第百八十五話 灼熱の翼
最近ストックが貯まらず、中々連続投稿ができないのが悩みのタネです
いやまぁ、書く時間を決めてるから中々貯まらないんでしょうけどね!
執筆は決めた時間内でしかしていないのが原因!
「バルメルド君、左から来てるわよ!!」
「ッ!凍れ!!」
死角から突進してきたプービルを魔法で凍らせ攻撃を免れる。
ティアーヌの言葉に助けられた。
氷漬けにされたプービルは地面に落下すると、そのままコロコロと転がり下層まで転がり落ちて行く。
それでもまだプービルの群れは頭上にうじゃうじゃいる。
倒しても倒しても溶岩の中からまた出でくるのだ。
「まだこんなにいるなんて!!」
「レイリス後ろだ!」
悪態を吐くレイリスの後ろから迫るプービルの一つ目をニールが矢で射抜く。
目を射抜かれたプービルは苦しみ暴れ回り、他のプービルたちにぶつかりながら下層へと落ちていった。
俺たちは火山内の螺旋状に続く坂道を登りがらプービルの群れを相手にしていた。
しかしこいつら、一体どれだけの数がいるのか倒しても倒しても溶岩の中からまた出てきて襲ってくる。
最初に戦った時に装填していた水の魔石は既に使い切り、敵の多さに水の魔石を使うのを渋る。
今は氷属性の魔石を装填しているが、これももう四つ目だ。
上に登る度に出現するプービルたちを倒すのに使うので消費が早い。
「凍れ凍れ凍れ凍れ凍れ!!」
装填されている魔石のマナ全てを使い切る勢いで宙を飛び交うプービルたちを次々と凍らせる。
氷漬けになったプービルたちは次々と落下し、煮え滾る溶岩の中へと沈んでいった。
だが奴らはまたすぐに出てくる。
氷漬けになっても溶岩の熱ですぐに溶けてしまい、また俺たちの元に戻ってきてしまう。
「いい加減しつこい!!」
マナの切れた魔石を引き抜きながら悪態を吐く。
氷の魔石はあと五つ、このままだジリ貧だ!
ポーチから氷の魔石を新たに取り出すと同時に、プービルたちの纏う炎が一層勢いを増して燃え上がり──パキッ、と音が響いた。
「今の音は?」
「あ、兄さん見て!プービルの岩が!!」
レイリスの言葉で俺も視線をプービルの一つ目ではなく、覆っている岩に注目する。
本体の一つ目を守る為に纏っている無数の岩。
その岩のあちこちに亀裂が入り、ボロボロと崩れ始めているのだ。
自分たちの身を守っている岩が崩れていることにプービルたちは気づいていない。
突進を仕掛けようと飛び込んで来るが、岩が無くなってバランスが崩れたのか、見当違いの方向に飛び回り始める。
何度も壁に激突を繰り返し、その衝撃で身を包んでいた岩が全て砕けると、中に潜んでいた一つ目の悪魔が落下していく。
悲鳴をあげることなく落ちるプービルたち。
岩場から下を覗くと、溶岩に落ちて沈むプービルたちの最後の姿が見えたのだった。
「はぁー……やっと終わった」
もうプービルたちが姿を現さないのを確認すると尻餅をついて一息つく。
他の人たちも大きく息を吐いて戦闘態勢を解いて楽な姿勢になった。
装填しようと手にしていた魔石をポーチに戻して立ち上がる。
移動しながら戦っていたので、いつの間にか俺たちは頂上付近まで登ってきていた。
中央の岩の塔へと続く橋を渡れば頂上だ。
「全員息が上がっているし、少し休憩しましょう」
「賛成です。ふぅ」
ティアーヌの提案に賛同しニールが深呼吸する。
レイリスもその提案を素直に受け入れていた。
俺はニールの持つ矢筒の中身が少ないのに気づき、「矢、補充して下さい」と自分の矢筒をニールへと投げ渡す。
受け取り矢を補充するとニールは「ありがとう」と矢筒を投げ返してくれた。
矢筒に残っていた矢は五本。
どうせ俺が矢を射っても命中しないから、全部取ってくれてもいいのに。
と思いつつも、野暮なことは口にせずに矢筒を装備し直しておいた。
「それにしてもビックリしたよ。どうして突然、プービルたちの岩が割れたんだろう?」
「急激な温度差の変化が原因ね。バルメルド君が何度も凍らせ、超高温の溶岩で溶ける。これを繰り返していく内に岩が脆くなって、最終的に自壊したのよ。それを狙ったのよね?」
「え……?あー、はい!そうです!」
レイリスの疑問に答えていたティアーヌに突然振られ、とりあえず頷く。
ぶっちゃけ、そこまで考えてなかった。
凍らせておけばしばらくは襲ってこないので、その間に打開策が思いつくと思って連発してただけだからな……そうか、あれはそういうことだったのか。
頷く俺を見て感心したようにレイリスが見てくる。
やめてくれ……そんな目を輝かせながら俺を見ないでくれ……
ちなみに、今の返事でティアーヌには適当に答えたのがバレたらしく、少し冷ややかな目で見られてる。
少しいたたまれなくなり、立ち上がって先に行こうと誤魔化す。
「さ、さぁ!そろそろ行きましょうか!!」
「そうだね。噴火も怖いけど、氷の精の冷却効果もいつ切れるかわからないしね」
誤魔化そうとする俺にニールがそれらしい理由で助け舟を出してれる。
ティアーヌも深く追求することなく、小さく肩を竦めただけだった。
ようやく全員で橋を渡り頂上の塔に辿り着けた。
頂上の塔は足場が円形になっており、それ以外は何一つとしてない殺風景な場所だ。
たぶん、昔はまだここが機能していた頃は試練のゴールだったのだろう。
しかし今は誰もいない、ただの広い空間でしかない。
「……魔物がいないわね。レイリスさん、破魔の剣は?」
「反応……してる。どこかにいるはずだよ!」
僅かに震える破魔の剣で魔物がいることを改めて確認する。
しかし周囲を見渡しても魔物の姿はない。
空から来るのではと火口を見上げるが、暗雲に包まれた空が見えるだけで何の姿もない。
上にも、四方にも魔物の姿はないとなると、あと残っているのは……
「気をつけろ、下から来るぞ!!」
全員に聞こえるように声を大にして警告する。
その声に反応してなのか、突然足元がぐらつき始める!
視界が揺れ、倒れないように踏ん張りなんとか姿勢を保つ。
下層に溜まっていた溶岩が急激にかさを増やし迫り上がって来るのを肌で感じる。
そして突如、溶岩の中から火柱が噴き荒れた!!
火柱は俺たちが立つ塔の周囲をぐるりと囲むように次々と噴出する。
その火柱の中を、何かが移動しているのを目撃した。
怪しく光る二つの目が、火柱の中から俺たちを睨みつけている。
黄色く光る目は立ち上がる火柱に逆らうようにして下へと移動し、次の瞬間、俺たちが渡って来た橋が何者かによって破壊された!
何か大きな衝撃を受けたのか、破壊された橋の残骸が、燃える石飛礫となって落ちてくる!
「みんな避けて!」
降り注ぐ残骸にレイリスが注意を叫びながら避ける。
全員それに続き落下物を躱し、橋を破壊した何者かに目を向ける。
それは、目だけが光っていた。
先程俺が見たのと同じ目……
周囲を取り囲んでいた火柱が突如、まるで生きているかのようウネリを上げ始める。
次第に火柱に潜む二つの目に一斉に集まり始め、巨大な炎の球体となった。
まるでそれは太陽の如く、俺たちに熱と光を降り注ぐ。
続けて殻を破るように球体内部に潜む者が、全身を広げ姿を現した。
それは全身が炎でできており、巨躯を支えるために二枚の翼を広げ、炎でできた鉤型の嘴と鋭い脚爪を持っていた。
そしてその頭部に黒い鉄仮面を装着しており、獲物を見つけ逃さぬ為の双眸が鋭い眼光となり俺たちをその目に映している。
「火の……鳥!?」
「魔物よ!あれがこの火山を噴火させた原因だわ!!」
美しくとさえ思えてしまうその姿に驚愕し、ティアーヌがその正体と噴火の原因を指摘する。
これも魔王ベルゼネウスの手下ってことなのか!?
鉄仮面の火の鳥は盛んに鳴き立て、灼熱の翼を広げ、炎の脚爪を広げ飛び交ってきたのだった。
なんだか最近、創作欲を執筆に上手く活かせなくなってきました。
まぁ要するに……コメントに飢えてるんです!
短くてもいいんで応援コメント下さいお願いします何でも書き続けますから!w
次回投稿は来週日曜日22時です!




