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第二百三十話 アズル・ライトリー

連続投稿四日目!新キャラ アズル・ライトリーの登場です!

第五章では環境変化の為新キャラばっか出てくることになるのですが、なるべく台詞だけでどのキャラかわかるようにかき分けしてます


学園が終わり夕陽が沈みかけた頃、俺は寮の自室で観葉植物のパキラの世話をしていた。

ベルにやり方を教えてもらい、新しい鉢植を買ってそこにパキラの種を植えたのだ。

もっともまだ芽は出ておらず、土に水をかけるだけなのだが。


「よし、こんぐらいでいいだろう」


魔法で水を生成してそれぞれに適量与えておく。

過剰にあげすぎると枯れるらしいので、日々どれくらい水を注ぐかの加減が難しい。

なお、ベルとの会話中に「まぁ枯れない程度に世話するよ」などと軽口を叩いたら、


「ええ、枯れないようにちゃんと世話してあげてください。でも……世話を忘れて枯らしたら、私怒りますからね……!」


と、笑顔ながらも割と低い声で脅された。

やはりアラウネ、花を持つ種族だからか植物をぞんざいに扱う者は許せないらしい。

そんなわけで俺はパキラの世話に手を抜くことができない。

例え死んでもパキラの世話だけはキチンとさなければ……でないと……うぅ!

枯らしてしまった時のことを考え身震いしていると部屋のドアがノックされる。

時計を見ながら「結構遅かったな」と思いながらドアを開けると、そこには殴られた頬に湿布を貼られた金髪の少年が立っていた。


「ハロー、エブリワンクロノス!!飯食いに行こうぜ!!腹ペコペコだよ!」

「俺もだよ。さっさと行こう」


夕方だと言うのに無駄にテンション高く挨拶してきた金髪の人族の少年──アズル・ライトリー。

彼は俺が昼間、ギルニウスに会うように頼まれ、校舎裏で殴られていたところを助けた人物だ

しかもこの男、俺と同じ異世界転生者だ。

自室の鍵を閉めアズルと二人で遅めの夕食を取る為に、三階から一階へ降り、談話室を抜けて食堂まで足を運ぶ。

夕食の為に食堂が開放される時間からは既に一時間が過ぎており、食堂にいる生徒はほとんどいない。

食べ終えた生徒は大浴場へ既に行っているのだろう。

食べるのがやたらと遅い女子生徒や、食べ終わってもずっと居座っている厳つい顔の上級生の集団が見られるが、席は選び放題なので問題なく食事ができそうだ。

アズルと二人で席に着くと、学園所属の使用人たちがテーブル席に夕食を次々と用意していく。

ホント、金持ち学校だけあってこういう生徒への対応は凄いんだよな。

生徒間のいざこざには絶対介入してこないけど。

パンやスープ、サラダの盛り合わせ等、全ての料理を並び終えるとメイドたちは「ごゆっくりお召し上がり下さいませ」とお辞儀をしてからテーブルから離れた。

それからアズルの「いっただっきまーす!」と軽快な声に続き、俺も「いただきます」と手を合わせてから食べ始める。


「にしても、なんでこんな遅い時間に食べ始めるんだ?誰もいなくて席選び放題だけど……」


パンを手でちぎりながら素朴な疑問を投げる。

一緒に夕食を食べようと提案してきたのはアズルなのだが、飯に誘う時は自分から行くから部屋で待っててほしいも言ったのもアズルだった。

それで部屋で待ち続けていたら、遅い時間になってしまったのだが。


「だってさ、今日僕を殴ってた連中はキングの取り巻きなんだぜ?キングはいつも一番に食堂に来て飯を喰う。僕らまで食堂が開いてからすぐに来たらあいつらと鉢合わせになるだろ?そしたら、あいつら絶対絡んで来る。それを避ける為にわざと時間をずらしたってワケ」

「はー……なるほどな」

「食べる時はね、何者にも邪魔されず。自由で、そう、救われてなくちゃあいけないんだ。独り……静かに……幸福で……」

「俺いるから独りじゃないけどな」


似てないモノマネを目の前でされても特に気にせずパンをスープに付けて頬張る。

うん、今日もこの食堂の飯は美味いな。


「と言うか、僕以外の異世界人に会ったことにすっごい驚いてんですけど!!僕は赤ん坊からやり直してんだけど、え何?クロノスもそうなの?」

「いいや、俺は身体の持ち主が五歳の時に割り込む形で転生したんだ。だから実際にはまだ四年ぐらいしか過ごしてない」

「あー魂だけ転生したって感じね。ハイハイ。でもいいなー、銀髪でオッドアイの男になれるなんてめっちゃカッコいいじゃん!!僕もそういうのに転生したかった」


アズルは青い瞳を輝かせながら俺を羨望の眼差しを向けてくる。

金髪も十分異世界転生した人間としては良いものを持たされたと思うが、顔も声もギルニウスと同じってことを考えると素直に羨ましいとは思えない。


「俺も最初はそう思ってたけど、見慣れてくるとなんで俺こんな中二病じみた目なんだろう、ってげんなりしてくるぞ」

「えー、そうかなぁ?僕だったらチート能力なくてもオッドアイってだけで異世界転生万歳!って叫ぶね。それで眼に特殊能力とかあったらもう最高だね!!」

「……すまん。一応あるわ、特殊能力」

「え、マジで!?かぁー!ますます羨ましい!!」

「眼が光って視力良くなるだけだけどな。正直使い所あんまりないぞ」

「ダンジョンとかでめっちゃあるじゃん!使い所さん!いいな、いいなぁ……僕なんて慈愛の神ギルニウスに似てるだけで、特殊能力なんか何一つも持ってない……平凡な人間でとっても辛いさんなのだ」


そう言ってテーブルクロスで涙を拭くアズル。

でも確かに、目の前のアズル・ライトリーは見れば見るほどギルニウスそっくりだ。

生き写しと言っても過言ではない。

雰囲気や口調は全く別物だけど、黙っていればギルニウス本人が目の前にいると勘違いしそうになり、時々殴りたくなる衝動に駆られる。


「うーん、しかし……」

「な、なんだよ……僕の顔ジロジロ見て」

「本当にそっくり、いや全く同じ顔だ。本当にお前ギルニウスじゃないの?本当に別人?」

「別人ですけど!?あんなのと一緒にしないでくれませんかね!?こんな顔に産まれたせいで、転生してからずぅっと『この子はギルニウス様の生き写しだ!神に選ばれし子に違いない!!』とか言われて祭り上げられ続けてたんだ。もうウンザリだよ」

「それは何というか……ご愁傷様」


まぁ、その見た目じゃなぁ。

この国はギルニウス教が広く普及しているし、勇者と共に魔王ベルゼネウスを封印した神と同じ顔となれば持て囃されるだろう。


「別にアズル本人が同じ見た目にしてくれって頼んだ訳じゃないよな?」

「違う違う!転生させてもらう時にモテる容姿にしてくれって頼んだらこんな顔にさせられたの!しかもあいつ、チート能力も付けてくれって頼んだら『僕、そういうの好きじゃないから』とか言うしよォ!」

「せやろな」


ギルニウスは基本転生者には強力な能力は付与したがらない。

それにこの世界でモテる容姿と言われれば、間違いなく自分と同じ顔に転生させるだろう。

だってこの世界でギルニウス教が一番普及してるもの。

神様と同じ姿にすれば信徒からは間違いなくモテモテで老若男女問わず言い寄られること間違いなし。

モテるのベクトルを履き違えられたな。


「僕の家、商売をやってる家系でさぁ。ここ数年でスゴイ稼ぎを出して上流階級に入ったんだ。だから父親が跡継ぎ作ろうとハッスルしたらしくて、かなり兄弟がいるんだよねぇ。あ、僕十人兄妹の八男」

「八男!?それはお父さん……ハッスルしすぎでは?」

「全くだよねぇ。しかも僕、なんか愛人の子供らしいよ?だから本妻にはかなり冷たく扱わられさぁ。末ってこともあって家督継げないんだ。

父親からもお前は商人じゃなくてギルニウス教の司祭になるべきだ!とか言われて、ギルニウス教の総本山に近いこのサンクチュアリ学園に放り込まれたんだ。他の兄弟は地元の学校にいるのに」

「いい父親じゃないか。ここ結構有名な学校だろ?学費も高いらしいし、お前の為に払ってくれたんだから……」

「え、クロノス……お前この学園がなんて呼ばれてるのか知らないの?」


フォークでパスタを巻いているとアズルに驚かれる。

この学園がなんて呼ばれてるか?

え、ボンボン学校とかじゃないの?

俺が不思議そうな顔をしているとアズルは周囲を気にしながら顔を近づけ、小声で話してくる。


「ここは別名、『隔離学校』って呼ばれてるんだよ」

「なんだそれ?」

「ほら、この世界ってさ、一夫多妻制が認められてるじゃん?でも絶対的に受け入れられてる訳じゃないのよ。中にはそういうの毛嫌いしてる人もいるだよ。ライトリー家の本妻みたいに。それでも愛人作って隠し子を作ったりするんだけど、そういうのって表にバレたら結構家の名前に傷が付くじゃん?だからこっそりこの学園に送り込んで、帰ってこれないようにして三年間学園に閉じ込めておくのよ。そうすれば世間にも、少なくとも妻にはバレないから」

「はぁ、なるほど」

「それ以外にも、家督を継ぐ長男が馬鹿だったり、不出来として見放されたりした子もこの学園に入学させられるんだ。どんなに出来が悪くても、有名校のサンクチュアリ学園に在籍、もしくは卒業しましたって言えれば箔が付くから、政略結婚させる時に有利になるんだって」

「ちょい待て、入学させたからって必ず卒業できる訳じゃないだろ?そしたらどうするんだ?」

「ここ、金払えば成績を操作してくれる先生がいるらしいよぉー?在籍してれば卒業はさせてくれるけど、少しでも結婚の時に相手側の家に良い印象を与えたいからって、そういうことして卒業させる親もいるんだって」


えぇー……そんな親までいるのかよ。

だがアズルから話を聞いて、なぜ『隔離学園』などと呼ばれているのか理解した。

文字通りここは貴族の家にとって厄介な子供を押し込んでおく為の隔離施設なのだ。

本家や地元に置いたままだと家の名前に傷が付き、政略結婚に利用する時に不利になる。

だから有利な条件を少しでも付けておくためにこの学園を利用しているってことだろう。

とんでもねぇ学園に来ちまったなオイ。


「もちろん、ちゃんと優秀な成績を収めて卒業する人もいるらしいぜ。学園のキングになろうとする連中とかはそうだよ。あいつらは全員、家督を継ぐのが決まってる長男がなるらしいから。家督を継ぐ前に学園のトップになれって親に言われて、みんな目指してるらさいよ」

「へぇー、それでみんな躍起になってるのか」

「僕は八男だから無理だけど、クロノスは?そういうの目指さないの?」

「興味ないね」

「お、エフエフ?エフエフでしょそれ?ま、そんな感じで日々誰が学年のキングか抗争が続いてるらしいよ。キングにおべっか使ってるサイドキックスも、本当は自分たちもキングを狙ってたけど無理だって判断して、卒業して自分が家督を継いだ後に繋がりを持って甘い汁を啜る為なんだって」

「ふぅん、やっぱりどこの世界でもあるんだな。そういうのって」


貴族による上下関係がここまで露骨に現れる環境は初めてなので、あまり実感が湧かない。

そういうのとは無縁な田舎で暮らしてきたからなぁ。


「で、そんなキングとサイドキックスに目をつけられてタコ殴りにされていた訳だが……アズル、お前何したんだ?まさか、お前もキングを目指していたとか?」

「ないない!だって僕そんなに強くないもん!なれてせいぜい、サイドキックスその1ぐらいだよ」

「じゃあなんでだ?」


純粋に気になって訊ねると「いやー、たははは……」とアズルは恥ずかしそうに苦笑いと共に後頭部を掻きながら、


「ここ最近、学年のキングって毎日変わるじゃん?それで……僕もキングの恩恵に与ろうと変わるごとにその人の下に付いて回ってたら、新しいキングに『お前は信用できない』ってサイドキックスから追い出されちゃって!いやー、困っちゃったぜ!」

「……今ハッキリわかった。さてはお前──クズだな?」

「失礼な!長い物には巻かれるタイプ、 と言ってほしいね」

「やっぱクズじゃねーか」


今回のケースだと長い物に巻かれて巻かれて巻かれまくって、キングから甘い汁を啜りまくろうという魂胆が丸見え過ぎた為にターゲットにされたのだろう。

やっぱクズだし、完ッ全に自業自得じゃないか。

助けなくても良かったかもしれない。


「さ、僕のことは話したぞ。そろそろそっちのことも話してくれよ」


俺がこれまでにどんなことをしてきたのか興味津々といった表情を見せるアズル。

話しながら食事をしていたので既に料理は完食しており、割と長くなる俺の話をするには肴が足りない。


「別にいいけど、俺の話し結構長いぞ?先に風呂入りに行かないか?風呂の時間終わっちまう」

「それもそうだね……じゃ、裸の付き合いをしながら聞かせてもらうとしますか」

「言い方がなんか気持ち悪いな」


遅めの夕食を食べ終え席を立つと使用人たちが片付けを始める。

どうやら俺たちが最後だったようで他に人が残っておらず、談話室に出ると食堂の扉が閉じられるのだった。

一階ロビーと繋がっている談話室では夕食も風呂も済ませた生徒たちの姿がまばらに見受けられ、ソファーに座って談笑している。

その中に見知った人物を見つけると、向こうもこちらに気づいたようで会話の輪ん抜けて俺たちに歩み寄ってきた。


「こんばんわ、クロ君。今お食事を済ませてきたのですか?」

「よぉベル。こっちの彼が遅めに夕食をとりたいって言うもんでね」


わざわざ挨拶をする為にベルが来てくれる。

湯上りなのかわずかに頬が赤らんでおり、いい香りが漂っていた。

髪はまだ乾ききっていないのか僅かに濡れているが、側頭部の花は一切濡れておらずいつも通りピンクファイアーが咲いている。

手を上げて答えつつ、俺は隣に立つアズルを示す。


「えーと……こちらの方は……?」

「彼はアズル・ライトリー。俺たちと同じ一年生だ。どこかの誰かにすげーよく似てるけど他人の空似だ。アズル、彼女はティンカーベル・ゼヌス。知ってると思うけど彼女は……アズル?」


さすがに国の王女は知ってるだろうと思いながらも、円滑なコミュニケーションの為に両者を紹介しておこうとするがアズルの反応がない。

どうしたのかと不思議に思っていると、アズルは驚いた顔で瞼を限界まで開けたままベルを見て固まっていた。


「アズル?おーい、アズルー?」

「……か」

「か?」

「カワイイイイイイイイイイ!!!」


目を見開いたまま固まっていたかと思うと、突然大音量で叫びやがった!!

近くにいた俺とベルは驚き耳を塞ぐが、その声はあまりにも大きすぎて談話室にいた生徒全員が驚き、飛び上がり、耳を塞いで何事かとアズルに注目する。

玄関先の受付にいた寮母も異常事態かと部屋から飛び出て来てしまう!!


「ア、アズル……!急に大声出すなよ……!み、耳が痛い」


耳の痛みを訴えながら文句を垂れるが、アズルはこちらの言葉を聞いていないらしく、曲がっていた背筋をピン!と伸ばしてキリリと表情を変えてベルに頭を下げる。


「初めまして、ティンカーベルちゃん。僕はアズル・ライトリー。以後お見知り置きを」

「え……あ、は、はい。よ、よろしくお願いしますね。アズル・ライトリー君……?」


突然大声を出した人間が打って変わって、いきなり凛々しい声で挨拶をしてくるものだからさすがにベルも困惑している。

上階の生徒たちも先程の叫び声は何だと階段を降りてきてアズルに視線が集まっていた。


「ああ、突然大きな声を出してごめんね。君があまりにも可憐で美しかったからつい、心の声が声帯を突き抜け響いてしまったよ」

「いや誰だよお前」


数秒前まで一緒に飯を食っていた人物と同じとは思えないアズルの豹変ぶりに呆れる。

言ってることもわけわからん。


「い、いえ、ちょっと驚いてしまったけど大丈夫ですよ」

「ああ、なんていい子なんだ!クロノスの友達なら僕の友達。どうかこれからも、クロノス共々仲良くしてね」

「ええ、是非。アズル君は、クロ君と仲の良いお友達なんですね」

「いや、ちょっと待ってベル。俺はこいつとは友達でもなんでもない」

「そうだよティンカーベルちゃん。僕とクロノスは友達じゃない……そう!友情を超えた友情!魂が引かれ合い、一生に一度会えるかどうかの存在、ソウルメイトとも呼べる仲さ」

「呼ばねぇよ、お前と魂が引かれ合うとか嫌だよ!」


なんだこいつ急に……テンション上がって変なスイッチでも入ったのか!?

周りの視線が痛い!


「まさに一心同体!二人で一人!欠けてはいけない相手!兄弟の契りを交わした相手と言っても過言ではないのさ」

「過言だよ!!お前と兄弟の契りなんか交わしてないし、お前を友達とて持った覚えないし、今日初めて会ってまだ数時間しか経ってないだろう、がッ!!」

「そこまで言える間柄なんて……良かったですねクロ君!そんな風に想ってくれる方と出会えたなんて!!」

「いや待って信じないでベル!全部こいつのデタラメだからベル!!一字一句全てこいつの虚偽妄言だからねベル!!!」

「そんな方ともう出会えるなんて……少し、羨ましいです」

「羨ましがらないでお願いだからァァァァ!!」


周囲にいらぬ誤解を招いている気がする!!

このままだとクロノス・バルメルドとアズル・ライトリーは兄弟の契りを交わした仲だと明日には学園中の噂になってしまう!!


「待ってくれみんな!違うんだ!俺とこのアズル・ライトリーは兄弟の契りなんか交わしてないし、ましてやソウルメイトでもない、ただの同級……」

「はーい皆さん、もう談笑の時間は終わりですよー。男女それぞれ棟に戻ってくださいねー」

「マアアアアァァァァ!!」


談話室の使用時間が終わり男女別々となる接触禁止時間になってしまう。

寮母の号令でみんな男子棟、女子棟に戻り始めてしまい誰も俺の話に耳を傾けてくれなくなってしまった!


「それじゃあクロ君、お休みなさい。アズル君もまた」

「うん!ティンカーベルちゃんもまたね!いい夢を!アハハハ!」


爽やかな笑顔と声で手を振りながらアズルは女子棟に戻るベルを見送る。

一方俺はみんな誤解が解けないまま解散となってしまい頭を抱えていた。

頭痛が痛いなりぃ……!!

寮母に「そこの二人、夜はあまり騒がないようにしてくださいね」と注意され、談話室から人がいなくなると、


「おいおいクロノスぅ!あのティンカーベルって子めっちゃ可愛かったな!え、いつあんな子と知り合いになったんだよー?教えろよー!」


巣に戻ったアズルがウザい絡み方をしてくる。

やっぱりこいつ助けなきゃ良かった……と、俺は今更ながらに深く後悔しながらがっくりと肩を落とすのだった。

明日も投稿があります!

また18時に会いましょう!

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