黄金の展示会 2
はい、予約投稿失敗です。
誤字報告受け付けました。
ただ、今回は余計な字が入ってしまっただけなので訂正ではなく、その文字を削除するという対応をさせて頂きました。
報告はとてもありがたく嬉しく思っております。
ヒグマの剥製に目を奪われた2人は改めて周囲を見渡す。
最初の展示場は各キャラクターの説明と、そのキャラにまつわる名シーン、更にはそのキャラの持ち物が実際に展示してあった。
「これって漫画の展示会ってだけじゃ終わらないね」
「うむ……当時の陸軍やアイヌの文化財を見る機会としても優れておるのう。
特にこのヒロインのアイヌ装束や装備一式は実に見事なものじゃ」
「横に飾ってある漫画もまだ普通に美人だった時のやつだね。
ここから段々と変顔に……」
ユウ達の視線の先には第一話が描かれており、そこにはとても顔の整った少女が描かれている。
その横では、坊主頭の男のコーナーがあった。
「出た、脱獄王!
最後まで最高だったよね」
「うむ、元になった人物がおるとはいえ、ここまで見事に物語のムードメーカーになるとは思わなんだ」
「脱獄王が居なかったら作中のムードがかなり落ち込んじゃってたよね。
逆に言うとこいつが居るだけでシリアスシーンでもギャグを入れれるの本当に強かったよ」
「何をしても許されるキャラクターじゃからな。
次は……うむ……ああ、なるほど」
通路の先の展示物を見たマオは一人納得しながらそちらに向かっていく。
「どうしたの……って、ああ。
作者お気に入りのどすけべマタギか。
あ、反対側にも展示物があるんだ!
こっちは山猫で使っていた銃まで飾られてるじゃん」
「此奴はなぁ……最後まで歪んでおったのう。
作中で最も理解できぬキャラであったよ」
「嫌いにはなれないんだけどね。
歪んだ理由は納得出来るし、人間はそんなに綺麗じゃないって言いたくなる気持ちも分からなくはないし」
そう呟いたユウの瞳が一瞬だけ遠くの方を見ていた。
勇者としてかつて自分がいた世界を隈なく旅した彼女の事だ。
人間の汚い部分を知る機会は多数あったのだろう。
「ユウ、まだまだ先はあるからつまらぬ事は忘れて楽しむのじゃ」
全てを察したマオがユウの手を持って先へと促す。
「ははは、そうだね……ありがと」
「何のことか分からぬのう。
ほれ、次のコーナーは網走監獄じゃよ。
ここでは作中で出てきた様々な囚人がいるようじゃな。
この中で妾のお勧めといえば……」
「教授?」
「流石にそれはないじゃろう。
あの回は最高に笑ったがのう」
「ギャグに振り切った時のテンションが凄いよね。
シリアスもギャグもどっちも高いレベルで成立させてるから凄いよ」
こうして2人は作中の名シーンを語りながらも各展示物をスマホで撮っていく作業に勤しむのであった。
こちらの展示会はお値段1800円と中々ではありますが、決して損はせずに満足出来る内容だと思います。
東京の後は全国を回るらしいので、原作読んでいる方は是非遊びに行ってみてください。




