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ドライブアクション映画 3

話は冒頭へと戻り放心状態の2人。


映画館内では同じように放心状態の者がちらほらと見受けられた。


それもその筈で……


「あれは激しすぎるって」


「妾、大人になってなかったら絶対に吹き飛ばされてたと思うんじゃな」


この映画の4DXシートが過去最高に大暴れしたからである。


序盤の回想シーン、ローマでのカーチェイス、ラストのバトルとほぼほぼ静かな時間はない。


オールウェイズでシートは動きっぱなしだったと錯覚するほどに揺れ動いていた。


これは毎回最後に大爆発を起こす春の探偵アニメすらも遥かに超える揺れ。


お前らを全員ムチウチにしてやると言わんばかりの言葉が設定者から伝わってくるようであった。


そんな激しい揺れを体験した2人ではあったのだが、気を取り直すと


「すっごく面白かったね」


「正に最高の一言に尽きるのう」


大満足であった。


それも当然のことで、4DXは揺れを楽しみにしている上映と言っても過言ではないだろう。


なので激しく揺れれば揺れるほどに2人の……いや、場内の満足度は上がっていくのである。


「ただ、もうそろそろシートベルト欲しいかもね」


「いつか吹き飛ばされる者が出てきそうじゃからな」


「車のアクションなんだから余計にシートベルトあっても良いんじゃないかなって思うんだよね」


「思い返せば4DXの注意画面ではシートベルトを着用しているシーンがあったしのう」


やはり、吹き飛ばされるのを頑張って押さつけながら鑑賞するのは中々にしんどかったようである。


「マオは印象的なシーンってある?」


「シーンというか、全体的に印象に残ったのはやはり叔父さんじゃろうな。

前作から比べてあれ程にキャラが変わるとは思わんかったよ」


「確かに……本当に格好良かったよね。

あ、3時間近く座ってたからトイレに行ってくる」


「妾も行くのじゃ」


こうして2人はトイレで暫し小休止し、ほぼ同時に出て来て入り口へも戻ってくる。


「とりあえずいつも通りにご飯食べに行こっか。

自分で動いたわけじゃないけどお腹減っちゃったよ」


「強制的に動かされたからのう。

久しぶりに串カツでも食べにいくとするのじゃ」


こうして2人は場所を移動し串カツ屋に向かい、そこで映画の感想や次回作の予想などで盛り上がるのであった。


尚、次回作の予定を調べると二年後ということが分かり、まだまだ待たされることにガッカリしたりもするのだが。

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