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ホラー系乙女ゲームの悪役令嬢はVtuberになって破滅エンドを回避したい  作者: 古森きり@書き下ろし『もふもふ第五王子』


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熱いぜ、一夜さん


 力説する一夜さんにポカーンとしてしまう。

 あ、ああ、な、なるほど……?

 女性になりたいのではなく『自分の理想の美少女になりたい』ってことなのかな?

 そうだね、なんか、わかる。

 理想の自分の姿って誰しも持っているもんね。

 私も祈祷師系Vtuberとして、自立した自分になりたい。

 多分一夜さんにとっての理想の自分が『アイドル系美少女』なんだろう。

 自分にないものをほしがるのは、割と普通な気がする。

 なんかすごいなあ、今の自分を否定することなく理想の自分を追い求める姿。

 うん、それならまあ、いいのではなかろうか。

 前世でもバ美肉(バーチャル美少女受肉)なんてVtuberも普通にいたものね。

 

「いいと思います! ところで声はそのままいくのですか? それともボイスチェンジャーとかを使って、可愛い女の子の声になってVtuberをやるんですか?」

「もちろんそのつもりだ! 可愛い女の子の鈴を鳴らすような声にも憧れがあるからな! 見てくれ! すでに質のよいボイスチェンジャーを購入済みだ!」

「実際に動くところを見てみたいのですが……」

「任せたまえ!」

 

 というわけで、実際カメラを通して動くのかどうかを確認させてもらうことに。

 すごいドキドキする。

 だってこの世界に初めてのVtuberだよ?

 まさかの一夜さんに先を越される結果にはなったけれど、前世でも『バーチャルワイチューバー』略してVtuberの語源の産みの親はバ美肉した男性だったはずだものね。

 伝説すぎてよく知らないんだけれど。

 ノートパソコンとカメラを接続し、一夜さんの動きに合わせて右に傾いたり左に傾いたりは完璧。

 すごくない?

 プログラミングはズブの素人スタートのはずなのに、たった数ヶ月でここまで動けるようになるなんて。

 愛だわ……愛を感じる。

 いや、執念?

 理想の自分になりたい、という強い想い……!

 めちゃくちゃ素敵なんですけれど!?

 だが、ここまでは最低限。

 次は一番難しそうな表情の動き。

 かなり細かく差分を描いた、と頷きながら見せてくれた表情。

 喜怒哀楽はもちろん、困り顔や驚きの表情、怖がる顔など私のリクエスト通りに作ってくれている。

 やはり少し難しいのか、スムーズとは言い難い。

 言い難いが、前世のVtuberと比べたら、という話。

 Vtuberという存在がまだいない今の人間から見たらとんでもないと思う。

 

「すごい! ちゃんと表情が反映されています!」

「そ、そうか? しかしもっと滑らかな変化の方がいいのではないだろうか?」

「それは追々アップデートしていけばいいのです!」

「なるほど!」

 

 私がいうと、それはもう納得したよう表情を明るくする。

 そんな一夜さんの表情が、パソコン画面の中のウサ耳美少女に反映されてめちゃくちゃ可愛い。

 いや、冗談抜きで可愛いな?

 イラストが元々可愛い系だったのもあるけれど、こんなに笑顔が可愛いと応援したくなるよね。

 私、あんまり女性Vtuber見てないけれど。

 コメットプロダクションのナターシャ様くらいか?

 ……あ。

 

「ところでVtuberといえば『歌ってみた』だと思うのですが、一夜さんは『歌ってみた』を出すご予定は?」

「『歌ってみた』とは……?」

「えっとですね……」

 

 ひとまずライブ2Dを最優先していただいたから、Vtuberでどんな活動をするのかはあまり聞いていなかった。

 私がVtuberになったらどんな活動をするつもりなのかは説明済みだが、一夜さん自身は受肉したらなにをしたいのか聞いてなかった。

 一応私の知っているVtuberの活動内容を提案という形で教えると、かなり食い気味で「やってみよう! 『歌ってみた』!」と拳つきで叫ばれる。

 そうだよねぇ、アイドル系美少女になりたがっていたもんね。

 

「踊ってみたり、ライブしたり、したい!」

「そのためにもまずはそれを実現させるだけの色々が必要ですね!」

「うむ! 目指せ! 武道館ライブ!」

 

 それは正気か? って思うけれどまあいいでしょう。

 なんかやる気出しちゃってるし!

 

「あ、あの! それで……『歌ってみた』にはアニメーションのような映像もあると目立つかなって思うんですけれど……そのイラストを描いていただいたりとか……」

「もちろんだ!」

 

 やったー!

 ……でもさすがに頼りすぎかな?

 お金はもちろん払う気満々ではあるけれど、なんでもかんでも頼みすぎだよね?

 なにか一つくらい自分でもやれることとかないだろうか?

 

「話は聞かせてもらったわ!」

「な! き、貴様は――!」

「あ、五花(いつか)お姉ちゃん」

 

 二階から下りてきたのは新キャラ。

 初めて見た人だが、どうやら十夜のお姉さんの一人らしい。

 右側にお団子のある黒髪美人。

 あと、色々大きい。

 身長も胸もお尻も。

 その割にしっかりくびれがあって、あまりにもグラマラスなモデル体型。

 見るからに自信満々で、ズンズン近づいてくる。

 

「最近仕事部屋に籠りきりでなにかしていると思ったら、面白そうなことしているじゃあないか! あたしにも一枚噛ませな!」

「一枚噛ませろって、お前……いや、もしかしてお前も『歌ってみた』に興味があるのか?」

「ええ、音響オタクとして黙っていられなかった。ボイスチェンジャーで変わった歌声をmixしたらどうなるのか、私の持っている音響機材の出番がついに来たってことでしょう!? 任せろや任せろや」

 

 なんかものすごく自信満々。 

 音響機材ってことは、音楽関係をやっているの?



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