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いつもと違うお出かけ 2

ディズニー・シーにあるソアリンのネタバレが含まれているのでご注意ください。

2人が入り口まで行くと審査は自分達が知るより遥かに厳重になっていた。


夢の国とは言うが、まるで本当に他国へ入国する時のように、荷物はコンベアを経てチェックを受け、自分たちもそのまま金属探知機を通る事になる。


そこまでしてやっと入場した夢の国の中身は特に変わっていなかったのは救いであろう。


「先ずはファストパスとか取ったほうがいいのかな?」


「それなんじゃがな……どうも今はその制度が廃止されておるようじゃ」


「え、そうなの?」


言われてスマホからアプリを起動すると、確かに待ち時間は掲載されているのだが、以前のようなファストパスの発行時間の記載は無かった。


「それで調べたんじゃが、ショーの抽選もアプリで全部済ませてしまえるようじゃな。

どれ、チケットを貸してみるとよい」


「あ、じゃあお願い。

BBBは絶対観たいしね」


マオに言われてユウはチケットを渡す。


自分の分と合わせてチケットのQR部分を読み込むと、ぽちぽちと操作し始めた。


「時間は……最後は多そうじゃから、その前にしておこうかのう。

……おお、抽選受かっておるぞ!」


「え、やったー!

……というか、これってひょっとして満席になってないくらい少ないから取れたんじゃ?」


「可能性はあるのう……なにせ、この少なさじゃ」


辺りを見ると2人が今までに見たことがない程に人が少ない。


最初に見ることになる巨大な地球の模型と噴水のエリアでは、本来人でごった返している筈である。


だが、2人の周りには疎らにしかひとがいない。


「いない訳じゃ無いんだけどね」


「それでも分かるくらいには少ないのう」


「ファストパスが廃止されたにしてもアトラクションの待ち時間少ないしね」


「とりあえず元気なうちに新しいアトラクションに行ってみるかの?」


「そうしよう!」


こうして2人はこの夢の国:海で最も新しいアトラクションへとやってきた。


待ち時間は60分程度だが、2年前の出来た当初は3時間から5時間待ちだった事に比べればどうという事もない。


最初に並んだ時は外だったが、20分も待つと建物の中へと入ることが出来た。


そこには空を飛ぶ研究に絞った資料や歴史を知ることが出来る装飾となっていた。


それらの写真を撮りながら列を待つと、一つの部屋に80人ほど集められる。


これから何が始まるのだろうと考えていると、部屋に飾られた絵の中の女性が、まるで生きているかのように語りかけてきた。


女性が何かアクションを起こすたびに、絵の中に描かれていた様々なものが動いていく。


そこに不自然さなどは一切なく、元からそう言うものであったとしか思えない程だ。


女性のショーが終わり、只の絵へと戻ったところで次に進む為の扉が開く。


ここから複数の箇所に分かれてアトラクションを体験できるようだ。


キャッキャと話しながら待っているとあっという間に自分たちの番となった。


80人以上が座れるらしいアトラクションは、横に並んだ椅子が複数あり、その椅子に身体を固定して楽しむらしい。


「一体どんなんだろうね?」


「分からぬ……が、ワクワクするのう」


事前に何も知識を入れていない2人はワクワクしながら椅子に座る。


時間になり、アトラクションが動き出す。


何と、椅子は上に上昇しながら前へと進む。


前には大きなモニターがあり、映像が映し出されたと思った瞬間に2人は……いや、この場にいる全員は雪山の山頂よりも遥かに高い位置にいた。


そこからはまるで夢のような時間……万里の長城やサバンナ、グランドキャニオンや東京、シーと言った世界の名所の上空を駆け巡る。


実際に飛んでいるように風を感じ、サバンナでは緑の匂いが鼻孔をくすぐった。


僅か5分間ほどのフライトであったが、2人は大満足である。


「これは人気があるのが分かるね!

僕、これ大好きだよ」


「一度は見たいと思っておったグランドキャニオンを、このような形で見れるとは思わなんだわ。

素晴らしいアトラクションであった」


2人は今日、この日が空いていることに感謝しつつ、次のアトラクションへ向けて移動するのであった。

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