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ホラー系乙女ゲームの悪役令嬢はVtuberになって破滅エンドを回避したい  作者: 古森きり@書き下ろし『もふもふ第五王子』


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大離神日和


 翌日御愚間(おぐま)(すぐる)が連れてきたのは、仏神学校三年生の大離神(おおりかみ)日和(ひより)くんを橋の入口に連れてきた。

 宇宙猫顔になる私。

 お、お、お、お、お、おい。

 う、う、う、う、嘘だろ……?

 攻略対象が攻略対象を連れてくるこのパターンなんなの!?

 あと、私大離神(おおりかみ)日和(ひより)は苦手な部類。

 まさかとはおもうけれど、その片鱗が今の時期からあったりは――。

 

「初めまして、使用人の(りん)と申します」

「あ、初めまして。千頭山せんずやま真宵(まよい)といいます」

「どうもーーーー! 大離神(おおりかみ)日和(ひより)でぇっす☆ よ・ろ・し・く・ね☆」

 

 う、うっぜぇぇぇぇぇぇぇ……!

 瞳の中にも語尾にも星が見える。

 きっしょ~~~~。

 それでも一応、ストーリー公開済みの一角。

 やりましたとも、ちゃんと最後まで。

 苦手だけれど、苦手だけれど……ストーリはマジでよかった。

 こういったらなんだけれど、感動して泣いちゃったまである。

 大離神(おおりかみ)日和(ひより)は陰陽師の家系。

 陰陽師の名士中の名士、安倍家の分家の一つから発生。

 その後独立した流派を名乗り、他の陰陽師の家系からはやや疎遠にされている。

 しかし安部家の派生ながらも独立した流派を極め、継承してきただけはあり『六芒星六家』の上位に位置するほど。

 日和本人も陰陽師としては天才肌で、幼少期から魑魅魍魎を祓ってきた。

 ヒロインを助けようとするが呪い屋の罠に嵌り、怨霊を集めてしまい祟り神化。ヒロインに祓われる。

 問題は日和の浄霊方法。

 それは――歌である。

 お経が書き込まれたギターを手に、ノリノリで歌を歌うようにお経を唱え、式神を操り、広範囲の悪霊を一瞬で浄化、浄霊してしまう。

 十歳の時点で結界の外の前線に行って村一つ分を浄化したという実績持ち。

 そう、いわゆる乙女ゲーの中の『最強枠』。

 マジで強かった。

 ゲームの中でこの人だけ別格の戦闘のやりやすさ。

 日和のストーリーをやっている間、『これ主人公修業する必要ある?』って思ったほど。

 だからこそバッドエンドで日和が“反転”した時、絶望した。

 あまりにも強くて。

 修行していないとバッドエンドのクリアすらできないという地獄。

 ええ、勝てなくてバッドエンドのクリアを『実はここからハッピーエンドになる可能性ない? 日和は強いんだし!』というかすかな希望を胸にストーリーを初めからやり直したくらい。

 うん、普通にバッドエンドでしたよ。

 死――。

 普通に死んだよね、日和も、ヒロインも。

 そう、他の攻略対象なら死なないところ、日和は死んだよ、ヒロインも。

 なんなら世界も滅んだよ。

 今なら世界観的にも結界の中で反転巫女級の霊能者が反転したらそらそうなるやろ、ってわかるけれども。

 さすがにゲームの中だからって世界滅亡まで行くのはやりすぎだろって思ってたなぁ。

 しかし、それはそれとしてやはり通常の日和は普通に強い。

 歌を歌って浄霊する陰陽師ってなんだよって思うが、なにをさせても喧しく、かつなんでもできる超有能天才児日和は性格と喧しさで好感度調整をしてもなお、あまりの頼もしさに胸キュンする気持ちはよくわかる。

 それに、歌で浄霊を行うのは歌手を目指しながら陰陽師業も行っていた父親を尊敬していた故、というエピソードでも泣かせてくるんだよ。

 そのお父さんは結界の外で悪魔に集団で襲われて帰らぬ人となり、父が愛用していたギターをお経で補強、強化。

 圧倒的な歌唱力で広範囲の悪霊悪魔を、有無も言わせず浄化する。

 なお、ストーリー上では霊媒師――霊と対話をして自分の意思で成仏することを推奨している十夜と仲が悪いというか、ちょっとピリピリな関係だったんだよね。

 日和は悪霊悪魔ごと、近くの浮遊霊も地縛霊も関係なく浄化、浄霊して成仏させてしまうからね。

 マジ、超力ずくタイプ。

 だから、今、ものすごーーーーーーく、不安です、私。

 

「あ、あの、大離神(おおりかみ)って……」

「はい、六家二位の大離神(おおりかみ)家の嫡男様です。同じピアノ教室なんですよ」

「ピ、ピアノ教室!? (すぐる)くんってシュウジ習っているんじゃなかったの!?」

「ピアノも習っています。あとスイミングと柔道と剣道」

「色々習ってるぅんだね!?」

「はい。そういったところで情報収集と人脈を広げて商売の役に立てと……父に」

 

 ああ、御愚間(おぐま)家は本当に商売特化なんだ。

 御愚間(おぐま)本家には優秀な霊能力者もいたはずなんだけれど、本家や宗家以外は完全に切り離して考えた方がよさそう。

 (すぐる)は霊能力者になりたいのに、家族は商売人として育てたい感じなのか。

 それじゃあもしかしたらいつかそのことで家族と衝突してしまうこともあるかもしれないな。

 そうなったら仕方ない。

 (すぐる)の判断――夢への熱意に関わる。

 そればっかりは、その時の(すぐる)の気持ちによるよなぁ。

 親と戦うのは……しんどいもんね。

 だからその時が来たら私もできることをしてあげたいな。

 

「よし! それじゃあ……」

「待ってください! あの、この橋の浄化は私の家から出されている課題みたいなものなので私にやらせてください! 日和さんは、あの、監督役みたいな感じで見守っていてください!」

「えー」


 不満げ!

 (すぐる)にこの人しっかり見張ってて~!






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