新しい朝
中々書けない日々が続いております……
来週は夏休みなので、久々に書留めしたいと思います!
下記の通り改稿致しました。(2020.8.5)
変更前)レウィは、嗚咽を交えながら俺達に視線を向ける
変更後)そう主張するレウィは、嗚咽を交えながら俺達に視線を向ける
~レウィシア視点~
目に突き刺さる眩しい何かから逃げるように寝返りをうちます。
「チュンチュン」と囀る小鳥の歌声はやけに心地よく、自然と私の目は覚醒していきます。
私は、自分の状態を確認するかの様に胸に手を当てます。
手を当てても何か分かるわけではありませんが、昨日の苦しさが嘘の様に、身体はスッキリしていました。
こんなにスッキリ目が醒めたのはいつ振りでしょうか。
私は、身体を起こしてベットから立ち上がります。
そして、外の空気を吸いたいが為に、窓に近づきゆっくりと両手で窓を引くと、涼しげなそよ風が私の身体をなぞるかの様に通り過ぎていきます。
「あっ……」
刹那、私の視野にあるものが映り、私は急いで室内にある鏡台に向かいます。
鏡台の両サイドを手に持つ私。
だけど、目線は床に落としたまま。
もしもの事を考えると……中々顔を上げる事が出来ません。
先程の光景が幻だったかも、と悪い方に、悪い方にと考えてしまいます。
そんな時でした。
コンコンと、ドアをノックする音。
「起きてる~? 入るよ~」
ララさんです。
「あ、はい、どうぞ!」
私の声で、ララさんはそぉっとドア開け、室内に足を踏み入れます。
私は未だ、頭を下げたままララさんの方へと視線だけを向けます。
とても変な恰好をしている自覚はあります、現にララさんは私を見て顔を顰めていました。
そして、憂わしげな表情を私に向けます。
心配してくれているのでしょう。
まだ出会ってそんなに時間は経っていませんが、私はそんなララさんが好きです。
とても面白くて、優しくて、温かくて。
そんなララさんが、まさか、王妃様だったなんて……ビックリです。
「れ、レウィちゃん……ユー。ごほん、そんな格好でどうしたの?」
「そ、その……髪の色を確認したいのですが、こ、怖くて……」
私がそう伝えると、ララさんは柔らかい笑みを浮かべ私の両肩に触れます。
「ほら、顔を上げてみて」
その優しく柔らかい声が私の耳に入るや否や、私の顔は自然と上がります。
そして、恐る恐る鏡を覗くと
「あ……あぁ……ツ」
私の頬に一筋の雫が伝うのが感じられます。
「前の紫色の髪も奇麗だったけど、ユーの本当の色はこっちなんだね。凄く奇麗だよレウィちゃん。サクタ達を呼んでこなくちゃ!」
そう言って速足に部屋を出るララさんを気にする余裕はありません。
なぜなら、鏡に映っている私の髪は、窓から差し込む光に照らされキラキラと光っていたから。
◇
「本当か!?」
ララから、レウィが目を醒ました事を聞きつけ俺とワタルはレウィに宛がわれた部屋へと駆け付ける。
勢いのまま、ドアを開けようとすると「ノックが先だよ」とワタルに止められた。
ゴンゴンと少し強めにノックをすると、中から「はい、どうぞ!」とレウィの声が聞こえ、俺は部屋のドアを開ける。
俺の瞳に映るレウィの姿に思わず「うぉ……」と感嘆の溜め息が漏れる。
ワタルも隣で目を見開いている。
俺達が驚くのも無理はない。
その姿はあまりにも美しく、神々しい。
レウィの髪の色は、輝くような白金色に変化していた。
「うひひ。ビックリした?」とララはイタズラが成功した子供の様な笑みを向ける。
こいつ、ワザと黙っていたな……。
「あぁ。良かったな、レウィ!」
「はいっ! また、自分の色を取り戻せるとは思っていませんでした! 本当に皆さんと出逢わなければ!」
レウィの両目からは止めどなく涙が溢れてくる。
俺達と出逢わなければ、今頃ガレイスのコレクションに加えられていた。
俺達と出逢わなければ、魔大陸に再び戻る事は出来なかった。
俺達と出逢わなければ、ギムレットに抗う事は出来なかった。
俺達と出逢わなければ、自分を取り戻す事は出来なかった。
そう主張するレウィは、嗚咽を交えながら俺達に視線を向ける。
「本当に、本当に、ありがとうございます……」
その言葉に答えるように、俺は、ただレウィの頭を撫でた。
いつも読んでいいただき、ありがとうございます。
この話で、この章は一先ず終わりです。
今週の土曜から10連休なので沢山書留めが出来ればと思います。
次話から数話、咲太がオルフェン王国に召喚され処刑台上がるまでの2年間の物語を書きたいと思います。
ブックマーク及び評価を頂けると嬉しいです。
よろしくお願いいたします!




