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異世界詐欺師のなんちゃって経営術  作者: 宮地拓海
報労記

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報労記20話 噴水制作講座

「ふぉおお!? カッコいいです!」


 俺が描き、ベッコが複製した英雄王のイラストを見てロレッタが吠える。

 集まってぎゅうぎゅうで見なくていいように、ベッコに人数分複製してもらった。


 巨大なリヴァイアチャンに跨がり海神のトライデントを掲げた勇ましい英雄王の石像(案)――の、イラストだ。

 実に勇猛果敢。

 なんというか、この街に初めて誕生する噴水に相応しい威厳を感じる。

 さすが俺。さす俺。


「英雄王はいいんだけどさ……なんでその後ろにルシアさんがいるのさ?」

「聖女王の顔が分からんのでな、代わりに置いといた」

「人を物のように言うな、カタクチイワシ」

「置いとくのはいいとして……なんでこんな陽気に踊ってるのさ?」

「こんなポーズをさせておけば、絶対決定稿だとは思わないだろ?」


 まかり間違ってルシアのまま作成されでもしたら、「なんで英雄王の横に人間がいるんだ!」って人魚が怒り出しそうだからな。


「……ちなみにヤシロ。このダンシングルシアを店長に、英雄王をマグダに、リヴァイアチャンをロレッタに置き換えて描くことは可能?」

「なんであたしに跨がろうとしてるですか、マグダっちょ!?」

「……ロレッタは世界一乗り心地がよさそうだから」

「えへへ~、そこまで褒められたら、もう怒れないですぅ~」

「褒められたんかぃね、今の?」


 ノーマがしらけた顔で煙管を吹かす。

 個室がカンパニュラと一緒ということで、部屋での喫煙は控えると言っていた。

 一応、気を遣ってんだなぁ。


「それでさ、これはいいとして、噴水ってどういうものなのさ?」


 そうだった。

 まだその説明が残ってるんだった。


「ノーマ。直径5ミリくらいの管とか持ってない?」

「そんなもん、旅行に持ってくるわけないじゃないかさ」


 だよなぁ。

 ノーマの工房でなら、試作品が作り放題だったのに。


「それって、曲がっててもいいの?」


 マーシャが心当たりありそうな顔をしている。


「まぁ、空気さえ漏れなきゃ問題ないが」

「それじゃあ、用意できるかも」

「……それって、この船のパーツとかじゃないだろうな?」

「違うよ~☆ 私物のぽんぽん蒸気船だよ~」


 大衆浴場を作る時、風呂場で遊べるオモチャの一つとして売り出したぽんぽん蒸気船。

 マーシャ、買ってたのか。


「人魚人形を買ったのは知ってたけど」

「そのあとで買ったの~☆ ここのプールでよく泳がせてるんだよ~」


 こんだけ広いプールがあれば、遊び放題だな。

 だが、ぽんぽん蒸気船の動力部に使っているパイプなら使えるな。


 おぉ、都合よく三本でワンセットか。


「破壊していいか?」

「新しいのを作ってくれるならね☆」

「ノーマ、よろしく!」

「なんでアタシが……まぁ、いいけどさ」


 ノーマ、好きだもんなぁ、他人におねだりされて何か作るの。

 よし、任せた!


 じゃあ、あとは……


「木のコップ二個と木の皿、あとは魔獣の革があれば出来るんだが……」

「ちょっと待って、探させてみるね☆ お~い、みんな~☆」


 マーシャの呼びかけでクルーが走り回り――もとい、泳ぎ回り、俺の望んだものが一通り揃った。


「じゃ、十分ほど待っててくれ。ちょっと作ってくる」

「って、工具とかもないのにどうやって作るんさね?」

「工具なら、いざという時のために一式持ってきてる」

「……船の上で何があると思ってたんさね……」


 何があるか分からないから準備を万端にするんじゃねぇか。

 だいたい、ルシアに呼ばれて三十五区に行くんだぞ?

 絶対面倒くさいことが起こるって確信してたっつーの。




 で、自室にこもって簡易的な噴水を工作する。

 空気漏れがないかを確認して、動作をチェックして……

 幸いにして、室内にプールがあるから水には困らない。

 ……このプールも、水路に繋がってるんだろうな。人魚、入り放題かよ。


 …………いや、逆に考えれば、この水路を使えばどの部屋にも忍び込み放題?

 あ、ダメだ。なんか見るからに頑丈そうな鉄格子が見えるわ。通れなくなってやんの。


 しょうがないので完成した簡易噴水を持って食堂へ戻る。


「ほい、お待たせ」

「言い忘れてたけど、お部屋のプールは出入りできなくしてあるからね☆」

「知ってるよ」

「やっぱり確認してたんだね……君という男は」


 俺が自室に戻ってから、エステラがプールの懸念を口にしたらしい。

 心配せんでも、どうせ忍び込むなら巨乳を選ぶわい。


「これが、簡易的な噴水だ」


 テーブルに置くと、興味深そうな視線が集まってくる。

 デリアも、釣りを中断して見に来ている。


「エステラ。空気圧は覚えてるか?」

「…………うっすら?」


 洞窟でカエルの影を見たとかいう騒動の時、ウィシャートを黙らせるために利用した実験でその辺の話はしたんだが……まぁ、覚えてなくてもいいか。


「空気は目に見えないし触れないが、きちんと質量がある。……ジネット」

「は、はい」

「濡れたタオルで空気を閉じ込めて、ぷくぷく魔獣が作れるな?」

「はい。……あ、そういえば、空気をタオルの中に閉じ込めてぱんぱんに膨らませることが出来ますね」

「それが、空気に質量があるということの証明だ。それを踏まえて、これを見てくれ」



 今回作った簡易噴水。


 構造は単純で、最上部に木の皿があり、その下にパイプで繋がった木のコップAとBがある。

 コップABは共にゴム代わりに使用した魔獣の革でしっかりと密閉されている。

 コップAは木の皿のすぐ下に、コップBはパイプの長さが許す限り下に位置させる。

 コップAには水を入れ、コップBは空にしておく。言い換えれば『空気を満タンに入れておく』だ。


 木の皿には二つパイプが取り付けてあり、それぞれコップABと繋がっている。コップAと繋げたパイプは噴出口なので、皿よりも高い位置へ出口を持っていき、コップBと繋がるパイプは吸水口なので皿の底面と揃えるように取り付ける。


 そしてもう一つ、コップAとBもパイプで繋げる。

 こいつは、コップBからコップAへ空気が通る道となる。

 なので、間違ってもコップA(上側で中身水)からコップB(下側で中身空気)へ水が流れ込まないよう、パイプの位置に注意して取り付けた。

 具体的に言うと、コップAの水は八割程度にとどめ、上部の空いたスペースにパイプが来るようにしてある。



「こいつは『ヘロンの噴水』と言って、俺の故郷では割と有名な仕組みだ」


 俺は小学校の理科でこいつを作った。

 ペットボトルとストローを切り貼りしてな。


「この噴出口に注目してくれ」


 そして、現在は空の皿に、プールから汲んだ水を入れていく。

 ゆっくり、たっぷり、なみなみと。


 すると、皿底面に取り付けたパイプを通って下側、空気で満たされた空のコップBへ水が落ちていく。

 そうすることで、コップBの中に存在した空気が行き場を失い、コップAとBを繋ぐパイプを通って上側のコップAへと押し出されていく。


 空気がコップBからコップAへ押し出されると、今度はコップAの中を満たしていた水が行き場を失う。

 すると、行き場を失った水は木の皿とコップAを繋ぐパイプを上り、勢いよく噴出口から吹き出す。


「おぉっ!?」

「水が噴き出してきたです!」


 木の皿から注いだ水によってコップAB内の圧力を上げることで、行き場を失った水がパイプを駆け上って圧力の低い外へと逃げ出すという仕組みになっている。

 ちなみに吹き出す水の高さは、コップAとBの高低差と同程度になる。

 なので、コップBを2メートル下方に設置すれば、噴水は2メートル吹き上がることになる。


「ふむふむ。説明はさっぱり分からないですけど、なんかすごいです!」

「……うむ。言ってる意味はよく分からないが、とにかくすごい」


 まったく分かってないのに分かったような顔でうなずくロレッタとマグダ。

 ……お前らな。


「なるほど。噴き出す水――で、噴水か」


 とかなんとか分かったようなこと言ってるハビエル~?

 お前、漢字を使う言語圏の人じゃないよね? どーなってんの、その辺?

 いや、もう別にどーでもいいけどな。どーせ『強制翻訳魔法』の匙加減なんだろうし。


「あ、あれ? 水が止まってしまいましたよ、ヤシロさん?」

「水を追加すればまた吹き出すのですか、ヤーくん?」

「いや、これで終わりだ」


 ヘロンの噴水は最初に用意したコップAの中の水がなくなればおしまいだ。

 もう一度やるためにはコップAを水で、コップBを空気で満たす必要がある。

 こいつは、コップBの空気を押しやるという『運動』を利用して吹き出させているのだからな。


「割とすぐ終わっちまぅんさね……」

「常に誰かが常駐して、噴水の動作を管理する必要があるッスかね?」

「もしくは、特別な時やタイミングでお披露目するのではござらぬか?」


 なんか職人たちが難しい顔で話し始めている。


「いや、違う違う。これは、『噴水』ってのがどういうものかを説明するために作った簡易的な噴水で、三十五区に設置する噴水とは動力がまるで違う別もんだ」


 これでも、やりようによっては広場に設置する噴水に使えるが、三十五区は条件が揃っているので、もっと楽が出来る。


「三十五区の噴水には、『逆サイフォンの原理』を使用する!」


 俺がそう宣言すると――



「いや、逆も何も、逆じゃないサイフォンの原理を知らないですよ!?」



 ――と、なんともまっとうなツッコミが返ってきた。





 ……てへっ☆





「ちなみに、今回関係ないけど、『サイフォンの原理』って知りたい?」

「むむむ……聞いてもたぶん理解できない気がするですね……」

「いや、是非聞きたいッス! きっといつか、何かの役に立つッスから!」


 ウーマロが前のめりで突っ込んでくる。

 分かった!

 説明してやるから席に座れ! 暑苦しい!


「じゃあ、何かパイプが……まぁ、こいつを壊せばいいか」


 簡易噴水に使用したパイプを取り外す。

 と、ロレッタが悲鳴を上げた。


「はわぁああ!? あとで遊ばせてもらおうと思ってたですのに!?」

「……ヤシロ。行動を起こす前にはまず相談と報告が必要」

「…………あとで直してやるよ」


 そんな必死な顔で怒らんでも……

 楽しかったのかよ、噴水。


「え~っと、マーシャ。またコップ二個を貸してくれるか? この木のコップは穴開けちまったから」

「うん。待っててね~。お~い、クル~☆」


 マーシャの指示で、クルーがコップ二個を持ってきてくれる。

 コップの一つに水を入れテーブルに置く。


「水の入ったコップと空のコップを並べて置き、コップとコップを橋渡しするようにパイプを入れると――」

「「入れると…………ごくり」」

「――何も起きない」

「「起きないですか!?」ッスか!?」

「うるさいさね、ロレッタ、キツネ大工」


 前のめりな二人がノーマに叱られる。

 ロレッタはパウラに首根っこを押さえつけられ、強制的に着席させられた。


「水は、高い位置から低い位置へ移動しようとする性質がある。デリア、滝は上から下に落ちてくるだろ?」

「おう! 毎日落ちてきてるぞ!」

「水が遡ることは……まぁ、ほぼない」


 ポロロッカとかあるから、下手なことは言えないんだよなぁ、この街では。


「だから、コップの中の水が、パイプを遡って隣のコップへ移動するなんてことはあり得ない――ってのが、常識の範囲に収まる話だ」

「これから非常識なことが起こるッスか?」


 いやいや。

 サイフォンの原理もただの物理法則だ。

 ただ、知らなければびっくりするってだけの、な。


「水がこのパイプに入っていかないのは、パイプの中に空気が入っているからで、空気は水よりも比重が軽いので運動を加えない限り水を吸い上げることはない」

「お兄ちゃん、よく分かんないです!」

「ん、ドンマイ!」

「説明放棄されたです!?」


 いいんだよ、全部を理解しなくて。

 パイプの中に空気があるから、水はその中を遡れない。それだけ分かっていれば。


「だから、このパイプの中を水で満たしてから、同じようにコップとコップを橋渡しするようにパイプを配置すると――」

「水が出たッス!?」


 水が満たされたコップから、パイプの中を水が通って空のコップへ注がれていく。


「これが、サイフォンの原理だ」


 水は上から下へ移動する性質を持っている。

 パイプの中が水で満たされていると、コップの中の水とパイプの中の水は一つの塊として同じ性質を共有する。

 なので、両方のコップの水位が等しくなるまで水は流れ続ける――


「――というわけだ」

「はい! さっぱり分からないです!」

「じゃあ、しゃーない!」

「はぅっ!? 見捨てられたです!」

「ロレッタ姉様。あとで一緒に実験しながらお勉強してみましょうね」


 カンパニュラに慰められているロレッタ。

 きっとカンパニュラは今の説明で、ロレッタに教えられるくらい理解しているのだろう。

 ……カンパニュラ、規格外過ぎるお子様だよ、まったく。


「それで、君がやろうとしている『逆サイフォンの原理』っていうのは、どういうものなんだい?」


 事象を見ればなんとなく察することが出来るのか、エステラはロレッタほど難しい顔をしていない。

 けれど、レジーナやナタリア、ノーマやデリアに比べると若干眉間にしわが寄っている。

 ……ん? デリア?

 清々しいもんだぞ~。最初っから理解するのを放棄してる顔だ、あれは。


「噛み砕いて説明するぞ」


 別に、この場にいる全員に理解してもらう必要はない。

 必要があれば、ウーマロやノーマは後日個別に聞きに来るだろう。


「サイフォンの原理は、パイプを使うことで水の入ったコップから空のコップへ『同じ水位まで』水を移動することが出来る。その際、移動する水は一度水面よりも高い位置まで遡ることが出来る」


 液体が落下するエネルギーと、大気が気圧を一定に保とうとする力が働いているわけだ。


「逆サイフォンの原理は、この運動の流れを逆にしたものだ」

「えっと、つまり……空のコップから水の入ったコップに空気を送り込む、ってことかい?」

「あぁいや、そうじゃなくて――」


 さすがに今この場で実験道具を作るのはムリなので、分かりやすい図を紙に書いて説明する。


 上部に水の入ったコップ。

 その底面にパイプ。

 そのパイプは下へ伸び、『し』の字を描いて上向きに噴出口を向けている。

 パイプの噴出口は、コップよりもかなり下にある。


 図は、以上だ。


「この、上のコップから水を流すと、このパイプを通って水が流れていき――」


 そこで、紙に水の流れを描き加える。

 噴き出した水が、コップの位置まで来るように。


「水面と同じ位置まで水が噴き出す」


 もちろん、噴出口の大きさを変えれば、運動エネルギーは拡散され噴き上がる高さは低くなる。――が、その辺は工事を行う者が実際やってみて納得すればいい。

 紙の上の理屈では、水は水面まで吹き上がる。

 落下するエネルギーは、そのまま噴き上げるエネルギーに変換されるわけだから。

 エネルギー保存の法則がなんとかかんとか……ま、そんな感じだ。


「……ヤシロ」


 マグダが静かに挙手をする。


「……陽だまり亭のトイレのタンクは天井にあるのに、流した水は天井まで噴き上がってはこない」

「噴出口の向きが違うからな」


 そもそも、噴出するような形状じゃないし。

 トイレの水は、勢いよくトイレを洗って流れていってくれる。エネルギーはしっかりと水に伝わっているさ。


「ということは、三十五区に陽だまり亭のようなおトイレを作る……ということですか?」

「ジネットちゃん……トイレは作らないんだ。噴水ね」

「あっ、すみません……そうでしたね」


 陽だまり亭のことを思い出したからか、そのままトイレの話だと思い込んだようだ。

 あぁ、あれか。「三十五区に陽だまり亭とお揃いのトイレが出来るなんて、すごいです!」って感情が先走ったのか。


 とんでもない観光名所になるな、そいつは。

 行列の出来るトイレ。……びみょ~。


「まぁ、理屈はこんな感じだ。あとはウーマロに細かい設計を説明する。要するに、高い位置から落ちた水が、細い管を通って高く噴き上がる。そういう仕組みだと思っていてくれ」


 仕掛け自体は単純明快。

 知っていればどうということはない。

 だが、それを初めて目にした者は吃驚仰天するだろう。

 凄まじい衝撃だと思うぞ。


 あと、単純に噴水は見ていて楽しい。

 そうだな。折角だからカスケードも作ろう。

 てっぺんから水を噴き出させて、何段にも折り重なった水鉢から水が溢れ出ていくつもの滝を作るんだ。

 人魚を讃えるには、これ以上ない演出だろう。


「よし、ちょっとデザインを変えよう」

「お兄ちゃんが楽しそうです!?」

「……ヤシロスイッチ、オン」

「ヤーくん。出来れば、後程設計図をお見せ願えませんか? 私も、少し興味がありまして」

「あ、わたしも見てみたいです」


 ジネットとカンパニュラでは見たいところが違いそうだな。

 ジネットは完成予想図を、カンパニュラは内部構造を見たいのだろう。


「まぁ、領主様のOKが出なきゃ作れないけどな~」

「了承するに決まっておるだろう。その代わり、他に類を見ぬほど美しいものにしてくれ」

「その辺はベッコとイメルダによるかな」

「ワタクシ、デザインのために呼ばれましたの?」

「いや、木も使いたいが、三十五区で好き勝手やっていいのか?」

「当然だろう、ヤシロ。ギルド長のワシがついてるんだぜ?」


 イメルダを飛び越えて、ハビエルが食いついてきた。

 いいのかよ、ギルド長がそんなにほいほい安請け合いして。


「水を貯めておくタンクをどのくらいの高さにするのかが悩みどころだね。毎日水を汲み上げなきゃいけないんだろう?」

「それなら、我が区の獣人族と虫人族に相談して――」

「その必要はない」


 なぜなら、タンクなど作らないからだ。

 よって、水汲みの必要はない。


「ギルベルタ」

「出来ている、依頼されていたものは」


 俺が頼んでおいた、三十五区と港の地図。

 ギルベルタは綺麗に描き上げてくれたようだ。


 ほほ~ぅ、いい位置にあるな……これなら、なんとかなるだろう。


「三十五区の港は随分と低い位置にある」


 というか、海基準で見れば、三十五区が随分と上にあるんだが。


「そして、三十五区には立派な川があるな?」


 地図上の川を指さし、そしてそれを海へ向かって移動させる。


「川から水路を使って水を引き込めば、半永久的に水が噴き出す豪華な噴水が作れるぜ」


 そのためには、ルシアにいろいろ骨を折ってもらう必要があるけどな。






 三十五区の川から水路を引き、港へ噴水を作る。

 これだけの高低差があれば、かなり立派な噴水が作れるだろう。


「幸いにして、トルベック工務店は水路にうってつけの技術を有しているからな」

「あっ、水道ッスか!?」


 昨年の猛暑期、陽だまり亭に浴室を作る際、時を同じくして誕生した水道。

 川から水を引き入れるために木製の水路を作った。

 コックを使って水の出し入れを自由にし、家にいながら楽々水を使えるようになったのだ。


「今度は距離があるし人が通る道を経由する必要があるから、鉄製の水路を作りたい」

「任せるさね! 大工の作った水路よりも頑丈で長持ちする最高の水路を約束するさよ!」

「ちなみにレジーナ。途中に銅製の貯水タンクを作るつもりなんだが、殺菌はそれで事足りると思うか?」

「飲料水に使うつもりやったら、もうちょっと対策した方がえぇ気がするなぁ」

「川の水は綺麗で、飲んでも全然平気だぞ?」

「まぁ、いろんなところを経由するみたいやさかいに」


 デリアの言うことは事実で、この街の川の水は普通に飲めるくらいに綺麗だ。

 陽だまり亭でも、水道を通ってきた水を飲んだりしている。


 けれど、途中に貯水タンクを設けているので若干の不安がある。

 水は留まると菌が増える可能性がある。

 タンクの内側に苔が生え、微生物が増え、悪い菌が増殖する……なんてことがな。

 毎日清掃するってわけにもいかんしな。


 ちなみに、銅には雑菌の繁殖を抑制する効果がある。

 日本でも、排水口のゴミ受けや蓋を銅製にすることで、排水口のヌメリやニオイが抑えられる、なんて製品がかなりの数出回っている。


 ……効果が薄い場合は、たぶん企業の性質によるところが大きいんじゃないかなぁ……知らんけど。


「まぁ、やるんやったら、工事を始める前に水質調査して、その後は工事の進行に合わせて随時チェックと精査と改善やね」

「おう、頼む」


 噴水なんてもんが出来たら、ガキは絶対飛び込む。

 水があれば飲むヤツが出てくる。

 毒素を持った水だなんてイメージが付いたら、人魚の怒りに触れそうだもんな。

「ウチの英雄王と聖女王を毒の中にいさせる気か!?」ってな。


「あと、水道は地中に埋めたいんだ」

「埋めちゃうッスか?」

「それで、途中途中にメンテナンス用の穴を開けておく」


 マンホールだな。そこまでデカくはならないけれど。

 等間隔で水道に垂直なパイプを取り付けておけば、地上から流れる水量と水質の確認が出来る。

 ポイントDで水量が減っていたら、ポイントCからDの間で水漏れが起きている。

 ポイントBで水質汚染が確認されたら、ポイントAからBの区間に原因がある。――なんてことが分かるわけだ。


「そう考えると、水道と下水は似てるッスね」

「運ぶ液体が違うだけだからな」


 もっとも、下水にコックは付いてないけど。ずっと流しっぱなしだし。


「ちなみにさ、四十二区の下水ってどんなパイプを使ってるの? あの頃木こりギルドはいなかったし、やっぱり鉄?」


 そんなパウラの質問に、ウーマロが明後日の方向を向いて答える。


「石ッス。石を敷き詰めて、泥で隙間を埋めて、しっかりと踏み固めて地下道を作ったッス」

「えぇ……なんか原始的」

「やはは……あの頃は、頼れるところも少なかったッスからねぇ。追々作り変えてもいいかもしれないッスね」


 追々な。


「そう考えると、水道って、実はすでにあった技術の再利用だったんだね」

「そんなことないッスよ!」


 エステラの発言に、ウーマロのスイッチが入る。


「足こぎ水車にしても、水道にしても、川の水を任意で、しかもあんなにお手軽に移動させられる技術っていうのはすごいことッス! 革新的だったッスよ!」

「あぁ、うん。なんか御免。すごいとは思ってるんだよ、これでも」

「これまでは地面を掘る以外に水路を作る術がなく、どうしても水を引くことが出来ない場所が多かったッス。でも、この技術があれば今後はどんな場所にだって――」

「もう分かったって言ってるさね。黙りな!」

「熱っ!? あっついッス!?」


 ノーマが煌々と赤く光る灰をウーマロの襟首に滑り込ませる。

 ……わぁ。人によっては燃えてる状態でやられるのか、あれ……今さらになってノーマの優しさが身に染みたよ。


「俺、ノーマにはもっと優しくして、今後も火が消えた後の灰を放り込まれる男で居続けるよ!」

「そもそも、灰を入れられるような言動を控えれば問題ないんだけどねぇ……なんでその辺理解してくれないんかぃねぇ」

「……ノーマ、愚問。それは、『ヤシロだから』」

「やれやれさね……」


 なんかため息つかれた。

 優しくするって言ってるのに!


「ねぇ、ヤシロ」


 ギルベルタが描いた三十五区の地図を見ていたネフェリーが俺を呼ぶ。

 隣でパウラも心配そうな顔をしている。


「ヤシロが水路を通すって言った場所に、家、建ってるよ?」

「この家があるから、水道を地中に埋めるの?」

「いや、地中に埋めるのは人通りが多いからだ。誰かに触られたり、何かの拍子に壊れたりするリスクを回避するためだな」

「じゃあ、この家は?」

「それなんだが……」


 そう、そこがネックなんだよなぁ。

 川は大通りを避けるように森の中を流れている。……というか、川を避けて大通りを作ったのだろうが。

 で、その川は海へと流れ出ている。


 川漁ギルドの活動拠点よりも下流に水路を設けると、川での漁で舞い上がった土やゴミが水路に流れ込む可能性が高い。

 もちろんゴミをせき止める柵も作るし、ろ過装置も設置するが、ゴミや汚れの量が少ない方が当然いい。メンテナンスに割かれる労力が雲泥の差だ。


 で、住宅地や交通量の多い大通りを避け――といっても、ある程度大きな道を横切ることにはなるけれども――なるべく短い距離で噴水まで水路を引こうと考えた結果、俺は一つの案を出した。

 その案の通りに水路を引けば、後々のメンテナンスも楽になり、工事中通行止めになってもさほど経済や生活に影響は出ない。少なくとも区内が断絶されるような不便をかけずに済む。


 ただ一点。

 そこに家が建っているのだ。


 この家を迂回させることも可能なのだろうが……


「ルシア」

「んむ?」

「権力でねじ伏せられないか?」

「阿呆か、貴様は!?」


 だよなぁ……


「じゃあさ、工事する間、ちょっと他所に移ってもらえないか交渉してくれ」

「家屋は破壊されないのであろうな?」

「いや、多少は……なぁ?」

「でも、もし損壊があれば、オイラが責任を持って修繕するッス!」

「それは……どうなのであろうな……」


 ルシアが難しい顔をする。


「その家は、三十五区に居を構える貴族の館だ」


 貴族……かぁ。

 触らぬ貴族に祟りなしって言うからなぁ。


「じゃ、別のルートを考えるか」

「いや、待て。条件次第では話を聞いてくれるやもしれんぞ」

「いやいや、水路の距離が不必要に長くなって、おまけにくねくね曲がりくねるから水による摩耗が起きやすく、維持費にめっちゃ金がかかるようになるだけだから」

「先々まで尾を引く大問題ではないか!?」


 そりゃだって、複雑にすればした分だけメンテナンスは難しくなるに決まってんじゃねぇか。

 短いまっすぐな水路と、無駄に長い迷路のような水路が同じ労力でメンテ出来るわけないだろうが。


「ルシアさんが待ったをかけるということは、話してみる余地はある、ということですか?」

「うむ。基本的には気のいい男でな、私も幼少の頃、よく面倒を見てもらった」

「ルシア(ガキ)の面倒を頻繁に……!? 菩薩のような人だな」

「やかましいぞ、カタクチイワシ!」


 今でさえ手が付けられない状態なのに、これをそのままガキにするんだろ?

 ……あぁ、ダメだ。想像の中だってのに普通に手が出た。

 何度シミュレートしても手か足が出てしまう。


「でも、水路を敷地の下に通すとなると、権利を主張してきませんかね?」

「まぁ、多少は何か言うかもしれんが……その分メンテの負担を背負わせてやればよかろう」


 なんか、随分と気心が知れている間柄のようだ。


「また、元婚約者か?」

「ちっ、違うわ、バカタレ!? ダック以外に婚約者などおらんかったわ!」

「じゃあ、言い寄ってきてたうちの一人か」

「………………まぁ。そこの子息からは、幾度か、な」


 領内の貴族にはモテモテだもんなぁ、スアレス家は。


「と、とにかく! 心配せずとも、そのような浮ついた関係ではない!」

「いや、別に、なんも心配なんかしてないが?」

「――っつ!?」


 さらっと言ってやると、ルシアの顔が急劇に赤くなり、鬼の形相に変貌する。


「なら、いちいち噛み付くな、たわけがっ!」


 力いっぱい頬っぺたを引っ張られた。左右に。

 ……理不尽じゃね?



「ヤシロ……君は、一度考えてから言葉を発する癖をつけるべきだよ」


 とかなんとか、エステラによく分かんないことを言われた上にため息までつかれてしまった。


 ……解せぬ。





 理不尽に俺の頬がダメージを受けたので、ふてくされて食堂の隅っこで三角座りをしてみた。


 ……すーん。


「あの、ルシアさんも、きっとちょっと驚いてしまっただけで、決して怒ってはいないと思いますよ? ヤシロさんに悪意がなかったことは、きちんと話をすれば分かっていただけると思います。ただ、もう少しだけ、そういうことを言われると女性がどのように思うかなぁ~ということを考えてあげられるようになると、今よりもっと素敵な男性だと思われるようになると思いますよ。今のままでも十分ではありますけれど、だから、あの……」

「ジネットちゃん、大丈夫だよ。それはただ構ってほしいってアピールだから。そんなに心配する必要はないよ」

「左様だ。そもそも、デリカシーのないそやつが悪いのだ。反省しろ、カタクチイワシ」


 ……ジネットは優しいのに、あの領主どもときたら…………よぉし。


「マーシャ。陽だまり亭と組んで海上レストランとかどうだ? 人魚が気楽に食事しに来られる船上のレストランでな――」

「わぁ☆ とっても楽しそう~☆」

「「待て待て待て!」」


 領主が二体、物凄い速度で近付いてきた。

 どうする?

  戦う

  逃げる

  魔法

 →そっぽ向く


「すーん!」

「『すーん』じゃないよ!? いいからこっち見て!」


 しかし回り込まれた。


 このラスボスどもめ……


「今は三十五区の噴水が先であろうが!」

「そうじゃなくても、陽だまり亭を他でオープンさせるなら、ボクの許可は必須だよ! 無視して話を進めてもらっては困るよ!」

「別に俺がやらなくても、基本さえ分かってりゃカワヤ工務店でも十分だし、海上レストランは海の上で四十二区の外だから領主の許可とか必要ないし」

「こんな些細なことで拗ねるな、大人げない!」

「分かったよ、ヤシロ! ヤシロは悪くなかった! ちょっとした行き違いがあっただけだから!」

「……つねられたもん」

「ルシアさん、謝ってください」

「エステラ、私を売るのか!?」

「……こうなると、ヤシロ、本当に動かなくなるんですよ」

「くぅ……、面倒な!」

「ウーマロ~、三十一区のテーマパークにさぁ、巨大迷路とか作ってさぁ」

「待てと言っている! 悪かった! 少々過剰に反応してしまったとの自覚はある! これでよいか!?」

「エステラぁ」

「ん? なぁに?」

「ルシアってさぁ、……ちょっと自意識過剰なところあるよなぁ」

「あぁ、うん。そうだね。ちょっとだけ、常に自分が主役だと思ってる節はあるよね」

「……貴様、エステラ…………そのようなことを思っておったのか」

「(話を合わせてるだけですよ。我慢してください)」

「ルシアが悪いもん」

「うんうん。ルシアさん、ちょっと悪かったね」

「優しくない!」

「うん、優しさに欠けるところはあるよね」

「偉そうだし!」

「他区に来てまで自区と同じように振る舞うのはちょっと困る時はあるよね」

「乳が薄い分だけ謙虚になるべきだよな!?」

「それは共感しかねるね」


 ちぃっ!

 やっぱエステラはここぞという時に裏切りやがる!


「……エステラ。あとで個人的に話がある」

「ヤシロの機嫌を直すための方便ですよ!? このまま放置すると、本気で三十五区と四十二区を無視して三十一区にこもりますよ、ヤシロは!? そういう男なんです!」

「三十一区か…………ふん、目立った巨乳もおらぬし、そこまで心配はいらぬであろう?」

「それは…………くっ、『本当だ、よかったぁ』って、ちょっと安心してしまった自分が憎いっ!」


 領主二人が仲よさそうに漫才している。

 もう二人で港の開発やってろよ。

 そんで、「わぁ、こことあそこの港そっくり~」って思われてろ。


「それでそれで、ヤシロく~ん☆ 海上レストランって、どれくらいの船があれば出来るのかなぁ?」

「オイラ、巨大迷路っていうものについて詳しく知りたいッス!」

「ちょっと下がってくれるかい、二人とも! 順番抜かしはマナー違反だよ!」

「というか、トルベック棟梁よ! そなたは三十五区の港の責任者であろうが!」

「「え、いつの間に!?」ッスか!?」


 エステラとウーマロが同時に驚愕の声を上げる。

 ウーマロぉ、あんまあっちこっちで責任者になるなよな~。

 節操ないなぁ。


「とにかく、話せば分かってくれる可能性は高いのだ、その家の貴族は!」


 ルシアが強引に話を引き戻す。

 エステラが俺の腕を引き、マーシャやウーマロから遠ざける。

 ジネットが心配そうにこちらを見ている。

「ぅわ~ん!」って泣きついたら「ぎゅっ!」ってしてくれるんじゃないか? あの雄大なたわわの間で!


「ぅわ~……」

「ほどほどにしないと、実力行使に出るよ」


 ……ちっ。

 しゃーない、話を聞いてやるか。


「で、こちらの要求を飲ませるのに、ちょっとした手心が必要になるのか?」

「ん……まぁ、おそらく、な」


 歯切れが悪いな。

 なんとなくどんな話をされるのかを分かったうえで、その内容を承認したくないなぁって感じか。


「息子を婿にって話を強引にねじ込んでくるようなヤツなら、話をする必要はないぞ。やりようはいくらでもある」

「いや、現当主はそのような人間ではない。アレは…………子息がただひたすらに暴走していただけだ」


 その子息とやらからの求婚は相当苦い思い出なのか、ルシアがすっぱそうな表情をありありと晒している。

 嫌悪感とはちょっと違う……なんとなく、エステラがリカルドに見せるような表情だな。


 生理的に無理とか、毛嫌いしてるとかではなく……いや、エステラはリカルドを毛嫌いしてるけども、心底相いれないってわけではなくて、ある一定は仲良くしているが――って感じか。


「アレの話はどうでもよい!」


 そしてさっさと封印する。

 この辺、下手に突っつくとまた怒るんだろうなぁ。

 まぁ、フッた男の話なんかしたくもないか。


「でも、息子のことと別にしても現当主もなかなか面倒くさいんだろ? その反応を見るに」

「面倒というわけではないのだが……さて、なんと説明したものか……」


 随分と言葉を選ぶな。

 ぱっと思いついた言葉を「いや、その言い方はちょっとな……」と一旦保留して、なんとか似た感じの聞こえのいい言葉を必死に探しているようだ。


「エロいのか?」

「なぜそうなる!?」

「いや、言いにくそうだから」

「もしそうなら、『貴様と同族だ』と申しておるわ」

「同族……え、イケメン?」

「うるさいよ、ベッコの類友」

「エステラ氏、そのツッコミ、拙者にもサクッと刺さってるでござるぞ……」


 エステラがいたずらにベッコを傷付ける。

 だから、どーした?

 うん、気にする必要はないな。ベッコだし。

 傷? 舐めてりゃ治るだろう。そこにハビエルもいるし。ぺろぺろしてもらっとけ。


「とても気のいい人物で、面倒見がよく、ひょうきんで、え~……」


 ルシアが言葉を探しに探して、眉間に深いしわを刻み込む。

 それを見かねてか、ギルベルタがルシアの隣に並び立ち、ルシアに代わって噂の貴族の属性を口にする。


「無類の子供好き、その方は」

「「「「ハビエル?」さん?」」ッスか?」でござるな」

「おぉーい、いろいろヒデェぞ、お前ら! ヤシロに毒され過ぎだし、トルベックと丸眼鏡はあとで覚えとけ」


 パウラとネフェリーには甘い注意程度でとどめたくせに、メンズにはきつめの罰を与えようとするハビエル。

 しかし、そんなもんで憤慨するなど、お門違いだ。


「カンパニュラ。子供を大切にするハビエルをどう思う?」

「とても素敵な方だと思います」

「くわぁぁあ! カンパニュラたん、めちゃ可愛い! たぶん目に入れても痛くないから目に入れてみたい!」

「では、代わりに愛娘であるワタクシが入って差し上げますわ――!」

「スットプ、イメルダ! 眼球に刃物はシャレにならん! 手斧を置け! いや、置いてくださいお願いします!」

「――と、こんな貴族なのか? 重症だな」

「違うわ……」


 重たぁ~いため息をついて、ルシアがハビエルを見る。


「そなたは、もはや手の施しようがないのだな」

「そんな蔑んだ目で見んじゃねぇよ、領主さんよぉ。そこまで砕けた仲でもねぇだろうに」


 あ、ハビエルが若干イラッてした顔をしてる。

 こいつ、大人女子には厳しいよなぁ。……末期め。


「その貴族は、昔から面倒見のいい大人でな、私も幼少期によく遊んでもらったものだ」

「ほほぅ。是非詳しく話を聞きてぇなぁ。懐かれる秘訣とかよお!」

「黙れ、ゴミムシ」

「おぉう……あまりに辛辣過ぎて、怒るタイミング逃しちまったぜ……」


 ハビエルも、少しは自分が悪いなぁ~って自覚があるんだろうな。

 逆切れはしない、最低限のマナーを守る大人なのだ。


 ……いや、マナーは守るけども最低の大人、かも?


「近くに住む子らが集まって、ワイワイと遊ぶ、そういう場を提供しておったのだ」

「過去形なのか?」

「ん? あぁ……まぁ、遊ぶ場といっても、特に何があるわけではない。彼が若いころは追いかけっこなどの相手をしてくれていたが、寄る年波か、そうそう動き回ることも出来なくなってきたようでな」


 何もないただの広場なら、他にもっと楽しいところはある……か。


「何より、貴族の家に遊びに行くというのがあまり好ましいことではないからな」


 粗相があったらと、親は気が気じゃないかもな。


「だが、貴様なら、子らが喜ぶ遊び場を提案できるであろう? 子供の気持ちが手に取るように分かる『ヤシロお兄ちゃん』だからな」


 誰がだ。

 ……お前がお兄ちゃん言うな

 心臓痛いわ。


「ヤシロ。我が家にも同じような遊び場を作ってくれたら、木こりギルドはこの先一生お前の味方でいてやるぞ!」

「いい加減黙りなさいまし!」


 手斧が空を飛び、とある木こりの末期患者は、とても静かになった。







あとがき




ちょこっと小難しいお話になってしまって、

ちゃんと伝わっているか、宮地ちゃんってば、

し・ん・ぱ・い☆


いや、

お・つ・ぱ・い☆



というわけで、

公的機関の暗証番号をすべて『0281』か『8102』にしてやろうかと画策中の宮地です!


数字とアルファベットの組み合わせが必須の場合は

『8102KAIDE』

とかどうでしょう?


使っていいですよ(゜∀゜)o彡°


セキュリティ的によわよわかもしれませんけれども!




さて、本編に登場した『ヘロンの噴水』

小学生の理科の授業で作ることもある、とても単純な構造なんです

ペットボトルとストローがあれば、なんとなく作れちゃいます


詳しい作り方は『ヘロンの噴水』で検索☆



『エロン』じゃないですよ?

『ヘロン』ですからね。


『ヘレン』で調べると、ミズ・西川のWikiがヒットしますよ!?

『ヘロン』です!



噴水って楽しいですよね

大きな噴水は、見てると「おぉーっ!?」って感動しますし。


気温が上がって真夏日が続くとニュースで、

噴水で水浴びする子供たちの映像が流れますし!

パンイチで水に濡れる幼女!

公共の電波で!

お嬢ちゃん、15年後も同じ場所同じ格好でよろしく!



噴水というのは、

偉大なものなのです(´-ω-`)うんうん


ちょっと前の本編でも言っておりましたが、

遥か昔から噴水は存在しており、

ローマ帝国の皇帝が権力を見せつけるために作らせたそうです。


ノーマ帝国なら、

きっとやわふわで、たわわで、ぷるんぷるんなんでしょうねぇ

(*´▽`*)わは~、臣民になりたぁ~い




皇帝といえば、

いや~、最近あるアニメにハマってしまいまして

サブスクでなんですけども、アニメをず~っと見続けています

まだまだ先は長そうなんですが、一日一本~二本、こつこつ見ていこうかと思っております


その名も、銀嬢伝!



あぁ、違った。

そっちは銀河お嬢様伝説ユナの略称でした。


えぇ、そっちはもうずっと昔に知ってたんですよ。

PCエンジンっていうゲームのソフトで、1と2をプレイしてクリアしましたし

3は別のハードになっちゃってんでやってないですが

OVAも見ました


ではなくて……銀英伝!



銀河英雄伝説



です!


いや~、面白いですねぇ、アレ!

「今さら!?」と思われる方もいるかもしれませんが、

先日初めて拝見したんです。

1988年に発売されたんですね、OVA

35年前ですか……あ、B’zのデビューと同じ年ですね


いろいろと「80年代だな~」って思う部分はあるんですけども

( *´艸`)


手紙が立体ヴィジョンなんですよ。

ホログラムで映像が浮かび上がり、その映像が音声でしゃべるという

まさに未来! って感じのアイテムなんですけども、

巻き戻す時に「きゅるきゅるきゅるっ!」って音がするんです!



テープ!?Σ(゜Д゜;)

その未来的なアイテムの保存媒体、カセットテープなんですか!?



当時はWi-fiはもちろん、

インターネットも一般的ではなかったですし、

CDが出始めたころでしたからね。


アニメもきっと

セル画で描いてビデオカメラで撮影してフィルムに焼き付けていたのでしょうし

あの当時思い描かれた未来という感じなんでしょうね



タッチパネルも出てきません。

あの当時はそんな概念もなかったでしょうし

宇宙船で銀河間を行き来できるくらいの技術力なのに、

全部ボタン!

タッチパネルも、赤外線も、ブルートゥースもない

キーレスエントリーなんてもってのほか!



なんか、そんな感じがちょっとしたノスタルジーで

その時代に浸れていいんですよ(*´ω`*)



まぁ、そういう設定にツッコミを入れる楽しみは置いておいて、

ま~ぁ、面白い!

作品の完成度の高さよ!

見始めると止まらない!

おもしろい!

ただ、人がめっちゃ死ぬ!


「えっ、その人も!?」

っていう人まで容赦なく……


いえね、見たことはなくとも、

アレだけ有名な作品ですから、結末とか、途中の重大な出来事は知ってるんですよ。


この人、死ぬんですよね


って、分かった上で見ているんですけども…………


あの人が死んだら、泣きそう……(´;ω;`)提督……




…………ところで、

初代編集さんはこことか、見てないですよね?


いえね、

私、デビュー作書くまでラノベってまったく読んでなくて

マンガもほとんど読んでなくて、

アニメもほとんど見てなくて、


たまたまハルヒに出会って、

「よし、ハルヒの出版社から本を出してもらおう!」って思い立って

スニーカー大賞に応募して、なんとかデビューに漕ぎ付けたんですが……


めっちゃ叱られましてね?

「せめて名作と今売れてる作品くらいは読んでください!」って。

「というか、アレとかソレとかコレを知らないなんて、信じられません! なんでラノベ書こうと思ったんですか!?」って


割と、めっちゃ怒られたんです。

ちょっと泣きそうなくらいに。

(´;ω;`)


で、アレとコレとソレは絶対読むようにって、

当時大ヒットしていた作品を読むという宿題を課せられた際に



編集さん「ロードス島戦記と銀河英雄伝説は知ってますよね?」

宮地「(あ、どっちも兄がPCでやってたゲームだなぁ)はい、知ってます!」

編集さん「さすがに知ってましたか」(にっこり)

宮地「……(ん!? これは、読んだことあると誤解されてるな!? よし、黙っておこう!)」



ということがあったんですが……

見てませんよね、初代編集さん!?Σ(゜Д゜;)

バレてませんように!(・_・;)


今から見ますから!

全部見ますから!

(>_<;)どきどき



でも、編集さんに勧められたお話はみんな面白くて

もっと早く読んでおけばよかったな~って

学生の頃に読んでたら、きっともっと違った感性を磨けてただろうな~って思いました


銀英伝も、中学くらいの頃に読んでたらめっちゃハマってたかもしれませんしね

そうしたら、今はファンタジーじゃなくてSF書いていたかもしれません



ヤシロ提督「この先に巨乳の惑星があるらしい! 全艦、全速前進!」

ジネット中尉「懺悔してください!」



……変わってない!?Σ(゜Д゜;)



というわけで、今後あとがきでちょいちょい銀英伝ネタをぶっ込んでくる可能性が高いですが

よく分からないという方はスルーしておいてください


以前のサザエさんネタのように!

サザエさんもハマりましたねぇ、一時期。



サザエさんの次のブームが銀英伝ですか~




いや、振り幅よ!?Σ(゜Д゜;)




様々なものに出会い、影響され、そして人は大きく成長していくのです



よし、バレない程度にいろいろパクろう!

\(≧▽≦)/



……嘘ですよ?

【壁】_・;)



とりあえず、今回のクルージングが終った後、

ヤシロが「戦艦を作って宇宙へ行こうぜ!」とか言い出したら


「宮地、やりやがったな!?」


と、思っておいてください( *´艸`)



次回もよろしくお願いいたします。

宮地拓海

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 今後の後書きの銀英伝ネタに期待大です。寧ろパイネタを削って欲しい。無理か(笑) ちなみに作者はこの作品(小説)により、「皆殺しの田中」なる愛称?を付けられたそうです(笑) また、初…
[一言] 最近パーシーの登場頻度が激減して寂し……くはないけど、それに釣られてモリーの登場頻度も下がってるのでやっぱり寂しい。
[一言] 銀河の歴史が、また1ページ 屋良有作さんの次回予告のたびに流れるフレーズが最高 序盤にしつこく 笑ってこらえてや、 笑ってはいけないシリーズのナレーターされてる 広中 雅志氏のイケボで、「…
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