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転生先は現人神の女神様  作者: 子日あきすず
ファーサイス 新年祭
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58 学園の今後

ファーサイス王城の一室。

大国の王が集まり、改めて軽い挨拶と、アエストの謝罪を済ませ本題へ入る。


「それでですね、我が国としては資金面と資材面が既にカツカツでして、学園に回す余裕が無いのです。そこでこの際なのでテクノス、ファーサイス、アトランティスの中央側にある何処かに学園を移動できないかと思いまして……」


アエストとマーストは東と西から攻め込まれる可能性が無くもない。その為攻めづらい位置に置きたいようだ。


「今回少ないにしても子供達に被害がでていますからね……。ファーサイスの彼らがいなかったらもっと悲惨だったでしょう……」

「ふむ……。要件は分かったがうちに学園は難しいな……。我々ドワーフは酒をよく飲むし、何より場所が場所だからな」


北にあるテクノス技術大国。ドワーフの国は山に出来ている。

学園の様な広い土地を確保するのは少々厳しいだろう。

寒いし雪も積もる。


「うちはまぁ、可能ではあるが……位置的には中央にあるアトランティスが良いのではないか?」

「土地はあるし可能だけれど、パーティーの最中に考えていた事を言っても?」

「いい案あるのか?」

「言うだけはタダだし? まず今あるのが経済法科、武闘、魔法の3学園だったわね?」

「そうですね」


やることは簡単だ。

前世の学校のようにしてしまえばいい。内容はこちらの世界に合わせてな。

とは言え学校関係者でもなんでもないので経営面は知らんが、別にそこまで真似る必要もないしな。と言うかそこまで真似するのは不可能だ。

とりあえず必要だと思えるのは……。


経済法科

戦闘科(武闘・魔法を中で分ける)

職業科(所謂専門学校)

後は執事・侍女科何かあっても面白いかもしれないな。


これに合わせて何個か学園を作り、学園に入ってから更に分かれる。

戦闘科は戦うもの達が集まるが、その中でも武闘を学ぶのか魔法を学ぶのか別れ、冒険者なのか、はたまた騎士を目指すのか別れたりだな。


それに折角生産ギルドなんて物もあるんだ。専門学校とてやれるだろう。

料理、調合、鍛冶、裁縫沢山あるぞ。

ギルドメンバーに教師をさせるも良しだ。他人に教えるというのは教える側も結構勉強になる。とは言え、教えるにしても得意不得意があるからやりたい奴にやらせればいい。

生産じゃないが専門学校として商人を放り込んでもいいな。

後は農業などもぶち込めばいい。


この世界に総合科は必要ないだろう。大体が継ぐからな。

広く浅く学んだところでしょうがない。基本的に特化しないと生きづらいんだ。


「という事で経済法科、戦闘科、職業科と分け直し……今学園は10から15だったわね。6から10ぐらいの学園も作りましょう」

「6歳からですか?」

「小さいうちから簡単な計算や体の動かし方を教えるのよ。後その中で経済法科、戦闘科、職業科の見学をさせたりね。興味を持ったら卒業後移ればいい」

「しかし、金はどうする? 払えない者も当然いるぞ?」

「6歳から10歳のは国が出してもいい。10から15は今まで通りの方がいいかもしれないわね」

「学園ができればそこに集まるだろうし、各国が出せばいいのか。10から15は今まで通りの方がいいだろうな。不満がでかねん」

「ところで、学園生って他の国はどうなってるの?」

「ここにいない国か。いないわけじゃないが少ないぞ」

「そもそも『子供達にちゃんとした教育を』ってのは中央特有みたいなものだ」

「そうですね。基本的に中央4国です」

「国で出す場合他国はどうするかと思ったけど、そこまで心配はなさそうね。てきとーに金取ればいいか」

「うむ。反対する理由は無いし、学園を分け直すと言うのは賛成しておこう」


特に問題なく話は進むが、問題は場所である。


「それで場所だけど、アトランティス(うち)に建てるのはいいけど、他は無理よ?」

「他?」

「主に人材」

「あー」


そう、アトランティスは人材不足である。と言うか人がほぼいない。

ギルド関係者ばっかりだ。


「南西側を丸々学園地区にでもしましょうか。現状一切使ってないし。南東は商業地区。北西は空き。北東はギルド地区ね。ダンジョンも北東だし」

「人材についてはうちが……と言うか、元々職員だった者達を移させて頂ければ」

「ギルドにも話を持ち込んでみましょうか。税を少し学園に回して…………」


大国の王が集まっているので、今のうちに細かい話を決めておく。

王が集まるなんて軽くできることじゃないからな。内容的にも早い方がいいし。


大体の事は話が纏まった時、ふと思った。

アエストの王に説明してもらおうか。


「ところで、現状学園生はどういう状態?」

「ああ、今はー……というか学園は基本うちの民……つまりアエストの者じゃない限りは寮に住んでいる訳ですが、今の時期はお休みでそれぞれの国へ帰っています。何らかの理由で国へ帰っていない者はずっと寮ですね」


ふむ、そりゃそうか。

バスや電車なんて物は無いし、この世界じゃ住んでる場所が違うと移動は数日、下手したら数週間レベルだ。

家に帰りたくない者や、休みのうちに往復できる距離じゃない者とかはお留守番になる訳だな。

となると、寮はなるべく良い物にした方がいい……か。

大浴場は当然としてプールも作るか? でもこの世界じゃプールは微妙そうだな。

泳ぐ事がある者は自然と覚えるし、それ以外はそもそも泳ぐ場所が無い者だからな……。枠だけとっとけばいいか。


「開始はいつから? できればそれに間に合わせたいわね……」

「おいおい、そんなすぐに……できるな。そういうやつだった……」

「他にもやりたいことあるから、一週間は欲しいわねー」

「余裕で間に合う。この時期は休みが長いからな。開始は2月だ」

「一月ちょっとの休みね?」

「そうなる」


今は1月3日。まだ一月程は休みか。ふむ、余裕だな。

となると急がなくていいから……フフフフフ。

【武闘】や【魔法】訓練用の校庭は結界を張るか。後学園自体も新しいセキュリティーゲートで囲んで、学園関係者しか入れないようにしてやろうかな。

いや、少し変えるか。流石に壁を作ると見た目上問題がある。その辺り結構気にしているんだ。私の家がある中央を囲っている結界を少し改変したやつでいいか。


「じゃあ2月までに作っておくわ」

「我々は民に知らせを出して、アエストではなくアトランティスへ行くようにしないとな」

「よろしく。……それと、今寮にいる者達は寮ができたら迎えに行くわ。すぐにお引っ越しできる様に準備させておいてくれる?」

「分かりました。伝えておきましょう」


こんなところかな?

そろそろヴルカン辺りが飽き始めてるから撤退するか。


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