表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二色眼の転生者《オッドアイズ・リ:ライフ》  作者: でってりゅー
第三章 ライゼヌスを覆う影
40/253

第三十七話 入学


 入学試験日、俺とレイはフロウにニケロース家の馬車に乗せてもらい、三人で隣村へと向かっていた。


「い、いよいよ、入学試験だね!」

「お前緊張しすぎだろ。レイを見ろ、いつも通りだぞ」

「お〜……綺麗な川だね。でも滑って落ちそう」

「滑るとか落ちるとか言ったらダメだよレイリスちゃん!」


 フロウはやたらと緊張しているが、俺とレイはいつも通りである。

 そもそも初等部の入学試験なんて、そんな大した物でもないだろう。

 どうせ「将来の夢は?」とか聞かれて終わりだよ。


「ク、クロくん落ち着いてるね?き、緊張しないの?」

「初等部の試験だぞ?余裕余裕、ヘソで茶を沸かせるレベルだぜ」

「クロ、おへそで紅茶が沸かせるの?すごーい」

「さ、さすがだねクロくん。火傷が怖くて、おへそで紅茶なんて沸かせないよワタシ」

「説明が面倒だからそれでいい」


 馬車の中でどうでもいい話をしながら学校へと向かう。

 試験会場のCランクの初等部は木造の学校だった。

 壁のあちこちに蔦が絡まってて、時代を感じる外観だった。

 三階建で一階ごとに教室が三つある。

 教室の中には木で出来た教壇と机が置いてあり、あぁ小学校っぽいな〜なんて事をしみじみ思いながら教職員の誘導に従う。

 着いてからは割とスムーズだった。

 三人とも別室に案内され、そこで数人の子供たちに簡単な質問をされた程度で終わった。

 その後学校指定の制服を渡され解散となる。

 もう一度三人で集まり、馬車に乗って帰ることにする。


「よっ、お疲れさん」

「クロくん、どうだった?」

「いくつか質問されただけだった。そっちもそうだろ」

「そ、そうなんだけど、ワタシ途中で噛んだりして上手く答えられなかったよ」

「ボクもいっぱい聴かれたけど、そんなに緊張しなかったよ?」


 そんな会話をしながら自宅に戻る。


                   ✳︎


 入学試験から一週間後、制服の袖に手を通す時が来る。

 いつも通りのボサボサの白髪頭を多少整え、紺の制服を着る。

 姿見でおかしな所がないかチェックしたら、俺は気合いを入れる為に頬を叩いた。


「よし!行くか!」


 晴れて今日から俺は初等部一年生、小学生となる。

 入学式には親同伴だった。

 長ったらしい校長の話を聞き、クラス分けが発表される。

 フロウとレイとは別のクラスだった。

 一学年は三組まで分かれており、俺は一組、フロウとレイは三組だ。

 入学式初日から、各々の基礎学力を知る為と小テストを受けされられた。

 問題は一桁の足し算の算術……


「舐めてんのか!」


 思わずテスト中に声を上げてしまう。

 周りの視線が痛い。


「どうかしましたか?クロノス君?」

「いえ、何でもないです。すいません」


 先生に謝りながら席に着くと周りから失笑が漏れる。

 いや、だって足し算なんだもの。

 小学校だから分かっちゃいたけどさ……。

 その後も受けるテストの内容は歴史だったり、絵本の文章問題だったりと正直受けてて退屈な物ばかりだった。

 後日そのテストが手元に帰って来る。


 結果は当然ながら、全て満点だった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ