえ、それはまだ。……ですが、三区が知恵を出し合えば、きっと妙案が浮かんできますよ。ね、ルシアさん」

「そうであるな……。やってみる価値はあろう」

「おぉ……その中に我が三十七区が含まれるとは……感激の至りですぞ」


 最初の一案、とっかかりは四十二区からもたらされた。

 だが、その先の、これからの改革は三区が対等な立場で模索していく。

 最貧三区の同盟によく似ている。

 行き詰まっていた四十一区と四十二区、そして四十区が知恵を出し合い現在は結構いい感じで連携が取れている。利益も上がっているようだし。

 キックバック、お待ちしてまぁ~す☆


「三区合同で、三十三区に働きかけてみるのもよかろう。あのひねくれ者も、数に物を言わせれば動かざるを得まい」

「ボクはお会いしたことがないので、アポイントメントはルシアさんに頼ることになりそうです」

「私も役に立てそうですぞ。いやなに、三十三区の彼とは幾度か酒を酌み交わしたことがあるのですよ。彼の酒の知識は凄まじいですぞ。かく言う私も、ワインに関してだけは一家言ありましてな」


 意外な、というか、予想もしてなかった繋がりを発揮する三十七区領主。

 言われてみれば、最貧区の四十二区はもとより、女性領主であるルシアにしても、年上で先輩である三十三区領主と酒を酌み交わすなんて難しいよな。

 貴族だし、異性だし、酒でも飲んで腹を割って話そうぜって展開にはなかなかならないだろう。


 何かあれば醜聞が付いて回る。

 間違いが起これば責任が付きまとう。

 そんな相手と、腹を割って酒を酌み交わそうもないもんだ。


 ……ただ、なぜかその未婚の貴族令嬢が他区であるはずの四十二区で醜態をさらしまくっているんだがな。

 既婚で子持ちのハビエルとなら飲みやすいのか。

 まぁ、ルシアから見ればデミリーやドニスは年上過ぎて噂も立ちにくい相手なのかもしれないけど。


「一度、手紙を書いてみましょう。有港ゆうこう三区でこのような事業を始めるにあたり、ガラスの作成についてご相談したい――と」


 変な括りを生み出しやがったな、三十七区領主。

 なんだよ、『有港三区』って。港が有る三つの区って?


 奇妙な造語を生み出すな。


 うわぁ……、すっごいにこにこしてる。

 俺、こういうの見たことあるなぁ……


 そうそう、四十区から四十二区の三区同盟とか言って、にっこにっこしていちいち絡んでくる筋肉領主にそっくりだ、あの顔。

 うっ……そう思うと、なんか胸が焼けてきた。


「よし、一抜けた~」

「させないよ」


 席を立とうとした俺の腕をエステラが素早く掴む。


「どうせ、出来はせぬ」


 そして、そこへ訳知り顔のルシアが寄ってくる。

 俺の腕を掴むエステラの手に自身の手を重ね、エステラの手ごと俺の腕を強く掴んでくる。


「貴様がいる場所に周りの者が集まってくるのだからな。どこまで逃げようと、貴様が中心となろう」

「けったいな呪いを寄越すな」


 中心にはお前ら目立つ連中がいればいいんだよ。

 領主様たちがな。


 俺は、それを裏から操るだけでいい。


 操る…………マリオネット……



「あっ」



 紙芝居のカーテンコールで盛り上がる一帯を見て、ふと思いつく。

 思わず、口元が緩む。


 そうか。

 その手があったか。


「今、何を思いついたんだい?」


 俺の些細な変化に目敏く気付き、エステラが顔を寄せてくる。


「別になんでもねぇよ」

「いいや。今、絶対何かを思いついた顔をしてた。ボクの目は誤魔化されないよ」

「まぁ、よいではないか、エステラ」


 俺とエステラの間にルシアが割り込んできて、エステラの耳に口を近付ける。

 ……って、俺に顔を寄せてるエステラに顔を近付けると、自動的に俺の顔にもお前の顔が近付いてくるんだけど! めっちゃ顔近いからな!?


「……おそらく、三十五区の方の妙案だ。……であろう?」


 ものすっごい至近距離で、色香たっぷりな流し目を寄越された。

 ……チューすんぞ、テメェら。

 俺が顔をちょっと突き出せば、それが可能だということを忘れるな?


「こ、こほん……」


 三十七区領主の咳払いに、エステラとルシアが肩を跳ねさせる。

 他人に介入されると、自分の置かれている状況に気が付けるもんだよな。


「あぁ……やはり、親交を深めるには……その……いろいろと、段階が必要なのですなぁ」


 何が段階だ。

 別に、俺はこいつらと何かあったから親切にしてるわけじゃない。

 っていうか、親切とかしてないから!


 ……いや、まて。

 これだけ親切にしているのだから、もう少し何かあってもいいのでは?

 具体的には、おっぱいパラダイスとか!


「……ウチには娘が三人……しかし、乳児には興味がないと言われたし、上二人はもうすでに婚約者が…………いや、待て待て、婚約くらいなら破棄したところで……!」

「不穏なこと口走ってんじゃねぇよ!?」


 領主の娘の婚約破棄の原因になんぞされてたまるか!

 お前は、差し出せるものなら手当たり次第か!?

 ……って、それは差し出しちゃいけないカテゴリーに入れとけ!

 いいな! 今入れろ! 入れたら二度と口にするなよ!

 いいな!?




 アホな三十七区のオッサン領主を隅へ追いやり、考えをまとめる。

 紙芝居がここでこれだけ盛り上がったということは、この区にいるなんとかって貴族の耳にも入り、きっと三十五区の子供好き(よくない意味で)の貴族の耳にも届くだろう。


 きっと子供好き貴族は羨ましがる。

 なにせ、子供に大人気の紙芝居だ。

 そんなのがあるなら自分がやりたかった!

 けど、ライバルのアノ貴族の二番煎じなんて冗談じゃない!

「なんなら教えてあげようか?」とか言われたら宣戦布告しちゃうかもしれない!


 ――って感じになるだろう。

 だが、それを超えるものがあればいいわけだ。


 ……ふふ。踏み台になってもらうぞ、三十七区。

 紙芝居があるからこそ、「そういう形態の娯楽も有り」と認識させることが出来る。

 その上で、もう一段階上位の娯楽を提供してやれば、子供好き貴族は感激し、「敷地に水路? どうぞどうぞ! 何本で通しちゃって! メンテナンスもこっちの費用でやっとくから!」と言わせることが出来るってもんだ。


「ルシア。金を持ってるか?」

「今か? ……いくらだ?」

「必要なだけだ」


 三十五区の子供好き貴族には、人形劇を教えてやろう。

 そのためには、人形制作のための素材が必要だ。

 幸いにして、ここには素材を買うための店がある。

 アッスントはいないが、行商ギルドに言えば融通してくれるか、店を教えてくれるだろう。


 さて、手にぬいぐるみをかぶせるパペットにするか、木製の人形を棒で操る棒遣い人形にするか……糸にぶら下げた操り人形は技術を要するので今回は見送ろう。

 棒遣い人形も、ある程度技術は必要なんだよなぁ。

 本体を支える中心棒。

 口や目を動かすためのギミック。

 感情表現を分かりやすく見せるための、腕を動かす操作棒。

 教育テレビでよく見かけたタイプの人形劇だな。


 うまい人間はアレを一人でこなすが、初心者なら二人一組でやらせてもいいか……狭くなるけどなぁ、裏方が。

 あぁ、でも呼吸が合わないと目も当てられない状況になるか……やっぱ頑張って一人で操作できるように練習してもらおう。


「ナタリア、ギルベルタ」

「この『桃』を呼んだのは君かい、ヤシロ君」

「がおー、と返事する、私は」

「……いい加減、桃太郎の世界から帰ってこい」


 ファンに囲まれてきゃーきゃー言われたからって、いつまでも調子に乗ってんな。

 で、『桃』ってなんだ。桃太郎の一人称、そんな感じじゃねぇよ。


「主の躾が行き届いていない証拠だな」

「君のせいだよ、ナタリアがこうなったのは」

「まったくだ。貴様に会うまで、ギルベルタはあんな風ではなかったのだぞ、カタクチイワシ」


 けど、それを諫めないあたり、お前らも今の給仕長の方がいいと思ってるんだろ?

 なら、俺を責めるのはお門違いというもんだ。


「俺たちがここに滞在している間に、揃えてほしいものがある。鉄の加工も必要だから少し急いでくれ」


 アッスントがいてくれりゃ、あいつに丸投げで済むんだけどなぁ。

 三十七区もカバーしとけよ、使えねぇなぁ。


「アッスントがもう少し使える男なら、お前らに負担をかけずに済んだんだがなぁ」

「おや? ではこれは好タイミングだということですか?」


 聞き覚えのある声に視線を向けると、見覚えのあるブタフェイスが満面の笑みで手を振っていた。


「アッスント!?」


 いや、お前、ここ、三十七区だぞ?


「船が一度こちらへ寄港すると伺っていましたもので、きっと船上で何か思いついて、何かしら入り用になるのではないかと……こちらの担当者に話を付けておきました。大抵のものでしたらご用意できると思いますよ」


 こちらの行動を呼んで先回りしてたのか……


「ストーカーみたいで怖っ」

「先ほどと真逆のご意見ですね……喜んでいただけると思ったのですが」


 いやいや。

 さすがにちょっと……なぁ?


 ふと視線を動かせば、アッスントの後ろに見たこともないオッサンが二人ほど控えている。

 アッスントとは対照的に、暗くよどんだ表情だ。

 胡散臭いものを見るような目を向けている。俺にではなく、アッスントに。


「あんまり、信頼関係を築けていないようだが?」

「いえいえ。問題はありません。ただ、『そんなものまで必要ないだろう』と反発されたものをいくつもお持ちしたため、少々訝しまれているだけです」


 だから、信頼関係を築けてないんだろうが。


「あんなに胡散臭がられるなんて、何を持ち出してきたんだよ、お前は」

「そうですね……、一番反発にあったのはハンドシャーでしょうか?」

「でかしたアッスント!」

「ありがとうございます」


 それ!

 今めっちゃ欲しくて、でも「絶対用意できないから時間がかかっても三十七区の金物ギルドに行って準備してもらわなきゃなぁ」って思ってたヤツ!


「嘘だろ……」

「嵩張る上に重くて持ち運びが困難で、これで話にすら上がらなかったら四十二区の商売に食い込ませろって脅しかけようと思ってたハンドシャーが、まさかの大絶賛……だと!?」

「「あいつには、何が見えてるんだ……」」


 なんか、この辺担当の行商ギルドのオッサン二人が呆然としている。


「これってリースか?」

「いえ、さすがに鉄を切る刃ですので、買い取りでお願いします」

「よし、ルシア。これ買っとけ」

「軽々しく言うな! 見るからに高そうではないか!」


 ハンドシャー。

 メタルシャーと言うこともある、鉄を切るためのせん断機だ。

 小学生のころ、担任がプリントをまとめて切るところを見たことがないだろうか?

 広い台座にデッカい棒状の刃が付いた裁断機で、数十枚のプリントをまとめてカット出来るヤツ。

 アレに似たもので、こいつは鉄を切るための道具だ。

 あまり分厚いものと大きなものは切れないが、直径5センチ程度の鉄芯なら容易くせん断できる。

 うまい人間がやれば、柔らかい銅のパイプを潰さずにせん断することも可能だろう。


「もし、三十五区に俺の案を飲ませるつもりなら、こいつは必須になる。買って損はない。……というか、こいつをその貴族に売りつけてやればいい」

「ふむ……では、元は取れるか。……いや、我が区で何かを作成するなら、三十五区の金物ギルドに依頼すればよいのではないか?」


 ……ちっ、気付きやがったか。

 折角買わせて使いたかったのに。


 こりゃ買ってくれないな。高そうだしなぁ。

 仕方ない。


「アッスント。試し切りって出来る?」

「使うだけ使って買わないおつもりですね?」


 試し切りって、そーゆーもんじゃん!?

 試食だって、食うだけ食って買わないし!

 おパンティだって! ……試着だけして買わないなら、こっちに回してくれてもいいのよ? ねぇ?


「パンツの試着ってありかな?」

「急に話が飛びましたが……なし、ですね。サイズを把握して、ご購入後に穿いてください」

「いや、試してみて合わなかったら俺が――」

「ウクリネスさんに報告しておきますので、ヤシロさんはしばらく女性下着を扱うお店には近付かないようにしてくださいね」

「馬鹿者! 高値で売れそうな商材を!」

「この商売、信用が第一ですので」


 ちぃっ!

 この裏切り者め!


「それはそうと。こんなところにまで綺麗な姉ちゃん連れてきてんじゃねぇよ。四十二区を出るからって、羽目外し過ぎじゃないか~?」

「私の『会話記録カンバセーション・レコード』に不穏な言葉を残そうとしないでください! いませんからね、エナ!?」


 いようがいまいが、この一言でお前は後々盛大にいじられるのだ!

 夫イジリが大好きらしいお前の妻にな!


「おや、ハンドシャーじゃないかさ?」


 感涙していたファンから解放されたノーマがふらりとこちらへやって来る。


「へぇ、最新モデルさねぇ。ウチのが古くなっちまって断面が潰れるんさよ。ちょぃと試していい感じなら買ってもいいかもしれないねぇ」


 そんな言葉に、アッスントの目が輝く。

 たぶん、俺の目も。


「アッスント、直径1センチと3センチの鉄芯を試し切りしたい。あるか?」

「もちろんご用意してありますよ」

「「なんでそんなもんが売れるんだ!? 船に乗ってやって来たところだよな、この人たち!?」」


 驚愕する行商ギルドの二人にドヤ顔を見せつけ、アッスントが鉄の棒を用意する。

 それをノーマにカットしてもらったら、ま~ぁ、綺麗に切れるんだ、これが。


「見事な断面さね。これ、ウチのギルドに届けておいておくれでないかぃ。金は、ギルド長かゴンスケから受け取っとくれな」

「毎度ありがとうございます」

「「……売れた」」


 あぁ、これで、アッスントはこの辺まで影響力を強めることが出来たんだろうなぁ。

 とりあえずアッスントの言う通りにしておけば物が売れる――ってな。


 見返りが欲しいところだが……まぁ、こちらの欲しいものは全部手に入りそうだし、大目に見てやるか。


「あと、布と、角材と、ヤスリと針と糸と……」

「もちろんございますよ」

「「なんか怖い、四十二区!?」」


 そんな商人の叫びと、「我々の仕事が奪われた……ということ、ですよね、この状況は」「……じとぉ~っと、見つめる、私は。あのブタの人を」という怖ぁ~い給仕長ズの声が耳に届くが、どっちもターゲットはアッスントなので軽やかにスルーしておいた、





「実に素晴らしい出し物でしたわ!」


 パペット用の布やボタンなどの発注も済ませ、こちらが一段落したころ、やたらと通るデカい声を出して一人のオバ……女性が近付いてきた。

 着ているもの、歩く姿勢から貴族っぽい。

 わざとらしく大きな動作で拍手なんぞをしている。


「ご機嫌麗しゅう、領主様方」


 スカートの裾を持ち上げレディらしい礼をする。

 オバハンがスカート持ち上げんじゃねぇよ。思わず一瞬視線が足元に向かった自分に対する自己嫌悪が凄まじいだろうが、おい!


「これが、男という悲しい生き物の業、か……」

「何を言いたいのか理解する気はまったくないけれど、いついかなる時もレディに対して邪な視線を向けないようにすれば解決すると思うよ」


 エステラ、お前は俺に死ねというのか?


「ウーマロぉ。俺さぁ、十三歳の頃、前から歩いてきたオバハンのスカートが風でまくれてパンチラした時、つい目がいっちゃってさぁ……まったく興味ないはずなのに『これが人間の本能なのか!?』ってめっちゃ落ち込んでるところへ、そのオバハンが『見てんじゃないわよ!』って文句言ってきてさぁ、『テメェがもっとしっかり自己管理しとけよ!』って文句言い返したかったんだけどぐっと我慢してさぁ……俺、偉くない?」

「ごめんなさいッス。オイラ、基本的に女性のことは見ないようにしてるんで共感できないッス」

「ベッコぉ……」

「拙者、大人な女性のソレであれば、割と年嵩の方でもアリでござる故……」

「この末期患者どもめ!」

「うるさいよ、そこのナンバーワン末期患者」


 エステラが俺にだけ厳しい。

 そもそも、悪いのはスカートを持ち上げた貴族のオバハンだというのに。


「で、誰なんだ? エステラは知ってるか?」

「いや。……でも、ルシアさんは知ってる人みたいだね」


 貴族のオバハンが三十七区領主とルシアに挨拶をしている。

 こっちは小声で情報共有を図るが、エステラは知らないらしい。


 見た感じ、五十代前半から中頃の女性で、すごく痩せている。

 不健康そうではないにせよ、いささか痩せ過ぎだろう。

 そのせいか、顔つきが少々きつそうに見える。

 マーゥルはふっくらしてるから優しそうに見えるんだよなぁ……中身はともかく。


「ミズ・クレアモナ。ご紹介いたします」


 三十七区領主が、オバハン貴族を従えてエステラの方へと体を向ける。

 エステラが姿勢を正し、貴族らと向かい合う。

 俺はそそ~っと横へ捌け――


「ボクも紹介しますよ。港を盛り上げる計画の立案者を」

「(バカ、離せ!)」

「(逃がさないよ)」


 なんてヤツだ!?

 貴族は貴族同士、腹の探り合いでもしていればいいのに!

 だって、このタイミングで、これもんのドヤ顔で登場する貴族のオバハンなんて、120%面倒くさい人物確定だしね!


「こちらは、ミズ・ベッカー。我が区の貴族であり、岬の灯台の管理をお願いしているベッカー家の現当主です」

「ベッカー家当主、カロリーネ・ベッカーと申します。微笑みの領主様の御噂はかねがね。お会いできて光栄ですわ」

「えっと……あはは。普通に、クレアモナと呼んでください」

「いいえ、滅相もございませんわ、微笑みの領主様」

「はぁ……なんで伝わらないんだろうなぁ、このお願いだけは、絶対に……」


 微笑みの領主様呼びは、もはや不可避だってことだな。

 諦めろ。

 でなければ、微笑みの領主以上に「わぁ、そうやって呼んでみたい!」って思われる、お前にぴったりの通称でも生み出すんだな。

 たとえば、ぺったんこの領主様とか!

 真っ平の基準点とか!

 1ピコメートルの歪みとか! それもうほとんど垂直じゃん! って!


「エステラ、1ピコメ――」

「うるさい」


 ばっさりだわー!

 四文字で人の意見ぶった切りやがったわー!

 ないわー、こいつ、ないわー!


「……って、あれ? ベッカーって」


 ルシアを見ると、こくりと無言で頷かれた。

 あぁ、こいつが子供好き貴族のライバルなのか。


 ばっちり紙芝居を見てたわけね。


「ミズ・ベッカー。彼が、先ほどの紙芝居の立案者、オオバ・ヤシロです」

「まぁ、あなたがそうなの?」


 ベッカーはぱぁ~っと顔を輝かせて、柔らかい声を出しながら俺に接近してくる。


「アレは素晴らしいものでしたわ。あのような見世物が我が区の港に出来るのであれば、きっと人も、人魚も、この港へ集まってくることでしょう。三十五区などではなく!」

「……こほん。ミズ・ベッカー」

「あら! あらあら、イヤだわ、アタクシってば。おほほほ。お気になさらないでくださいましね、ミズ・スアレス」


 な~んか、三十五区の港を目の敵にしているようだな。


「ミズ・ベッカーは、この地に人や人魚を呼び込もうと、長年ご尽力くださっている方なのですよ」


 三十七区領主が補足する。

 その努力を無にしてるのが、お前がガキだった頃の失言だったと知ったら、怒り狂うんじゃねぇか、このオバハン?


「あの岬に灯台を建て、船の事故を撲滅されたのが、ベッカー家先代当主のお兄様なのですよ」


 前当主のお兄様?

 当主が建てたわけじゃねぇのかよ。

 なんか訳ありなのか?


「あの灯台はね~、人魚の間でも評判いいんだよ~☆」


 水槽の中で、マーシャが岬の灯台を指さす。

 港からやや離れた場所にポツンと建つ灯台。

 港から延びる岬は、大きくカーブを描いて海へと突き出している。

 カタカナの『ユ』みたいな形をしている。


 その『ユ』の先端部分に灯台が建ち、海を照らしている。

 確かに、灯台がなきゃ座礁しまくりそうな地形だな。


「随分と奇妙な形の岬だな」


 波に削られるにしても、そこまでピンポイントで削らんでもいいだろうって感じだ。

『C』とか『て』じゃなく『ユ』だからな。

 作為的に削ったか埋め立てたんじゃないかって勘ぐってしまう地形だ。


「あそこは、その昔、一人の人魚によって大地が抉られて、あのような形になったのですわ」

「またか、人魚!?」


 そうそう気安く大地を抉らないでくれる!?


「あの場所はね……アタクシの伯父様が一人の人魚と出会った場所なんですのよ」


 ベッカーが、すっと目を細めて語り出す。


 今から五十年近く前。

 ベッカー家の長男であったその男は、かつて人魚の襲撃を受けて誕生したという港で一人、海を眺めていた。



 なんでも、三十五区の土地を抉り取ろうとした際、人龍を巻き込んだ人魚たちが「じゃー、別のところから崩せばいーんでしょ!?」と、人龍を避けて攻撃し始めたのが三十七区だったそうだ。

 三十六区辺りにいたのかなぁ、人龍……つか、人魚よ……


 それから間もなく人間と人魚たちは停戦し、三十七区は三十五区ほど土地を抉り取られることがなかったそうだ。

 ……で、港が三十五区より小さいと。



 時間は流れ――


 ベッカー家の次期当主と目されていたその男は、ある日あの岬で一人の人魚と出会う。

 最初警戒し合っていた男女は、いつしか他愛もない話で笑い合うようになり、そして互いを思い慕うようになった。


「二人が会うのはいつもあの場所で、伯父様はあの場所に灯台を建てたのです」


 暗くなっても、あの場所で会えるように。


「しかし、嵐が近付き、何日も大時化おおしけが続いたことがあったのですわ」


 海は荒れ、いくら人魚といえど海上に顔を出してのんきにおしゃべりなど出来ないような状況だったという。

 高い波が何度も打ち付け、轟々と唸る風もまた海を荒らした。


「そこで、その人魚は――」




『よし、土地を抉って波がこない岬を作っちゃお☆』




「――と、結構深めに土地を抉って、安全地帯を岬の内側に作ったのですわ」

「ちょっとマーシャ、人魚の思考回路について話があるんだけど?」

「昔の人魚のことなんか、私、知~らな~い☆」


 オールブルームの港、みんな人魚の意のままか!?

 人魚の好き勝手に形成された結果なのか!?


 ……あぁ、そういや四十二区の港もマーシャの意に添うように誕生してたわぁ!?


「……人魚って」

「今さらだよ、ヤシロ。彼女たちは、この巨大な都市を築き上げた歴代の王たちが手に負えないと判断した種族なんだよ」


 高くそびえる街門。

 それを築いた歴代の王たちもすごいけど、それが匙を投げた相手が人魚なんだよな。

 とんでもなくて当然か……


「だからこそ、人魚に最も愛された港は三十七区なのですわ。……ふんっ、三十五区のナントカという向こう見ずな無鉄砲貴族の話が美談のように語り継がれているようですが、本当のラブストーリーはこの三十七区にこそ存在しているのですわ! ねぇ、そうお思いになられるでしょう!?」


 物凄い圧!?


 ……あぁ、なるほど。

 それで、このベッカーさんは、三十五区のイーガレスさんに対抗心燃やしてるわけか。


 イーガレス家の先代と、ベッカー家当主の伯父。

 奇しくも同じ時期に同じような境遇の貴族がいて、ライバル視してるわけね……


「向こうは人魚とは結ばれず他の女を娶り当主になっておりますのに対し、こちらは結果的に結ばれなかったとはいえ、純愛を貫き当主の座を退いてまで一人の人魚を思い続けていたのですわ……伯父様ってば、ピュアっ!」


 けど、人魚的には三十五区の方が好感持ってるみたいだけどな。


「あの岬には、そんな物語がねぇ……」


 しかしながら、そういう伝説って……金になるんだよねぇ。





「この港でなければ出来ないことを観光の目玉にするといいぞ」


 観光地というのは、そういうものを売りにするものだ。

 日本最北端の宗谷岬とか、徒歩で本州と九州を行き来できる関門海峡とか。


 そこにラブの要素を盛り込めば、各地から人がわっと押し寄せてくる。


「あの岬は、人種を越えた男女の愛を育んだ思い出の場所――いや、人種を越えた愛が誕生した奇跡の場所だ!」

「……なんだろう。君がそういうことを言うと、物凄く胡散臭いよね」


 黙ってろ、エステラ。

 これからプレゼンするんだから、邪魔すんじゃねぇよ。


「あの岬の先端とこっち側の同じ位置に記念碑でも作ってよ、男女で同時に二つの記念碑に触れると『恋が成就するかも!?』みたいな話を流してみたらどうだ? ここで愛を育んだ二人にあやかるってことで」

「ヤシロ、その話、詳しく聞かせておくれでないかぃ!?」


 うん、落ち着いてノーマ。

 これ、今ここで適当に作ってるでっち上げだから。

 ここまでの流れ聞いてたら、なんとなく気付けるよね?

 いいから、向こうでハンドシャーでも使ってて!


「もしくは、男女で同じ場所からスタートして、男は走って、女はボートであの灯台まで向かって、同時にゴール出来たらその二人は幸せになれる――とか」

「ボートの速度はこっちで操作できるんかい!?」


 だから落ち着いて、ノーマ!

 まず、一緒にやってくれる相手探さなきゃでしょ、お前は!


「それは面白そうだけど、速度はいくらでも調整できるよね? 楽しいのかな?」

「あのな、エステラ。そんな恋愛要素丸出しの観光地に行こうなんてカップルは頭ん中お花畑状態なんだから、チャレンジは必ず成功するってくらいの難易度でいいんだよ」


 誰も愛に試練なんか求めてねぇの。

 折角遠出して「失敗した……」って肩を落として帰るヤツが続発したら、そこらの甘っちょろいカップルが離れていくだろ?

 気楽にやって来て、さくっと成功して、「きゃはっ☆ わたピたちってば、相性最高☆」って浮かれて帰ってもらうのが宣伝効果も含めて最高なんだよ。


「それに、想像してみろよ。愛する彼氏が自分のために賢明に走る姿を、ボートに揺られながらのんびり眺められるんだぞ?」


 あぁ、あの人は今、二人の幸せのために必死に走っているのね。


「――って、ボートの上から応援するのって、楽しくないか?」

「ん~………………あり、かも」


 ほっぺがまん丸く赤に染まる。

 分かりやすく満更でもないフェイス晒しやがって。


「それは、実際やってみなくては分からないのではありませんこと?」


 お嬢様ボイスが聞こえ、ベッカーかと思って振り返るとイメルダがそこにいた。

 いつの間に。


「ベッカー様。ボートの手配は可能でして?」

「えぇ、可能ですわよ、イメルダ嬢」

「あら、ワタクシをご存じですのね? どこかでお会いしたことがありまして?」

「ミスター・デミリー主催のパーティーで一度。アタクシの娘が楽しくお話させていただいたと申しておりましたわ」

「ベッカー……あぁ、ロリーネ様のことですわね」

「覚えていてくださって光栄ですわ」

「彼女は美にこだわりの強い魅力的な方でしたもの。とてもよく覚えておりますわ」

「娘も、イメルダ嬢にはよい影響を受けたと申しておりましてよ」


 わぁ、貴族社会の会話だ……

 イメルダから見ると、ベッカーは様付けして呼ぶような人間なのか……というか、さん付けで呼ぶほど親しくないという感じか。

 当たり障りのない相手には、当たり障りのない対応をってところだ。


 外周区に館を構える貴族という意味では立場は似たようなものだしな。

 三十七区の方が上位の区ではあるが、おそらくハビエル家の方が金も権力も持っているだろうし。


「そうだわ。折角ですから娘たちにもご挨拶をさせてくださいまし」

「おいでになっておりますの?」

「えぇ、あちらに。ロリーネ、リーネ!」


 ベッカーが手を上げると、群衆の中から二人のドレス女子が姿を現した。

 ……群衆に埋もれてたぞ、貴族女子。

 この街の貴族の扱いが雑過ぎてちょっと引くわぁ。

 所詮、外周区の貴族ってことなのかな?


 娘の一人は大人の魅力に溢れる美人だった。

 目つきやメイクのせいか、少々キツそうな印象がする。

 もう一人はまだ幼い、小学生くらいの小さい女の子。

 こちらもつり目ではあるが、まだ可愛らしいという印象が強い。


「ご機嫌よう、イメルダ様」

「お目にかかれて光栄です、イメルダ様」

「お二方とも、ご機嫌よう」


 スカートの裾を持ち上げて、レディらしい礼をし合う貴族令嬢たち。

 なんか煌びやかっ!


 で、群衆たち、「わ~きれー」じゃねぇーんだわ。

 そんな気易く声出すなって。

 アイドルじゃないんだから。貴族だぞ? 怒らせると平民の首をためらいなく撥ねるような人種だぞ?

 この街ではどうなのか、知らんけども。


「領主様、オオバ様、お初にお目にかかります。ベッカー家当主、カロリーネの娘、ロリーネでございます」

「妹のリーネでございます」


 娘たちが俺たちにも礼を寄越してくる。

 エステラとルシアは、貴族令嬢のような礼ではなく、当主らしい堂々とした挨拶を返している。

 片手を上げて「うむ」だって。


「ルシア、偉そう」

「偉いのだ。いい加減、その程度のことは覚えろ、カタクチイワシ」


 それにしても……


「カロリーネにロリーネにリーネって……もっと違う名前はなかったのかよ」

「オオバ様は、貴族の習わしにはあまりご精通なさっておられないようですわね」


 と、ベッカー母が笑みを深める。

 不快感はないようで、親切ぶって俺に教えてくれる。


「貴族では、年長者の名前から一文字とって名を付けることが多々ありますのよ?」

「『一文字とって』の意味が違ぇよ!?」


 えっ!? 本当に一文字取っちゃったの!?

『カロリーネ』

『 ロリーネ』

『  リーネ』

 ホントだ!? 一文字取ってる!?


「じゃあ、もう一人妹が生まれたら『ーネ』かよ? なんて発音するんだ」

「生憎と、アタクシは主人を亡くしてしまいましたので、もう妹は……」

「いや、別に生めとは言ってないから」


「よよよ」と泣くな。

 なんか悪いことした気になるから!


「お母様。ボートの手配をさせましたわ」

「ありがとう、ロリーネ」


 お付きの者に走らせて、ロリーネがやりきった感をその顔に滲ませる。

 お貴族様め。


「それにしても……」


「ほふぅ……」と、ロリーネはため息をついてイメルダを見つめる。

 手のひらを頬に添えたりなんかしちゃったりなんかして。


「イメルダ様は、今日もお美しいですわ」

「当然ですわ」


 謙遜して!?

 あれ、イメルダの辞書に『謙虚』って言葉、載ってない?


「スアレス様とクレアモナ様もお美しいですわ……」


 ルシアとエステラを見て、うっとりと息を漏らすロリーネ。

 そして俺を見て、一瞬真顔になった後、視線をマーシャへ移す。


「一人飛ばして、アシュレイ様もお美しい」

「わぁ、飛ばされちゃった」


 ぶっ飛ばすぞ、クソ令嬢。

 俺かて美しいやろがい!


「『ほなしゃーないなぁ、ワテの最も美しいヤシロジュニアを見せつけたろやないかい!』」

「俺の背後でなに言ってんの、レジーナ?」

「……ヤシロ」

「なんで俺にモンク言ってんの、エステラ? え、アホなの?」

「まぁ、あなた!」


 ロリーネがレジーナを見つけて目を大きく見開く。


「お美しいですわ」

「目の錯覚や思ぅで」

「服装はダッサイですけれど」

「失敬なやっちゃなぁ」

「いや、ダサいどころかエグい……グロい……凶悪ですわね」

「そこまで言われる筋合いあらへんのとちゃうかな!?」


 さしものレジーナも、着ているものを『凶悪』と言われてはショックを受けるらしい。


「『しゃーないなぁ、ほんならとっておきの紐ビキニを着て見せたろぅやないかぃ!』」

「自分、ウチの後ろでなに世迷いごと抜かしとんねんな」

「……ヤシロ」

「なんで今度は的確に俺にモンク言ってくるんだよ、エステラ……」


 あいつのセンサー、贔屓が過ぎてバカになってない?

 それともあいつがバカなのかな?


「お母様、お姉様。船の手配が整いましたよ」


 妹のリーネが準備の完了を告げる。


「それでは、ワタクシが試しに乗ってみますので……ヤシロさん、走ってくださいまし」

「お断りだ、そんな面倒なこと」


 そーゆーのは、頭の中ハッピーセット状態の浮かれカップルがやるもんで、なんの魔法にもかかってない人間にとってはメリットの一切ないただの苦行でしかないんだよ。


「あの、英雄様! その役、私たちにやらせていただけないでしょうか!?」


 そう言って立候補してきたのはセロンとウェンディだった。


「よし、じゃあ俺は先にゴール地点に行ってるな☆」

「あぁ、なるほどなぁ。ゴールして疲れとるところを海へ突き落とす気ぃやね、この人」

「ヤシロはここから動かないように」


 ここぞとばかりにイチャつきやがって、ここぞとばかりにイチャつきやがって、ここぞとばかりにイチャつきやがって、ここぞとばかりにイチャつきやがってぇぇええ!


 ナタリアとギルベルタにがっちりと押さえ込まれ、恋人たちが愛を確かめ合う岬――『恋人岬』の試運転が始まった。







あとがき




眠れない午前二時の、宮地です。

物凄い日差しが強い日にちょこっと遠出して、昼過ぎに寝落ちしてしまったが故の、

午前二時の「眠れねぇー!?」です(―_―;


どーしたものでしょう。

明日も仕事ですのに。


……そうか、仕事を休めば丸く収まるm9っ(>ω・)NE☆



いえ、あのですね、

春ごろから、ですかね?


令和ちゃんが感染拡大を懸念して、連休や週末に雨をぶつけてきていたんですよ、

東京では。



宮地「また週末だけ雨か!? 令和ちゃん、テコでも外出させない気だな!?」



って、そんな文句をたらたら言っていたから、なんでしょうねぇ

……最近の週末、めっちゃ晴れて、めっちゃ暑いんですよね、東京……



令和ちゃん「雨イヤなんでしょ!? じゃー晴れにするもん! 太陽MAX!」

宮地「いやん、焼けちゃう!? 日焼けを通り越して、こんがりと!」



そんなこんなで、

ちょこっと出かけるだけで汗だくです。



でもまぁ、

そんなことを言っているのも、きっとあと二ヶ月あるかないかくらいですよね。

そのうち秋になって、

「お外、気持ちいい~!」(≧▽≦)

って言ってますよ、きっと。


二ヶ月なんて、あっという間です。

たぶん、ヤシロたちもまだ四十二区に帰ってないでしょうし☆



……本当に帰ってなかったらどうしましょう(・_・;

さすがに、そこまで時間はかからないと思うんですが……まだ三十五区に着いてないですしねぇ……どきどき



というわけで、東京は夏真っ盛りです。

なので、海の話を書いていると、すごく海に行きたくなります。


……そのせいか、ちょいちょい、

オールブルームは常秋とこあきの気候で、朝夕は肌寒いっていう設定を忘れてしまいそうになりますけれども。


今回の船旅も、朝夕は冷えるから外套持ってきてるんですよね



ヤシロ「海風が冷たいから、外套着とけよ」

ジネット「はい。そうしますね」



なんて会話を、汗だくで書いてるんですよね!

いいなぁ常秋!

年がら年中梨が美味しい季節!

最高か!?(>△<)ノシ



さて、

書いていると、作中に出てきた料理が食べたくなってしまう『異世界詐欺師』ですが、

また、まんまと魚介類が食べたくなっております

特にお寿司が食べたくなってしまって……


……おのれ、夏に健康診断があるというのに!

BMI、気にしなきゃいけないのに!

意地でも『標準』に居座ってやりますとも!


……あれ? BMIでしたっけ?

えっとたしか、『ボイン、めっちゃ、いい感じ』の略なので……BMIだったと記憶しているのですが……


……いや、BOINかも?



あ、BMIで合ってるんですか?


えっ!?

ぼでぃ、ます、いんでっくす?


ます、って、なに?(・_・)?



身長と体重をもとに計算して、肥満かどうかを表す指数って、

『ぼいん、めっちゃ、ぼいん』で、BMBですよね?



……さっきと言ってること変わった!?Σ(゜Д゜;)



もう!

頭文字をアルファベットで略すの分かりにくい!

(# ゜Д゜)きしゃーっ!




社会のテストで、


Q;次の略称は、なんという名称の機関か答えなさい


みたいな問題、大っ嫌いでした(>△<;)


NATOとか

ASEANとかは分かるんですよ、さすがに。


あれでしょ?

とりあえず回答欄に『納豆』『汗やん』って書いておけば、

小さい笑いが取れるというボーナス問題ですよね?


テスト用紙に担任が赤ペンで

「そうそうそう、これはタレを入れる前にかき混ぜた方が粘りが出て美味しいんよなぁ~、ってドアホ!」

って書いてくれるという、

コミュニケーションツールです。



あと、多いのが、『WHO』

これは絶対出てきましたよねぇ。


まぁ、みなさんご存じだとは思いますが、

受験生の皆さんはしっかり覚えておいてくださいね?

正解は、


『わぉ! Hな おっぱい!( ゜∀゜)o彡゜ 』の略です。



ちょっと難しいのが『PKO』ですかね。

『ぽぃ~ん、カツーン、おっぱい対決』の略です。

どっちがおっぱいを代表するのか、

どちらのマニアが多いのか、


もう何十年も、いや何百年も国際社会で議論されてきた難しい問題で、

いまだに答えが出ていないのです。



ちなみに『NPO』は――もういいですか?

オチが見えてますか、そうですか。


『ぬる ぺた おっぱい』です!

\(≧▽≦)/



「もういい」と言われたとて!

言うのをやめるという選択肢はございません!

ございませんとも!



あ、ちなみに、

もうこの辺の段階で、「お寿司の話はまた今度にしよう!」って諦めちゃってますからね、私!

お寿司のネタフリしたのに、気付いたらもう1500文字超えてたので、このまま突っ走りたいと思います!




『WTO』


『和田 多田 小田』



(# ゜Д゜)/おっぱい違うんかい!?

(# ゜Д゜)/おっぱい入れろや!

(# ゜Д゜)/小田、おっぱいと代われ!



なんか、改めて国際機関の略語見てたら『O』の付くの多くないですか?

OPECとか

IOCとか

PKOとか


……これはもしかして、国際社会からのネタフリ……でしょうか?

世界が私におっぱいネタを期待している!?


……世界の宮地(* ̄▽ ̄*)

おっぱいの宮地(*´ω`*)


わっ、『日本の夏、金鳥の夏』みたいになっちゃった☆

伝統の重み、増しちゃった感じですかねぇ? んふふ~☆


なんかもう、なんでも聞いてくださいって気になってきましたね☆



『G7』ですか?

Gカップ美女7人組のアイドルユニットです♪

デビュー曲は「たわわMYラヴ」です♪



『ESTL』ですか?

『全国共通フラット基準』ですね。

読み方は『エステr――』――サクー!



領主権限で略語の講義が中止に追い込まれてしまいましたので、今回はこの辺で!

最後に、『OPEC』は覚えにくいと思いますが、

これは『PE』をまとめて「ぺ」と読み、

『C』にはHOがくっついて「ちょ」っと読むというポイントだけしっかりと覚えておけば、

『おっぱい☆ぺろりんちょ』だと容易に理解できると思います。


受験生の皆様、この夏の夏期講習、ガンバ☆



次回もよろしくお願いいたします。

宮地拓海

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― 新着の感想 ―
[一言] 運動会が1日で34話消費したと考えれば四二区まで2ヶ月以上かかってもおかしくない……のか? あと『NPO』は『ない ぺた おっぱい』の略です(強弁)。
[良い点] どうも。未亡人と聞いてノーマさんが思い浮かび(煙管の燃えてる灰『ジュウゥゥゥ!』) 新キャラのお嬢様姉妹、姉のロリーネ嬢……は名前からして期待できそうにないので、妹のリーネ嬢の将来に期待…
[一言] 昭和のおじさんからすればG7と言えば トライダーG7ですねぇ 労働基準法どこ行った!? 社長なら何でもあり!?
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