ユウとマオの東京観光〜イルミネーション編〜
後日、2人は早速出掛けることにした。
この時期はニット帽やコートを着れるためにマオの角や尻尾を隠すのが楽で良い。
ユウは白い長袖のシャツに黒い革のジャケット。
下はいつものジーンズである。
マオはピンクのシャツと赤のミニスカートに黒タイツ。
それらを覆い隠すように厚手の白いコートを上から着て、頭には白いニット帽を被っている。
「調べたら結構遠いところみたいだね。
電車、何回も乗り換えなきゃいけないみたい」
「それは仕方ないのう。
のんびり行こうでは無いか」
「それでここの名前の駅が2種類あるんだけど、そこから割と距離があるみたいなんだよね。
片方の駅はゴンドラに乗って進めるみたいだからそっちでいいかな?」
「おお〜それは楽しそうじゃのう。
是非そちらにしよう」
こうして2人は多くの乗り換えを超えてゴンドラ乗り場までやってきた。
「ここで券を買うんだけど片道券と往復券があるんだ。
帰りもこれに乗って帰るなら往復券でいいよね?」
「うむ、園の上を通るのであろう?
帰りは綺麗な光景が見えるのではないか?」
「そうだと思うよ。
バスもあるけど折角だからこっちに乗ってみたいよね」
ゴンドラは2人を乗せてゆっくりと進んでいく。
暫く進むと園内が見渡せる位置までやってきた。
「うわぁ、かなり広いところだね!」
「あの大きいコースターは何じゃ!?
うう、恐ろしいのう」
「ああ、あれがここの目玉・・・なんだけど今は点検中で運転休止してるんだって。
乗ってみたかったなぁ」
「妾はゴメンじゃな・・・もうそろそろ到着じゃな」
2人を乗せたゴンドラはゴールにたどり着く。
この後は折り返して行って降る客を乗せるのだろう。
早速、2人はチケットを買って入園する。
まだ日が高いせいか園内は疎らであった。
園内には様々なアトラクションがあり、2人をそれらを回ることにした。
特に実際の企業が協賛してお仕事の様子を体験しながら進めるアトラクションが2人には好評であった。
そうしてたっぷりと遊んで日も暮れて来た頃に園内のイルミネーションが点り始める。
完全に日が落ちると園内の姿は一新される。
赤、青、ピンクに黄色と様々な色のライトが灯り園内を彩る。
その光は一部の場所ではなく園内全域に広がっていた。
「わぁ、すごいね!
こんなに綺麗な景色初めて見たよ!!」
「うむ、本当に見事なものじゃな。
しかし、これだけの明かりを灯すのにどれだけのライトと予算がかかっておるのやら」
「そういうのは考えるだけ野暮ってものだよ。
あっちの方向が有名らしいから行ってみよう」
ユウはそう言ってマオの手を取る。
マオは手を引かれるままにそちらの方に向かって行った。
「おお〜これは見事なものじゃのう」
そこは夏はプールとして賑わう場所であった。
この時期はプールの周りに柵が建てられ、そこにライトが飾られてこの場所を幻想的に彩っていた。
奥に進むと噴水ショーが行われている場所がある。
2人がそこに向かうとタイミングよくショーが始まった。
「すっごく綺麗だね」
「本当にそれしか言葉が出ないのう」
2人はその光景を見ながら握る手に少しだけ力を込めた。
「来年もまた来たいね」
「来年も再来年も妾達の気がすむまで来れば良いじゃろう。
妾達はもう何にも縛られてはおらん。
ここにおるのは勇者と魔王ではなく、職業が配信者の一般人2人じゃからな」
「そうだよね!
私もマオにも使命なんて無いんだから自由なんだよね。
・・・うん、また来年も来よう」
「うむ、それに他の場所にも行こうではないか。
せっかくのこの世界をたっぷりと楽しまぬとな」
その後も2人は観覧車に乗ったり、光のトンネルを潜ったりとイルミネーションを満喫した。
帰りのゴンドラに乗っている時も園内はキラキラに光っており、2人を見送っているようである。
その光景を見てまた来年もここに来ようと固く握った手と共に誓うのであった。
〜オマケ 帰りの電車にて〜
「イルミネーションが綺麗なのは良いが・・・」
「乗り換えが大変だよね」
「遠いんじゃよなぁ・・・まぁ、都内にあのような大きな物を作るのも不可能なんじゃろうが」
「行きは良いんだけどね〜帰りの疲れてる時は大変だよ」
目玉コースターはこの間行ったら運休中だったのでここでも運休にさせていただきました。
電車は新宿からなら一本で行けますが、池袋からだと乗り換えが必要です。
そもそも、新宿や池袋の時点で山の手線からの乗り換えが発生しているんですけどね。
その苦労が報われるレベルに綺麗なのでこの時期の特にデートにおススメです。




