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凱旋門を見る2人

時事ネタです。

「あああああああああ〜」


「くぅ……残念じゃったな。

しかし、ナイスファイトじゃ。

この日の為に頑張った者達を讃えぬとな」


日も変わるかという時間、ユウはテレビの前でへたり込む。


一方でマオはある事を讃えるべく、テレビに向かって拍手を送っていた。


フランスはパリで行われる権威の高いレース……その勝利という悲願を達成しようと選ばれた四組の勇者達。


今年こそはいけるのではないか?


日本中が期待したレースであったが、結果は残酷なものであった。


日本勢はどの組も一桁の順位に入れず、全組が下から数えた方が早いとい惨敗に終わってしまった。


だが、マオは彼らのここまでの道のりと努力を讃えるべく手を叩く。


それに釣られるように、落ち込んでいたユウも顔を上げて手を叩いた。


凱旋門……日本が何度も挑みながら未だに勝てないレース。


50回以上に渡って挑み続けたレースでの最高の結果は2着が3回のみである。


「日本の競馬は世界に通用するレベルだと思うんだけどね」


「過去に比べればマル外が猛威を振るうという事も無くなっておるからのう」


「……やっぱ雨が原因かなぁ?」


「それはあるじゃろう。

それに加えてレースを見て思ったのじゃが……走る度に起こる土煙は芝のレースとは思えんかったのう」


「あれは最早ダートだったよね。

ゲーム感覚で申し訳ないけど、芝のレースだと思って出したらダートのレースで、ダート適正GとかFの馬を走らせてる気分だったよ」


「そう言えば最初に2着を取った馬もダート適性が高かったのう……むむ?」


「あれ……ひょっとしてさぁ……」


2人は何かに気付いたのか、同時に考え込み始めた。


「凱旋門って芝とダートの両方走れる馬じゃないと勝てないんじゃない?」


「うむ、妾も同じ事を考えておった。

そういえば、日本の競馬は高速馬場になりすぎて、海外馬がジャパンカップに出るのを嫌がるという話を聞いた事があるのう」


「あ〜日本の馬は凱旋門に適応できなくて勝てない。

海外馬はジャパンカップに適応できなくて嫌がる。

ここから考えると……」


「今の日本競馬の進化は凱旋門に勝つ方向とは真逆の方に向かっておるのかもしれぬな」


「やっぱりそうなっちゃうのかなぁ……いつか勝てる所見れないのかな?」


「チャレンジし続ける限りチャンスは生まれるのじゃ。

妾達は変わらずに日本の馬達を応援し続けようではないか」


「そうだね!

しっかり応援して、ダメでも健闘を称えて拍手で出迎える。

これが正しいファンのあり方だよね」


こうして興奮冷めやらぬままに暫く談笑して夜更かしをする2人であった。

結果は残念でしたが、決して力不足ではなく、日本のお馬さんが悪いわけでもありません。

今後も変わらず日本競馬を応援していきたいものですね。

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