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二色眼の転生者《オッドアイズ・リ:ライフ》  作者: でってりゅー
第三章 ライゼヌスを覆う影
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第七十九話 魔法と魔術

毎日暑いですね!

夜は風あるのに朝になると蒸し暑くなるからクーラー止められないです。


昨日三連休だってことを知りました。

自分の仕事場、祝日とか関係ないから!

ハハッ!


 無数の武器が宙を飛び交い襲いかかってくる。

 それを躱し、受け流し、弾き返しながら俺は対応していた。


「こんのぉ……ッ!」


 目前に迫る武器を剣を振るい叩き落とす。

 だが地面に落とされた武器はまたすぐに宙へと浮かび切りかかって来る。

 どんなに避けて武器を落としても止まることのない猛攻に徐々に俺の体力は消耗し始めていた。

 これじゃ埒が明かない!

 武器を止めることより、司教を何とかしなければ本当に殺されてしまう!

  何とか隙を突いて一撃を……!

 宙を舞う武器を前転で躱し、手の平にマナを溜める。


「氷よ!」

 

 司教の杖を持つ右腕目がけ氷の礫を放つ。

 あの杖さえ落とせば、このポルターガイストみたいな現象も止まるはず!

 そんな淡い期待を抱き司教へと攻撃を飛ばす……が、


「無駄なことを」


 司教がそう呟くと同時に氷の粒が全て掻き消されてしまった。

 なんだ、魔法が掻き消された!?

 途中で消えないようにかなりしっかりとマナを込めたはずなのに!?

 司教の目の前で氷の粒が消え驚愕する。

 まるで見えない壁にでも阻まれたかのようだ。

 マナの量は間違いなく適切だった。

 ならあの司教が何かしらの方法で魔法を打ち消したとしか考えられない。

 しかし奴はノーモーションだった。

 一体どうやって……?


「このポルターガイストと言い、こんな魔法聞いたことねぇぞ!」


 自らの無知に悪態を付きながら再び武器を躱し司教に魔法を放つ。

 水や雷、風や土に火の全ての魔法を司教に撃ち込むが、その全てが奴の目前で掻き消されてしまう。

 どれだけ攻撃しても身動ぎ一つしない。


「どうした?そんなに飛び回って、まるで曲芸だな」

「くっそ腹立つ!」


 先程から武器を避けながら攻撃する俺を見て司教が小馬鹿にした口調に怒りを覚える。

 何が一番ムカつくって、奴は一歩も動いてないのに攻撃と防御の両方を成立させていることだ。

 しかもこっちの攻撃が全然通じてないのが更にイラっと来る。

 武器を避け続け、次第に体力が無くなってくる。

 気のせいかマナの回復も遅い、最近は魔法を使ってもその分すぐに回復したのに、今は使った分の三分の一の量も満たされていない。

 まるでこの世界に来たばかりの頃の状態に戻ったみたいだ。

 マナが薄くて疲労感が次第に増していく。

 どうしてこんなに回復が遅いんだ?

 海の底だとマナは無くなるのか?

 そんなことを考えながら飛んでくる斧を伏せて避けると、足に力が入らず崩れ落ちてしまう。


「しまっ……!」


 急いで立ち上がろうとするも次々と頭上から武器が降り注ぎ、俺の衣服を貫き地面に押さえつけられ、喉元に剣が突き立てられてしまう。


「は、離せ……ッ!」


 もがいてみるものの、喉元を抑えられてしまっては下手に動けない。

 地面に抑えられた俺を見てゆっくりと司教が歩み寄ってくる。


「随分と粘った方だが、子供の力では所詮その程度だ。まぁ、楽しませてもらったよ」

「何が楽しませてもらっただ!バリアみたいな魔法使いやがって!」

「魔法?分かっていないようだな。私のと、貴様の物は全くの別物だ」


 俺と司教の力が別物?

 どういうことだ、武器を浮かすのも見えない壁のようなバリアも魔法なんじゃないのか?


「私が使っているものは《魔術》と呼ばれている技だ」

「魔術……?魔法と何が違うんだよそれ……」

「この世界の魔法は大樹ユグドラシルの生み出すマナによる外部供給によって発動している。だが魔術は違う。魔術は術者の精神力を用いて発動する」


 術者の精神力だと?

 じゃあさっきから魔術を連続使用しているこいつの精神はとっくに擦り減っているはずだ。

 なのになんでこいつ平気なんだよ!


「どんだけ図太い精神してんだよ……ッ!」

「変わったのだ。あの日──インスマスを訪れ、自らの宿命に気づいた時にな」


 インスマスを訪れた……?

 この司教、インスマス出身者じゃないのか?

 司教の言葉に僅かな疑問を抱く。

 記憶の片隅にある何かに結びつきかけたが、地面で杖を叩く音で意識を逸らしてしまう。

 司教が俺の側に立ち、タコの彫像を前に両手を伸ばした。


「これより、我らが神の生贄の儀式を始める!」

 

 生贄の儀式!?

 冗談じゃねぇ!!

 こんな奴らの崇拝する邪神の生贄になるなんで真っ平御免だ!!


「我ら種族の長年の夢。陸を支配し、我々の仲間を増やし、我らが神を再び降臨させる!今日は、その記念すべき日となるのだ!同胞たちよ!共に謳え、共に讃えよ、そして神の名と共に栄光の時を祝福せよ!」


 何度も抜け出そうともがくが、体の周りを剣が突き立てているせいで中々抜け出せない。

 強引に抜け出そうとするも、喉元に突き立てられた剣があるせいで大きな動きはできない。

 その間にも司教の演説は続く。

 天窓を見ると、海の中からディープ・ワンたちが外に集まり始めており、ジルミールが口にしたいた謎の呪文を司教たちが唱え始める。


「いあ!いあ!くとぅるふ ふたぐん!」

「「いあ!いあ!くとぅるふ ふたぐん!!」」

「「「いあ!いあ!くとぅるふ ふたぐん!!!」」」

『 いあ!!いあ!!くとぅるふ ふたぐん!!!!』


 まるで空気が震えているかのように頭上から声が響いてくる。

 見ているだけでも、聞いているだけでも己の正気を削られているかのような錯覚を覚える。

 この謎の呪文を天窓の外てディープ・ワンが声を揃えて叫ぶ中、司教が目を瞑りまた別の呪文を唱え始める。

 ディープ・ワンたちの声で司教の呪文は俺の耳には届かない。

 だがその呪文のせいか、周囲の空気が重苦しくなるのを肌で感じる。

 全身の毛が逆立ち、汗が浮かび上がる。

 突如司教の目の前に黒い光が出現した。

 黒い光の中からは吐き気を感じるほどの潮の匂いと微かにマナの流れを感じる。


「我らが神よ!この若き肉と血を供物とし、再び現世に降臨したまえ!!」


 司教が膝を着き黒い光に向かって祈りを捧げる。

 やばいやばいやばい!!

 このままだと本当に神の生贄にされて死んじまう!!

 まだ童貞卒業してないのに、女の子とキスすらしたことないのに!!


「さぁ、神よ!私が捧げる供物をお受け取りください!!」

「……やだよ」


 黒い光の中からはっきりと否定の言葉が聞こえた。

 俺も司教もその声に「は?」と反応する。

 ヒュン、と黒い光の中から白い人の腕が飛び出してきた!


「なっ……!?」


 人の腕が飛び出してきたことに司教が驚き立ち上がろうとすると、白い腕は司教の頬をぶん殴った。

 元々醜かったインスマス面が更に歪んで醜くなりながら、司教は吹き飛び地面を転がる。


「全く、僕は呼ばれれば降臨する優しい神様なんだよ?生贄を欲しがるなんてそんな鬼畜外道なのと一緒にしないでくれる?」


 ぶつくさと文句を垂れながら黒い光から人が現れる。

 そいつは白い布一枚を見に纏い、清楚な顔立ちで、どこか神聖さを感じる佇まいで、


「それに、生贄ならこんな男の子じゃなくて可愛い女の子がいいかな」

「ギルニウス……神様!」


 俺の知る最低で最高の神様だった。

今期アニメ続々始まりましたが、全然見れてないです。

ガンダムやってて……


次回投稿は明日22時です!

RT企画をまたツイッターの方でやってまーす。

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