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ホラー系乙女ゲームの悪役令嬢はVtuberになって破滅エンドを回避したい  作者: 古森きり@書き下ろし『もふもふ第五王子』


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家の話(2)


「いいえ、そういうわけではないのです。あなたがそのようなことをおっしゃる必要はありません。ただ、最近の千頭山(せんずやま)家は『六芒星』の総会にも多忙を理由に出て来られなくなりました。その影響であるのか、都の結界が各地で弱まっている。わかる範囲でいいので、千頭山(せんずやま)家の現状を教えてはもらえないだろうか?」

「えっと……家の恥となるようなことなのですが……」

「他言しないと名前に誓おう」

 

 名前に誓う。

 それなら安心なのかな。

 胸を撫で下ろしつつ、日頃の恨みもあるので鬼ババアとマザコン親父のことを話すことにした。

 もー、アイツら最悪でしてねー。

 

「――なるほど、そんなことになっていたんですか。それは……なんというか」

「おれ、話聞いた感じ真宵のばーちゃんととーちゃんは悪魔か悪霊に取り憑かれてるんじゃねぇかって思うんだけど」

「礼次郎さんはわからないが、菊子さんは悪魔に乗っ取られていそうだね」

 

 悪魔に――!

 あの鬼ババア、ただ元から性格が終わってるわけじゃないんだ?

 まさか本当に……?

 

「その、それ、取り払うことは、できるんでしょうか?」

「かなり難しいね。本人……というか、中身の悪魔が全力で拒絶するだろう。我々宇治家(うじいえ)に任せてもらえれば三時間で悪魔を祓うことは可能だが……」

「なにか難しいの? 叔父さん」

「さっきも言ったが、我が宇治家(うじいえ)家は『六芒星』で家格が一番下なのです。家格を前に出されると、我々はなにも言えなくなります。なにより、現当主の菊子様に『悪魔が憑いている』などと発言すれば、圧力がかかるでしょう。一族全体に影響が出かねない……」

「わ、我が家は……千頭山(せんずやま)家はそれほど権力の強い家なのですか?」

 

 どういうこと?

 さすがにただの祈祷師の家がなんでそんなに権力持ってるの?

 現代ファンタジーチックな世界観だと思ってたけど……なんか、違う?

 

「あ、あの、あの……私、よくわからないのですが……家同士の力関係って、そんなに違うのですか? な、なぜですか?」

「そうですね、よくわからないですよね。真智にも話しておきましょう」

 

 姿勢を正す草真さん。

 そうして話された内容は、驚くべきものだった。

 この世界は、百年ほど前に凄まじい霊力を持つ巫女が男に裏切られて一瞬で祟り神になったという。

 世のため、人のために献身してきた心身ともに清らかだった巫女の反転は世界の半分を破壊するほどの災厄をもたらした。

 その巫女は己の一族をすべて呑み込み、空間の穴を作り上げてあの世、この世とはまた別の第三世界を生み出したとか。

 第三世界は拡大し続けて巫女の一族以外の人間も、物も、空間も、なにもかもを取り込み続けて残りの半分も消えそうになる。

 取り込まれたモノは第三世界を通して、新たに奇怪な生き物や物質に変化されて排出され、新たな侵食を引き起こす。

 それを止めるために、日本に残った六つの力の強い一族が手を取り合い、六芒星型の結界を張った。

 それが『六芒星結界核の六家(むつけ)』。

 結界の周りには巨大な社――神社を建て、巫女を神として崇めてあと数百年をかけて祟りを弱めていく計画。

 その計画を押し進めているのが、現在の政府。

 百年前に世界の半分……日本の裏側が真っ黒に染まり、海も空も豪風と雷、高波と汚水で渡航、通信が不可能になった。

 そのため世界の半分の国は安否不明。

 残ったアジア圏の国々が日本のその第三世界封印のために、同じく巫女の祟り神を祀る神社を建てて世界中の人たちが祟りを鎮めてくれるように祈り続けている。

 日本は第三世界と巫女の祟り神の影響で増え続ける負の気、怨霊、悪霊、悪魔、悪鬼、祟り神を減らすために霊力を持つ子どもを神仏学校に入れて、将来の“兵隊”にすべく教育するのだ。

 そのくらいしないと、世界は元に戻らない。

 

「そ……そ……っそんなことに……」

 

 なにそれ、知らない。

 ゲームではそんな設定出てきていない。

 百年の間に文明はある程度持ち直したが、アジア圏以外の国々の現状は未だ不明。

 都と呼ばれる『六家』が住む第三世界封印の神社は、都事態がそのものとなっており霊力のない子どもたちも神社へ毎日祈りを捧げられるように教育を受けるそうだ。

 しかし、百年も経つとだいぶ馬鹿が増えて、昨今では『世界は最初からアジア圏しかない』だの『地球は水平で、第三世界は人間を進化させる扉』だのといわゆる“陰謀論”が囁かれ始めている。

 ゴクリ吐息を飲む。

 なんだか……取り込み、生む――という話の部分が強く頭に残る。

 どこかで聞いた気がするのだ。

 どこだっただろう?

 どちらにしても、私の知る世界じゃない。

 私、『宵闇の光はラピスラズリの導きで』は現代の話だと思っていたんだもん。

 でも現代に見せかけて、現代ふうの異世界。

 完全にまったく違う歴史を辿った別の日本。

 

「この国は……いえ、この世界は今もなお、巫女の祟りによって脅かされ続けております。あなたたちのような霊力の強い子どもに未来を託し、今を維持することしかできないのです」

「あ、あの……! どうして、千頭山(せんずやま)家が一番格上で、宇治家(うじいえ)家が一番格下なのですか?」

 

 今の話を聞く限り、六芒星結界核の六家は平等なのではないのか?

 なぜ家格なんてモノがあるの?

 

「我が家は元々江戸時代に悪魔祓い師として、祓い屋の派生のような立ち位置で発症した一族。当時はキリスト教自体が忌避されていました。戦国時代では特に、処刑対象でもありましたしね」

 

 そのあたりの歴史は同じっぽい。

 昨今では当時の――確か織田信長や豊臣秀吉は海外からキリスト教を布教に来た一部の人々が、信仰を盾にキリシタンとなった日本人を奴隷にしようとしていたと知って徹底的にキリスト教を禁止した、という説があったとかなかったとかテレビでやってたな。



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