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新人セシム登場 1

どの会社においても新人が入ってくるタイミングというのはあるだろう。


Vの世界ではアバターの都合やイベントなどにより不定期ではあるが、それでも同じように新人はやってくる。


くじよじでは長いこと新人を売り出していなかったのだが、この度1人の女性がデビューすることになった。


彼女の名前は……いや、本名を語るのは無粋というものだろう。


黒い髪に黒い翼、赤いドレスを着たロリッ子。


彼女は堕天使として生まれ、生意気な口調で大人達を馬鹿にするという、最近流行りのメスガキスタイルで配信をしていた。


配信時の名前は堕天(だてん)使(セシム)


したったらずなアニメ声と、その可愛い外見から繰り出される「ざーこ」などの煽りボイスから一気にファンを増やしていった。


デビューしてから一ヶ月が経過した頃、里中の提案により箱内コラボを行うことが決定した。


相手はくじよじだけでなく、この世界の大先輩であるユウとマオであった。


実際にコラボをする前に面通しをしておいた方が良いだろうと言うことで、セシムはくじよじの本社に来ていた。


(相手は大先輩だけど……勇者とか魔王だなんてやってる人には負けるつもりないからね。

全力で踏み台になってもらいます)


中々に野心的な事を考えているセシムであったが、里中は彼女の野心的な感情には気付いていた。


しかし、この世界は協力しつつも競争が激しいため、このぐらいの気概を持っている方が良いだろうと採用したのだ。


背中からメラメラと上がる炎を感じつつ里中が仕事をしていると、部屋の扉がノックされる。


「お待たせしちゃってごめんね!」


「ユウの支度が遅いから待たせてしもうたではないか。

すまぬのう」


そう言って入ってきた2人の姿を見たセシムは絶句する。


3D配信のアバターが画面の中から飛び出してきたような姿をした二人組。


いつも見ていた配信の2人がその場にいたからだ。


「あ、え、あっと……全然待ってないので気にしないでください」


大嘘である。


彼女は野心に溢れているものの、それはマイナスの感情ではなくプラスの感情からなるものであった。


……つまり、どう言う事かと言うと、彼女は予定の時間よりも大幅に前に来ていたのだ。


待ち時間にはユウとマオの配信を見て勉強する生真面目さまで発揮していた。


そう……神の加護に守られているこの会社に入って来れた時点でそう言う事なのであった。


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