良い○○の日

今日も今日とて2人はリビングで共に食事を取りながら会話を楽しんでいた。

話題は先日のマオの配信内容であるようだ。

「この間は１１月９日で良いオークの日なんて話しておったのじゃが……」

「ああ、放送のアーカイブ見たけど大丈夫なの？」

「うむ、とりあえず何か悪さをするわけではないし、一視聴者であるならば取り立てて何かする必要はあるまい。

一応スパナは投げておいたがのう」

スパナとは自分のチャンネル登録者に付けるブックマークのようなものである。

これを付ける事によって、スパナ所持者のコメントは投げ銭でなくても強調されるようになるのだ。

普通は同じVの仲間や切り抜き職人などの関係者に付ける事が多い……が、稀に特別なファンに付けられることもあるので、ファンがスパナを付けられると末代まで自慢できるステータスと言えるだろう。

「あっち側の人達がコメント打つ可能性は低いって話だからいいんじゃない？

オークロードも常にリアルタイムで見れるわけじゃないんでしょ？」

「仕事の忙しさもそうじゃが、魔力の消耗が激しいらしいのう……今回は自分のお願いがあったので死ぬ気で時間を空けて魔力も貯めておいたようじゃがな」

「それならスパナ投げても問題なしだね。

しかし、語呂合わせで良いオークの日かぁ。

１１で良いってのが使いやすそうだけど、他には何かないの？」

「それなんじゃがなぁ……１１月４日は良いお尻の日

１１月７日は良いお腹の日。

１１月８日は良いオッパイの日なのだそうじゃ」

「へぇ〜何かタイムラインはそう言う画像で溢れそうだね」

「勿論溢れかえっておったぞ。

そんなファンアートやグラビアアイドルのアピールだらけじゃったよ」

そう言ってマオは自身のスマホをポチポチと操作し始めた。

こうしてマオが例として出した画像なのだが……肝心のセクシーショットをアピールしているのは他ならぬユウとマオであった。

くじよじではちょっとエッチなファンアートも、それはそれで人気の一つという事で容認している状態である。

有名になればなる程にこのような絵は増えてくるので、逆にそこから新規が増えれば儲け物という考えである。

だが、許可のないグッズ作成、販売などは厳しく取り締まっているので、ファン達も許されている部分のみで楽しもうとお互いに線を引いている事で平和的に維持していると言える。

「うわぁ……ちょっと僕のスタイル盛りすぎじゃない？

おっぱいもお尻も大きすぎるでしょ」

「妾は子供の姿なら流石にいじってはおらぬのう……大人姿は逆にその大きさで正解なのじゃが」

「盛ったつもりが正解って規格外すぎるんだよね」

「まぁ良いではないか。

さて、今日はどのような配信をしようかのう？」

「僕は新しく買ったゲームの配信でもしてみるよ」