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ノーダメージ挑戦 前日譚

本日の話数は何と驚きのラッキーセブンでございます。

今日も今日とて、何故かユウたちの家に遊びに来ているセシム。


「いや、別に構わないけど……何でいるの?」


「ストレートに聞かれると傷付く人がいますよ。

私は全然平気ですけど」


「それが分かっておるから聞いておるのじゃろう。

そんなに暇なのかえ?」


昼食のご相伴に預かっているセシムに対し、2人からの圧が送られる。


とはいえ、本気で嫌ならば締め出しているので、コミュニュケーションの一環……いわゆる、お約束という奴である。


「暇じゃないんですけどねぇ……ここは何というか、落ち着くんですよ。

都内なのに空気が清らかというか……澄んでいるというか……何なんでしょうね?

最高級の空気清浄機でも使ってるんですか?」


そう言いながらセシムが辺りを見わたすが、それらしいものは見当たらない。


「うーむ……ひょっとするとお主は感じ取る才能に長けておるのかもしれぬのう」


「どういう事です?」


「知っての通りに妾達は元は異世界の住人じゃ。

そして、妾たちの住んでいるこの部屋があちらの世界に一番強く結びついておる。

そのお陰で、こちらの世界には無い魔力などが流れ込んできておるのじゃが……お主が感じているのはその力じゃな」


そう言ってマオは辺りの魔力をかき集めてセシムの方に放つ。


「ひゃっ!?今のは何ですか?」


何の力にも変換していない為に普通の人間には何をされたか分からないで終わるだろう。


だが、セシムは明らかに何かを感じ取っていた。


「へぇ…….本当に魔力を感じ取れるんだ。

中々面白いね」


「え?これってひょっとして、私も魔法使えるようになったりします?」


「いや、そこまでの事は出来ぬじゃろう」


「なーんだ……ちょっとワクワクしちゃった」


明らかにガッカリした様子で机に突っ伏すセシム。


「でもさ……少し身体に取り込んで無い、これ?」


「そうじゃな。

恐らくじゃが、この部屋に来て落ち着くと感じるのはそれが原因じゃろう。

魔力を取り込む事で疲労の回復に当ててるようじゃな」


その言葉を聞いたセシムがピンと跳ね起きた。


「じゃ、じゃあ、この家に来てから配信すると絶好調が多いのは気のせいでは無かったんですね!」


「そ、そうじゃな。

恐らくは疲労の回復に一時的な身体力の向上……とは言うても、身体の調子が良い程度のものじゃが。

後は集中力の増加などの効果がありそうじゃのう」


「と言う事は今こそあのチャレンジをするべきでは!?

急用を思い出したのでこれで失礼しますね!

素麺のお礼は後日持ってきますので」


セシムはそう言うと素早く出て行ってしまう。


「慌ただしいなぁ……何するつもりなんだろ?」


「SNSでも確認してみるかのう……これかの?

スプラッターな家をノーダメージクリアー目標でプレイ!」


「ああ……それは絶好調が確定している時にやりたい企画だから仕方ないね。

しかし、飽きない後輩が入ってきたものだよ」


「本当にそうじゃな……しばらくは可愛がってやろうではないか」


こうしてこの日は2人もセシムの配信をつけて応援することにしたのであった。

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