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ホラー系乙女ゲームの悪役令嬢はVtuberになって破滅エンドを回避したい  作者: 古森きり@書き下ろし『もふもふ第五王子』


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橋の逆入口浄化


 秋月の言葉をそのまま(すぐる)に伝えると、「参考にします。明日からランニング始めてみます」と素直に受け取ってくれた。

 他にも霊能力開花のために私の修行に同行するのはいいことだから、と言われる。

 強い霊能力者と一緒にいることでチャンネルの波長が合いやすくなるのだ。


「今日は貴重なお話、ありがとうございました」

「気をつけて帰ってくださいね」

「はい。また明日、よろしくお願いします」


 とりあえず明日また、橋の反対側の浄化に向かう。

 前回は大離神(おおりかみ)日和(ひより)にめちゃくちゃにされてしまったけれど、今度こそ自分の力で浄化してやろう!

 精神修行をして『殺られる前に殺れ』精神を叩き込まれた私は強いわよ!




 翌日は朝十時に橋の反対側入り口に待機。

 間もなく(すぐる)が車で現れる。

 ――日和(ひより)とともに。


「え、あ……お、大離神(おおりかみ)日和(ひより)さん……本日も、ですか?」

「も、申し訳ありません、お嬢。どうしても同行させろと言われて……」

「ど、どうもー!」


 日和(ひより)がまたも参戦してキタァーーー。

 なんで?

 前回私結構きつめに怒ったと思うんだけれど。

 (りん)の方を見ると、困ったように微笑まれる。

 まあ、ね。(りん)に訴えても仕方ないもんね。

 私が断らないと。


「あの、前回ご注意をお願いした点を守っていただけないようなら、撮影の邪魔にしかならないので、ご遠慮お願いしたいのですが」

「わかっている!」


 ほ、ほんとかぁ?

 胸をドン、と叩いて、少し焦ったように「今日は邪魔しない。もし危険が迫ったら鈴でフォローするだけにする!」とギターではなくお鈴を差し出してきた。

 前回は持ってきていなかったし、私が持っている学校支給のものではない。

 透明度の高いガラスのようお鈴だ。

 これ、前に御愚間(おぐま)家のお店で使わせてもらった霊石100%使用のお鈴じゃない?

 よく壊さずに持っている。

 霊石は霊力を通して持って使うと壊れないとか説明を聞いた気がするが、それを維持してリンリンリンリンめっちゃ鳴らしているのがやばい。

 霊石100%のお鈴をあれだけ鳴らしているのがもう、日和(ひより)の霊力量のヤバさを表している。

 うーん、まあギターを持っていないから今日はいいか?

 様子を見るのも兼ねて……(りん)の友達の弟、ってところだしね。


「わかりました。それなら……今日は様子を見ます。あくまでも監督役で、危険を感じたらお鈴で合図してください。撮影を一時停止して、お祓いに注力しますので。その際はお力をお借りしたいです」

「も、もちろん! なんでも頼んでほしい! なんでもやる!」

「は、はあ……」


 なんか大袈裟に受け取られたなぁ。

 まあいいか。

 撮影とお祓いの準備を進める。

 私は学校支給のお鈴と経本、お香と聖水と数珠を出す。

 (りん)はカメラで撮影。

 (すぐる)はお祓いグッズをそれぞれ準備。

 で、日和(ひより)はお鈴を持ったまま佇む状況。

 よし、今日こそ一人で橋の浄化をするぞ!


「では始めますね」


 よろしくお願いします、と(りん)たちの方に一度頭を下げ、次に橋の方にも頭を下げて数珠を鳴らしながら手のひらを擦り合わせる。

 経本を持って、そこに霊力を込めた。

 まだ朝方だし、霊の数は少ない。

 悪霊の気配も弱いが、中心部に確かに強い気配を感じる。

 よ、夜じゃないのにこんなに強い嫌な気配を漂わせるって、マジで橋の悪霊ヤバいな。

 まあ! 今の私は超絶戦闘態勢!

 特に精神!

 言うことを聞かない喧嘩売ってくる霊は問答無用で祓ってやる!


「〜〜〜〜」


 お経を読み続けると、悪意のある霊は中心部に逃げて行く。

 おいおい逃げてんじゃねぇよ。

 私がお前らみたいな悪い思想の霊は浄化して昇天させてやんよ!


「――――ふう! 終わりました!」

「なんか、前回怒られた理由がわからなくなるぐらい力強いお経だったね」

「はい、私パワーアップしたので!」

「な、なるほど……?」


 というわけで橋の入り口の浄化はスムーズに終了。

 私、本当に強くなったと思わない!?

 日和(ひより)には『解せぬ』という表情。

 確かに前回だいぶ強制的に浄化していたものね。


「それにしても思いの外早く終わってしまいましたね。もう少し中心部まで浄化を進めてみましょうか」

「いいと思うよ。君がこんなに強くなっているとは思わなかったし! 時間帯も明るいし、陽の気に満ちている。敵が弱っている間に一気に畳み掛けるのは、結界の外でも定石だ」


 へー、そうなんだ。

 いや、まあ普通はそうだよね。

 敵がわざわざ強くなる時間帯に挑む必要はないに決まっている。

 むしろ、弱体化している時に行って一気に押し出す。


「そういえば日和(ひより)さんは結界の外に出たことがあるのですよね? どんな場所なのですか?」


 これはちょっとした好奇心。

 日和(ひより)はキョトンとしたあと、私に「結界の外に興味があるの?」と首を傾げてくる。

 ええ……? なんでそんな反応なの?

 霊能力者を育成して結界の外に出し、領土を取り戻すのが国の政策なのでは?


「将来的に行かなければならないと聞いています」

「確かにそうだね。いくら俺が安倍晴明の生まれ変わりの超天才陰陽師であっても、一人で世界の半分を元に戻すのは難しい」


 そこまでは言ってないんだけれども……。


「結界の外は過酷だよ。水道も電気もない。それらのものが整っている“拠点”がいくつかあるから、そこを中心に結界を張って昼の間に穢れの土地を浄化して祠を建てる。祠を建てたらそこを中心に結界を張って、安全な土地を拡げていくんだ」

「それは聞いたことがあります」



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