#パチスロを学ぼう 4
「ここまでの話でミリオンゴッドの恐ろしさを十分に理解出来たかと思います。
さて、ここまではマシンのスペック側の話ですが、打つ人間側にも焦点を当ててみましょう。
ミリオンゴッドは目押しが要らないという事で普段パチスロを打たない素人に人気がありました。
これは初めてスロットを打つ人から、毎日暇つぶしにジャグラーを売っているお年寄りです。
この人たちは一見共通点が無さそうですが、実際には大きな共通点があるために素人と括りました。
それが何か分かりますか?」
「似たような光景は幾らでも見ておるからのう。
つまりは引き際を知らぬギャンブル素人であろう?
鉄火場と呼ばれるハイリスク・ハイリターンを経験していない者達じゃな」
・なるほど
・確かに本気で賭け事したことない感じか
「その通りです。
マオさんの話で先に出てしまいましたが、ミリオンゴッドは初心者用の皮を被ったハイリスク・ハイリターン台……そうとも知らずにギャンブルの素人達はどんどんとお金を注ぎ込みます。
こうなると店としては放って置いても客が入るので設定を最低の1に落として放置する訳です」
「勝手に客がやってくるならサービスする必要はないもんね」
・ソシャゲも同じだな
・人気作ほど配布がショボい
「その通りです。
そして、このミリオンゴッドは時間効率が非常に良く、店側としては非常に美味しい台でした。
更にどんなにお金を吸い込んでも、適度に出るプレミアムがお客に還元しているように錯覚させますからね。
こうして鉄火場に慣れていない人達がお金を注ぎ込んだ先はどうなると思いますか?」
「間違いなく家の金に手を付けるじゃろう。
1発出れば良い、その1発で出たメダルで更にもう1発……実際にはそうはいかずに貯金すら無くなる。
そうなると次は借金じゃろうな」
・怖すぎる
・見事な転落人生やん
「その通りです。
結果、破産する人が続出しゴッド貧乏などと揶揄されるようになります。
興味深いデータとしてゴッドがどれだけお客の金を飲み込んでいたか分かる話があります」
「それは怖いけど面白そう」
「とあるパチンコ店では創業祭で赤字覚悟の大放出イベントをやったそうです。
この日は負ける人の方が珍しいお祭りだったのですが、ゴッドだけはハマるとどれだけ放出するか予想できず、予算を超えては困るので全台設定1で据え置いていたそうです」
・出る時はそれだけ出ると
・結局は設定の問題か
「予想が出来んのは確かに困るのう。
設定が良ければ爆発しそうじゃしな」
「結果的にこの店の1日の売り上げは黒字だったと言います」
・は?
・ちょっと待て
「えっと……ゴッド以外は予定通り赤字だった?」
「そうですね」
「つまりはゴッドで飲み込んだ分だけで店内の赤字を全て賄ってしまったという事じゃな……これは恐ろしい台じゃ。
それを素人は気付かずに借金までしてお金を注ぎ込むとは……」
・怖すぎる
・真実を知ると打てないな
「この事がきっかけでパチスロ業界は規制され、爆裂機は軒並み撤去される事になった訳です。
こうして五号機時代に突入するのですが……それはまた別の話としておきましょう」
「ありがとう、巫女先輩。
とっても分かりやすかったよ」
「うむ、大変勉強になったのじゃ」
「それなら良かったです。
では、私も配信を終えて心置きなく出掛けるとしましょう」
「え……まさか……」
「パチンコを打ってきますよ。
キリカちゃん見たいですからね」
・安定のパチカス
・シンフォ3かぁ
「う、うむ……行ってらっしゃいなのじゃ」
「じゃ、じゃあ今日はこの辺で……お、おつかれ!」
・おつかれ!
・おつかれさまです!




