第九十一話 未来を無くす日
連続投稿二日目でーす
最近真面目にFGOとかを進めてるんですけど、全然スタミナ減らへん……加えて石もないからイリヤピックアップ引けない……
金属の杖を振り回す青い髪の女。
いきなり俺に死んでくださいと言ってきた相手。
その女の奇妙な仕掛けのせいで動きが鈍くなった俺を助けてくれたのは神様のギルニウスだった。
神様と青髪の女は対峙するとお互いに動かずに相手の出方を待っている。
「かぁ……み……さ……まぁ……」
「──え、なんて?今なんて言ったの相棒?」
「こぉ……の……お……」
「ごめん全然わかんない!そんな鈍く喋らないでさ、もっとキビキビ話して!キビキビと!」
こっちだって出来たらそうしてるわ!
何でか知らないけど、さっきあの女が触れてから動きが遅いんだよ!
あんた人の心読めるんだから察しろや!
「んー?あ、そういうことか。ごめんごめん」
俺の心の叫びが届いたのか、神様は一人で頷き理解してくれたようだ。
ポンと俺の肩が叩かれ、硬直していた俺の体が少しづつ動き出す。
やがて完全に体の動く速度が元に戻り、俺は尻餅を着いた。
「はあ、やっとまともに動けた」
「悪いね。助けに来るのが遅れて」
神様の手を借りて立ち上がる。
もう体の動きが鈍くなったり、喋るのが異様に遅くなったりもしない。
完全に元の状態に戻ってる。
「なぁ神様、あの女一体誰なの?知り合い?」
「あれは僕と同じ神だよ。時の女神 ルディヴァ。この世界の時を操る女だ」
時の女神?
そうか、だから俺の体が鈍くなったり瞬時に俺の真横に移動できたのか。
時の女神ルディヴァはこちらに会釈してくる。
「時の女神ルディヴァです。すぐに消えるでしょうけど、記憶してくださいね」
すぐに消えるって……まだ俺を殺す気マンマンだよあの女。
「ルディヴァは主に時間の観察と記録。異世界人の排除、時空の調和を管理してる」
「時空の調和?」
「君たち異世界人の抑制役……みたいなもんかな」
抑制……ますますわからん。
イマイチよくわからない神様の説明にルディヴァが補足を入れる。
「まぁ簡単に言えば、別の世界から来た異世界人を裁く執行人みたいなものと考えてください」
「さばっ……!?さっきみたいに、人の記憶から消すのか?」
「ちょこっとだけ違います。人の記憶からではなく、歴史から消すんですよ。あなたがさっきニケロース家を忘れたみたいに」
やっぱり俺がフロウのことを忘れたのはルディヴァの仕業だったのか!
俺の記憶からフロウが消えたんじゃなくて、歴史の中からニケロース家が消えたせいで俺の記憶が混濁したのか!
「歴史の強制力とでも言うんですかねぇ。人が歴史から消えても矛盾を無くす為に記憶の片隅には残るんです。
でも、時間が経つにつれ徐々にその人物に関する存在と歴史は記憶から薄れ始めるんですよ〜。
そして、記憶の矛盾を補填する為に別の存在にすり替えられ、他の人間の存在が記憶に刷り込まれる。いや〜、時間って不思議ですね〜!」
まるで科学の実験内容を話す人物かのような口調で説明してくる。
俺が消えたら、別の人間が俺の代わりを務めるってことかよ。
それは絶対嫌だし腹立つわ。
俺の居場所だったところに別の人間が居座るとか想像するだけでも耐えられん。
「でもなんでそんなことを?俺は別に、あんたに対しては何も」
「端的に言うとぉ〜……あなたの存在が気に入らないからですぅ!」
また笑顔でとんでもない答えを返してきた。
俺の存在が気に入らないからって、どんな理由だよ!?
「先輩があなたを勝手に転生させなければ、こんなことにはならなかったんですけどねぇ〜?」
含みのある言い方をするルディヴァ。
その言葉に神様が苛立ちを見せた気がした。
「ダメですよぉ先輩〜。相談もなく勝手に異世界から人を呼び出しちゃ〜。他の神様たちに迷惑かかっちゃいますよ?」
「あの人たちはそんなのに興味ないよ。気にするのは君ぐらいだ」
「だとしても、私に相談も無しに勝手に異世界人を増やされたら困りますよぉ〜。結構面倒なんですからね?歴史を観測し直すの」
目の前で神同士の会話が繰り広げられているが、俺には何のことかさっぱりわからん。
理解できるのは、ギルニウスが許可なく俺を転生させたせいで、ルディヴァが困ってるって部分だけは理解できた。
だから俺を消すってのには納得できないけど。
「なぁ神様、どうしてあの女は俺を消そうとするんだ?」
「そしたら、彼女の仕事が一つ減るからだよ」
「仕事?時の観測がどうとか言ってたやつか?」
「正解で〜す。意外と話しを聞いているんですね。怖がって聞いてないものかと思ってました」
「どんな状態でも周囲の状況は常に把握しろって教えられてるからな」
普段からジェイクに鍛えられてるから、状況判断を怠るなと教えられてる。
それに王都で戦った化け物に比べれば会話ができる分まだ余裕がある。
しかし、油断してあの光の柱を喰らうのだけはさけなければ。
「それじゃあ、ちょこっとだけ私のお仕事を教えてあげましょう。
お仕事はこの世界の歴史を記録すること。つまり時間の記憶です。
私には過去・未来・現在、全ての時間を見ることができます。
普段はそれを記録するだけで済むんですけど、あなたたち転生者や転移者といった異世界人が増えると歴史が変わってしまうんです。
まぁ変わるだけならもう一度観測すればいいんですけど、タチが悪いと急激な変化に耐えられず壊れてしまうんですよ」
時間が壊れる?
いまいち想像できないけど、大きな問題になるってのはわかる。
「もともとあった一本の時間に異世界人が乱入して歴史が狂う。そうすると修復が難しくなります。
そこで時の女神である私は、異世界から来たあなたたち転生者や転移者がこの世界に害を与える場合、それを裁く権利を持っています」
「害を与える?害ってどんな……?」
「そうですねぇ〜。最近あったのだと……国家に反旗を翻して世界を壊そうだとか、前世の文明技術を持ち込んで暴れようとか!」
物騒だな!
え、なに、俺以外の異世界人ってそんな恐ろしいことしてるの!?
でも、坂田さんの話しだと異世界人はあまりいないって──あ、時の女神ルディヴァに歴史から抹消されてるから滅多にいないのか!?
「私はそういった異世界から来た異分子がこの世界の歴史に与える影響を観察し、暴走したら処分するのが仕事なんです」
「つまり、世界の変化を良しとしないのか」
「いえいえ、変化は大いに大歓迎です。私はこの世界の行く末を記録するのが使命ですから。
ですが……あなたたち異世界人は好き勝手やりすぎなんですよ。気に食わなかったらあれを壊してこれを壊してって、世界のバランスをすぐに壊す。
あまつさえ、この世界の人の意思を奪って人形のように扱う。
私はあなたたちのそういった身勝手さが嫌いなんですよ!」
何か過去に異世界人とあったのか、物凄い嫌悪感をルディヴァから感じる。
が、怒りの表情から一転してまた笑顔を浮かべた。
「そんな訳で、私たち神の間では二つのルールがあるんですよ。この世界に異世界人を転生、転移させる場合は『歴史に害を与えない人物を選ぶこと』。そして、」
「『必ず他の神に通達すること』」
今まで黙っていた神様がようやく口を開く。
でもそのルールからしてギルニウスとルディヴァ以外にも神様がいるってことか。
「ルディヴァ、君に相談しなかったことは謝る。でも君はずぅぅぅぅっと寝てるから連絡できなかったんだ。だけど彼の存在は認めて欲しい。彼はね──童貞なんだ!前の世界で童貞のまま死んで、この世界では童貞を捨てる為にやってきたんだよ!だから、許してやってくれないか……童貞の彼を!」
「童貞童貞連呼すんじゃねぇーよ!なんかすげー恥ずかしいだろうが!!」
ほらぁ、ルディヴァも笑ってるじゃねーかよ!
人のコンプレックスを他人に広めやがって!
「ふふふ、先輩。先輩が彼を生かしたいのは自分の為じゃないですか。自分が殺されるのが嫌で……その人の魂を無理矢理埋め込んだじゃないでしたっけ?」
ルディヴァの一言にギルニウスに緊張が走る。
いつもおちゃらけている神様が、初めて動揺を見せていた。
ギルニウスが殺される?
魂を無理矢理埋め込んだ?
「まぁでも、ここで先輩とガチンコ勝負するのは無謀ですねぇ。私じゃ先輩に勝てませんし」
突然意地けたようにルディヴァは杖の先端で地面を弄り始める。
神様が来てくれたおかげで、俺を消すのは諦めてくれたようだ。
「……すまない、ルディヴァ。お詫びに何かお願いごと聞いてあげるから」
「いえいえ、私はその人を抹消するのは諦めます。だから──別の方法で死んでもらいますね」
ルディヴァが杖で地面叩く。
その瞬間に叩かれた地面から青白い光が溢れ拡大し、俺の足元まで広がった光は時計の模様をしていた。
0時を指していた時計の針が動き出す。
針の動きは事態に加速していき、それに連動して時計を模した光も輝きを増していく。
「なっ、ルディヴァ!?」
「駄目ですよぉ先輩。他の神の言うことを無闇に信じちゃいけないって教えたのは、先輩なんですから」
時計の光がどんどん強烈になり目の前の光景が変わり始める。
俺の眼にはもう二人の姿は映っておらず、声だけでしか存在を確認できない。
「か、神様、これ……なんっ!?」
「クロノス!僕に掴ま
一瞬だけ神様の手が見えた気がする。
だが俺の意識はブツン──と途切れてしまった。
シンフォギアXDも新イベ始まったけど、早く続きのストーリー解放されないかなぁ!
真ビッキーがカッコいい
次回投稿は明日22時です!
んで、明日で四章サブタイ更新します!




