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「さ、気分を切り替えて!」 「えっ?」


 ドドォーーン!


 X子を取り囲んでいた妖しい背広男達は、スナコが両手から放った雷で一斉に全身を撃たれた。実はスナコが本気を出せば全員地上から消し去るくらいの威力は出せるのだが、事件の背後を知る為に気絶する程度の威力に落とした物だが、あまりの光の激しさにX子は走り去った。


「きゃーーーっ!?」


 ドサッドサドサッ

 後には無言で倒れ行く男達が。

 ピクピク


「あっX子どこに行くのですか!?」


 キキーッ!

 慌ててX子を追い掛け様とした時、突然目の前の道路の交通量が多くなった。

 ファッファーーッ!

 物凄い勢いでクラクションを鳴らされるスナコ。


「くっ早く行かねば、X子がまた危険な目に! イライラし申すなぁ」


 急いでいる時急に赤信号が増えたり混雑して来たり、ありますよねこういう事……あるある!!



 スタタッ


「ゲゲッ倒れてた男どもが居ない。仲間をワゴン魔ーに回収して消えたのか、律儀なヤツラよ」


 スナコがようやく道路を渡った時には、男達もX子を連れ込もうとしたワゴン魔車も姿は無かった。


「今の男達は何者なのですか?」


 スッ

 しかし懸念していたX子はパニックになって消え去る様な事も無く、建物の間からひょいっと出て来た。そこら辺は帝女である姫乃ソラーレの冷静な所であった。


「ふぅ良かったです。貴方まで行方不明になっていたら私は生きた心地がしません。さっ気を取り直してネビュラ珈琲でデートしましょう!」


 ドタッ

 X子はコケた。


「えっ? 聞き間違いですよね、わたくし達さっきの今ですよ、警備兵に通報するとか」

「ノンノン、そんな事必要ありません。そんな事よりデートの方が大事ですから!」


 X子はあっけにとられた。しかし何故か夢遊病者の様にスナコに手を引かれ店内に入ってしまう。

 フラ~



 二人は店内に入るとごく自然に注文し、仲の良い女学生の友達同士にしか見えない。


「ここまでは合わせましたけど、今の出来事の事を話し合いましょう!」

「まあまあ落ち着いて下さい。そんな事より今日の貴方は謎の仮面をしていないのが凄く良い! ハッッ」


 突然スナコはストップした。


「どうしたのですか能天気に話していたかと思えば、今度は夜の街角で突然出会った野良猫の様に目をハッとして開いたまま。何があったのです?」


「今気付いたのですが、仮面をしていない貴方は髪の色さえ気にしなければ雪乃フルエレ女王その物。何者かが似顔絵などを見ながらフルエレをさらおうとしておったのでは?」


 スナコの話に興味を引いてしまう。


「どういう事です?」

「実は最近私達二人がさらわれ掛けるという事件があって。最もそれは身内のおふざけだったのですがね」

「つまりその時の状況に似ていると? ではこの王国や同盟軍の仕業ですか」


「違うと思います。明らかに今回の連中には害意を感じました」

「貴方にもそんな繊細な事が分かるのですね」

「私は犯人は貴城乃(たかぎの)シューネだと思っておりますよ、貴方の脱走を知って連れ戻すとか。フルエレの警備を増やさねばなりませんなぁ」

「シューネはそんな事しません!」


 ダンッ!

 X子は机を叩いた。


「落ち着きなされ。しかしまぁ完全に〇ーマの休日パターンですな」


 X子はこ首をかしげる。


「老婆の休日?」

「それビー〇たけしが大昔に同じ事言うとりましたぞ」

「ビーツ??」

「てんさいではありませんぞ! しかし愛する貴方の事を守り抜く事に違いはありません」



 ブッ

 X子はコーヒーを吹いた。


「貴方には秘めた想いとか、そういう物は無いのですか? いちいち言葉が軽いですね」

「それセレネとデートした時に全く同じ事を言われました!」

「自慢してどうするのですか」


「しかし本当に私はX子の事を愛しているので仕方が無いです」

「もう少し余韻を持ちなさい」

「いえ、私の前世はイタリア人かも知れません。美しい貴方の前で言わないと気が済まないのです」


 スナコこと砂緒(すなお)の前世はイタリア人などでは無い、大元は真実の鏡という(ブツ)である。


「はいはい分かりました。他の女性とのデートに言及する時点で……」


 ガチャッ

 その時入口のドアが開き、新たな客が入って来た。


「伏せてッッ!」

「は?」

「早く伏せてッ!!」


 スナコは血相を変えて机に顔を沈めた。


「確かここら辺でスナコちゃんを見た気がするんだけど……」


 キョロキョロ

 一人で入って来たのは何とルンブレッタであった。調子の良かったスナコが今一番遭遇したくない相手である。

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