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巫女の置き土産 3

「このゲームなんだけど、メインストーリーは置いといて目標としては街に隣接するダンジョンの制覇になるんだよね」


そう言ってユウが主人公を動かして街の外に出ると直ぐにダンジョンへと画面が切り替わる。


「ふむ、広大なフィールドがあるわけではないと。

つまりは、この街とダンジョンのみで物語が構成されていると言う事じゃな」


「そう言う事だね。

ダンジョン内には決められた場所にモンスターが配置されているんだけど、数がかなり多い。

それでいてアイテムのドロップ率もかなり高めに設定されているんだ」


ユウは説明しながら目の前の魔物を叩く。


魔物は一撃で倒されると何かのアイテムを落として消えていった。


「正に説明の通りじゃが……落ちたアイテムはパンかの?」


「食べると少し体力回復だね。

食べ物系だけでも三桁以上のアイテムがあって、殆どはこう言うゴミアイテムばっかりだよ。

あ、でも、ここでしか落ちない食べ物がサブクエストで必要になるパターンもあるから全部がゴミとは言えないかな。

特にお寿司系はMPも回復してくれるから便利だよ」


「そうなのじゃな。

MPと言えば主人公は剣士のように見えるが魔法も使えるのかの?」


「使えるよ〜ほら!」


ユウがキーボードーのボタンを押すと主人公が前方に向かって火の玉を発射する。


他にも周囲に氷の刃を生成したり、回復魔法を使ったりしていた。


「レベルが上がってもHPとMPが上がるだけで能力値は上がらないんだよね。

でも、GEMがレベルが上がるたびに3個貰えて、これ一個で好きな能力を上げれるんだ。

だから、剣士系にも出来るし、魔法使い系にも出来る。

この辺りのビルドが自在なのは良いよね」


「なるほどなるほど……見る限りは魔法使いにビルドしておるようじゃのう」


「あ〜それはちょっと攻略も見ちゃったんだけど、どうも魔法使い系極めないとキツいらしいんだよ」


「そうなのかえ?」


「ちょっと例を見せてみようか」


ユウはそう言うとワープ装置を使いダンジョンの奥に降りていく。


そこで敵の隙を突いて殴ったのだがダメージの表記がされない。


数回殴ったところでようやく一桁のダメージ表記が出てきた。


「これは弱すぎてダメージが出ておらぬのか?」


「違うんだな〜これが。

このゲームは命中率と回避率があって、命中をかなり上げないと当たらない仕様になってるんだよ。

命中率はDEXなんだけど、剣士は他にSTR、VIT、AGLも上げないといけないんだよね」


「当ててダメージ出すだけならSTRとDEXだけで良いのでは?」


「実はそうもいかなくて。

優秀な装備品って基本的に装備するのにステータスを要求してくるんだよ。

剣士系の場合はその4種を上げないといけないし、装備品は敵からのランダムだから、せっかく強い武器出ても能力が足りないなんて事もザラなんだよ。

逆に魔法使い系はINTとMND上げときゃ大抵は装備出来るんだよね。

あと、魔法は絶対必中」


そう言ってユウがステータス画面を開いて現在の装備を見せると、確かにどの装備もINTとMNDの要求のみであった。


「後は中級から上級の魔法は魔導書のランダムドロップなんだけど、これを覚えるのに上記の2つのステータスがいるんだ。

で、ランダムドロップなんだけど、実は最強魔法の魔導書はイベントで確定で貰えるんだよ。

だからそれを早めに覚える為に魔法系の能力に極振りって感じだね」


「なるほどのう……しかし、敢えてそれを使わずに進むなどの縛り出来そうじゃし中々に面白そうじゃな」


「いや〜これは良いゲームだったよ。

巫女先輩に感謝だね」


「話はよく分かった!

それでは……寝るのじゃ!!」


「え?……あ〜!!」


唐突に立ち上がって宣言するマオに驚きながら時計を見る。


既に時間は午前の4時を回っていた。


「幾らなんでも夜更かししすぎじゃ。

ほれ、今日は一緒に寝てやるからサッサと支度をするのじゃ」


「……そんな魅力的な提案されたら断れないね。

じゃあ、汗流してくるから待っててね」


そう言ってユウは上機嫌で部屋から出ていった。


その日の2人はぐっすりと寝過ぎて起きたのは夕方だったのは余談であろう。

今回のゲームはアボカドパワーズさんのD+VINE[LUV]


読み方はディヴァイン・ラヴだそうです。

初見では絶対に読めませんね。


元はPCのアダルトゲームですが、ドリームキャストに移植もされています。


今もなお色褪せない名作と言えるでしょう。

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