コンビニに行こう
「むむ……むむむ……」
マオが珍しくモニターの前で唸っている。
「そんなに唸ってどしたの?
何か問題でも起きた?」
「うむ、この間狩りゲーで大幅なアップデートがあったじゃろ?
それを入れようと思ったのじゃが容量が足りぬようでのう……何か消すしかないか」
「消してもセーブデータは残ってるからね。
でも、せっかくだしSDカード買って容量増やしたら?」
「容量を増やせるのかえ?」
「あれ、知らなかったの?
本格的な物は別に買いに行くとして、とりあえずの手段としてコンビニにでも行こっか」
「コンビニで買えるのかえ?」
「……マオって時々ポンになる時あるよね。
しょうがないなぁ〜教えてあげるから行こ!」
「コンビニなら……まぁ、今のままの格好でも大丈夫じゃろう」
マオは差し出されたユウの手を取って席を立ち上がる。
こうして2人は仲良く手を繋いで近くのコンビニにやってきていた。
「電気小物コーナーの……ああ、これこれ。
このMicroSDカードの……とりあえずは32GBあれば十分でしょ?」
「それはどのくらいの容量なのじゃ?」
「Switchの本体と同じくらいだよ。
とりあえずはこれで急場を凌いで、ネットで色々調べてみよう……あ、ついでにこいつも買っとこうかな。
マオもやるでしょ?」
ユウが持ってきたのは電子マネーカードの一角にあった物。
イカとタコが縄張り争いする事で人気なゲームの三作目に当たるダウンロードカードであった。
「珍しいのう。
普段はクレジットから引き落としてポチるだけではないか」
「ここに来なかったらそうしてたけどね。
コンビニのダウンロードカードって、専用の特典付いてる事多いし、ついでに買っておこうかなって」
「それなら一緒に買っておこうかのう。
何やらコラボの商品もあるようじゃしのう」
マオが指さした立て看板にはコラボをお知らせするポスターが貼ってあり、幾つかのコラボ商品がある事をお知らせしていた。
「うーん、ご飯は食べたばかりだからその辺りはパスかな。
折角だからデザート買ってみようか」
「これはインクの紫と黄色を表しているのじゃろうが、中々に毒々しい色をしておるのう」
「案外こういうのが美味しいかもしれないよね。
もう一個のイチゴ杏仁豆腐と一緒に買っていこうかね」
こうして2人は買い物カゴの中に適当に商品を放り込んでいくのであった。




