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なんかずっと短いのが続きますがもう少しご辛抱ください。






わたしはどうやら生きているらしい。

生きているとなればとうぜん身体があるわけで、立ち上がったそこはベッドらしかった。


けれど、自分の部屋ではもちろんない。

見覚えの全くない豪勢な部屋は家具も調度品もおよそ親しみのないものばかり。

わたしが育った国ではあまり見かけないようなものだった。


「……これが天蓋つきベッド」


テレビの世界でしか見たことの無い薄いレースが幾重にも垂れ下がったベッドにふかふかのマットレス。


猫足の家具と重々しい光沢のあるカーテン。



「……夢?」



なにがなんだか訳が分からない。

わたしは死んだのではなかったのだろうか。夢かもしれないけどでも確かに感覚はあるし感触はあった。

けれど、この状況を夢以外に説明する方法がない。



自分の姿をどうにか確認するが姿見がない。けれどどうやらあのバイト帰りの服装のままらしい。


「……刺されてないな」


安いTシャツと色あせたジーパンのままだ。

それに刺されただろう胸か腹かをさすってみるが傷はないし血も流れていない。


それから、もう一度ベッドに横たわる少女を覗き込む。

見れば見るほどわたしの顔だ。開きっぱなしの瞳の色も髪の色もおなじ。わたしよりも肌ツヤがいいのとクマがない以外はほとんどおなじ。


生まれ育った国では浮きまくりだった自分の顔もこういう場所でこういう格好をしていればなんとなく馴染んでいる気もする。


服装は豪勢な黄色のドレスだがよく見れば腹部から血が溢れていた。



「殺されたの、かな」


それとも自殺したのか。それは分からないけれど息絶えていることだけは確かだ。


異様に落ち着いていられているのはこの状況がありえなさ過ぎて夢にしか思えないからか。それともあの瞬間に自分は死んだのだと確信しているからか。


とにかくわたしはやけに沈みの良いベッドから飛び降りて毛足の長い絨毯を擦り切れたスニーカーで踏み荒らした。


それにしてもこの薄汚れた身なりの自分がなんと似合わないことか。


鏡で見なくともわかる。


こんなTシャツジーパン、スニーカーの覇気のない女が似合う部屋ではない。


失笑が漏れたところで、正面にあるバカでかい両あきの扉が開いてわたしは息を呑んだ。



いや、正しくは、わたしと“ 彼が”だ。




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