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ホラー系乙女ゲームの悪役令嬢はVtuberになって破滅エンドを回避したい  作者: 古森きり@書き下ろし『もふもふ第五王子』


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夏休みの宿題!(1)


 翌週から夏休み。

 とりあえず朝の日課、海で禊は欠かさず行う。

 頭がすっきりするし、霊力が高まる心地よさを感じながら(りん)の作った朝食を食べる。

 なにがびっくりしたって、この世界の夏の平均最高気温27度!

 涼しい!

 いや、(りん)に言わせると27度って普通に『暑い』らしい。

 前世なら平成初期の最高気温。

 って、ことは前世はいったいなにをどうしてあんなクソ暑い夏になっているのだろう。

 解明されて扇風機で過ごせる心地のいい日本の夏が戻っていることを祈る。

 湿度の高い日本が暑いのマジ命にかかわるもんね。

 

「朝食を食べ終わったら私は夏休みドリルをやろうと思うの。(りん)はなにか予定はある?」

「あ、はい。宿題を一緒にやろう、と稲穂(いなほ)さん――大離神(おおりかみ)さんに誘われておりますので、行ってこようかと。そのままお夕飯の買い物をして帰りますので、今日一日は留守にいたします。携帯電話を持っていますので、なにかありましたらお電話くださいね。すぐに帰ってまいります!」

「お友達とお勉強会なのね! 素敵! がんばってきてね!」

「ありがとうございます! がんばってまいります」

 

 本当にいいことだわ。

 (りん)にお友達ができて、しかも夏休みに一緒に勉強してくれるなんて。

 ……むしろ私は半年通って真智と十夜しか友達ができなかったなぁ。

 同性の友人ってどうやったらできるんだろう?

 前世小学生の頃は友達もいたはずなんだけれど、なにが怖いって女児ってまだ理性が強いわけではないから小学生の頃の女児派閥作りってえげつないんだよね。

 多分、うちのクラスにある女児派閥。

 女児の数的に三つくらいは派閥ができていると思うけれど、絶対その派閥すべてからハブられているよねぇ。

 女友達と遊んでいる時間がないから仕方ないというか、(りん)がいるから別にいいかなぁ、っていうか。

 だから(りん)がお友達と一緒に夏休みを過ごすのは実を言うとちょっと寂しい。

 もちろん邪魔するつもりはないけれどね。

 私の場合はやはり十二年後に生き延びられるかどうかだ。

 まだ見ぬ『宵闇の光はラピスラズリの導きで』の主人公が修行をできない人だったら世界が滅ぶしね!

 そうなるくらいだったら私や攻略対象が成長して、自力でバッドエンド回避した方が確実。

 その点で言うと今の時点でなんともならない、自力でどうにもできない感じの(すぐる)日和(ひより)はとりあえず注意喚起するしかない……のかなぁ?

 (すぐる)は『変な呪具を受け取らないように』みたいに言えばいいのかなあ?

 言って聞いてくれるだろうか、という不安はあるが、修行して早々に能力開花すれば呪具に対しての対処も可能になるはず。

 つまり、(すぐる)は今から頑張れば破滅エンド回避ってこと?

 それならだいぶ私のやる気もアップだな。


「それじゃあ、行ってきます」

「行ってらっしゃい」


 (りん)を見送ってから自室に戻ってドリルを開く。

 さすが小学一年生の問題。

 漢字ドリル部分は数字の『一、二、三』とかだし、練習内容はほぼひらがな。

 算数も足し算、引き算、最後に少しかけ算。

 音楽では音符の読み方。

 私が小学校時代になかった学科、生活科なるものは『朝何時に起きて、朝にやることはなんでしょう?』とか『横断歩道で青信号になりました。渡る時にすることはなに?』とか『お箸の持ち方の正解はどれでしょう?』とか。

 ほげぇー。

 なんかこういう、一部では家庭で教えるようなことも学校で教えるようになっているのか。

 っていうか、改めて客観的にお箸の持ち方はどれ? って言われると悩むな。

 鉛筆を二本持ち出してきてお箸を持つように持って、ドリルの絵と比べて丸をつけるけど……これ間違ってたら恥ずかしいなぁ……!

 そう思いながらサクサクと問題は解いていくのだが、生活科だけは一番悩んだかもしれない。

 こんなに難しいとは思わなかった。

 私の常識ってちゃんと合ってるのかな?

 不安だ……。


「なにをしているんだい?」

「わ、わあ! 秋月……! びっくりしたー!」


 突然後ろから声をかけられて、集中していたから跳ね上がってしまった。

 机に膝をぶつけて赤くなったところをふうふうしていると、秋月には「ごめーん」と軽い感じに謝られた。

 ぐぬう。


「で、なにをしているんだい?」

「夏休みの宿題だよ」

「夏休み……!? もうそんな時期なの? 人間の時間早いなあ」

「あ、あとね。橋の入り口を浄化してきたんだけどね――」

「うんうん」


 橋の入り口の浄化は私ではなく日和(ひより)がやった。

 私一人では確かに厳しかったけれど、時間をかければ私にだってできたはずなのに。

 なんて文句を言っても仕方ない。

 橋の反対側の入り口の浄化は日和(ひより)を誘わずにやろうと思う。


「なるほど、君でも厳しいと感じたのか」

「うん。でも、できたとは思うの」

「連れがいる状態で『できたと思う』というのは危険軽視だよ。大離神(おおりかみ)家の天才児か。あの家と安倍家は定期的に晴明の生まれ変わりのような者が生まれてくる。その者が危険と判断して手を出してきたのなら、多分本当に危険だったのだと思うよ」

「う……そ、そうか……」


 確かにそうだよね。

 (りん)は霊力があるけれど、除霊方法とか浄化方法とか知らないもんね。

 それに、あの時は(すぐる)もいた。

 侮って被害を出したら子どもとはいえ許されない。

 実家に強制送還。

 からの呪具人形ルート確定……!



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