173話 『BU』の若者たち
別館の中には、すでに四人の給仕が座っていた。
全員揃いの服を着て、ピシッと背筋を伸ばした美しい姿勢で、給仕らしく折り目正しい態度で。
……すでにスタンバイは出来ているのに、面接も始めずに風呂場のぬめりとか取ってたのか?
いつから面接始める気だったんだよ。
「面接はね、終わりの鐘が鳴ってからにする予定だったのよ」
こそっと、マーゥルが俺に耳打ちを寄越す。
こいつは人の顔をよく見ているな。質問する手間が省けると喜ぶべきか、気味が悪いと敬遠するべきか。
しかし、今が昼前だから、優に五時間以上はこのまま待機させるつもりだったらしい。
一体何を考えているのやら……と、何気なくナタリアを見ると。
「…………」
部屋の一角をジッと見つめていた。……ネコか、お前は。
何もないところを見つめて一体どうしたんだ……と、ギルベルタを見ると、同じところを見つめていた。…………え? 給仕長にしか見えない霊でもそこにいるのか?
薄気味悪さを感じつつも、同じ場所へと視線を向け、よ~っく観察してみると…………
「あ……」
ナタリアとギルベルタの見つめる先、部屋の角に紙屑が落ちていた。
……こいつら、入ってすぐそれを見つけたのか?
職業病とでもいうべきか……と、再びナタリアに目を向けると、今度は違うところを見つめていた。というか、部屋中に視線を飛ばしていた。
ギルベルタも同様で、部屋中に視線を巡らせて、心持ちそわそわし始めていた。
二人の視線を追うと、額が微かに歪んでいたり、壁にちょこっとした汚れが付着していたりした。
……目敏い。こいつら、普段どんな視界で世界を捉えているんだ?
「……残念ながら、あの四人は不採用でしょうね」
「そう思う、私も」
給仕長がそんな言葉を漏らす。
なるほどな。
長時間この部屋にいながら、散らかった部屋を掃除しない……というか、気付きもしない者は採用されないのか。……厳しいもんだな、給仕の世界も。
「みなさん。お待たせしてごめんなさいね。面接を始めましょう」
マーゥルがにこやかに宣言すると、四人の給仕候補たちは一斉に立ち上がり、軍隊もかくやという統率のとれた動きで深々とお辞儀をした。
「「「「よろしくお願いします」」」」
……給仕養成学校でもあんのか? 揃い過ぎてて逆に引くわ。
「まぁ、おかけになって」
マーゥルに言われて、再び椅子へと腰を下ろす候補生たち。
「「……減点」」
ナタリアとギルベルタが、俺の両隣りで呟く。
……つか、お前ら。俺じゃなくて、各々の領主に付いてろよ。
「マーゥル様がお座りになる前に座ってはいけません」
「同意する、私は。きちんと待つべき、マーゥル様に座る兆候があるならば」
「いや、勧められたら座らないと失礼なんじゃないのか?」
「ほんの一呼吸待てということです。座るも座らないも、まずは主を立てることが重要なのです」
主を立てて座る。
主を立てて座らない。
……やっぱ難しいな、給仕の世界は。
候補生の前にマーゥルが座り、俺たちは給仕長のシンディが出してくれた椅子へと腰を下ろす。
部屋は割と大きく、企業の会議室を思わせるような大きさで、そこに長いテーブルが置かれている。テーブルには、マーゥル、ルシア、エステラの順で座り、エステラの隣に俺が腰掛けた。その後ろに各給仕長が立ち、俺たちより少し離れた位置にセロンとウェンディが座った。
テーブルの向こうには、四つ並べられた椅子に腰かける給仕候補生がいて、いまだ変わらず背筋をぴーんと伸ばしてこちらを見ている。
……俺の座席に異論があるんだが。俺、部外者なんだけどなぁ。
「では、順番にここで働きたい理由を教えてくれるかしら? あ、名前は結構よ。採用が決まった人だけ教えてもらうから」
不採用の者の名前など覚えてもしょうがない。少々奇抜ではあるが、理に適った意見だな。
候補生は四人。三人が女で、一人は男だ。
互いの顔を見合わせ、誰から発言するかを探っている。……どっちからでもいいからさっさと言えよ。
「なぁ……」
少し掛かりそうだったので、俺はエステラに声をかける。
「あの給仕服って、どの段階で支給されたんだろうな?」
「え?」
「いや、ほら。全員おんなじの着てるだろ? 男のヤツも似た感じの」
候補生はみんな、黒を基調としたシックな給仕服を着ている。
男女で多少の差異はあるものの、同じ制服だとハッキリ分かる統一感がある。
こういうのは採用が決まってから支給されるもんだと思ったんだが、ここでは面接の時から給仕服を着せているようだ。
……と、思ったのだが。
「給仕服の支給はしておりませんよ、ヤシぴっぴ」
シンディが背後からそっと、答えを寄越してくる。
いつの間にか、音もなく俺の後ろに立っていた。……こいつも武術の達人だったりするのだろうか……気配とか一切感じなかった。……ぶっちゃけ、ちょっとビックリした。
とはいえ、支給していないってのはどういうことだ?
「いや、だって……お揃いじゃん」
「ウチに面接に来る若者は、みんなあの格好をしてくるんですよ。こちらが何も言わなくても」
リクルートスーツみたいなもんか?
「とりあえずこれ着とけ」みたいな。
「この街の特徴……とでも言いましょうかねぇ。私はあまり好きじゃないんですけどね……」
不満げな口調でシンディは言い、そっとマーゥルの背後へと移動した。
それにしても、候補生はいまだ誰一人として話し始めない。
ずっとお互いを牽制し合っている。……というか、どうすればいいのか困っている、という感じか?
「なぁ、早く始めろよ」
しびれを切らせてそう言うと、候補生は計ったかのように同じタイミングで肩を震わせた。
……お前らはどこかで神経でも繋がってんのか。
「じゃあ、ヤシぴっぴ。誰からがいいと思う?」
マーゥルが、心なしか嬉しそうに俺に尋ねてくる。
なんで俺が決めなきゃいけないんだとは思いつつも、候補生どものお見合いを眺めていても埒が明かない。
俺は向かって左端に座る唯一の男に向かって言う。
「そっちの男から、順番に言っていけ」
こういう時、先陣を切って苦労するのは男の役目だ。
というか、男と女がいたら、俺は率先して男を犠牲にする。優しくしてやる理由が皆無だからな。
俺が指名すると、男は立ち上がり、ブリキのおもちゃみたいな真っ直ぐな姿勢でこの職場を希望した理由を述べ始めた。
「マーゥル様の人徳とお人柄は、不詳ワタクシの耳にも賞賛という形で響いてきており、幼少の頃より生涯を捧げるのであれば、マーゥル様のような素晴らしい方にと決めておりました。此度給仕の求人を拝見した際は歓喜に震え、否も応もなく応募させていただいた次第であります」
『クキッ』っと音がしそうなお辞儀をして、男は着席する。
なんとも固い説明だ。
要するに、『マーゥルは有名人だからそこで働きたい』ってだけのことだ。
面白みに欠ける理由だな。
俺なら不採用にする最有力候補だ。
そして、向かって右隣りの女が立ち上がる。
こっちはこっちで、針金の入った人形のような真っ直ぐ過ぎる姿勢をキープしている。
「私も、マーゥル様の人徳とお人柄は、不詳ワタクシの耳にも賞賛という形で響いてきており、幼少の頃より生涯を捧げるのであれば、マーゥル様のような素晴らしい方にと決めておりました。此度給仕の求人を拝見した際は歓喜に震え、否も応もなく応募させていただいた次第であります」
えっ?
思わずエステラと顔を見合わせてしまった。
エステラと、その向こうのルシアまでもがぽか~んとした顔をしている。
そりゃそうだろう。
この女、さっきの男とまったく同じことを言いやがった。
マーゥルがこちらに視線を送ってくる。
「ね? 困ったもんでしょう?」とでも言いたげな、お茶目なしかめっ面を向けてくる。
こいつら、マジでどこかの養成所にでも通ってやがるんじゃないか?
そこで、「面接ではこう言いましょう」とでも教わったのだろう。
さっきの女は、最初に『私も』と言いながら、その後に『ワタクシ』という一人称を使った。
おそらく、教わった定型文が『ワタクシ』となっていたにもかかわらず、自分では普段通り『私』という一人称を使ってしまったのだろう。
「それじゃあ、次の人は、前二人とは違うことを言ってね」
マーゥルが穏やかな笑顔で言うと、三番目の候補生は明らかに動揺し、表情を強張らせた。
おろおろとあたりを見渡し、仕方なくといった感じで立ち上がる。
前二人とは違い、背筋が曲がり落ち着きがない。
自信の無さが全身から滲み出している。
「え…………と、あの……」
「なんでもいいのよ。思ったことを話してちょうだい」
「はぁ……じゃあ……」
問いかけるマーゥルに視線すら合わせず俯いているんだかそっぽ向いているんだか分からない微妙な角度に首を曲げて気のない返事をする候補生の女。
……背後からすげぇ怖いオーラが流れてきてるんですけど……ちらりと背後を窺うと、ナタリアとギルベルタが、物凄く怖い満面の笑みを浮かべていた……え、なに? 給仕長って、給仕見習いのこういう態度に殺気とか覚えちゃうもんなの?
女は、首を落ち着きなくひねりながら、おっかなびっくり口を開く。
「え~っと……みんなも思ってると思うんですけど、やっぱり、将来とか、不安……みたいな感じがありますので、安定を求められる職場……みたいな環境……っていうのは、大きいかなぁって思うんですけど……」
…………
…………
…………終わりかよ!?
「けど」なんだよ!? 最後まで言えよ!
「それじゃあ、最後の方、お願いね」
「あ、はい。私もおんなじ感じです。っていうか、ここにいるみんな、同じ気持ちだと思います。ね? だよね、みんな?」
「お、おぅ」
「そうだねぇ」
「うん、そう思う」
他三人の返事を受け、最後の候補生は満足げな表情をマーゥルに向けて、「ね?」と短い言葉を発し、着席した。
……敬語、どこ行った。
「はい、面接はこれで終わりです。じゃあ、みなさん、甘い焼き菓子でも食べて、少し寛いでいってね」
マーゥルがさっさと終了宣言をして、候補生たちは揃って驚いた表情を見せる。
……いやいや。もう十分だろ。
こりゃ、大問題だな。この区の若者たちは。
マーゥルの終了宣言と同時に、シンディが立ち上がりお茶の用意を始める。
シンディと二言三言言葉を交わし、ナタリアとギルベルタも同時に動き出す。
お茶の手伝いをするのかと思いきや……二人は部屋の隅のゴミを拾ったり壁の汚れを拭き取ったりし始めた。……どんだけ気になってたんだよ。
「汚れた室内に自分の主をとどまらせることを、給仕たちは嫌うんだよ」
ナタリアたちの行動を目で追っていた俺に、エステラがそんなことを教えてくれた。
「本当なら、他人の館の掃除なんて、そこの当主に対する無礼に当たるんだけど……今回は、マーゥルさんが指示してワザと汚していたみたいだからね、許可を取って片付け始めたんだと思うよ」
エステラの予想が当たっているというように、マーゥルはにっこりと微笑んだ。
「お客を招く応接室はその館の顔。そこが汚れているということは、館の主の顔に泥が付いているようなものだからね」
「また、己の主が招かれた先が薄汚れた場所であったなら、『貴様はその程度が似合いだ』と侮辱されているとも取れる。故に、ギルベルタは相手方の応接室の汚れを酷く嫌うのだ……可愛いヤツよ」
領主の世界のちょっとしたルールを、エステラ、ルシアの両領主からレクチャーされる。
……やめてくれ。まるで俺をそっちの世界に引きずり込もうとしてるみたいで、ちょっと怖ぇよ。
ナタリア&ギルベルタがささっと部屋を綺麗にした頃、シンディが焼き菓子と紅茶を全員の前に配り終えた。
気が付けば、いつの間にか候補生の前にも小さなテーブルが置かれていた。
……つか、あの候補生たち、一切動かなかったな。ナタリアたちが掃除してるのを見ているのに。
「きっと彼らは、この館の『お客様』のつもりなんだろうね」
「もしくは、私たちと対等――つまり領主気取りというところか」
候補生には聞こえない声量ではあるものの、エステラとルシアから辛辣な言葉がもたらされる。
というか、ルシア。その言い方だと、俺も領主っぽい立ち位置になっちゃうから。それとも、俺もひっくるめて無礼だと糾弾したいのか?
「さぁ、召し上がれ」
マーゥルが嬉しそうな照れくさそうな表情で言う。
マーゥルが焼いたのだろうか? …………これ、小麦を窯で焼いてんじゃねぇのか?
「陽だまり亭のケーキと一緒で、これはパンには分類されないと判断され、毎月決まった税を納めているんだよ」
こそっと、エステラが俺に言う。
個人の趣味にも税金をかけるとか……ボロい商売しやがって。
そんな面倒な手続きを踏んで作成された焼き菓子を口に入れる。
………………苦労に味が見合っていない……
なのだが……
「ねぇ、これ。凄く美味しくない?」
「私も、美味しいと思うけど」
「ね? だよね?」
「まったく同感だね」
候補生たちは皆、この微妙な焼き菓子を絶賛した。……絶賛、して、るか?
こそっとエステラたちの顔を窺うと……すまし顔で、一口齧った焼き菓子を皿に戻してやがった。口には、合わなかったようだな。
「なんだろう……上品な味……みたいな?」
「あ、そう、それ。私も今、ちょうどそう思ったところ」
「えー、うそっ! すっごい奇遇!」
「まぁ、一流には分かる……的な?」
なんか、盛り上がってるな、候補生たち。
……つか。
「いや、不味いだろ、コレ」
ぱさぱさとも違い、なんだか「ぬたぁ~」っとした舌触りがとにかく気持ち悪い。
「甘さも足りないし、歯ごたえも悪いし、すげぇ粉っぽくて舌の上でザラつくんだよな」
「ヤシロ……君は本当に正直だね」
「エステラよ。それではそなたも賛同したということになるぞ」
などと言いながらも、領主二人は嬉しそうな顔をしている。
だが、そんな俺の発言を良しとしない連中がいた。候補生たちだ。
「それはあまりに失礼な意見だと思いますけど!」
「そうです! 口が過ぎる気がしますけど!」
「もうちょっと言い方あると思わない?」
「思う。っていうか、美食家気取ってない?」
「「「あぁ~、いるいる、こういう人」」」
言われ放題である。
それにしても、こいつらの口調は引っかかる。
美しい言葉を使えとまでは言わないが、最低限、ストレスを感じない口調ってのは心がけるべきだ。
「ヤシぴっぴ」
候補生からの剣呑な視線にさらされる俺に、マーゥルが嬉しそうな笑みを向け、おまけに拍手まで送ってきた。
「もしヤシぴっぴが候補生だったら、即採用していたのに、残念ねぇ」
喜びながらも、どこか悲しむような顔をして、マーゥルは名残惜しそうに俺の顔を見つめてきた。
……俺が採用? やっぱり、イケメンだからか?
「この焼き菓子は、失敗作なのよ。分量がメチャクチャなの」
ペロッと舌を出し、かわい子ぶって頭をこつんと叩くマーゥル。
……あと三十年前にやってほしかったよ、そういうのは。
はてさて、故意に違う手順を踏んだのは、『失敗作』という範疇に含まれるのかね?
「これが美味しいと感じる人とは、味覚が合わないわ。お食事って、とても大切なことだから……ね? ごめんなさいね」
そんな言葉をもって、候補生は全員不合格となった。
候補生が帰った後、俺たちは本館の応接室へと移動し、そこでまともな味の焼き菓子を食っていた。
「美味しいなぁ。ボク、こういうの好きだなぁ」
さっきは無言で死んだ魚のような目をしていたエステラが、嬉々として焼き菓子を頬張っている。
リスか、お前は。ほっぺたぱんぱんだな。
「どうだった、ヤシぴっぴ?」
紅茶を片手に、マーゥルが興味深そうな目を俺に向ける。
「見事なまでの同調現象だな。マイノリティーは悪であるかのような強迫観念にとらわれてんのかねぇ」
「二十九区……ううん。『BU』の中では、あぁいう若者がほとんどなのよ」
マーゥルが紅茶のカップにため息を落とす。
紅茶に映る自分を見つめるように、寂しげに呟く。
「つまんないわよね、みんな一緒なんて……」
それは、若者に対してというより、この二十九区を取り巻く「そうあるべき」空気に対する批判に聞こえた。
「小さな枠組みを自ら作りそこに入り込んだ者は、そういう傾向が強くなる」
例えば、奇抜なファッションや独特の言語を気に入り使用する、いわゆるギャル・ギャル男と呼ばれる者たちは、自分たちの決めたルールを暗黙のうちに他者へと強要していることが多い。
こういう格好をしないとダサい。このモデルを知らないとイケてない。この場所にいないと話にならない。この言葉を知らないヤツは遅れている、等々……こういう際の『ダサい』等の言葉は、時にさも罪であるかのようにあげつらわれることがある。その『罪』を犯す者は、そのグループには存在出来ない。
そういう暗黙のルールがあるから、彼ら彼女らは必死に『流行』を追い求める。その流行が、彼らの間だけでしか通用しない極めて狭い世界限定のものだとしてもだ。
そんな厳しい制約を強要される世界にいる者には、ある特有の傾向が見られるようになる。
それが、同調現象。
分かりやすい例が、結論を言わない話し方だ。
「○○なんだけど~」と、結論を濁し明確な結論を出さないことで相手に批判や反発をさせない話し方だ。
仮に相手から反論された際は、「そういうことじゃない」と、さっさと逃げ出してしまう。
「凄くダルいんだけど~」の後には「だから頑張らない」も「だけど頑張る」も、どちらも付けることが可能であるため、相手の不興を買った瞬間に手のひらを返せるのだ。
また、「○○じゃな~い?」という言い方も多用される。
これはもっと分かりやすく、相手を同調させる――「自分と同じ考え」=「自分の味方」に引き込む話し方だ。
「○○じゃな~い?」への正しいアンサーは「だよね~」であり、「そうかな?」「それは違うんじゃないか」なんて返答は認められない。それは、彼らの言うところの『罪』に当たる。
そんな返答をすれば「マジありえない」「空気読めてない」「サムい」と、グループ内から排除されてしまう。
だから彼ら、彼女らは必死に表面を取り繕う。
『自分は味方だ』と分かりやすい仮面を被る。
だが、無理矢理取り繕った『自分』なんてものは簡単に瓦解し、すぐにボロが出る。
「さっきの候補生は、その典型だな。定型文を禁じられた瞬間、敬語すらまともに使えなくなっていた」
「アレは、極端な例だと思うけどね」
「それが、そうでもないのよぉ」
苦笑を漏らすエステラに、マーゥルは困り顔で首を振る。
マーゥルが特に酷い若者をわざわざ集めたというのでない限り、無作為に集まった若者があぁいう結果になったということになり、……結構深刻な状況だと言えるだろうな。
より深刻なのは、同調現象が「同調の強要」から、「異論者の排除」にまで及び始めている。
その傾向が強くなれば、やがて『自薦の用心棒』へと進化してしまいかねない。
『自薦の用心棒』というのは、平たく言えば、反論を事前に封殺する者のことで、「あの人は酷い人だから話聞いちゃダメだよ」とか、「あの人嘘ばっかり言ってるから関わっちゃダメだよ」というようなネガティブキャンペーンを事前に展開させ、反論しそうな存在をあらかじめ排除しようとする心理のことを指す。
戦争状態でもないのに、「敵国を歓迎するな、排除せよ」という意思を国が表明することで全国民が特定の国へ反感を覚え敵視するようになる。そういう政策で国民を取りまとめようとする者は少なくなく、事実そういう国は存在する。
二十九区にそれをやられると、今回の交渉は破綻確実だな。
「あの黒い服もね、少し前までは誰も着ていなかったのよ……」
と、マーゥルが一枚の紙を差し出す。
そこには、『BU』内で流行っているファッションや、注目フードなどという記事がびっしりと書き込まれていた。
どうやら、瓦版のようなものらしい。
一枚紙なので、情報誌ではなく情報紙というところか。
言葉は自動で翻訳されるわけだから、瓦版に向いた言語を有する者がいれば、比較的簡単に作れるかもしれない。
日本語のタイプライターは複雑になるが、アルファベットならシンプルな構造に出来る――みたいなもんだ。
「おや、これは……」
「あっ……」
ウェンディが何かを見つけ、セロンがそれを見て声を漏らす。
二人が見ているものを見て、マーゥルがつまらなそうに注釈をつける。
「今はね、こういう人が流行なんですって」
マーゥルが指さした先には、美人画とでもいうのか、シンプルながらも味のある女性のイラストが描かれていた……のだが。
「これ……どう見ても、ナタリアだな」
その服装、雰囲気、髪形は、どう見てもナタリアそのものだった。
「数ヶ月に一度、こうやって『こういう人が美人』みたいな記事が書かれるのよ」
「ってことは、これは偶然……?」
エステラが食い入るように、情報紙の中のナタリアを見つめている。
黒髪を短く切り揃え、知的なメガネとシックで大人っぽい黒の衣装をまとった女性のイラスト。
イラストなので顔の造りは似ていないが、雰囲気が凄くナタリアだ。見るからにナタリア。見れば見るほどナタリアなのだ。
「だから、ナタリアが異常に持て囃されたんだ……」
腑に落ちるという言葉のお手本みたいな『腑に落ちフェイス』でエステラが呟く。
「この情報紙の影響ってのは凄いのか?」
「み~んなが、そこに書かれていることを鵜呑みにしてしまう、くらいにはね。特に、これは昨日世に出たばかりだからね。発行されて間もないと、その傾向が顕著になるのよ」
「昨日の今日で、街の者たちはみな、あんな風になったというのか……?」
ルシアの表情が強張る。ちょっとした畏怖のようなものを感じているようだ。
確かに、街の連中を見る限り、さもずっと前から共有していた美的感覚から来る行為……と、そんなふうに見えたのだが。
あれが、情報紙を見て間もない者の反応だとしたら、この情報紙の影響力は相当なものだといえるな。流行の最先端を押さえようという街の連中の意気込みと併せて、とんでもないことだ。
「あの黒い給仕服もね、ある日突然流行り出したのよ。何ヶ月か前の情報紙に載った途端に」
「それだけの影響力があるなら、服屋あたりがスポンサーについて、売れ行きの悪い色味の服をプッシュさせることくらいは考えそうだな」
「確かに、それが上手く作用すれば、情報紙はお金を得られて、服屋も利益が上がる…………しかし、この一瞬でよくそんなことまで思いつくよね、ヤシロは」
「影響力のあるところに金が流れるのは常識だろうが」
この街の現状がずっとそんな感じなら、とっくに商売人が嗅ぎつけているはずだ。
「それで、そんな今流行の黒い服を着た美人画を描いてみたら……こうなったんだね」
エステラはナタリア似の美人画を見て乾いた笑みを浮かべる。
そしてこの、所謂『オシャレ』な服を着た『美人画そっくり』なナタリアを街の連中が見た結果が……アレ、か。
ちらりとナタリアを窺い見ると、情報紙を見て少し複雑な表情をしていた。
自身の人気がブームによって生み出されたものだということを知り、何かしら思うところでもあるのだろう。
「つまり……世界がようやく私に追いついたということですね」
「お前のポジティブさ、たまに羨ましくなるわ!」
なんて強靭なハートを持ってるんだ、お前は。
あくまで自分の人気は自力の美しさに由来してるってのを譲らないんだな。
「この情報紙というのは、掲示板に貼り出される以外にもこうして出回る物なんですか?」
「お店に行けば売ってくれるわ。もっとも、これは頂き物なのだけど。くれるのよね、毎号」
エステラの問いに、マーゥルは苦い表情を見せる。
おそらく、貴族に取り入ってあわよくばスポンサーにでも付けようという腹なのだろう。よほど自信があると見えるな、この情報紙の発行元は。
まぁ、貴族なら、いち早く流行を取り入れて見栄の一つでも張りたいものなのかもしれないし、戦略としては間違ってないかもしれないな。
「まぁ、こういうのが嬉しい人には嬉しいのでしょうけれどもね。私には、若い人たちの考えることはちんぷんかんぷんだわ」
両腕を広げてオーバーに話すマーゥルは、この現状を歓迎していない様子だった。
日本でも、ファッション誌が流行を仕掛けたり、テレビや雑誌で見た有名人に憧れて真似したりと、同調現象を誘発するような事例は枚挙にいとまがない。
つまり、『BU』内に強い影響力を与えるこの情報紙に描かれたナタリアそっくりのこのイラストは、今現在『BU』内における最先端であり、女子が憧れ、男子が焦がれる、いわばカリスマ読者モデルみたいな存在なのだ。
「あっ。見て、ヤシロ。ここ」
エステラが指さす記事に目を向けると、『これで絶対上手くいく! 貴族様の家での面接、受け答え完全攻略ガイド』と見出しが書かれており、その中に、さっきの候補生が語っていた「人徳とお人柄は、不詳ワタクシの耳にも~」という模範解答が記されていた。
……こんなもん暗記する暇があったら、まともに受け答え出来るように練習しとけっての。
「しかし、それを多くの者が鵜呑みにするのであれば、似通った思考の若者が大量生産されるのも頷けるな」
「情報の共有も、ほどほどがいいということですかね」
領主の会話を聞いて、マーゥルが分かりやすく頷いている。
「私はね、変わった物が大好きなの。人も、他とは違う個性的な人が好き」
情報紙から視線を外し、天井を見上げるような格好でマーゥルが言う。
「……本来人間は、それぞれがまったく違って、誰もが個性的なはずなのにねぇ」
まったく同じ人間はいない。
同じ時に同じ場所で、まったく同じものを目撃しても、抱く感想は千差万別。それが個性ってもんだ。
個性的な人物なんてのは、探すまでもなく全員がそうであるはずなんだ……と、マーゥルは思っているようだ。
「だからね、給仕はそういう、自分をしっかり持っている人にお願いしたいと思っているのよ。……でも、難しいのね、求める人に巡り合うっていうのは」
現在、マーゥルの館に仕える給仕は、給仕長のシンディただ一人だそうだ。
この広い館を一人で切り盛りしているのだとか。
「私も、もう歳だからね、そんなに大層なことはしてほしいとは思わないの。ただ、日々を穏やかに過ごす、その手助けをほんの少ししてくれるだけで、私は嬉しいの」
飯を食う時に隣にいるだとか、寝る前に「おやすみ」起きたら「おはよう」と言い合いたいだとか、庭の花のお世話を手伝ってほしいだとか、その程度のことをしてほしいだけなのだそうだ。
「だから、面接は凄く簡単にしているのよ。自分らしくて、私をわくわくさせてくれるようなお話をしてくれれば、即採用なの。…………なのに、なかなかいないのよね、その『自分らしく』をクリアしてくれる若い子が……」
「あの……、あの部屋はどういうことだったんですか?」
と、エステラがマーゥルに問う。
入るや否や、ナタリアとギルベルタが顔をしかめた違和感のある応接室。
あれにももちろん意味があるのだろう。
「あれはね、毎回やっている『お約束』なの」
「私は恥ずかしいんでやめてほしいんですけどね」
嬉しそうに語るマーゥルに、シンディがしかめた顔で苦言を呈する。……というか、照れている。
「私が家から出されてこの館に住み始めた頃に、給仕を募集したのね。その時にやって来たのがシンディなのだけれど……うふふ」
当時を思い出し笑みを零す。
口元を両手で押さえて懐かしむように、記憶の中の大切な物を紐解いて教えてくれる。
「私、その当時凄くやさぐれちゃっててね、面接とかもしたくなかったの。だから、二時間くらい待たせちゃったのよ。それで、さすがに怒って帰ったかな~って覗きに行ったら、この人、応接室をぴっかぴかにお掃除していたの」
「引っ越してきたばかりで、まだ隅々まで掃除が行き届いていませんでしたもので、つい……」
過去の失敗談を暴露されたかのように、シンディは困り顔で、少し照れた表情を見せる。
館の主に無断で掃除を始める給仕候補……確かに、それをよしとするか無礼とするかは意見が分かれそうだ。
だが、マーゥルはそれを甚く気に入ったということなのだろう。
「あの部屋に入って、掃除を自発的に始めるような人がいれば、それでも即採用するって決めているの」
「ホント、審査ゆるゆるだな、ここの求人は」
それでも、採用される者はおらず、現在この館の給仕はシンディただ一人なのだ。
「うふふ。退屈な面接に付き合わせちゃったお詫びに、あなたたちの聞きたいこと、全部教えてあげるわ」
そう言って、マーゥルはセロンとウェンディへウィンクを飛ばした。
おそらく、セロンとウェンディから話を聞いているのだろう。
マーゥルは俺たちに協力してくれるらしい。
……もしかしたら、俺たちが『BU』を引っ掻き回せば、マーゥルが嫌うこの街全体の同調現象をどうにか出来るのではないか……と、考えているのかもしれない。
で、あるならば、利害は一致するのかも、しれない。
なので俺は手始めに、こんな質問を投げかけてみた。
「まずは、領主の姉が、領主の敵になり得る俺たちに味方してくれる理由を教えてもらいたいな」
マーゥルが信用出来るかどうかを試させてもらう。
こいつの協力自体が、領主の仕掛けた罠かもしれないからな。
「少し長くなるけれど、私の境遇を聞いてもらうのが一番かもしれないわねぇ」
紅茶を飲み干し、空になったカップをソーサーに載せる。
シンディが新たな紅茶を注ぎ終えるまでのわずかなインターバルを挟んで、マーゥルはゆっくりと語り出した。
「私はね、二十歳の頃に捨てられたのよ。家族と、この街に」
その話は、そんなショッキングな言葉から始まった。
いつもありがとうございます。
給仕長は、実は凄かった!
名探偵ばりに、入った瞬間違和感に気付いちゃうんですね。
……というか、そんなあっちこっちに付いていく給仕長なんているのでしょうか……こいつら、もう参謀とか右腕とか、そういうのですよね、確実に。……相方?
給仕長って、一体……
そして、そして、
三巻の作業も順調に進んでおります。
四十二区のメイド長のお話なんかもチラッと出てきたりして…………はて? メイド長?
…………給仕長…………メイド長…………
ナタリアは、いつから給仕長と呼ばれてるんでしょう……
確か、ロレッタは「怖いメイド長」って言っていたような…………
ま、どっちでもいいですよねっ!
ちなみに、給仕というと、食事係という意味合いで使われたりするようですが、広義の意味ではそれ以外の、掃除や身の回りの世話もひっくるめてやったりするそうです。
ですので、メイド長も給仕長も、この世界では一緒!
一緒ですよ!
はい、一緒です! 決定!
……そういうことで、一つお願いいたします。
さて、話はガラッと変わって、二十歳くらいでクマのパンツとかスポブラとか、子供っぽい下着を着けている女性の方は個人的に大好きですが、そういう人ってどれくらいいるのかなぁ~……と、悩みながら、髪を切りました。
そういえば、
四十二区の面々は、髪の毛とかどうしてるんでしょうか……床屋ギルドってのは、見たことがないですが…………
――陽だまり亭
ジネット「ヤシロさん。随分と髪が伸びてきましたね」
ヤシロ「そう言われてみればそうかもなぁ……そろそろ切らなきゃなぁ」
ジネット「散髪でしたら、シスターがとても上手なんですよ」
ヤシロ「ジネットはベルティーナに切ってもらってるんだっけ?」
ジネット「はい。朝食のお礼だと、月に一度ほど。……ふふ。寄付にお返しだなんて、おかしいですよね」
ヤシロ「その前に、あの量の飯を『寄付』と言い切っちまうところがすでに十分おかしいんだけどな」
ジネット「一度、シスターにお願いしてみてはいかがですか?」
ヤシロ「そうだな……行ってみるか」
ジネット「はい。サッパリしてきてください」
――教会
――ベルティーナがエプロンをしてハサミを手に持っている
ヤシロ「あれ、ベルティーナ。何やってんだ?」
ベルティーナ「あら、ヤシロさん。実は子供たちの散髪をしていて、今終わったところなんですよ」
ヤシロ「そうか、それは都合がいいというか悪いというか」
ベルティーナ「ヤシロさんも、随分髪が伸びましたね。ついでに散髪していきますか?」
ヤシロ「疲れてないか?」
ベルティーナ「大丈夫ですよ。こう見えても、散髪は得意なんです。ジネットに負けない、数少ない特技の一つなんですよ」
ヤシロ「へぇ……ちなみに、他には何かあるのか? ジネットに負けない特技」
ベルティーナ「食欲です」
ヤシロ「うん。聞くんじゃなかった」
ベルティーナ「では、そちらに座ってください。ケープをクビに巻きますね」
ヤシロ「なんか、美容院みたいなんだな」
ベルティーナ「なんですか、それは?」
ヤシロ「髪を切る店のことだ」
ベルティーナ「ヤシロさんの故郷では、お店で髪を切るんですか?」
ヤシロ「こっちは違うのか?」
ベルティーナ「こちらでは、親や職場の方が切ることが多いですね。友人同士で切ったりもするようですが」
ヤシロ「不器用な親の元に生まれた子供は気の毒だな」
ベルティーナ「ふふ。そう思われないよう、親は密かに練習しているんですよ。さて、どんな風に切りましょうか?」
ヤシロ「任せる」
ベルティーナ「では、三つ編みにしてみていいですか?」
ヤシロ「いや、切れよ!?」
ベルティーナ「一度見てみたかったのですが……残念です。では、全体的にスッキリさせますね」
――ベルティーナ、ヤシロの髪を切る。かなり上手い
ヤシロ「慣れてるなぁ」
ベルティーナ「何人もの子供たちを育ててきましたからね うふふ」
ヤシロ「何年もな」
ベルティーナ「何『人』ですよ?(ハサミ『キラーン』)」
ヤシロ「怖い怖い怖い! 他意はない! 経験豊富だなって思っただけで!」
ベルティーナ「はい。『何人』も、子供たちを見守ってきましたから」
ヤシロ「……年齢の話は、いまだに御法度なんだな。敬語はもうなんも言われなくなったのに」
ベルティーナ「はい、出来ましたよ」
ヤシロ「おぉ、早いな」
ベルティーナ「スッキリして、一層素敵になりましたよ」
ヤシロ「……親に褒められてるみたいで、あんまりドキッとしないな、それ」
ベルティーナ「うふふ。素敵なのは本当ですよ?」
ハム摩呂「シスター!」
ベルティーナ「あら? ハム摩呂さん。どうかしましたか?」
ハム摩呂「はむまろ?」
ヤシロ「お前だ、お前」
ベルティーナ「それはそうと、ハム摩呂さんも少し髪が伸びていますね」
ヤシロ「髪……というか、全身の毛がな」
ハム摩呂「姉からの、厳命やー!」
ヤシロ「切ってもらってこいって言われたのか?」
ハム摩呂「おにいちゃんの、読心術やー!?」
ヤシロ「いや、分かるわ!」
ベルティーナ「では、そこに座ってください。散髪しましょう」
ヤシロ「え……いや、出来るのか?」
ベルティーナ「私は、何『人』も、子供たちを見守っ……」
ヤシロ「分かってる! そこは、分かってるけど! ハム摩呂だぞ?」
ベルティーナ「子供たちは、どんな人種も変わりませんよ」
ハム摩呂「万全の、スタンバイやー!」
ベルティーナ「では、どんな感じに切りましょうか?」
ヤシロ「なんか、絵的に犬のトリマーみたいだ……プードルみたいな感じにしたら面白いのに」
ベルティーナ「しませんよ。ふふ……三つ編みは、ちょっとしてみたいですけどね」
ヤシロ「好きだな、三つ編み」
ベルティーナ「ジネットが好きだったんですよ。よくおねだりされました、三つ編み」
ヤシロ「あぁ、今でもしてるな、三つ編み」
ハム摩呂「してみたいー!」
ヤシロ「いや、さすがに無理だろ!?」
ベルティーナ「いいえ、出来ます!」
ヤシロ「いや、ハム摩呂の長さじゃ無理だ……って、めっちゃ目が燃えてる!?」
ベルティーナ「私も、『三つ編みの魔女』と呼ばれた女……」
ヤシロ「銀髪ストレートのシスターを誰が『三つ編みの魔女』と呼んでたんだよ?」
ベルティーナ「括目ください! ベルティーナ流、三つ編み術!」
――ベルティーナ、目にもとまらぬ早業でハム摩呂に三つ編みを作っていく
ベルティーナ「完成です!」
ヤシロ「すげぇ!? ハム摩呂にオシャレな三つ編みが!?」
ハム摩呂「新感覚の、ヘアスタイルやー! 見せてくるー!」
――ハム摩呂、ダッシュで走り去っていく
ベルティーナ「喜んでもらえたようで何よりです」
ヤシロ「一番喜んでるのはお前だろうけどな」
ベルティーナ「うふふ」
――陽だまり亭
ロレッタ「切ってもらってくるですって言ったですのに、なんで切ってないですか!?」
ハム摩呂「これが、時代のニューウェーブやー!」
ロレッタ「切ってもらってくるですよっ!?」
――と、こんな感じで髪を切るようです、四十二区。
というわけで、今日はいっぱい書いてしまいました。
それはそれで反省です。すみません。
次回もよろしくお願いいたします。
宮地拓海




