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転生の話

「そう言えばなんじゃが、卒業して転生しているパターンというのも見かけるのう」


「確かに……アバターは別でも中身は結局変わらないからね。

喋り方や企画が変わらないからすぐ分かっちゃうよね」


場所は変わってお風呂に来ている二人。


くっつきながらゴロゴロしていたら余計な汗をかいてしまったのでお風呂へとやってきたのだ。


お風呂でも話題は変わらず、引退したVの話で盛り上がっているようであった。


「中には隠れて2アカ使っていたのがバレて規約違反から解雇になった者もおったような気が……」


「それは流石に迂闊すぎじゃないの?

でも、転生かぁ……そういうのでもまた推しに会えるってのは嬉しいもんなのかな?」


「嬉しいのではないかのう。

そういえば転生した推しを見つけた時の注意事項があったのじゃが、何か分かるかの?」


「ええ……なんだろ。

転生前の話を振らないとかかな」


「おお〜かなり近い解答とは中々鋭いのう。

正しくは最初の挨拶は初めましてという事じゃな。

お久しぶりとかまた会えたとか、過去に会ったことがあるような挨拶はしないという事じゃな。

転生した姿では文字通りに初めましてという訳じゃよ」


マオは顔を上に向けてユウの目を見ながら答えた。


現在2人はのんびりと湯船に浸かり、体の小さいマオがユウの正面に背中を合わせる形である。


「全部リセットされてる訳だからね。

それでも過去の経験や、以前からのリスナーが来てくれる分には強くてニューゲームって感じなのかな?」


「まぁ、全く何もないところから始めるよりはマシなんじゃろうが……以前の状態を超えるというのも中々に難しいであろうな」


「確かに……自分の推しなのは間違いないのに見た目が違うって違和感めっちゃありそう。

転生ってのも中々難しそうだね」


「結局は上手くコンプラを守りながらやっていくのが一番なんじゃろうな。

それでも何処から燃やされるか分からん業界ではあるがのう」


「ガチ恋とか多いと大変そうだよね。

僕らの所は純粋に楽しんでくれてる人たちばかりで良かったよ」


「心の中ではどうなのかは分からんがの。

少なくとも表面に出さないのであれば問題なしじゃよ。

ワシらとファンは表面のみで繋がった関係じゃからのう。

それでも長い事やっておれば確かな繋がりが出来ておる……不思議なものじゃな」


「長さだけなら僕が一番だけどね」


ユウはそう言いながらマオの身体を抱き込むようにして包み込む。


「なんじゃ、焼いておるのか?」


「どうだろうね?

とりあえず久しぶりだしくっついとこうかなって気にはなってるけど」


「ならば久々に同じ床で寝るとするかのう」


こうして風呂から上がった2人は軽く短い配信をしてから寝床を共にするのであった。


内容に深い意味はなく、久しぶりにイチャイチャ回にしたかっただけです。 

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