夏のSPAの楽しみ方
SPAに来た2人は早速入り口で登録をし、全ての会計を記録するリストバンドを貰う。
更に室内着を借りれば気分も上がってくるというものだ。
「館内は冷房付いてるし、この室内着を着れば快適でしょ?」
「汗を流した後の楽しみとしては申し分ないのう」
こうして2人はロッカーに荷物と衣類を預けて産まれたままの姿となり大浴場に向かう。
先ずは流し湯で身体を軽く流してからシャワーに。
そこで軽く身体を洗った後は
「サウナ行こう!サウナ」
「外があんなに暑かったのにか?」
「サウナは別だって。
行けば分かるから」
そう話すユウに連れられてマオはサウナに向かう。
中は熱気がムンムンとしており暑いのだが、確かに外の暑さとは別種のものだと感じる。
数分もすれば身体中にじっくりと汗が浮かんでくる。
「むむむ……確かにここで出る汗は外のものとは違って気持ちの良いものじゃな」
「でしょ〜健康的な汗を出してるって感じがするよね」
サウナでじっくりと汗を出した2人は、シャワーに戻って本格的に身体を洗う。
先程と違い、さっぱりした表情をした2人。
「次は室内湯を堪能かのう?」
「ざんねーん。
この暑さだからこそ、外湯に行こう」
「お主のことじゃから何か考えがあるのじゃろうが……外のう」
「嫌そうな顔しないでほら!」
ユウが手を差し出したので渋々その手を掴んで外に出る。
外は先程と変わらない熱気を出しているのだが、
「ふむ?先程より少しはマシかの?」
「邪魔な服もないしね。
これでお風呂も気持ちよく入れるよ」
「確かにのう。
顔だけは外の暑さを、身体は風呂の熱さを味わうというのも悪くないのう」
「それでお風呂を堪能したら次はこっちだね」
ユウに連れられていった場所は湯冷ましの為のチェアーであった。
「……流石にこれは……」
「まぁまぁ、騙されたと思って」
ここまで外れていないユウの意見を信用してチェアーに座り寝転がる。
ジリジリと肌を焼くような日光が降り注ぐ……が、時折吹く風が2人の肌を優しく撫でていく。
それは肌の表面に溜まっていった熱を何処かに運んでくれているような、そんな気分にさせてくれる癒しの風であった。
近くからは鳥の鳴き声が聞こえ、遠くからは蝉の鳴き声もするが、それもこの空間の癒しに一役買っているようである。
暑いながら心地よい時間。
いつしか2人の意識は夢の彼方へと送り込まれていくのであった。




