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#生粋の旅人コラボ 3

「……ちょっと呆気に取られちゃってたよ。

歌が上手いとか下手とか、技術がどうとかそんな事がどうでも良くなる熱さって言うものがあるんだね」


・凄いとしか言えない

・魂に響くってこういう事なんだな


「そう言ってもらえるとありがたいね。

自分では特別なことはしてなくて、本当にただ好きに歌ってるだけなんだけどね」


「これって旅に出た時からやってたの?」


「いや、さっきも話した通りに最初は普通に働いたりしてたんだよ。

路上で色々やる時に日本の有名な歌を歌うと喜ばれるから歌い始めて。

それでアカペラで歌うならギターで適当でもメロディー付けた方がいいってアドバイスもらって初めてギター触ってね」


「え?旅の最中に歌もギターも始めたってこと?」


・うそやろ

・ギター持って歌えるから路上に出たんじゃないのか


「そうそう、お金を稼ぐ方法は幾らあっても良いからね」


「まぁ、それは僕も旅をしてたから分かるかな。

僕の場合は腕っぷし一本で何とかなったし、そういう需要もあったから困る事はなかったけど。

サバイバル技術もあるから何とでもなったしね」


「絵や当て字の商売は紙とペンが無ければ出来ないけど、歌なら何処ででも出来るからね」


・歌は喉さえ無事ならいけるよな

・確かに何も用意しなくていい商売か


「歌と言えばさっきの歌の話なんだけど、熱量に関わっている部分として声量が大きいってのもあると思うんだよね。

生声なのにマイクで増幅させたくらいの大きさみたいな。

生声でその声量だとやっぱり普通の人とは違って聞こえるんだよね」


「自分からしたらそんなに違いがあるのか分からないんだけどね。

でも、そうだなぁ……違いがあるとしたら命が懸かってたからじゃないかな?」


「命が懸かってた?」


「そうだよ。

だって、足を止めて聞いてもらわないとお金稼げなくて死んじゃうからね。

足を止めてもらうには大きな声をぶつけるのが一番なんだよ」


「それは確かに……綺麗な歌声が流れて来るよりも、迫力のある声がドン!と来た方が足を止めて何やってるんだろうって見ちゃうよね」


「そうやって自然に覚えた歌い方だから本当に特別な事をしているつもりはないのさ。

生きる為に必死だっただけだね」


・ちょっとゾクッとした

・足止めてもらわない死んじゃう……軽く話してるけど重いよね


「なるほど……確かに旅の間は命が懸かってるせいか、集中力もやる気も段違いだった気がする。

色々と思い出せたし、気付きもあって面白いな」


「今日は俺の話がメインだけど、今度はユウちゃんの旅の話も聞かせてよ。

異世界の旅も面白そうだし」


「次回はじっくり聞いてもらおうかな。

後は幾つか聞きたいことがあるから、それを聞いたら終わりにしようか」


「オッケーオッケー、何でも聞いてよ」

歌声で足を止めさせなければ死ぬだけだから、自然と魂を震わせる歌声が身に付いたと聞かされた時は本当に雷が落ちてきたくらいのショックを受けましたよ。

今でも尊敬している人物です。

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