ファームファンタジー(仮)6
「して、これは何から直した方がいいのかのう?」
何とか立ち直ったマオがユウと天さんの2人に尋ねる。
「まぁ、予想だけど一日の収入が全然追いついてないよね」
「そうですわね。
使わずに貯め込んでいる可能性もありますけど……まぁ、無いでございますわ」
「天さん、混乱するから口調戻して」
「はいはい、で、所持金は……うん、予想通り」
「まずはその植えてある剣とか盾とか引き抜こうか。
それで空いた土地に種を植えて作物を育てる。
その間にその剣と盾を持って採取にって感じかな」
「森では木材を沢山拾ってきなさい。
それで最初に鶏小屋を建てて、鶏を買う。
鶏は餌がある限りは毎日卵を産んでくれて安定した固定収入になるから直ぐに元が取れるからね」
「わ、分かったのじゃ。
育てる作物は何が良いかのう?」
「基本的に収穫期間が長いほど利幅が大きくなる傾向にあるんだよね。
でも、正直今はとにかくお金を増やしておきたいから小麦でいいんじゃ無い?」
「とりあえず敵が来た時に備えて私達が防衛任務に当たるから……全く、こんな慈善事業やるためにヒャッハーRPしているんじゃ無いんですことよ」
天さんのヒャッハーは文句を言うエモートをしつつも侵入口の前に立つ。
「まぁまぁ、偶には善行も大事だよ。
実際、山賊プレイに少し飽きてきた所でしょ?」
「それは否定しないけど……まぁ、いいわ。
とりあえずユウちゃんとマオちゃんとも同盟ね。
リーダーはユウちゃんでいい?」
「僕は今回は遊びに徹しようかなって思ってたんだよね。
マオもこんな有様だし、天さんがリーダーでいいよ」
「あら、それなら私の山賊行為に付き合ってもらう事になるけどいいの?」
「全然構わないよ。
最近オンラインでは真面目にやり過ぎてたし、身内プレイぐらい、はっちゃけたいと思ってたんだよね。
でも飽きてきたんじゃないの?」
「そりゃソロでやってたら飽きてくるけど……仲間がいるとまた違ってくるでしょ。
攻めづらいかったところも襲えるわね」
そんな相談をしている2人からは見るからに怪しい黒いオーラが噴出していた……そういうエモートを使っているだけなのだが。
「同盟の名前どうする?」
「世紀末ヒャッハー山賊団」
「即答ってことは温めておいた案だよね。
別に僕はそれで構わないよ。
その名前なら責任は全部天さんが背負ってくれそうだし」
「聞き捨てならないセリフが聞こえてきた気がするけど……まあ、構わないわね。
それじゃ、マオちゃんの準備が整ったら早速略奪に行くわよ!!」
恐竜島の時と違い、今回は襲う側です。




