#魔王様とお酒を飲もう 3
「はてさて……飲み始めてから中々に時間が経過したものよ。
皆の者はついてきておるかの?」
・ジュースだから平気です
・同接は減ってきてるw
「飲み潰れたものは無理せずに寝るんじゃぞ。
後はお水なども摂ることを忘れんようにな。
吸収される前に胃の中で薄めるのは中々に効果的じゃぞ」
・チェイサーかな
・起きた時が違うよな
「食事などと共に飲むのも良いようじゃな。
吸収される前に薄める。
悪酔いせぬように気をつけるのじゃぞ」
・了解
・程々にします
「さて、妾も最後はウイスキーで締めようかのう。
妾が最も愛するお酒、黒い容器がシックで素敵なジャックさんじゃな」
・少しだけお高いやつだ!
・ジャックさん美味しいよな
「うむうむ、ジャックさんは実に素晴らしいお酒じゃよ。
角ばった黄金色のウイスキーも良いが、少し贅沢するならばこちらじゃな」
・角ばってるのも良いよね
・ヒゲのおじさんは?
「うーむ、ヒゲのおじさんはのう。
安いのじゃが味も相応と言うべきか。
元来、ウイスキーというのはそこそこに値の張る飲み物じゃから、安いもので濁すよりはもう少しお金を出したいものじゃな」
・かなり言葉選んでるなw
・言いたいことは分かる
「つまみは今日はチーズ尽くしでいこうと決めておるのでな。
一つ一つが透明な紙に包まれた燻製チーズを頂くとするかのう」
・はい、正解
・間違いがない
「前に話だかも知れぬが、妾は炭酸が少し苦手でのう。
ウイスキーと言えばハイボールという者もおるのじゃが、素直に水割りで頂かせてもらうのじゃ。
流石に薄めろと言った矢先にストレートやロックで飲むのも不味かろう」
・好きな飲み方でええんやで
・確かにストレートはキツい
「今では設備もきちんと整って生産ラインとして作られておるようじゃが、昔はアルコール度数の高い酒を作るのは難しかったそうじゃな。
かつては蘭引と呼ばれる蒸留器があったのは知っておるかな?」
・聞いたことあるような……
・知らないなぁ
「見た目は壺の上に急須をニ段重ねたような形をしておって
のう。
一番下の壺に酒を入れ、一番上の急須に水を入れる。
それを火にかけると酒が熱されて蒸気になり、上の水に冷やされて水滴となり、2段目の急須の先から水滴となって落ちてくる。
これにより水分が少し抜けてアルコール度数が強くなるというわけじゃな。
これを繰り返すことでより強い酒を作れるのじゃが……手間と燃料費がかかりすぎるのが難点じゃな」
・クッソ面倒くさそう
・これは確かにキツい
「なので、今はこのように簡単に強いお酒を楽しめるようになったことに感謝じゃな。
さてさて、今宵ももう良い時間。
そろそろお開きにするとしようかのう」
・もうこんな時間か
・飲み会は時間が早い
「明日に酒を残さぬように気をつけるのじゃぞ。
それでは、お疲れなのじゃ」
・おつかれ〜
・お疲れなのじゃ




