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混雑ドームと秘密の場所

展示会を後にした2人はドームシティ内で食事を取るべく彷徨く事にした。


「それにしても何処もかしこも人でいっぱいだね」


「ライブをやっておるからのう……こりゃ、フードコートも洒落にならぬのでは無いか?」


ドームのフードコートには世界的に有名なラーメン店や、味も値段も一流な高級焼肉店など、有名な店が多数入っている。


「偶には普段と違うものにする?」


「お、ここなど立地的に外れておるから空いているのでは無いか?」


真央がマップを見ながら指した場所はチゲ鍋の定食を出す店であった。


「確かに食べた事ないし見た感じ空いてるからここにしよっか」


「うむ、偶には違う店も良いじゃろう」


こうして初めての店に入ったわけだが、外れにあった為に予想通り人は少なかった。


「人は少ないけど僕たちみたいな女性客が多いね」


「それに合わせてあるのか分からぬが、店内は清潔でお洒落じゃのう。

メニューも具材から辛さまで細かく選べるのが良いのじゃな」


こうして注文したメニューが運ばれてきたのだが、その間の会話の内容は当然ながら先程の展示会であった。


「いや〜無料期間に合わせて急ぎ足で読んだけど、それを復習出来た気分だね」


「あちこちにある作者のコメントも良かったのう。

拘った部分も見えてきて読み応えがあったわ」


「でもさ〜ぶふっ!!

あ……あの、最後の絵は反則でしょ。

写真NGなのが惜しすぎるよ」


「作者のどすけべマタギに対する愛に溢れた一枚じゃったのう。

正直、あれ一枚だけでも価値があると思うのじゃ」


「どれだけマタギの身体をムチムチにすれば気が済むんだろうね。

いや〜本当に最高だった」


「全くじゃのう。

さて……次は何処へ行こうか?」


「辛いもの食べたから次は甘いものにしない?

ほら、ここに来る途中にあったじゃん」


「それは名案じゃな!」


こうして2人は有名なアイスチェーン店へと足を向ける。


中で少し並んでいたのだが、店内の飲食スペースが埋まっていたので注文して受け取っての流れになっており、2人の順番は思いの外早くやってきた。


「僕はね〜シングルで歯磨き粉味にしようかな」


「……ああ、チョコミント味じゃな。

それは他人に言われて怒る言い方で、自分で言うものでは無いのでは?」


「いいのいいの〜言わせたい奴には言わせておけばいいし。

僕はそうは思わないからネタに出来るって話だよ」


「自分が美味いと思うことが大事じゃからな。

しかし、外は見事に人で溢れておるのう」


時刻は16時に差し掛かってきた所。


ドームシティ内は更にライブ目当ての客が詰めかけており、腰掛けるスペースすら無い有様であった。


「どうする?もう帰る?」


「うーむ……そうじゃ!

最後にあそこに行かぬか?

あそこなら人は少ないと思うのじゃよ」


「あそこ……ああ、前に行った所だね」


まだ帰る気分では無かった2人は、マオの提案でとあるスポットに遊びに向かうのであった。

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