第八十話 決着
連続投稿二日目です。
この前スプラトゥーン2の先行フェスがありましたね!
みなさんは参加しましたか?
僕はネット対戦環境に向いてないってスイッチに言われてやれませんでした
黒い光の中から司教をぶん殴って神様が現れた。
神様が指を鳴らすと俺を抑えていた剣や斧が全て粒子となって消え去り、ようやく俺は自由となる。
神様は俺に手を差し伸べ、
「もしかして今、僕が救いの神様に見える?」
「めっちゃ見えてるよ、このクソ野郎!」
その手を掴み、俺は立ち上がった。
「つか、来るの遅えよ!危うく俺、生贄にされる所だったんだぞ!?」
「いやぁ、ごめんごめん。こっちもタコ抑えるのに結構必死だったんだよ」
ポリポリと頭を掻きながら謝る神様。
やっぱり俺が教会に潜入している間に、神VS邪神の世紀の大決戦が行われていたようだ。
「何故だ!?何故我らが神ではないのだ!?儀式は間違っていなかったはずだ!?」
神様に殴られ吹き飛んだ司教の叫び声が聞こえる。
降臨したのが自分の所の神ではないのを見て困惑していた。
「招来の為の場も整えた!多くの血も流した!贄となる供物も用意した!なのに、何故だ!?何故我らの神ではなく、貴様らの神がこの場に現れる!?」
誰あれ?と神様に聞かれ、教会の司教と答えると神様はニンマリと気持ち悪い笑みを浮かべる。
「君らのとこのタコみたいな神様なら、元の場所にお帰り願ったよ」
「なん……だと……!?か、神が、貴様の様な者に!?」
「おかげでこっちにもかなり被害が出たけどね」
神様が苦戦する程の相手だったのか。
やっぱりインスマス教会が崇拝している邪神は強力な存在だったようだ。
それだけに降臨を阻止できたのは嬉しい。
ギルニウスより強力な神なら、降臨した瞬間に俺もライゼヌス王国も全て消されていたかもしれないのだから。
でも神様が現れたのならもうこっちのものだ。
これでこの勝負、俺たちの勝ち……
「っておい!神様、あんた身体が消えかかってるぞ!?」
隣に立つ神様の足が半透明になり始めて幽霊みたいな状態になっている。
身体はどんどん透け始め、その輪郭も曖昧になっていく。
「あぁ、さっきの闘いで今日の分の力殆ど使い切っちゃったからなぁ。現世にこの姿で現れるのにも結構力使うんだよ」
「おいおいおいおい死ぬぞ俺」
神様いなくなったらマナ欠の俺なんて速攻始末されるし、よしんば勝てたとしても帰り道がないんじゃここでディープ・ワンに囲まれながら餓死するぞ!!
俺の心配を察したのか、神様が消えかけの手を肩に置く。
すると神様の手から俺の体内にマナが流れ込んできて、失った分のマナが体内に満ちていくのが分かる。
「これで満タン。今の僕にできるのはこれが限界だ」
「待て待て、まさか俺一人であいつ倒せってのか!?」
「大丈夫。君はもう倒す術を持ってる。」
消えかけていた神様の体が徐々に輪郭を失い始める。
淡い光となって揺らめき、その存在を視認できなくなった。
俺が、あの司教を倒す術を持ってる?
あの神様は何を言ってるんだ、俺の魔法は全部見えない壁に防がれちまうのに!!
俺が今覚えてる技は全部効かない、後は剣術ぐらいしか……剣?
「まさか……?」
「己、小童共がぁぁぁぁ!」
神様の言った言葉に思い当たる節がある。
自らの神降臨の儀式を阻止され、ずっと冷静だった司教が怒りの声を上げながら立ち上がった。
剣を構え司教に対峙する。
これで失敗したら俺はもう本当に勝つ手段がない。
司教が呪文を唱えると再び剣が宙を舞う。
神様が消してくれたおかげで本数は五本しかないが、それでも避け続けるのは面倒な数だ。
「我らが神が負けることなどありえない……!貴様を殺して、もう一度儀式を執り行なう!!死ねぇぇぇぇ!!」
ヒステリックな叫びと共に剣が飛び交い迫ってくる。
俺は深呼吸をし目を閉じた。
両手で握る剣に神様から貰ったマナを流し込む。
頭の中で強くイメージする。
昨日散々振り回したから発動させる感覚は覚えてる。
その威力の高さも、身を持って体感したから知っている。
この世界の魔法は全て発動者の想像力の強さで威力が変わる。
だからイメージしろ、もっと強く!
一振り、たった一太刀で全てをぶっ壊す程の強い力を!!
この一撃で、あの司教をぶっ飛ばすだけの一撃を──ッ!!
眼を見開き、左足を後ろに引いてマナを込めた剣を横一線振り被る!
「いっ!けやオラァァァァ!!」
咆哮と共に魔法効果を付与していない、純粋にマナだけを凝縮させた白い斬撃を放つ。
マナの斬撃は飛び交う剣を飲み込み、その全てを粉々に粉砕した。
「なんだとっ!?」
俺に差し向けた剣が一つ残らず破壊され司教が驚愕する。
白い斬撃は驚愕する司教へと直進し、パリンと何かが割れる音と共に奴を守るあの見えない壁を破壊し司教に直撃した!
「ぐっ、お、おおおおぉぉぉああああ!?」
斬撃をその身に受け止め司教の体が宙に舞う。
背後の邪神像に体を叩きつけられると地面へと落ちた。
すっげぇ……こんなに威力出るのかマナの斬撃は!?
金属の剣が粉々に砕けたぞ!?
改めてマナを凝縮させた斬撃の威力に驚嘆する。
確かにこれを自在に使えるようになれば、魔物との戦いでも苦戦しないだろう。
こりゃ戦士には確かに必須の能力だわ。
などと考えていると、地面に倒れていた司教が呻きながら立ち上がろうとしている。
ありゃ、気絶させるつもりで斬撃を放ったんだけど、距離が離れていると威力が減衰するみたいだ。
それに殺さないようにと意識したからと言うのもあるかもしれない。
どちらにせよ生きていてくれるなら問題はない。
とっちめてライゼヌスまで帰る道をもう一回作って貰えばいいのだから。
「もう大人しくしてくれないか?さっきの斬撃はまだ撃てる。あんたに勝ち目はねぇよ」
「この……小童が!」
司教が怒りの表情で立ち上がり何か呪文を唱え始める。
もう剣が宙に浮く芸は見飽きたので、俺は呪文を唱える司教に向かって子供の拳サイズの水弾を撃った。
もうあの見えない壁は使えないようで、呪文を唱えていた司教の顔面に水弾はクリーンヒットし小さな悲鳴をあげた。
「な、なにを……!?」
「あんたの呪文ってのは一々詠唱しないと発動しないんだろ?だったら、その詠唱やめさせれば防げるって訳だ。いい加減、宙に浮いた武具を見るの飽きてるんだよ!」
司教が呪文を唱えようとすれば再び水弾を撃ち込む。
腕で口元を隠したら風属性の魔法で突風を起こして息をさせなくする。
どちらも大したマナを使わずにできるので、マナの総量にはまだまだ余裕がある。
数回詠唱を妨害すると司教が肩で息をしながらその場に片膝を着く。
どうやら体力の限界がきたようだ。
「ぜぇ……ぜぇ……こ、こんな、小僧に……!!」
「もう魔術は二度と使わせない。あんたの負けだ。大人しく投降しろ」
「ッ!舐めるなぁぁぁぁ!!」
投降を勧めると司教が激昂して杖を振り回す。
俺はそれを楽々避けると司教の杖の先端に眩い光が集まり始める。
あの光弾を撃つつもりか!
詠唱無しで発動するってことは、あの光は魔法なのか?
「でぇやぁ!」
「それの対処はもう知ってる。ほい」
気合いと共に司教が放ってきた光弾を剣にマナを込めて軽く弾き飛ばす。
光弾が俺の使う魔法と同じマナで構成されてるなら、剣にマナを込めれば簡単に防げる。
さっき一回叩き割ったから、どのくらいのマナを剣に流せばいいかも把握してる。
それを見ても司教は何度も光弾を撃ってくる。
だがそれらを全て剣で軽くいなしていると、また司教が片膝を着いた。
「ほらぁ、おじいちゃんなんだから無理しちゃダメだよ」
「ば、馬鹿にしおって……!」
杖に今までよりも大きな光が集まる。
どうやら司教の最後の攻撃のようだ。
今まで以上に圧縮された光の弾が杖先に集まり、司教が今にも死にそうな顔で立ち上がる。
「ぜぇ……こ、これで……!」
「無駄だって言ってんのに」
「死ね!小僧ぉ!」
杖を振るい司教の最後の攻撃が放たれる。
限界まで圧縮された光弾が俺に迫って来るが、俺は深く溜息を吐くと手首を回して剣を一回点させると野球の打者のポーズを取る。
圧縮された光弾は先程までのより強力だろう。
でも結局はマナで造られた魔法、だったら──!
「全く負ける気がしねぇなぁ!」
いい加減おじいちゃんの相手をするのが面倒になってきたのでこちらも本気になる。
体内に有り余るマナを剣一本に集約し構える。
迫り来る光弾を見据え、 剣をフルスイングした!
光弾を刀身が激突し、剣から物凄い衝撃が手の平に伝わってくる!
だが大した衝撃じゃない、普段の稽古に比べれば!!
「ダラッシャァァァァ!」
気合いを込め腕を振り抜き光弾を打ち返す。
打たれた光弾は司教の元へと返っていき、それを防ごうと司教が杖を突き出すと光弾は杖先に備えられていた宝石に直撃した。
宝石に光弾が吸い込ませていく、その瞬間──宝石から眩いばかりの光が反射し海底を照らし出した!
その場にいる俺も目を開けるのが辛い程の光と衝撃波に当てられ吹き飛ばされそうになる!
「な、なにが起こってるんだ!?」
閃光と共に広がる衝撃波、それにより天窓に亀裂が走る。
俺の中の警告音が激しく鳴り始めていた。
シンフォギア見ているんですけど、やっぱり最高ですよ!
切歌ちゃんが一番好きです。
デスデスデース!が好き
次回投稿は明日22時です。




