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ドライブアクション映画 2

「そう言えばこれで何作目だっけ、この映画」


「確か10作品目じゃな。

じゃが、以前に以前に公開された作品の中にはスピンオフが混じっておるから、それを合わせれば映画11本作られている事になるのう」


「冷静に考えてシリーズ11作も出てるとかとんでもないよね。

基本的に向こうって三部作で終わって、長い時間かけて4が出てコケるってイメージだけど」


席に座ったユウとマオは映画の予告を眺めつつ今から観る映画について話をしている。


ドリンクホルダーに飲み物も入れて準備は万端である。


「確かに3部で区切りを入れるのは向こうの手法にありそうじゃな。

元々この作品も4作品目から方針を変えて今のカーアクション+スパイ映画のようになったからのう。

それが結果的に大成功して今の評判に繋がっておると言う訳じゃよ」


「主演の元レスラーの人のキャラも強いしね。

そう言えば前作では弟役で同じようにアメリカプロレスの大スターが出てたっけ。

あの人好きだったんだよねぇ……見えっこねえ!

なんて手のひらを顔に向けて左右に振るパフォーマンス良かったよ」


「向こうのプロレスに関してはユウの方が詳しいからのう。

一時期はよく見ておったからのじゃ」


「まぁね。

弟役の人は長い事スターをやってて、プライベートでも真面目で模範的だから上層部にめちゃくちゃ気に入られてたんだよね。

で、あそこの会社って自社で映画の配給会社持ってるから、そこで何本か主演で映画撮ったことあるんだってさ」


「アメリカプロレス出身者は皆演技が上手い気がしておったが、そう言うカラクリがあったんじゃな」


「あはは、ほら、あの人達は毎週演技でしあ……あ、何でもない。

これは流石に言葉にしちゃ拙い気がする」


話が弾んで調子に乗ったユウだが、あわやのところで自制心が働いたらしい。


「大丈夫、ブックなんて無い!

あの人達はいつも真剣勝負」


「う、うむ、そうじゃな……お、明かりが落ちたから間も無く始まりそうじゃな」


「そうだね、それじゃ終わるまでは黙っておこうね」


明かりが落ちてから最初に流れるのは4DXの説明の映像である。


場面に合わせて座席が揺れ、水がかけられる。


観客の中には初体験だった人もいて、この愉快な仕掛けに大はしゃぎである。


こうしてひとしきり座席が暴れてから映画の本編が始まり……場面は冒頭のシーンへと繋がっていくのであった。

ブックとは台本の事ですが、そんなものはありません。


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