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いつもの日常

「さて、それじゃ早速SDカードを挿そうか」


エコバッグから取り出したSDカードを受け取ったマオがSwitchを裏返す。


そのまましばらく観察して……


「のう……これは何処に入れるのじゃ?」


「あ、初見だと分かりづらいか。

裏側にSwitchを立たせる部品みたいなのあるでしょ?

その下」


「おお、こんな所に差込口があったのじゃな。

これは初めてじゃと分かりづらく無いかのう?」


「多分、分かんないと思うよ。

僕も分かんなかったから調べたし」


「ともあれ、これで暫くは容量に困ることはないのじゃ。

しかし、もっと上の物がネットでは手に入ると言うておったのう」


「コンビニは所詮コンビニ価格だしね。

電気店に行くとそれより少しはマシ。

ネットを漁れば更に安くて良いものが出てきやすいよ……ほら、見てみなよ」


ユウが開いたパソコンの画面には様々なSDカードが掲載されていた。


そのどれもがマオが買ったものよりも容量が大きく、それでいて値段も安かった。


「どれも安い上に最低が128GB。

多い場合は256GBと言ったところかのう」


「とりあえずは256が最大値だと思って良いよ。

他にもっと大きい物があるにはあるけど……これで十分でしょ」


「それは勿論じゃよ。

高望みしすぎるのも良くは無いであろう」


「それが分かってるなら十分……じゃあ、今日は勉強頑張ったから僕がこれを買ってあげるよ」


「お、それは感謝じゃな。

そう言えばイカちゃんのカードはどう使うんじゃったかのう?」


マオがエコバッグから新たに購入したゲームカードを取り出した。


「それは銀紙削って出てきたコードを入れれば良いんだよ。

ほら、ダウンロードするときのショップにコードを入れる場所があるでしょ?」


「おお、ここじゃな。

今までは普通にクレカで落としておったから気付かんかったのう」


「カード買ったり、何かの特典貰うとかじゃないと見ないからね。

因みにこの手のカードってレジを通して初めて受付できるようになってるらしいよ。

これを万引きしても使えないから、お店側にはリスクの無いありがたい商品だったって」


「それはナコ情報じゃろう?

コンビニの知識であやつに並ぶ者はおらぬからのう」


「あ、やっぱ分かっちゃう?

買ってしまったわけだし僕もコード入力してこようかな」


ユウはそう言って自分の買ったものをまとめて運び始めた。


「今日は何から何まですまんかったのう」


「そりゃお互い様だよ。

じゃあ、また後でね」


お互いに助け、助けられ。


こうして2人のいつも通りの日常は過ぎ去っていくのであった。

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