ニナルティナ湾タワーを守れ!! エレベーターで…b
「では今度はこうしましょうか!」
三毛猫は今度は魔ローダーの持つ長剣で、タワーの歪みかけた鉄骨の一部をシャシャッと切り裂く。
バランスを欠いたタワーはとうとう倒壊を始めたのか、ギャワアアアという鉄同士が擦り合う様な不気味な音をたてながら小刻みに揺れ出した。
「だめっ!!」
すっかり中に人が居ると信じているフルエレは魔ローダーでタワーを支えた。
「何をしているんですか? さっさと倒してしまいましょうよ」
そう言いながらフルエレの魔ローダーの背中を蹴り始めた。
「痛い! 最悪……貴方猫呼ちゃんのお兄さんなんじゃないの? 猫呼ちゃんが悲しむ様な事は止めて!!」
一瞬三毛猫の魔ローダーの動きが止まる。
「はて、誰ですかなそれは、そんな人物は知りませんが」
そう言うと今度はタワーを支える、さっきとは違う方の掌に剣先を突き刺した。
「ぎゃああああああああ」
魔法外部スピーカーで絶叫が流される。
「痛いでしょう! これ痛いって分かっててやってるのね? 最悪だわ」
「安心なさい、これで実際に傷つく事はありませんよ! あくまで気分だけ! 私も実際に女性に対して暴力を振るう様な事は反対です。ただ愛するだけ、安心して下さい!」
そう言って、突き刺ささったままの剣先をぐりぐりと回転し始めた。
「!!!!!!」
今度こそ表現のしようの無い激痛が走り、タワーから手を離し、剣先から逃げてしまった。
「そら、止めです!」
シャシャシャッと長剣を前後左右に振り続けると、とうとう轟音を立ててタワーが倒れかけ始めた。
「ああっタワーが……」
フルエレはタワーが凄まじい音を立てながら倒れる様を、指を咥えて見ているしか無かった。
ダダダダダーーーン……ドドドドドドドーーーン
表現の仕様の無い複雑で巨大な音を立てて最後まで倒れ込み、粉塵が舞い上がりその粉塵に隠れてしまう倒れたタワーの残骸。
中に人は居なかったとは言え、周囲にどの様な被害をもたらせているか分からない。
「ハハハハハハハハ、愉快ですね」
「なんて事……」




