111話 狩猟ギルドの事情
「どういうことか、説明してくれるかい?」
ウッセに詰め寄るエステラ。右手はナイフの柄にかけられ、今にも抜き放ちそうだ。
もちろん脅しのためではない。ウッセたちが力に物を言わせようとした時のための保険だ。
「ま、待ってくれ! こっちにもいろいろ事情があるんだよ!」
しかし、ウッセたちの反応は弱腰だった。
てっきり、条件が合わないとか、何か見返りを寄越せとか、そういう展開になるのかと思ったのだが……
「まさか、調査に行って魔獣のスワームに恐れをなしたのかい?」
「ふざけんな! 俺たちはプロだぜ!? どんな強力な魔獣だろうが毅然と立ち向かっていく、男の中の男しかいねぇよ!」
……いや、ボナコンにビビって狩れないんだろ、お前ら?
まぁ、総力戦なら狩れるのかもしれんが。
現在、街門建設予定の四十二区なのだが、外壁の向こうに広がる森に魔獣のスワーム――一体のメスに複数の強力なオスが群がり形成された魔獣の集団――が存在しているため外壁の取り壊し作業がストップされているのだ。
そんなおっかない魔獣の群れが街になだれ込んできたら、四十二区は一瞬で壊滅しちまうからな。
そんなわけで、その魔獣のスワームを狩猟ギルドに排除してもらおうと討伐を依頼し、一度は引き受けてもらったはずなのだが……
「それじゃあ、何があったって言うんだい? スワームの討伐にはあんなに乗り気だったじゃないか」
「いや……まぁ、…………そうなんだがよぉ……」
これでは埒が明きそうにない。
俺は腕を真っ直ぐに伸ばしウッセを指さす。
「ま、待ってくれ! 嘘を吐いたわけじゃねぇんだ!」
「なら問題ないだろう。一度裁きを受けてみるといい」
「待てって! いいから話を聞いてくれ!」
取り乱して執務机の陰に身を隠すウッセ。
その肩を掴んで引き上げるエステラ。ウッセを椅子に座らせる。
「なら、話してくれるんだね?」
「そ…………それは、その…………」
「なんなのさ、もう!?」
ウッセは、イマイチ俺たちに友好的ではないのだが……だからといって街への貢献を渋るような男ではない。誇りを大切にし、時には無謀な狩りにも臆することなく挑む。
マグダがその腕を認めているほどの男なのだ。少々性格に難があるとはいえ、嫌いなヤツを困らせるために街の利益を損なわせるような、そこまでの小物だとは思えない。
「ボクたちが気に入らないから反発しているのかい?」
「違う! まぁ、確かに……あいつのことは心底大っ嫌いだが」
と、俺を指さして言うウッセ。……こいつ、カエルにしてやろうか?
「けど、四十二区が盛り上がっていってる今の状態は、俺たちだって快く思っている! なんだかんだで長く住んだ街だ、愛着もある! そこに、俺ら狩猟ギルドが利用しやすい街門が出来るとなりゃあ、協力を惜しむ理由がねぇよ!」
「じゃあなぜ?」
「…………」
街への貢献を拒否するつもりはないらしいが、手伝うわけにはいかないという。
そして、その原因は口に出来ない……
「……エロいことか?」
「おい、誰か! あのアホ男を摘まみ出してくれ! 真面目な話が出来やしねぇ!」
なんだとこの野郎? カエルにすんぞ?
「ウッセ…………いい歳してエロいことばかり考えるのはよしたまえ」
「お前も、あの男に毒され過ぎだぞ!?」
「失敬な! 誰がヤシロ感染者だっていうんだい!?」
「おいおい、一番失敬なのはお前だよ、エステラ」
しかしながら、まぁ色々と解せないよな。
こいつが口を割らない限り話は進まんが、話が進まないまま放置するわけにはいかない。
なにせ、魔獣のスワームを排除しない限り街門の工事は再開出来ないのだ。
……このままでは、「おい、ウーマロ。お前今ヒマだろ? ちょっと手伝えよ」って、ウーマロにいろんな仕事を押しつけてしまいかねない……ラグジュアリーの特設キッチンみたいに……
「何か言いにくいことがあるのは分かった。だが、だからといって『そうか仕方ないな。つか、ウッセ汗臭ぇ』って大人しく帰れないことは分かるよな?」
「余計なセリフ挟むんじゃねぇよ! …………ちょっと心配になってきたじゃねぇか!」
腕を持ち上げ肩の付け根辺りをくんくんし始めるウッセ。
この執務室を警護するように張りついている狩猟ギルドの連中もつられてくんくんし始める。
「お前の汗の臭いなんか、今はどうでもいいんだ!」
「お前が言い始めたことだろうがっ!?」
ウッセが執務机をバンと叩いて立ち上がる。
ちょうど前のめりになりやがったので、近付いてきた顔の前に人差し指を突きつけてやる。
「これから俺がする質問に答えろ」
「……は?」
「答えられないことはスルーすればいい。まぁ、なんだ。答えやすい質問にしてやるから『イエス』か『ノー』か『いやん、エッチ』のどれかで答えろ」
「お前は真性のバカなのか?」
「なんだい、ウッセ。今頃気が付いたのかい?」
ん? 気付いたら一対二になってないか、この構図? こいつらは敵か?
まぁいい。ウッセがさっきまで顔面いっぱいに張りつけていた、「絶対に何もしゃべらねえぞ」という頑なな雰囲気が薄れている。バカやって大声を出せば口も軽くなるさ。
責め立てて重い空気にしちまえば相手は口を開かなくなるが、逆にすれば相手の反応も真逆になる。
これで、ウッセは俺の質問に答えやすくなるだろう。
さて、それじゃあ、問一と行くか。
「ウッセ。お前の3サイズは?」
「『いやん、エッチ』」
「バカなのかい、君たちは!?」
あれ、今度は二対一か? ……えぇ、ウッセいらねぇ。
「真面目にやってよ!」
「だってよ、ウッセ」
「俺に言うな! お前の匙加減だろうが!」
「んじゃ、質問には答えてくれるんだな?」
「う…………」
俺の言葉に、ウッセは表情を曇らせる。
流れで言ってしまった言葉を後悔してももう遅い。
それに、言質を取って『精霊の審判』……なんて面倒くさい手順を踏まなくても、こいつ程度の単純なヤツなら、発言する言葉を並べるだけで何を考えているのか、何を隠しているのかなんて簡単に分かるってもんだ。
「まず、根本的な質問なんだが……お前は四十二区が好きか?」
「……まぁ、それなりにはな」
そんなウッセの回答に、エステラがにまにまし始める。
……ホント、なんでこいつの正体にみんな気付いてないんだろうな? こんなに分かりやすいのに。
「じゃあ、相当な理由が無い限りは、四十二区の発展の妨げになるようなことはしないってことだな?」
「四十二区が発展すりゃ、美味い酒も買いやすくなるしな」
「だが、今回は協力出来ない」
「…………」
黙秘。
つまり、そうせざるを得ない『相当な理由』があったわけだ。
「それは私怨によるものなのか?」
「違う。別にお前らに対して、今さらどうこういう感情は持っちゃいねぇよ」
「俺のことは好きか?」
「『ノー』だ!」
「…………巨乳と貧乳、どっちが好きだ?」
「断然巨乳だ」
「その質問、今必要だったかなぁ!?」
うっさい。
たとえ相手がウッセであっても、面と向かって嫌いと言われてちょっと傷付いた俺と同じくらいの心の傷をお前も負え。
「やる気はあるが出来ない、ってことでいいか?」
「…………」
「マグダに負けっぱなしでいいのか?」
「負けたわけじゃねぇよ! ただ最近ちょっと、あいつが頑張ってるだけで……俺もすぐにデカい獲物を仕留めてやるさ!」
「今がその絶好のチャンスだと思うが?」
「…………」
う~ん、手強いな。
じゃあ、ちょっと卑怯な手を使うか。
「今『逃げる』と、この次なんてないような気がするけどな」
「逃げんじゃねぇよ! 俺らだってやる気満々だったんだ! だが、上が…………っ!」
そこまで言って、ウッセはハッとした顔をした。
明らかに狼狽し、己の失言を悔やんでいる。
なるほど……『上』ね。
「だ、そうだ。エステラ」
「なるほどね……」
「あ、いや……あの、だな…………う、うう、上っつっても、ほら、色々あんだろ? 別に、お前らが思ってるような上じゃねぇかもしれないぜ? な? は、あは、あはは……」
苦しい言い訳をしやがって……
この流れで上っていやぁアレしかねぇだろうが。
「下着の上――すなわち、サイズの合うブラジャーがないから狩りに行けないんだな!? つまりお前は今、ノーブラだ!」
「『いやん、エッチ』」
「しょうもないことしなくていいから!」
俺たちを非難するエステラ。
貴様にその資格があるのか!?
「エステラだって、『かっぱかぱの上しかな~い』っていつも言ってるだろうが!?」
「言ってないよ!? 口にすると負けだと思ってるからね!」
「……お前らさぁ、遊ぶんなら帰ってくれねぇか?」
さっきは乗っかってきたウッセが手のひらを返していい子ちゃんぶりっこだ。
じゃあ、核心に触れるか。
「確か、ここって支部なんだっけな?」
「…………」
ウッセの眉間に深いしわが刻まれる。
その顔は『イエス』だな。
「で、確か、本部が四十一区にある……」
「…………」
ウッセの眉間が語る。『イエス』
「そいつらがなんかしてきやがったな?」
「…………っ!」
ウッセが堪らずといった感じで顔を背ける。
唇を噛み締めている。
その表情は『イエ……』いや、この角度から見ると羞恥に身を震わせているように見えなくもない……もしかしたら『いやん、エッチ』の可能性も……
「もしかして、お前……本部のヤツに、口にすることも憚られるような卑猥なことされたのか?」
「されてねぇわ! お前、やっぱバカだろう!?」
「なんだい、ウッセ。今頃気が付いたのかい?」
「あぁ! もういい! 分かったよ! 全部話してやらぁ! おい、お前ら、ドア閉めて外見張っとけ!」
「「「ヘイ!」」」
どこかのタガが外れたように、ウッセは大声を上げ椅子の背もたれに身を預けて大きく体を仰け反らせる。執務机にドカッドカッと足を載せ、ガラの悪いヤクザの若頭みたいな雰囲気を醸し出す。……いや、ガラのいいヤクザの若頭とか見たことないけどな。
ギルド構成員がすべて捌け、執務室には俺たち三人だけが残った。
ドアが閉じられると、妙に圧迫感のある部屋になる。
「……お前の言う通りだよ」
ドアが閉じられ、しばらくした後、ウッセが低い声で呟く。
「……そんな卑猥なことを…………っ」
「違ぇ! お前一回脳みそ取り出して河原で洗ってこい!」
「そんなことしたら、川下がみんなお味噌汁になるだろう!?」
「なるかぁ!」
執務机を蹴り飛ばしてウッセががなり立てる。
ちょ~こわ~い。
相変わらず顔の怖い男だ。知り合いじゃなかったらおちょくれもしないところだ。
「なぁ……こいつは頭がいいのかバカなのかどっちなんだよ? マジで理解出来ねぇんだが」
ウッセがげんなりした表情でエステラに問いかける。
バカヤロウ。頭がいいかどうかの前に顔のよさを褒めろっての。
「要するに、魔獣のスワーム討伐に、本部から待ったがかかったってわけだね」
「あぁ……そうだよ」
「理由は?」
「…………聞かされてねぇ」
「……本当に?」
「ここまで話したんだ。今さら何を隠す必要もねぇよ!」
完全に開き直ったウッセが、執拗に問い詰めるエステラを睨む。
その目の中に真実味でも見出したのだろう、エステラが困った顔で肩をすくめた。
「どう思う、ヤシロ?」
「考えられるとすれば……」
マグダの狩ったボナコンを『四十二区の手柄』と考え、これ以上『四十二区の狩猟ギルド』に手柄を立てさせたくない、とか?
でなければ、……あぁ、まさか…………
「俺らを通さず勝手なことするな的なしょっぼい話か?」
要するに、金が動きそうなので一枚噛ませろと……
確かに、四十二区内の魔獣討伐を請け負うために派遣されている支部だと考えるなら、外壁の外にいる魔獣討伐は管轄外と言えなくもない。
そうなった際、「そっちで勝手に編成決めてんじゃねぇよ」と本部が言ってくる可能性も無いとは言えない。
もしそうなのだとしたら……
「紹介料を払えってことか?」
「知らん」
不愛想にウッセが吐き捨てる。
こいつも理不尽な本部の命令に腹を立てているのかもしれない。
「お前ら、本当は魔獣のスワームを討伐したかったんだろ?」
「…………あぁ」
「それなのに、突然本部から待ったがかかった」
「……そうだよ」
「しかも、詳しい理由は告げられていない」
「おう」
「おまけに、圧力までかけられた……」
「ったく、冗談じゃねぇよな。逆らえばギルドから追放だなんてよ!」
「……あぁ。酷い話だな」
ウッセは気付いていない。
こちらが得ていない情報をぽろりしてしまったことを。
本部からの圧力か。
魔獣のスワーム討伐を邪魔する正当な理由などない。
考えられるのは名誉か金銭面くらいか……
まさか、狩猟ギルドが四十二区を破壊するために呼び集めた魔獣たちってことはないだろうし……
「街門が出来れば、俺たちは仕事が格段にしやすくなるんだ。出来ることなら協力してぇさ! だが、そうすれば街門が出来る頃には俺たちは失業者だ。出入りしやすい門があっても、狩猟する許可が下りなきゃ意味がねぇ…………くそっ! 何か俺らに恨みでもあんのか、本部の連中は!」
ウッセとて、納得しているわけではないようだ。
ってことは、上を納得させられれば、魔獣のスワームを討伐することは出来そうだな。
やれやれ。魔獣の前に人間を討伐する羽目になるとはな。
「エステラ。狩猟ギルドのギルド長にコンタクトは取れるか?」
「コネが無いなぁ……まぁ、不可能ではないんだけど……」
ものすご~~~~~~~~く嫌そうな顔をする。
よほど取りたくない打開策があるようだ。
打開策があるなら無理にでも取ってもらうけどな。
「全区を股にかけるギルドは一定以上の権力を有しているってのは、前に話したよね?」
「木こりギルドの時に聞いたな」
区内で収まるギルドとは違い、全区にまたがって活動をするギルドは区をまたぐ関係で全区の領主の承認を得てギルドを設立している。
それ故に、どこか一つの区がそのギルドに強引に干渉することは出来ないのだ。
それを認めると区同士の戦争に繋がるからな。
「狩猟ギルドは、そんな全区を股にかけるギルドで、権力……まぁ、発言権と言い換えてもいいけど……そういうのが結構強いギルドなんだ」
肉は全区で食うからな。
しかも、魔獣の肉は品質が良く、そのため牛や豚、鶏といった日本でお馴染みの食肉はシェアのほとんどを魔獣肉に奪われている状況だ。魔獣肉が手に入らなくなることは食生活に大きな打撃を与えることになる。
どの区の領主も、狩猟ギルドにはあまり逆らいたくはないだろう。
「それで、そんな発言力を持ったギルドが本拠地を決める決め手はなんだと思う?」
「街門か?」
木こりギルドがそうだった。
よく使う街門があるからという理由で四十区に根を下ろしている。本来の位よりも落ちる区であるにも関わらずだ。
「狩猟ギルドも似たような理由から、四十一区にいるんだよ」
マグダと狩りに行った時に通った街門だな。確かに、あの門から出れば魔獣の住む森はすぐそこだ。
「……で、そういう発言権の強いギルドを、領主は手放したくないと考えているから、色々融通をするよね、普通に考えて」
「いるだけで利益が出るからな」
四十区で言えば、木こりギルドのおかげでトルベック工務店、それに釣られたラグジュアリー、さらにそれに釣られた貴族や富豪が集まってきている。そして、それらが集まることで新たな産業が生まれ活性化していく。
メリットだらけなのだ。
「そうなれば、おのずと領主と発言力のあるギルド長は懇意になっていく」
「まぁ、仲良くしておいて損はないからな、お互いに」
四十区の領主デミリーと、木こりギルドのギルド長ハビエルは親友と言うくらいの仲だ。
「…………はぁ」
そこでエステラは盛大なため息を吐き、苦虫を噛み潰して大量に滲み出してきた苦い汁をソムリエのような感じでテイスティングでもしたかのような表情を浮かべる。
すげぇ、嫌そうな顔。
辞書の『嫌そうな顔』って項目に参考画像として載せたいレベルの嫌な顔だ。
「だから、四十一区の領主に話をつければ狩猟ギルドのギルド長に話を通してもらえるかもしれないよ」
「……よく分かった。お前はその四十一区の領主を蛇蝎の如く嫌っているわけだな」
エステラがここまで嫌うようなヤツだ。どういう人種の人間か、見なくても分かる。
「あ~ぁ、なるべく接点を持たないように生きていたのに……人生ってままならないよねぇ~」
ちょっとやけくそになっている。
そんなに嫌なのかよ?
まぁ、隣り合う区の領主同士だ。何かといざこざがあったのだろう。
幼少期からの植えつけられた負の感情は大人になっても解消されるどころか、時間が経った分複雑化して修復不可能になるって言うしな。
まぁ、あり得るな。
けどまぁ、過去のいざこざよりも目の前のトラブルだ。
「んじゃまぁ、エステラ。早速アポを取ってくれるか、その四十一区の領主ってヤツにな」
いつもありがとうございます。
その日――
私はいつものように自宅に帰りました。
仕事で疲れた体は重く、歩くのも億劫で……胡坐をかいて念じれば10センチくらい浮けないかなぁ……なんて、日本人なら誰もが考えるようなことを考えながら自室に入り、デスクの前に座りました。
PCの電源を入れると、聞き慣れた起動音が鳴る――『お兄ちゃんお帰りなさい! 今日も一緒に頑張ろうねっ』――ちょっと、やる気が出る。あぁ、ちなみにCV:玄田哲章。
小説家になろうにログインするとホームに赤い文字が二つ……
『新着メッセージがあります』
クリックすると、差出人と件名が空白のメッセージが。それを開くと……
クライ クルシイ タスケテ ココ カラ ダシテ イヤダ コワイ クルシイ
アツイ イヤ ヤダ ヤダ ヤダ ヤダ ヤダ ヤダ タスケテ ダレカ ココ
カラ ダシテ ダシテ ダシテ ダシテ ダシテ ダシテ ダシテ ココ カラ
ダシテ タスケテ クライ イヤダ アツイ アツ アアアアアアアアアアアア
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
それはさておき、
もう一件のメッセージが――
『新しいレビューが書かれました』
わっほ~い! またしてもレビューを書いていただきました!!
思わず胡坐をかいて15センチくらい浮かび上がっちゃうほど大喜びです!!
ついに、ついに、
レビューが、10件です!
×34をすれば340件です!(なぜ×34をしたのかは謎です!)
ありがとうございます。愛が、温かいです。
今回の方は約一月ほどかけてわっしょいわっしょい最新話まで追いついてくださった方です。感想返し大変そうだなぁって気遣ってくださったりする優しい方です。(でも感想返し楽しいんですよ。多い時は返信短くなっちゃって申し訳ないですけども)
改行とスペースを駆使して視覚的に楽しい感じになってます。「何が12000!?」と思わせてから文章を読ませていくという手法もさることながら、短いまとまりごとに伝えたいテーマが明確に記されていて、読み手側を意識した巧みなレビューだなと思いました。
ラストの「ニヤリとしたくなる」が、本作にピッタリな一文だなと。半笑いくらいの気軽さで読んでいただけるのがありがたいですね。
みなさんのレビューを見ていると、ピックアップされる箇所が少しずつ違って、「あぁ、そういうところを見てるのかぁ」と新鮮な驚きと発見がありますね。
非常に贅沢な幸福感をいただきました。
どうもありがとうございました!!
※ちなみに、玄田哲章さんは上記のようなお仕事はされておりませんのであしからず!
――朝。ヤシロの部屋。珍しく寝坊するヤシロ
ジネット「ヤシロさん。ヤシロさん。起きてください。朝ですよ」
ヤシロ「……ジネット……もぅ~、おっぱいで俺の肩を揺するなよぉ……」
ジネット「手ですよ!? これは、手です!」
ヤシロ「…………あと五分……」
ジネット「そうですか? では、もう五分後に、改めて起こしに来ますね」
ヤシロ「……むにゃむにゃ……」
――五分後
マグダ「……ヤシロ。五分経った。起きるべき」
ヤシロ「んん……マグダか…………」
マグダ「……店長が揚げ物を始めたため、勅令を受けた」
ヤシロ「…………あと五分」
マグダ「……起こすように言われてきた」
ヤシロ「そこをなんとか……(耳、もふもふ)」
マグダ「……むふー! ……仕方ない。では五分後にまた刺客を送る」
ヤシロ「……むにゃむにゃ……」
――五分後
ロレッタ「どーん! お兄ちゃん、起きるですよー!」
ヤシロ「ふん!」(枕をロレッタの顔面に「ばしー!」)
ロレッタ「……い、痛いです……」
ヤシロ「起こす時は静かに、優しく、そしてちょっとエッチに! この鉄則も知らんヤツには起こされたくない! むにゃむにゃ!」
ロレッタ「寝言ですか、今の!? ……うぅ、では、出直してくるです」
ヤシロ「……むにゃむにゃ……」
――五分後
ベッコ「ヤシロ氏……起・き・て、で、ござごふぶりゅあっ!」(顔面に照明用ロウソク・直径10センチの極太が「ゴスッ!」)
ヤシロ「…………」
ベッコ「……む、無言で、凶器を……全力投球とは…………無慈悲でござる……やはり、女性でないとダメでござるか……出直すでござる」
ヤシロ「……むにゃむにゃ……」
――五分後
エステラ「ヤシロ。いい加減に起きなよ。まったく、ボクまで駆り出されるなんてね……力づくでも起こすからね」
ヤシロ「……むにゃむにゃ……」
エステラ「むにゃむにゃじゃないよ。起きるんだよ。ほ~ら、シャキッとして」
ヤシロ「……むにゅむにゅ……」
エステラ「言い方変えてもダ~メ!」
ヤシロ「……無乳無乳……」
エステラ「……永遠の眠りにつきたいかい?」
ヤシロ「もっと優しく起こしてくれなきゃ起きないぞ、俺は。……今のは寝言、むにゃむにゃ」
エステラ「……じゃあ、どうしろって言うのさ?」
ヤシロ「おはようのチューでもしてくれ」
エステラ「ぅええっ!?」
ヤシロ「……(ふふふ、エステラには到底出来まい。これで、あと一時間は眠れるぞ)」
エステラ「…………分かった」
ヤシロ「(なにっ!?)」
エステラ「じゃあ…………」
ヤシロ「(マ、マジでか……?)」
エステラ「ベッコとウーマロ、好きな方を選んでいいよ」
ヤシロ「さ~って、起きちゃおっかなぁ!」
美女が代わる代わる起こしに来てくれる日常って……どこに売ってますか?
次回もよろしくお願いいたします。
宮地拓海




