連休の締めくくり
「世間では連休も終わりだね」
「妾たちには関係ないことではあるがのう」
黄金の週間も終わりの日、ユウとマオは折角だからと昼間から始めた配信を終え、リビングでダラダラと過ごしていた。
流石にこの連休の間にどこかに出掛ける気は起きず、世間とは逆に家に引き篭もる生活をしていた2人。
「いや、だって東京駅の映像見た?
新幹線乗り場に人が溢れすぎてて改札すら進めないんだよ」
「いきなり何を言っておるのじゃ。
まぁ、言いたい事は分かるがのう。
あんなものランドが閉まった後の舞浜よりも酷い状況じゃよ」
「ランドって言えば最新のアトラクションでも平日なら2時間程度なのに、静岡の有名なハンバーグ屋さんの待ち時間が378分待ちになってる画像回ってきたんだけど」
「約6時間強と言ったところかのう。
待つ前にご飯食べてから並ばぬと持たぬのう」
「まぁ、流石に前に並んでるんじゃなくて電話番号登録とかじゃない?
だって並んでたら200組以上が外に列作ってる事になる訳だし、周りのお店とかに迷惑でしょ」
「それだけ並んでおったら警察官が列整理にやってきそうじゃのう。
何にしてもこの黄金週間は何処も人で溢れておったのう」
「そう言えばあのニュース見た?
仙台の方の映画館の話」
「アレじゃろ?
ヒゲの配管工の映画が流れると思ったら、漫画の実写映画が流れたというやつじゃな」
「子供たちが泣き出しちゃったらしいね。
まぁ、貴重な休みの時間使って映画観れると思ったら、全然違う知らないのが流れてきちゃったらねぇ」
「今の子供達では元の漫画は知らんであろうしな。
払い戻しになったらしいが、それで収まるものでもあるまい……特に子供たちの気持ちというものはのう」
「逆に西の方に目を向けると、日本で一番人が来るお祭りの情報が流れてきたよね」
「博多どんたくじゃな。
本来はしゃもじを持って踊る祭りじゃが、今年はコスプレショーや自衛隊の行進。
プリティなヒロインのキュアっとしたパレードなんかもあって盛り上がったようじゃのう」
「巫女さんは地元の人ほど行かないお祭りって言ってたけどね。
でも、映像見てると面白かったよ」
「そうじゃな……のう、ユウよ。
ふと思ったんじゃがな……」
「ああ、奇遇だね。
僕も多分同じ事を考えてたよ」
ノンストップで喋り続けていた2人であったが、ここで一度呼吸を合わせる。
そして、次に出した言葉は全く同じものであった。
『配信でやれば良かった』
お互いに同じ事を言ったのを確認した2人は、互いに少しの間見つめあってから大笑いした。
「偶にはこんなのもいっか。
せっかくの連休の最後だし今日は一緒に寝る?」
「何がせっかくかは分からぬが良いじゃろう。
偶にはのう」
こうして、2人はいつもと変わらない……しかし、最高の時間で黄金週間の連休を締め括ったのであった。
今年のゴールデンウィークまとめでしたね。
皆さんは楽しい時間を過ごしましたか?
私はずっと仕事でした。




